極悪な奴ら/THE EVIL HERO   作:早乙女

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第36話「生徒会」

 

次の日の昼休み、私は教室で珍しく昼食を食べていた。まあ、ここは自分のクラスではないけどな。

 

「サクラさん」

 

「・・・何?」

 

「甘そうなものばかり食べてますけど、体に良くないんじゃないですか?」

 

向かい側で一緒に食べている金髪の元シスターがうるさい。

 

「オレが何を食ってようとオレの勝手だろ。余計なお世話だ」

 

「そういえば、サクラってさぁ。ケーキばっかり食べてるよね。太らないの?」

 

アーシアの隣に座っている眼鏡女子―――桐生藍華が話しかけてくる。

 

「・・・別に」

 

「それって太らない体質って言うんだよね。いいなぁ、そういう女の子の憧れの体質。私もそういう体質に生まれたかったな~」

 

私の体は『燃費』がいいからいくら食べても腹は膨れないんだよ。まあ、元々少食だから特に気になりはしないが・・・。

 

この眼鏡女子はいわゆるアーシアの友人だ。兵藤といないときは大抵、コイツと一緒にいることが多い。

 

まあ、それはそれとしてアーシアが心配そうな顔を私に向けている。ウザい。

 

「で、でも、最近は寝てばかりいますし、テスト勉強もできているのでしょうか? あと親しい友人がちゃんといるのかどうかも心配になりますし・・・」

 

お前は私の母親か何かか? 悪魔としていろいろと心配になりそうなお前に心配されても説得力がないぞ。

 

私はケーキを箸で摘むとお返しと言わんばかりに、淡々と呟いた。

 

「お前こそ、チンタラしてると処女を取られてしまうぞ」

 

「しょしょしょしょしょ、処女!? なななななな、何て卑猥なことを言ってるんですかぁ!?」

 

アーシアが顔を真っ赤にして取り乱している。何、処女と言われたぐらいで顔を真っ赤にしてんの? お前のほうが卑猥だよ。

 

私は反応を見て、笑みを浮かべると言葉を続ける。

 

「何だよ、顔を真っ赤になんかして。感じてるのか?」

 

「ち、違います!」

 

「とぼけるなよ。昨日は気持ちよかったんだろ?」

 

「違いますってばぁ!!」

 

・・・何だ違うのか。つまんない。アーシアをからかうのは面白いけど。

 

「何々ー? アーシアったら貞操を狙われちゃってるの?」

 

「き、桐生さんは知らなくていいです!」

 

「それがそうなんだよな。昨日なんかあの莫迦と一緒にベッドの上で―――」

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 言わないでくださいぃぃぃぃぃ!!」

 

桐生が興味津々だったから教えてやろうとしたのに、アーシアの悲鳴で遮られた。

 

「つまんないなぁー。アーシアのあんなとこやこんなとこを聞けると思ったのに」

 

「あー、あー、私は何も聞こえてませーん!」

 

桐生が残念そうな声を出すと、アーシアは聞こえないふりをしようとしている。

 

「チッ」

 

「ああ!! 今、舌打ちしましたね!?」

 

・・・聞こえてるじゃないか。騙した罰としてもっとからかってやる。

 

「したから何だよ、淫乱女。あれがお前の素直な感情だったんだろ?」

 

「違いますぅぅ!!」

 

「照れるな、照れるな。本当は『ピー』なことをしたいくせに」

 

「も、もう、もう私が、私が悪かったですっ・・・だから、やめてください!! あぅぅぅぅぁ・・・」

 

私の言葉責めに、顔をトマトのように真っ赤にしてアーシアが叫ぶ。目に涙なんか浮かべちゃって・・・本当に可愛い顔をしてくれる。

 

昨日も大ウケだったぜ。まさか、私のあの行為の後に兵藤を襲おうとしていたとはなぁ。しかも、兵藤の服を引き剥がして体にキスを何度もしたと聞いている。本当に中身は淫乱女だな。心は汚れている・・・。

 

・・・まあ、これもそれも私が途中から体に刺したアンプルが原因なんだけどな。エレンが気持ちいいことを求めるような欲求に駆られる薬だと教えてくれた。私はリビングにいたので直接は見ていなかったが、使い魔のドワーフが隠しカメラで撮ってくれたビデオを見て私は笑みが止まらなかったぜ。

 

それを薬の副作用で記憶の無いアーシアにスマホを通して見せたところ、顔を著しく真っ赤にしてこの反応ってワケ。ホントにカワイイ。

 

エレンの作った薬もたまには私の暇つぶしの役に立ってくれる。

 

ククク・・・アーシアはやっぱり面白いな。おかげで日常と昼休みが退屈しない。

 

ガラガラガラ!!

 

「サクラちゃん!! やっと見つけたぁ!!」

 

・・・チッ。あのうるさいヤツが来たか。

 

泣き顔の少女―――ハルカが私のほうへ近づいてくる。

 

「酷いよサクラちゃんったら!! 応急処置もしないでどっか行っちゃうなんて!!」

 

「・・・あのとき死んでれば良かったのに」

 

こんなヤツ、保健室に連れていく価値も無かったしな。コイツが勝手に絡んでくるだけで別に友人だなんて思ったことも無い。

 

そもそも・・・・・・・。

 

「お前が餅を不用心にがっついて喉に詰まらせるのが悪いんだろ」

 

「だからって首を絞めるって解釈おかしいでしょ!? 苦しくて苦しくてホントに死ぬかと思ったよ!!」

 

・・・本気でそのまま死んでれば良かったのに。

 

「お前が誘ったんだろ。首の前でクルクルと手なんか回して」

 

「そういう意味じゃないよ!! 喉を詰まらせたのを訴えたかったのにぃ!!」

 

「だったら蚊の鳴くような声なんか上げないで、そう言えばいいだろ」

 

「喉を詰まらせてるんだよ!? 声なんか出るわけないじゃん!!」

 

一々反論してうるさいヤツだな。口で言わなければ分かるワケないだろ、この莫迦は・・・。

 

「こ、こうなったら、苦しめられた分悪戯して―――」

 

「ふんっ!」

 

「ブフェッ!?」

 

もう何を仕出かすのか想像が付いていたので、私は拳を顔面に叩き込んで沈めた。

 

床にうつ伏せで倒れ込んだハルカ。ようやく静かになったな。

 

「サ、サクラさん、そちらの方は・・・?」

 

「キャンキャンとやかましい犬だよ。相手にするとうるさいから気にするな」

 

「その子ってシキと同じクラスのハルカさんだよね? 何で床で寝てるの?」

 

「知るか」

 

私は話したくもなかったので、一蹴した。必要以上に構ってくるヤツは嫌いだ。

 

そういえば、この教室にもやかましいヤツがいたな。後はそれに該当する3莫迦の不愉快な会話がいなければ、最高なんだけどな。

 

「今日も部活か?」

 

窓側の席にいるエロ坊主―――松なんとかがカレーパンを片手に兵藤に話しかける。

 

「ああ、球技大会に向けて練習中ですよ、俺ら」

 

「オカルト研究部がボールかよ。でも、お前んとこの部員って全員身体のスペックが高いよな」

 

「まあな」

 

ドベの兵藤の身体能力が高いかどうかは置いておいて、そりゃみんな人外だからスペックが高いのは当然だろ。

 

「イッセー、おまえな。変な噂が流れているから気を付けろよ」

 

「な、何だよ、元浜・・・」

 

エロメガネの・・・なんだっけ?・・・まあいいや。メガネが話を切り出したように言う。

 

「美少女をとっかえひっかえしてる野獣イッセー。リアス先輩と姫島先輩の秘密を握り、裏で鬼畜三昧のエロプレイを強制し、『気品溢れるお嬢様が俺の前では卑しい顔をしやがって、この雌豚がぁぁぁっ!!』と罵っては乱行に基づく乱行」

 

「うぉい!! な、なんじゃ、そりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

・・・エロスイッチの入っている兵藤ならやりそうなことだが、それはそれで凄い噂だな。笑える。

 

「まだ続きはある。ついには学園のマスコットアイドル塔城小猫ちゃんのロリボディにまでその毒牙が向けられる。小さな体を壊しかねない激しい性行為は天井知らず。体を貪る一匹のケダモノによって可愛い少女の身体は限界を迎える。『先輩・・・もう、やめてください・・・』と虚ろな目で訴える儚げで切ない声もその野獣の耳には届かない―――」

 

さっきから聞いてれば、兵藤が酷いことをしているみたいだな。本当にやりかねなそうで逆に面白い。

 

私が水筒の抹茶を啜る中、メガネの言葉は続く。

 

「その貪欲までの性衝動は転校したての一人の天使にまで及ぶ。転校初日のアーシアちゃんに襲い掛かり、『日本語と日本の文化、俺が放課後の特別講習で教え込んでやろう』と黄昏の時間に天使を堕落させていく―――」

 

私は抹茶を飲みながら、メガネの莫迦な妄想をせせら笑っていた。昨日は逆の立場だったけどな。

 

「そして挙句の果てには、クールで清楚な桜にまで乱暴を働いて己の雌犬にしようとする。着物姿の少女の纏うものを引き剥がして首輪をつけ、涙目で睨む彼女に『躾のなっていない雌犬め。いかにお前が俺のものであるかということを分からせてやろう』と更に鞭で暴行を加え、怯えた少女の顔を楽しむ―――」

 

「ブーーーーーーーッ!! ケホッケホッ!!」

 

とんでもない言葉を耳に入れた私は思わず、抹茶を吹き出し咽る。

 

「サクラ、どしたの?」

 

「サ、サクラさん、どうしたんですか?」

 

桐生とアーシアの言葉よりも、あの莫迦の世迷言のほうが気になった。誰だ、そんな噂を流しているのは・・・?

 

「ついには自分の家にまで囲い、狭い世界で始まる終わりの無い調教。鬼畜イッセーの美少女食いは終わらない。―――とまあ、こんな感じか?」

 

「マ、マジで? 俺、周囲にそんな風に見られてんの?」

 

兵藤に向ける視線は何ともないとして、私は莫迦2人の話に耳を傾けている。本当に誰がそんな噂を流しているんだよ・・・?

 

「まあ、俺たちが流しているんだけどな」

 

「うんうん」

 

・・・ほほう、噂の発生源はあの足りない脳味噌二つからか。まあ、大体分かってたけどな。しかも、悪びれた様子もない。

 

ゴゴゴゴゴゴゴ・・・。

 

「えっ、サ、サクラさん? 何やら黒いオーラが・・・」

 

私は無言で椅子から立ち上がるとその座っていた椅子の背を掴み、メガネのほうに目掛けて放り投げた。

 

「痛いぞ、鬼ちぶわぁっ!?」

 

ガッシャァァァァン!!!

 

無言で兵藤が殴りつけたメガネに直撃し、床へと倒れた。顔面に当たって眼鏡が割れ、鼻血が出たようだが、私にはどうでもいいことだ。

 

兵藤のパンチよりも痛いだろうな。ざまあみろ。

 

「元浜!? なんなんどぅぁぁぁ!?」

 

動揺してこっちに振り向いた坊主の頭に私が更に勢いを付けて飛ばした机が当たる。まぐれとはいえ当ててしまうとは、さすがは私。

 

当然、耐えられるわけがなく坊主も床に沈んだ。

 

「サ、サクラ!? お前何を!?」

 

「何って、決まってんだろ。そこのガタガタうるさい2人の減らず口を閉じてやっただけさ」

 

驚いている兵藤に説明しつつ、私は気絶した2人の元へ向かう。

 

「さてと―――」

 

私はまず、倒れている松田に近づくと腰の短剣を抜いて振り上げ―――兵藤に止められる。

 

「ストップストップ!! 殴った俺が言うのも難だけど、これ以上やったらマジで死ぬから!!」

 

「何で止めるんだ兵藤。この二人は一回死なないと莫迦なことを考えようとする頭が治らないと思うんだけど?」

 

「治るどころか、壊れちまうっての!! 戻って来れなくなるかもしれないからやめとげって!!」

 

「ククク、安心しろ。だとしても、オレの心は山火事よりも広いから、自分たちが生まれたこと、オレたちに会ったことを後悔させる程度に斬りつけてやるだけさ」

 

「それはマジで殺す気満々の人が言う台詞だから!! っていうか、何だよその例え!? とにかくやめろってぇぇぇぇぇ!!」

 

「そうか。ならコイツらの大事なタマでも取ってやるか。男より女として生きたほうが少しは薔薇色になるかもしれないしな」

 

「サクラさん、落ち着いてくださいぃぃぃ!!」

 

そこにアーシアが割り込んで私を止めようとする。・・・何かこんなこと前にもあったような気がするのだが、それはともかく余計なことを。

 

結局、振り解くのに疲れた私はこの莫迦二人をボコボコにすることができなかった。チッ。

 

ちなみに兵藤と木場のホモ疑惑もこいつらが流しているんだとか。面倒なことだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

放課後、俺とサクラ、アーシア、リリーちゃんの4人で旧校舎の部室へと向かっていた。

 

「それでね~。あのメガネザルったらね―――」

 

「ふふふ」

 

アーシアとリリーちゃんが楽しく談笑している。ああいう姿を見てると安心するんだよな。

 

・・・昨日のアレが無ければ、何も考えずにこの光景を拝めたんだろうけどね。

 

アーシアは今まで引き籠っていたことなど忘れたかのようにいつも通りの生活を送っている。今朝、登校しているときも俺と部長でアーシアに聞いたけど、アーシアは何のことを言っているのかわからない様子だった。

 

でも、気になっていないと言ったら嘘になるわけで・・・。俺はふとサクラに問いかけた。

 

「なあ、サクラ」

 

「・・・何?」

 

「アーシア、ホントに大丈夫なのか?」

 

サクラはアーシアのほうを見遣った後、俺に言う。

 

「お前はあの様子を見て大丈夫じゃないと言いたいのか?」

 

「いや、まあそうだけどさ・・・何か心配で・・・」

 

「少なくとも、お前の莫迦な頭で考えているようなことは起きないだろ」

 

「う・・・・・・」

 

『莫迦』という言葉に何も言い返せない俺。確かに俺はバカだけど、いちいち言葉の節々に毒舌かまさなくてもいい気がする・・・。

 

「そんなことはどうでもいい。それよりも――――」

 

サクラは話を打ち切って自分が話を誘導し始める。そうですか・・・俺の話はどうでもいいですか・・・。悪かったですね、くだらなくて。

 

するとサクラは俺に顔を近付けていく。思わず赤面してしまう俺。な、何する気なんだよ?

 

そんなことを思っていると耳元に口を近づけ、アーシアに聞こえないように囁いた。

 

「――――昨日は楽しかったか?」

 

「は?」

 

き、昨日・・・? 昨日の夜は確か、アーシアが突然おかしなことをし出して・・・!?

 

ま、まさか、あのことか!?

 

「な、何の話だよ?」

 

昨日のアレを振られて拒否反応のようなものを察知した俺はとぼけてみた。でも、動揺を全然隠せていない。

 

この日、初めて俺は嘘をつくのが下手だと悟った・・・。

 

当然、そんなことはクールな着物少女にはお見通しだった。

 

「とぼけるな。昨日はアーシアとキャッキャッウフフなことをしたんだろ?」

 

不敵な笑みを浮かべるサクラ。それを見て俺は昨日のアーシアの異変を察した。

 

「昨日のアーシアがおかしかったのはお前の仕業か!?」

 

「・・・そうだけど、それが何?」

 

「『それが何?』じゃねえよ!! お前、アーシアを慰めてたんじゃないのかよ!?」

 

『意味が分からない』といった感じに首を傾げるんじゃねえ!! 昨日、俺がどんだけ大変だったか・・・!!

 

「落ち着けよ、兵藤。で、感想は?」

 

「・・・興奮した・・・。って!何言わせんだよッ!?」

 

ちげぇよ!! どっちかというと戸惑ったよ俺は!! 女の子にあんなに迫られたことは無かったから!!

 

昨日の夜、サクラがアーシアは良くなったという感じのことを聞いたので安心しきっていた矢先のことだった。

 

就寝中、アーシアの俺を呼ぶ声が聞こえたので目を開けると、そこには俺の体に馬乗りになってこちらを恍惚とした表情で見つめているアーシアの顔が映った。

 

えっ!? どうなってんの!? っていうか、アーシアが何故ここに!?

 

男の俺にとってはムフフな状況だったが、アーシアが普段からそんなことをするはずがないと素直に楽しむことができなかった。

 

『ア、アーシア・・・?』

 

『イッセーさんイッセーさん。私と、イケないこと、しましょう?』

 

イ、イケないこと・・・? 何だか興奮するような言葉だけど、一体何されるの!? っていうか、何でアーシアが俺の上に!?

 

ハァハァと息遣いを荒くしながら、俺のパジャマの上を脱がそうとするアーシア。

 

『お、おい、アーシア。どうしたんだよ? やめろって・・・!』

 

『イッセーさん・・・私、もう我慢できないんです・・・』

 

が、我慢できないって、何が!? 物凄い卑猥な何かを感じるんだけど!?

 

いや、それよりも! アーシア、パジャマを脱がそうとしないでぇ!!

 

パジャマの上を脱がされまいと抵抗する俺。それでもアーシアの脱がそうとする手は止まらない。

 

『イッセーさんと気持ちいいことしたい・・・イッセーさんと気持ちよくなりたい・・・イッセーさんと天国へ昇りたい・・・イッセーさんと一つになりたい・・・だから、イッセーさん・・・私を抱いてください・・・』

 

『お、おい! 下を脱がそうとするなって・・・!』

 

アーシア、どうしちまったんだよ!? いつもならそんな言葉、言わねぇのに!!

 

っていうか、力強ぇ! アーシアってこんなにパワー出せたっけ!?

 

俺は抵抗も虚しく寝巻の上と下を脱がされてしまった。女の子に迫られるとか嬉しいシチュエーションのはずなのに、おかしいことが気になって素直な気持ちになれない。

 

そしてアーシアは自分の服を全部脱ぎ捨てると、俺の体の上に寝そべってすりすりとし始めた。

 

『ア、アーシア・・・!』

 

『さあ、邪魔な服は取り払いましたし、一緒に気持ちいいことしましょう・・・』

 

おいおいおい! マジでやっちゃうのか!? ここでアーシアにあんなことやこんなことをされちゃうのか!?

 

なんてことを思っていると突然、俺の下半身に手を伸ばすアーシアの手が止まった。

 

『え・・・えっ・・・な、なんで、なんで私、イッセーさんの上に乗っているんですか? それになんで私、裸なんです、か?・・・えっ・・・えっ?』

 

アーシアは訳が分からないといった様子で戸惑っていた。まあ、どう考えてもアーシアの意思じゃないもんな・・・。

 

アーシアは状況を認識したのか、顔がリンゴのように真っ赤に染まっていく。

 

『いやぁ!』

 

アーシアは小さく悲鳴を上げると周りにある自分の服を慌てて取ると部屋を出ていったのであった。

 

・・・というのが、昨日の夜のおかしな出来事だ。

 

俺はその日、アーシアの行動が気になってほとんど眠れなかった。部長に知られなかったのが何よりも救いだったと俺は思う。

 

「お前、アーシアに何したんだよ!?」

 

「慰めてただけだけど、それが何?」

 

「絶対違うだろ!! 何で慰めてたはずのアーシアが、夜になって俺の部屋で淫乱なプレイをしようとするんだよ!?」

 

「へぇー、淫乱なプレイだと思ってたのか? お前も思考回路がピンク色なヤツだな」

 

「えっ、いや、その、ってそうじゃねえよ!! からかうな!!」

 

不敵な笑みを浮かべるサクラ。コイツ、全然反省してねぇ!!

 

その後も俺は追求としょうもない言い争いを続けたが、サクラがその度に不機嫌になっていった・・・。

 

「もうどうだっていいだろ、そんなこと。あんまりうるさいとぶち殺すぞ」

 

サクラが睨んできたため俺は黙るしかなかった。これ以上言ったらマジで殺されそうだ。

 

そんなやり取りをしている間に、俺たちは旧校舎の部室へと着いた。

 

部室に入るとそこには俺たち以外の部員が全員揃っていて、そこには更に部員じゃないメンバーもいた。

 

「生徒会長?」

 

サクラがつぶやいたが、そう。ソファに座っていたのは駒王学園の生徒会長様だ。女性の会長さんで厳しく冷たいオーラを発している知的なお姉さん。

 

彼女の名前は支取蒼那先輩、駒王学園の三年生で上級生だ。

 

日本人離れした美貌を持ち、学内では部長、朱乃さんと続いて三番目に人気がある。

 

「あらサクラさん、リアスと一緒にいたのですか」

 

「・・・いちゃ悪いワケ?」

 

「いえ、そういうわけでは・・・」

 

「だったら余計なこと言わないでくれる? ウザい・・・」

 

おい、サクラ!! お前、誰に向かって口を聞いてるのか分かってるのか!?

 

サクラはそんなことを気にする様子もなく、会長とは反対側のソファへと向かい座り込む。もう、俺が何を言っても聞かないから言わないことにするわ・・・。痛い目に遭いたくないし。

 

よく見れば、生徒会の関係者らしき男が一人付き添っていた。

 

「おいお前! 会長に向かって何だその口の利き方は!?」

 

「は? 誰だお前? 気配からして三流悪魔だよな? ソイツがオレに何のようなワケ?」

 

その男が俺の言いたかったことを代弁するかのようにサクラに食って掛かるも、サクラは無表情で返す。

 

「テメェ! 俺にそんな口聞いていいと思ってんのか!?」

 

しかし、その言葉が男を更に憤らせた。興味の無さそうに返されたから、そりゃ怒りたくもなるよな。

 

「お前はオレと同じ2年生だろ。生徒会だからって舞い上がんなよ、三流悪魔」

 

「さっきから聞いてりゃ三流三流って、俺は駒を四つ消費した『兵士(ポーン)』だぞ! 態度の悪いお前なんかよりも強いってことを証明してやるよ!」

 

「別にしなくていいよ。雑魚には興味ない」

 

「こ、この・・・!!」

 

男は拳を振り上げようとしたとき、会長が声を出す。

 

「サジ、お止めなさい」

 

「会長! 何で止めるんですか!? こんな態度のなってないヤツなんかに!!」

 

会長は書記の男を鋭く睨むとサクラに言う。

 

「サクラさん、ごめんなさい。サジは生徒会に入ったばかりなんです。お気を悪くしたのなら私が謝ります」

 

「・・・そう思うんだったら最初から黙らせておけよ。魔界でそんなことしたらぶち殺されるぞ。72柱の一人、ソーナ・シトリー(・・・・・・・・)とあろうものがさ」

 

いまのサクラの言い分からすると生徒会のメンバーももしかして・・・? 俺やオカルト研究部以外にも悪魔がいたってのかよ!?

 

驚愕している俺に朱乃さんが説明に入る。

 

「この学園の生徒会長、その真実の名前はソーナ・シトリー。上級悪魔シトリー家の次期当主様ですわ」

 

じょ、上級悪魔!? しかもシトリー家って!? よく分からないけど、グレモリー家やフェニックス家と同じくらいすごいってのは分かるぞ!

 

朱乃さんが更に説明してくれる。

 

「シトリー家もグレモリー家やフェニックス家と同様、大昔の大戦で生き残った72柱の一つ。この学校は実質グレモリー家が実権を握っていますが、『表』の生活では生徒会―――つまりはシトリー家に支配を一任しております。昼と夜で学園の分担を分けたのです」

 

そうだったのか・・・。っていうことは、生徒会のメンバーはまさか・・・?

 

ここで書記の男―――匙が再び口を開く。

 

「会長と俺たちシトリー眷属の悪魔が日中を動き回ってるからこそ、平和な学園生活を送れているんだ。それだけは覚えておいてもバチは当たらないぜ? ちなみに俺の名前は匙元士郎。二年生で会長の『兵士(ポーン)』だ」

 

匙が偉そうに言うと、サクラが再び口を開く。

 

「お前ら生徒会が動き回るのは当然の事だろ。何、偉そうに言ってるワケ? 下級悪魔の分際で」

 

「何だと!?」

 

「お前は一々、癪に障る言い方なんだよ。生徒会に入ったばかりのぺーぺーが虎を連れた狐のように威張んなよ。ああ、そんなんだから三流なのか、お前は」

 

最後の一言は笑みを浮かべながら言ったサクラ。その言葉に匙はサクラを睨む。

 

「ま、まあ、せっかく出会ったんだからさあ『兵士(ポーン)』同士仲良くしようぜ!」

 

俺はその場を諌めようとそう言ったが、匙はそんな俺の思いとは裏腹に溜息を付いた。

 

「俺としては変態3人組の一人であるお前と同じだなんてプライドが傷つくんだけどな」

 

「なっ、なんだと!」

 

こ、この野郎! せっかく人が歩み寄ろうとしてるっていうのに・・・!!

 

「おっ? やるか? 最近悪魔になったばかりだが、兵藤なんかに負けやしねえよ」

 

「ほざけ。戦場も踏んだことのない補欠要員が生徒会に入った如きで天狗になるとか、生徒会メンバーが可愛そうだな」

 

「ほ、補欠要員だと!?」

 

「ムッツリスケベのくせに・・・三莫迦と同じ顔してるからこそ納得がいくな。どうせ女の裸も見たことないんだろ」

 

「う、うるせぇな! 今は関係ないだろ!!」

 

「そうやって誤魔化すのは自覚してる証拠だろ。スケベ加減も兵藤と残りの莫迦二人と大差ないな」

 

「な、何で俺の名前が出てくるんだよ!?」

 

完全にトバッチリじゃねぇか!! 俺はまだ何も言ってねぇのに!!

 

「もう許さねぇ! 言わせておけば!! ぶっ飛ばしてやる!!」

 

匙が拳を振り上げ、サクラに殴りかかろうとした。

 

「・・・ギャーギャーうるせぇんだよ、下僕の分際で。少しは自分の立場を弁えさせる必要があるなぁ?」

 

その瞬間、サクラの空気が変わった。サクラは低い声で不敵な笑みを浮かべながら言い、立ち上がる。

 

ザワッ・・・

 

サクラの背中から十枚の翼が生え、赤いオーラを放たれる。

 

ゾクッ・・・!!

 

俺はそのオーラに当てられたのか、凄まじい寒気に襲われた。サクラってこんなに怖いものだったっけ?

 

それに背後を見れば、リリーちゃんが目を細めているのに気付いた。サクラにあんな態度を取っている匙に怒りのオーラを露わにしているのだろう。

 

「なっ・・・?」

 

一方、匙のほうに視線を向けるとオーラに当てられて膝を着き、動けなくなっていた。

 

周囲を見るとアーシアが体を震わせ、部長や他のオカルト研究部のみんなも冷や汗が滲み出ていた。

 

「サクラ、その辺にしたら? みんな辛そうだよ」

 

唯一平気なリリーちゃんがサクラを諌めようとする。その言葉にサクラは舌打ちをするとオーラを収め、翼を引っ込めた。

 

「これで分かったか? この程度のオーラに耐えられないお前は三流なんだよ」

 

サクラはそう言うとソファに座り込み、足を組んだ。

 

「ク、クソッ・・・!」

 

「サ、サジ、お止めなさい。今日、ここに来たのはこの学園を根城にする上級悪魔同士、最近下僕にした悪魔を紹介しあうため。つまりはリアスのところの兵藤くんとアルジェントさん、それとサクラさんとリリーさんを合わせるための会合です。それにあのまま私が止めなかったら、あなたは燃え滓になっていましたよ。私の眷属なら、私に恥をかかせないこと」

 

会長はサクラに視線を向けながらそう言っていたが、会長の顔にも冷や汗が出ていた。相当、今のオーラで参っていたのだろう。

 

会長はハンカチで汗を拭いながら続ける。

 

「それにサジ、今のあなたではこの二人には勝てません。フェニックス家の三男を倒したのはこの二人なのだから―――兵藤くんが『兵士(ポーン)』の駒を6つ消費したのは伊達ではないと言うことです。それにサクラさんは鳳凰の力を身に宿している『神殺し』と呼ばれていて、驚異的な破壊力を持つ魔剣を所持しています」

 

「駒を6つ!? それにフェニックスをこいつらが!? それに風花があの鳳凰の力を!? ま、まあ、あのオーラを見れば風花は納得いくけど、ソイツは信じられません!!」

 

会長は俺たちへ頭を下げる。

 

「ごめんなさい、兵藤一誠くん、風花桜さん、アーシア・アルジェントさん、リリアンヌ・ダルクさん。うちの眷属はあなたたちより実績が無いので、失礼な部分が多いのです。よろしければ同じ新人同士も含めて仲良くしてあげてください」

 

「・・・そこの礼儀のなってない奴よりは、アンタのほうがマシかもな」

 

サクラは不敵な笑みを浮かべてそう言う。

 

「サジ」

 

「は、はい!・・・よろしく」

 

匙は渋々ながらも俺に頭を下げていた。どう見てもご不満な様子のある様子だったけど。

 

「はい、よろしくお願いします」

 

「まあ、よろしく・・・」

 

アーシアが屈託のない笑顔で、リリーちゃんは目を逸らしながら素気なく言葉を返す。

 

「アーシアさんとリリーさんなら大歓迎だよ! アーシアさん、よろしくね!!」

 

「え、ええ、はあ・・・」

 

「リリーさんもよろしくねって、あっいたたたたた!!」

 

「気安く触んじゃないわよ! レディの手に!!」

 

匙がアーシアの手を取りながら握手を交わし、その次にリリーちゃんの手に握手を交わすも、リリーちゃんは匙の手を大きく捻る。

 

リリーちゃんは相変わらず男には攻撃的だ。まあ、男嫌いだからそうしてしまうのも分からなくもないが、今の匙はどう考えても失礼だもんな。

 

俺はそんな匙の手を引き離して、思いっきり力を込めて握手をする。

 

「ハハハ! 匙くん、俺のこともよろしくね! つーか、アーシアに手を出したらマジで殺すからね!!」

 

無理に作ったにこやかなフェイスで言ってやった。

 

「サ、サクラさん? 一体何を・・・」

 

一方、サクラは会長の背後に移動をしていて、肩に両手を置いて首の後ろに顔を近付けている。一体、何をしてるんだよ、サクラは?

 

「何って品定めだよ。アンタがホントに上級悪魔という器をしているかのね」

 

サクラはそう言うと前に移動して、何かを見定めるかのようにじっくりと会長の体を見る。

 

「おい! 会長に触るな!!」

 

アーシアのことで俺と揉めていた匙がサクラに対して怒鳴る。それに対してサクラは顔だけ振り向いて不機嫌そうな顔をする。

 

「うるさい。腰抜けは引っ込んでろ」

 

「ひゃっ」

 

それだけ言うとサクラは会長に視線を向けて、会長のおっぱいを下から触る。お前、なんて羨ましいことを・・・!!

 

ってそうじゃなくて!! 何、発情してんだよ俺は!?

 

「会長から離れろォォォ!!」

 

匙はその言葉に憤って拳をサクラへと打ち込むが、サクラは振り向きもせずに右手を背後へと繰り出した。

 

「グフォッ!?」

 

「邪魔だ」

 

裏拳を顔面に喰らった匙はそのままよろけて床へと倒れる。よく見れば気絶している。

 

「サ、サクラさん!」

 

「サクラ、お前それはやり過ぎだろ!!」

 

「ソイツがオレの邪魔をしようとするから悪いんだろ」

 

アーシアと俺が抗議の言葉を上げるも、サクラは全く意に介さない。サクラは邪魔をされるのが何よりも嫌いだ。でも、この仕打ちはないと思うけどな。

 

サクラは品定めとやらを終えたのか、会長から一歩下がる。

 

「会長、アンタにプライドっていうのはあるか?」

 

サクラが唐突に会長へと問う。

 

「私はこの学園を愛しています。生徒会の仕事もやりがいのあることだと思っています。ですから学園の平和を乱す者は人間であろうと悪魔であろうと異形の者であろうと許しません。それはあなたでもリアスでも、この場にいる者たちであっても同様のことです」

 

会長の言葉は俺たちや匙に向けられたものであるとすぐに理解できた。

 

ようするに学園生活を妨害する者は誰であろうと許さないということだな。この人は駒王学園をそれだけ愛しているということだろうな。

 

「ふーん」

 

会長の答えにサクラは感心したように声を漏らす。サクラは笑みを浮かべるとソファへと移動し席に着く。

 

「アンタは確かに上級悪魔の器だな。傲慢なフェニックスやグレモリーとは大違いだ」

 

サクラは不敵な笑みを浮かべながらそう言った後、無表情に戻す。さりげなく部長を貶したよな?

 

「だったらオレも言っておくぜ? オレの邪魔をするヤツはたとえグレモリー眷属でもアンタの眷属でも、友人や仲間を自称してるヤツでも、何の変哲もない一般市民だろうが容赦はしない。誰であろうと殺してやるだけだ。まあ、オレもこんな明るいうちから血生臭いことをする気はないがな」

 

サクラのその言葉は会長の言葉よりももっと単純だった。邪魔をするヤツは殺す――――ただそれだけのこと。

 

でも、その言葉だけでも俺は緊張感が漂うのを感じられた。何故ならサクラの目は本気だったから。

 

会長はその言葉に微笑を浮かべた。

 

「お互いのルーキー紹介はこれで充分でしょうね。では、私たちはこれで失礼します。片付けたい書類がたくさんありますので。サジ、起きなさい。戻りますよ」

 

そう言うと会長、サジは顔を抑えながら起き上がってそそくさと部室を後にした。

 

サクラは彼女が立ち去ったのを確認すると頭の後ろで手を組んで、眠りに入り始めた。ホントにマイペースなヤツだよな、コイツは・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

部室の外へと出たソーナと匙。

 

部室の扉を閉めた途端、ソーナの体から糸が切れたかのように彼女は膝を着いた。

 

「ハァ・・・ハァ・・・」

 

「か、会長!?」

 

まるでプレッシャーから解放されたかのようにソーナは息を荒げ、それを心配した匙が彼女に駆け寄る。

 

「だ、大丈夫ですか!?」

 

「え、ええ・・・まさか、あそこまでの力を持っているなんて、私も耐えるのがやっと、でしたよ・・・」

 

ソーナがそう言う。実は部室にサクラが入った瞬間に彼女の厳かなオーラに当てられていて、ソーナも精神的なダメージを受けていたのだ。あそこまで自分が耐えられたのは奇跡だったと思う。これが下の悪魔だったらプレッシャーに耐えうることができなかっただろう。

 

「風花、桜さん・・・彼女は只者ではないですね・・・。上級悪魔かそれ以上の力を宿しているとしか・・・」

 

「た、確かにサクラからはヤバいモノを感じましたけど、そこまで会長が気にするようなモノでは・・・」

 

ソーナはようやく調子を取り戻すと、立ち上がって掛けている眼鏡を直し匙に言う。

 

「サジ、それはあなたがまだ悪魔として未熟である証拠です。もっと鍛錬を続ければあなたも私やリアスのように彼女の力の器を感じることができるでしょう。心得ておきなさい」

 

「は、はい!」

 

ソーナの言葉を受けて、匙は返事をする。

 

二人は歩いて生徒会へと戻ろうとするが、ソーナは何か気がかりなことがあるように部室の扉へと振り向く。

 

「会長? どうしたんですか?」

 

「・・・何か妙でしたね。サクラさんとリリーさんからは違う何かを感じるような・・・」

 

「何かって、サクラは鳳凰ですよね? リリーさんは、何かを宿しているようには感じない普通の女の子のような気がしたけど・・・」

 

「そうではないのです。鳳凰ではなく別の、何か邪悪なものを感じるのですが・・・」

 

匙はソーナの言葉に首を傾げる。ソーナも疑問を持って思考するも答えは出ない。

 

「・・・まあ、気のせいでしょう」

 

生徒会の公務を思い出したソーナは考えるのを止めた。

 

後で考えればいいことだ。まずは終らせるべき仕事を終わらせなくては。

 

ソーナは心の中でそう思うとそそくさにその場を去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの会長、私たちの正体に気付いてるかもしれないな。

 

何故かは見れば分かる。私の顔を見ていたときに表情が一瞬険しそうに顰めたからな。

 

あんだけオーラを派手に漏らしてはそれも当然か。本気は出してないけど、それでも中級・下級の雑魚程度は抑えることができるからな。

 

もし正体を知ったら、アイツらはどんな反応をするだろうな? この前の勉強会ではあまりいい印象を与えられなかった気がするし。

 

・・・・・・・・・。

 

・・・まあ、どうでもいいか。私たちの正体を知ろうと、私たちの活動に変更はない。

 

このままもう少し、この町で遊んでやるだけだ。

 

それにしても、会長も黒だったとはな。品定めと称して血の臭いを嗅いでいたが、その芳醇な香りから大よそ見当が付いた。

 

アイツも、七人のうちの一人か。

 

まあ、それは妥当かもな。だってアイツも、グレモリーと同じで魔王の妹だからな。

 

上に話すと面倒なことになるかもしれないから黙っておこう。これ以上監視対象が増えても困る。

 

・・・いいな。アイツの血も美味しそうだ。臭いからして誘われるような香りだったしな。

 

今度、その血を頂くとしよう。そして私の中に落とし込んでやるのだ。アイツの悪魔としての力を・・・。

 

楽しみだぜ、ククク・・・。

 

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