”創られた”少女と、自由な狩人   作:通行人 放浪

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ふむむ...とりあえずは、お茶漬けを片手に書いてきますよー!




少女の『力』

事務所から徒歩で数分程歩いた先には、かなり広い空地がある。

 

その空地には、段ボールや壊れた木箱など、不用品は散乱しているものの、人ほどの大きさの生物なら、数人隠すには充分すぎる程の広さがあるのだ。

 

 

 

 

―段ボールと言えば、過去に、段ボールを相棒とした、伝説の男が居たという。

 

話によると、自分の身長の数倍もある機械を、兵器を使ったとはいえ、破壊したとか...

 

機会があれば、その男とも一戦交えてみたいものだ。

 

 

 

 

 

空き地に近づく少女―リリアは、幾つもの遮蔽物に守られた中に居る『邪気』。

 

 

それを、完全に関知しているかのように、我を前に構えながら、『邪気』が発せられている所へと狂いなく一歩一歩寄って行く。

 

 

そして、少女から感じられるものは、『一片の恐怖』、そして『覚悟』。

 

それらの感情が着火材となり、リリアという小娘の眼には、変幻自在に感情の色を変える焔が渦巻いていた。

 

普通の、小娘の風貌くらいの華奢な体つきの少女が、宿していい目の色ではない。

 

 

だが、そんな感情を宿しても、小娘の両腕に纏われた謎の魔力は、途切れる事を知らない。

 

それほどの精神力は、持ち合わせているのだろう。

 

 

 

だからこそ、今、この小娘は―

 

 

 

―木箱に隠れている敵に、躊躇せず、袈裟斬りを叩き込む、というえげつない行動を、いとも容易く行えたのだろう。

 

 

「グギャァッ!?」

 

 

強襲を狙っていた魔物が、逆に不意を突かれ、一太刀が浅かったといえども、驚きと痛みに悲鳴をあげて体勢を崩す。

 

だが、小娘の攻撃は、それだけでは終わらなかった。

 

 

何の躊躇いもなく、地に膝をつきかけていた魔物の心臓部辺りを、一秒程度で三回刺突したのだ。

 

 

強烈な追い討ちに、成すすべなく、辺りに血を散乱させながら、魔物は絶命する。

 

 

「...ごめんね」

 

 

霧散していく魔物の血肉、そして、自分の白い服に付着した反り血を見ながら、小娘は祈るように瞑目した...

 

 

 

仲間が殺られた事に気が立ったのか、強襲を待っていた魔物達が、目をぎらつかせて、小娘の周りを包囲する。

 

 

軽く見積もっても十数体は居るだろう。

 

 

だが、少女は狼狽えない。

 

それどころか、我を片手で掴み直した小娘の眼光は、更に鋭くなっている。

 

 

「―これだけは使いたくなかったけど」

 

 

小娘は、取り囲む魔物を一瞥すると、小さく、吐息を吐いた。

 

 

そして、不思議なことに、我を掴んでいない方の手の、人差し指で、目の前の虚空に、何かの模様のようなものをなぞり、直後、小娘は、小さく何かを呟いた。

 

 

 

「arms―『Acceleration』」

 

 

 

『法式』を唱え終えた瞬間、小娘の足元で、何かが急激に凝固していく奇妙な音が、数秒間断続的に響く。

 

その音が止んだとき、気になった我は、小娘の脚を見てみた。

 

 

そこには、小娘の、純白の髪とはかけ離れた、脚の皮膚にグリーヴを履いたような黒い装甲が、膝の方まで固着していた。

 

だが、それは右脚だけで、何故か、左脚の方は、対になるかのように、白い装甲だ。

 

 

何故か、その両脚の装甲部分からは、リベラの『移行』と、似通ったオーラを感じる。

 

 

 

―この小娘のものは、我が感じた通りに言葉とすると、 まだリベラのものと比べると、全てに置いて『未完成も未完成』といったところだ―

 

 

 

桁外れに魔力の放出が多いため、燃費は最悪のようだが、『移行』に似通った能力...やはり、リベラの読み通り、ということか。

 

 

 

 

我がそんなことを考えていると、自分が振り回されているのに気付く。

 

そして、我自身の装甲で肉を裂く感触。

 

 

今の一瞬で、小娘は一体の魔物の懐に入った後、深く撫で切りしたのだ。

 

 

その後も、物凄い勢いで、矢継ぎ早に次の敵に近付き、横一文字に一刀両断、柄打ちからの連続刺突...

 

 

様々な攻撃で、数多くの魔物達を、辻斬りのように、次々と切り裂いて行く。

 

 

瞬く間に魔物は残り数体となり、最早、小娘の掌の上と言える戦闘だった、と思っていたのだが―

 

 

 

「...っ!はぁ...っ!」

 

 

 

―脆く、壊れやすい小娘の身体の限界は、『移行』して数分も立たずに、訪れた。

 

小娘は、脚部の装甲、両腕の魔力を全て解いてしまい、我を杖にするように地に突き刺し、もたれ掛かり、苦痛の表情で額に汗を滲ませながら、肩で息をする。

 

 

元々色白な小娘の顔色は、真っ青になっていて、それは如実に、魔力と気力を、完全に使いきった事を証明していた。

 

 

 

我を杖がわりにする体力も切れたのか、やがて滑り落ちるように、地面にうつ伏せに倒れ込む。

 

 

 

驚異だった敵が、急に何時でも殺められるようになったのを喜ぶように、魔物達は少女を嘲笑うかのように、ケタケタと嗤った。

 

 

 

 

 

「小娘―いいや、リリア嬢よ、よくぞここまで頑張ったものよ...」

 

 

 

我は、敬意を込めて、意識を失っているリリア嬢に、囁いた。

 

 

 

 

そして、我は、『強き少女』の手を離れ、本来の姿を『取り戻した』。

 

 

 

四本の手で掴んだ、大振りの愛刀が手に馴染む。

 

 

 

我は、一瞬リリア嬢の安否を確認するため見下ろすと、直ぐに魔物共の方に向き直り―

 

 

「強き者を嘲笑う、その穢れた魂...我が裂いてくれるわッ!」

 

 

 

堪えられぬ怒りに声を震わせつつ、我は四刀を、下衆共に、躊躇無く振り下ろした。




arms―武装する、ですね。

一度使ってみたかった。

後悔はしている、反省はしていない。



...戦闘描写苦手で、ほんとすみません...
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