黒井side
「本当に使えねぇ奴だなおまえ。俺の鎮守府には、使えない道具なんて置いとく場所ないんだよ。使えないゴミなんぞいらねんだよ。」
バキィッ!
「ご、ごめんなさい…。ゆ、許してください。」
謝れば良いって問題じゃねぇ。弱い奴は、弾除けに使ったり、腹いせに使ったりするがどちらにもこいつは使えねえ。
「よし、わかった。チャンスをやろう。」
「ありがとうございます。」
「沈むまで戦って来い。」
「へ?」
ドカッ‼
「う、うぐ…。」
「二度も言わせんじゃねぇ、カス。わかったら、とっとと逝きやがれ!!」
「は、はい…。」
ククク、その絶望感の漂うその顔、その顔が見たかったんだ‼
あんなチビ、俺の鎮守府にはいらない存在だ。弾除けにも使えねえ、そのくせ何故か沈まない。本当にうざったい奴だ。
一週間後
プルルルルル、プルルル
電話だ。誰だ?今、躾している真っ最中なのに…。
出てみたら、この前演習した鎮守府の提督だった。
ちょうど良い。こいつを試してみるか?
あぁ、そうしよう。
面白い事になりそうだ。
初雁side
今日も殴られた。しかも、沈んで来いってつまり私なんていらない、死んでしまえってことでしょ?
い、嫌だ 嫌だ 嫌だ。怖い。怖いよ。誰か、誰かぁ!!
千鳥ねぇ!真鶴ねぇ‼友鶴ねぇ!誰でも良い、なんだって良い。私をここから出して、助けて!!
目の前にいるのは、駆逐イ級が2体、戦艦ル級、レ級が一体づつ。
勝てない。殺される。怖い。
でも、頑張らないと…。こっちがいきるには…きっと相手が死ぬか、逃げるしかない。
私は、叫びながら攻撃した。無我夢中だった。
駆逐艦、それは水雷艇を駆逐するための艦。
戦艦、それは圧倒的破壊力と脅威的な防御力を兼ね備えた艦。
しかし、練度ならばこちらに分があるはず。あの提督に朝から晩まで、未成艦(イレギュラー)だからといって鍛えられたこの力。伊達ではない。
咆哮を上げながら、撃ち合う。
至近弾を浴びながら、前に前に進み、水柱に身を隠す。
艦載艇を放ち、相手の混乱を狙う。
魚雷を手に持ち、ル級に叩きつけて沈める。右腕がもげたが、関係ない。まだいける。
はずだった。
え!?
艦載機?!
なんで、なんで?あ、そうかレ級か……。終わった…。
頭を捕まえた。目の前には、オモチャでも見つけたかのような無邪気な笑みを浮かべるレ級。
グハァ!
腕をもがれた。
痛い。痛すぎる。死んでしまいそうです。
上に、放り投げられた。
次の瞬間迫る尻尾。そいつは、私の脚をもぎ取った。
その瞬間、私の意識は跡絶えた。