「終了‼」
「ん。」
「あ、起きた。」
なんで私は、提督に抱っこされているんでしょう?それにしても、身体中が痛い。演習にいたっては、途中から記憶がない。でも、負けちゃったと思う。だって、気絶してしまったから抱かれているわけで…。とにかく、嫌われるまえに怒られる前に謝ります。
「負けちゃいました。ごめんなさい。次こそ勝ちますからどうか、許してください。」
「べつに、勝ち負けはどうでも良い。あの夕立、何気に改だったから勝てないのは当たり前。そんな事よりも、演習の時貴女は、普通じゃなかった。相手の娘も。何があったの?」
「…………。」
「何に怯えていたんだ?」
ビクゥッ!!
突然、眼帯のお姉さんが割り込んできた。何この人。怖いんだけど。
「あ、ごめん。この娘は、今日の秘書艦の天龍さんです。」
「俺の名は、天龍。フフフ、怖いか?」
「はい…。」な、長門さん。助けて!
「長門は、ドッグの用意をしているから此処には居ないよ。ごめんね。それに、天龍なんて実際そんなに怖くないし優しいし何気に駆逐艦からの人気半端ないし。というか、ぶっちぎりの1位だし?」
「て、提督…。ン、まぁ、世界水準軽く越えてるしな?」
顔を赤くしながら答える天龍さん。ちょっと照れているみたいです。
天龍side
こいつの演習は、ヤバかった。双方の目から光が消え、何かに怯えているかのような顔をして、必死になって撃ち合っていた。
そして、魚雷を手に持って突っ込むところは、正直驚いてしまった。自爆かと思ったから。ときどき、手で魚雷を投げる奴はいる。ただ、あんなに近距離でやるやつは居ない。危険だからだ。
正気を失いかけたその目…。至近弾さえ気にしないその狂気。このままにしていたら、こいつは壊れる。そんな気がする。たくさんの駆逐艦達を見てきたから分かる。水雷艇といったって、結局はガキ。駆逐艦とたいして変わりはない。こいつは、一体何に怯えているんだろうか。提督は、どうするんだろう。
「あ、お姉ちゃん!!」
危ない危ない。柄でもなく思考の海に沈むとこだったぜ。
ン?いや、ちょっと待てよ…。
初雁の姉!?
そんなもんいるのか?しかも此処に?ンな訳ねぇだろ。では、幻覚?それも違う。さっきよりもこいつ、目が生き生きしているし。誰かを間違っている。
ふ、古鷹!?
重巡洋艦だぞ?どうやったら、水雷艇と間違えるのか?
まぁ良い。
「おーい、古鷹!ちょっとこっちに来い!!」
「は、はい!いま行きます!」
初雁の姉、千鳥さんは、敵の潜水艦に撃沈されるとき、古鷹さんと間違えられてしまったみたいです。(マジばな)