古鷹side
なんか、散歩していたら天龍さんに呼び止められてしまいました。天龍さんの腕には、若干震えながら私を見つめる少女(駆逐艦?)がいます。天龍さんが恐がられるのって、あまりないパターンですけどね。
その娘の言葉が聞こえました。
「千鳥ねぇ、千鳥ねぇだぁ~(泣)。」
千鳥ねぇって誰?
この娘の姉妹艦でしょうか。でも、この娘は…。うん、どうみても駆逐艦に見えます。駆逐艦でも、小さいくらいです。
「ごめんなさい。私は、重巡の古鷹です。千鳥さんではありません。」
「す、すみません、見間違えでした。そうですよね、水雷艇が貴女ほど大きいなんてありえませんし、水雷艇なんていうイレギュラーは、私だけで十分です。」
「失礼ですが、お名前は?」
「千鳥型水雷艇、四番艦の初雁です。」
道理で小さいわけです。そもそも、「艦」ですらないですし…。
ただ、天龍さん恐がられ過ぎじゃないですか?
「なぁ、古鷹耳を貸せ。」
「何でしょう?」
「なんか、俺めちゃくちゃ恐がられてるから代わりにこいつを入渠させてくれないか?」
まぁ、私も汗を流したいからついでにやってもいいかもしれません。
「はい。解りました。
初雁ちゃん、私と一緒にお風呂に行きましょう。」
「はい。ちど…古鷹さん。」
「フフフ、べつにお姉ちゃんって呼んでもいいよ?」
「ありがとうございます。古鷹ねぇ!」
抱っこして、お風呂に向かいます。
ガラガラガラ
ドアを開けると
「待ちくたびれたぞ。」
長門さんがいました。
「古鷹も一緒か。そうか、大丈夫なのか古鷹は?怖くないのか?」
「はい、古鷹ねぇは、怖くなんてないし、全然大丈夫です。」
古鷹「ねぇ」だと!?
なんだこのなつきよう。
うらやましい!うらやましいぞ、古鷹!!
「うらやましい(ボソッ)」
「「長門さん、心の声がただ漏れです!!」」
この後、めちゃくちゃ洗いっこした。
「ン、どうした?入れないのか?」
「大丈夫?入れますか?」
二人の声にはっとする。
「どうしたんだ?」
後から、天龍さんです…。
お風呂 天龍 お風呂 天龍さん
アアアアアア!!!!!怖い。怖い。怖い。怖い。怖い
沈められる。息ができない。殺される。怖い。怖い。助けて!助けて!もう、苦しいのは嫌だ!怖いのも嫌だ!死にたくない!
長門side
初雁の様子がおかしい。天龍が入っていたら、うずくまって動けなくなってしまっている。やはり、前の鎮守府で何かあったのだろうか。
「天龍、すまぬがちょっと離れてていてくれないか?」
「わかった。そうしたほうがよさそうだ。」
重度のトラウマを抱えているのか。
でも、天龍が恐がられてる。私と古鷹は大丈夫。つまり、向こうの鎮守府で天龍に何かをされたのだろう。
どうしたものか。
今は、とりあえず抱き締めてお湯にゆっくりとつけてやるくらいしかできない。