バコォオオン
ドゴォオォン
双方の強靭で美しい
拳、脚が繰り出される。
美しい舞踏のように。
繰り出される蹴りを拳を裁き、弾く。
しかし、
やはり性能で劣る長門の方が若干押されている。
がしかし…。
「まだだ!まだ終らんぞ!!」
「この、諦めの悪いやつめ!」
一歩も引く気はないようだ。
そう、彼女が負けるわけにはいかないのだ。
かの大戦でも
自分が守りたかった物も護れず、
仲間が次々と敵に殺されるのを見続けた彼女は
これ以上何も奪われたくなかった。
いや、奪わせる気などないのだ。
どんなに優れた者でも、
攻撃の瞬間はわずかでも隙ができる。
「ふん!!!」
ドバコォオオォオォン!!
だから、
今度は私の番だ。
ビック7の力を見せてくれるわ…。
「ビック7の力を見るが良い!!」
バキイィッ
壁にめり込んだ武藏の腹に蹴りを叩き込む。
壁を貫いてしまったが
大丈夫だ。問題ない。
「んぐぁあ!!!」
しまった。油断した…。
お陰で武蔵の拳をもろに受けてしまった。
「…。大和型、なめるなよ?」
さすが世界最強最大の戦艦であり、
モンスターと呼ばれた武蔵。
しかし、
戦艦の力ってものは相手を傷付けるための物ではなく、
純粋に護りたい者を守るための力なのだ
だから、
私がこの長門が化け物(武蔵)に負けるわけなどない。
何も守るものも、
護りたいと思う存在も
その思いさえも
持っていない。
そんな独活の大木に負ける気などしない。
私は今、本当に初雁を木曾を提督を護りたいのだ。
こんな奴などに負けるわけにいかないのだ。
「ふ、ビック7の前に敵はない。」
跳んでくる拳、脚。
「どうした?
その程度でこの長門を倒せるとでも思っているのか?」
あの実験と比べれば全く痛くもないぞ。
「こいつ、化け物か?」
「お前が言うな。
私はお前とは、
背負っているものの大きさが重さが重要さが
違うんだよ。
見せてやろう。
これが本物の拳!」
ズドドォオォン
武蔵を殴り飛ばした。
「これが本物のけりだぁ!」
ドゴォオォン
蹴りとばす。
壁を数枚貫いて吹き飛ぶ
コツコツ、コツコツ。
優雅に進む長門。
ピタッ
目の前に倒れた少女を見下しながらいう。
「お前とは、背負っているものの大きさが
志が意志がそして想いが違うんだ。
私のこの長門の護りたいものに手を出そうとした
それが間違えだったな!!!」
顎を蹴りあげて意識を奪う。
脳が揺れれば、
人だろうが艦娘だろうが
駆逐艦だろうが戦艦だろうが
ビック7だろうが不沈艦だろうが
意識を刈り取られる。
「もう何も奪わせはしない…。」
彼女の呟きは、
誰の耳にも届くことはなかった。