厨二なボーダー隊員   作:龍流

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真価。試される時

 殺った、と確信した。

 テンポ、タイミング、隙の見極め。どれを取っても完璧で、これ以上は望めない一撃。

 ただ誤算があったとすれば……

 

(浅い)

 

 ……村上の反射速度が、一手ずつ積み重ねた龍神の攻撃を上回った、ということだろう。

 突き込んだスコーピオンの感触が、硬い。レイガストが剥がされると同時。頭部にシールドを集中展開した村上の即応に、龍神は内心で舌を巻いた。弧月、旋空、バッグワーム、そしてシールド。この土壇場で明かされた最後の主トリガーに、虚を突かれる。

 だが、所詮は苦し紛れの防御。仕留めるつもりで掌から放ったスコーピオンは、刃を小さく鋭く形成したこともあって、半透明のシールドを見事に食い破った。砕けた破片が宙を舞い、ブレードが村上の顔面の右半分を抉り抜く。そして、だからこそ浅いと確信してしまう。

 右目を貫かれたことを意にも介さず。仰け反ったような体勢から腹筋のバネだけで、村上の上体が起きる。トリオンの尾を引く潰れた右目とは対照的に、残された左目が爛と光る。その右腕が、弧月の鞘を強く握り込んだ。

 

(まずい)

 

 と、思った時には既に遅く。

 起動され、新たに生成された弧月の『柄』によって、顎が突き砕かれる。抜く暇はない、と考えたのだろう。だとしても、あまりに柔軟な対処だった。

 もしこれが生身だったなら、間違いなく顔が変形していたと断言できるほどの強烈な一撃。今度は龍神の方が大きく体勢を崩し、仰け反る番だった。右手、左手問わずトリガーを操ることができる村上は、そのまま左手で弧月を抜刀し、勝負を決めにかかる。

 

 決めさせて、なるものか。

 

 咄嗟に地面を蹴って、龍神は背後へ跳んだ。仰け反った状態、後ろにずらした左足で強引に得た跳躍は、村上から逃れるには足りない。その回避は予測していた、とばかりに弧月が振るわれる。

 故に空中、迫り来る斬閃を、龍神は意地と反射だけで蹴り上げた。

 

「……っ!」

 

 驚愕が、再び入れ替わる。

 罅が入ったスコーピオンを気にしている暇などない。一連の攻防の中で、既にレイガストの変形は完了している。大剣から短剣のサイズまで縮めたブレードを、龍神は横に薙いだ。顔面を抜いたスコーピオンに続き、急所となる首筋を執拗に狙ったレイガストは、しかし村上の左腕に止められる。

 どうやって? レイガストを握る龍神の手首を掴んで、である。

 スコーピオンの収納が間に合わない。脚に纏わせたスコーピオンを戻し、手首に展開するよりも、村上が再び弧月を振るう方が、明らかに早い。それが分かっているからこそ、村上の選択には迷いがなかった。ともすれば右手が断ち切られる可能性があることを、まったく気にしない。相手を殺し切ることだけを考えた、最善最短の一手。

 とはいえ、既にここまで詰めた時点で、こちらも防御は捨てている。

 ぐるり、と。龍神はレイガストを握る手首を返した。掴まれているせいでスムーズに動きはしなかったが、それでも刃先を村上の顔面に照準し、強く握っていた柄を手放し、そして、

 

「スラスター」

 

 トリオンの噴射が、村上の眼前ではじけた。

 

 

◇◆◇◆

 

 

 ボーダーのB級ランク戦は、様々な場所で観戦することができる。

 訓練生は観客席に赴き、実況、解説付きの試合を直接見る場合がほとんどだが、正隊員に関しては防衛任務の都合など時間の問題もあるので、この限りではない。自分達の作戦室に集まって対策をしながら観戦したり、後から映像データになった記録を見ることもある。

 そして中には、観客席でも作戦室でもラウンジでもない……リアルタイムで試合を見ることができる場所も存在する。

 

『如月隊長! 至近距離からスラスターを利用したゼロ距離投擲が炸裂!』

『でも、かわしたわね鋼さん。右目潰されてるから、結構辛そうだけど』

『今のは惜しかったが、如月としてはここで決めておきたかっただろうな』

 

 ガラス張りになったカウンターと、いくつかソファーが置かれたその部屋は、観客席を見下ろせる場所にあった。一部の幹部や正隊員しか利用しない静かな空間の中で、彼の悪態は一際大きく響く。

 

「……決めろ、アホが」

 

 不機嫌な仏頂面でソファーに腰を下しているのは、B級1位二宮隊隊長、二宮匡貴である。

 

「いや、でも今のめちゃくちゃ惜しかったですよね!? つーか、龍神も鋼さんもバチバチやりあってんな~。あのレベルの近接戦、A級ランク戦でもなかなかお目にかかれないっすよ」

 

 二宮を振り返りながらそう言ったのは、A級1位太刀川隊射手、出水公平。気難しい二宮が観戦を共にすることを許す、数少ない内の1人だ。

 

「だろうな。個人戦のレベルだけでいうなら、奴らの戦闘は見応えがある」

 

 二宮にしては珍しい素直な賛辞に、出水が得意気な顔になった。

 

「そうでしょ? 龍神のやつ、あれで結構やるんすよ。バカだけど」

「バカなのは知っている。というよりも、今回の試合を見て再認識した」

「ん? どういう意味ですか」

「そのままの意味だ。人数で優位を取っているにも関わらず、メガネの戦術に踊らされて、ちび大砲の砲撃を許した。対応に手一杯で、あのバカどもは戦術的に玉狛の上を取れていない」

「でも、玉狛第二は先に全員落ちちゃいましたよ?」

「それは結果論だろが。メガネが戦場をコントロールして、鈴鳴と如月は後手後手に回った。玉狛のメガネと大砲は、直接戦闘ではただの雑魚。まともに動けるのが白いやつだけである以上、そもそも玉狛の土俵に上がるべきじゃなかった」

 

 その土俵に乗ってしまった結果が、玉狛の4得点だ。

 

「龍神達だけじゃなく、玉狛にまで辛辣っすね。大規模侵攻の時、あのちびちゃん助けたの二宮さんだって聞きましたよ?」

「……関係ない。雑魚は雑魚だ」

「だとしても、あのトリオン量はヤバくないですか? 掠っただけで、来馬さん落としてますし。シールドで防ぎようもないから、あれに狙われるとか想像したくないんですけど」

「出水。バカに毒されて、お前まで目が曇ったか?」

「え?」

「あのちび大砲は人が撃てない。さっき得点できたのは、来馬が土砂に埋まって見えなかったからだ」

 

 どこぞの馬鹿と同じだな、と。口から漏れかけた呟きは、胸の内にしまい込む。

 

「はぁー。なるほど。そういうことか。二宮さん、やっぱりよくみてますね」

「……ふん」

 

 歯が浮くような褒め言葉に鼻を鳴らすだけで応じ、二宮はジンジャーエールが注がれたコップを手に取った。

 

「結局のところ、勝負の行方は村上と如月の一騎打ち次第。戦術の意味も何もない、くだらない試合だ」

「……そうですかね?」

 

 はじめて。

 二宮の言葉に頷き、感心するばかりだった出水が、その発言を疑問視した。

 

「俺はむしろ……ここからが、見所だと思いますよ」

 

 

◇◆◇◆

 

 

 戦いは、一定のテンポで繰り返すものではない。

 激しい応酬、技と技を競い合う『動』のあとは、互いの力を見極め、睨み合う『静』の時間がやってくる。

 手離したレイガストを再生成しながら、龍神は熟考する。

 

 必要なのは、殺しきるための『組み立て』だ。

 

 村上のダメージ。

 右目は全損。視界も封じた。セオリー通りに、死角になった右……対面する自分から見て左側から攻め込むのが有効だろう。が、逆に言えば瞳以外には大したダメージを与えられていない。先ほどの零距離スラスターも、初見でかわされてしまった。龍神の中では、あれで殺しきるつもりだった故に、正直対応されたのは痛い。

 こちらの手札。

 レイガストによる重さがのった斬撃は、既にタネが割れつつある。盾で受けている内にペースを完全に掴みたかったが、立て直されてしまった以上、効果はもう望み薄。受けることではなく、避けることを意識されてはレイガストの効果は半減だ。スラスターを絡めた斬撃で意識を散らすことは辛うじてできているが、龍神のトリオンも無限ではない。ガス欠になってしまえば、それでお終いである。

 

「なら……」

 

 大剣一本で戦う独特の構えを放棄し、龍神はレイガストをシールドモードに切り替えた。

 

「こちらでいくか」

 

 左手にレイガストを持ったまま。右手は無手の状態で、龍神は村上に仕掛ける。

 

「シールドか」

「そのスタイル、少し真似させてもらおう」

 

 対して、弧月とレイガスト。二つの刃を手にし、完全装備に戻った村上はあくまでも強気に龍神の突進を受け止めた。

 

「猿真似で、オレに勝てると思うのか?」

「思うさ」

 

 弧月とレイガストが衝突し、火花が散る。自分から距離を詰めたにも関わらず、村上の攻撃をさっきまでとは逆に……受けに回って、龍神は立ち回る。攻撃をいなしながら、バックステップを踏んで下がる。

 村上に言わせれば、その防御はまだまだ甘い。如月龍神という攻撃手は、どうしても防御より攻撃に偏重した……例えるなら、自分よりも影浦雅人に近い戦闘スタイルを好む。レイガストの取り扱い、特に『大剣』としての使用には目を見張るものがあったが、『楯』としての扱いなら村上に一日の長がある。

 弧月で攻め、レイガストで守り、テンポよく攻撃の主導権を握っていく村上。その眼前を、

 

「……おっと」

 

 スコーピオンが、駆ける。

 

「ちっ……読まれているか」

「そりゃもちろん。そういう組み合わせで使ってくることは、想定内だ」

 

 舌打ちを鳴らしながらレイガストを構えなおす、龍神の反対側の手には、伸び縮みする光刃。スコーピオンが顔を出していた。

 村上が弧月とレイガストの組み合わせを基本としているように、龍神もまたレイガストと別のトリガーの組み合わせを模索してきた……ということだろう。他人と戦い方が被ることを嫌う、如何にも龍神『らしい』チョイスである。だが、それも所詮は付け焼き刃。

 弧月とスコーピオンの打ち合いなら、耐久に優れる弧月に軍配が上がる。互いに構える『楯』は同じ。そして、村上と龍神のトリオン量はほぼ同等。

 

 ならば、負ける道理はない。

 

 スコーピオンが砕け、弧月を受け続けたレイガストにうっすら亀裂が入る。

 

「やはり……正面からでは、無理か」

 

 が、ここに至っても尚。龍神の表情に焦りはなかった。むしろ、ここからだ、と。そう言わんばかりの笑みが、

 

「『連光天舞』」

 

 加速する。

 スコーピオンを収納。グラスホッパーを踏み込み、横合いに跳躍。そこまでは、村上も読めた。

 

(コイツっ……!)

 

 さらに、起動されたのはスラスター。グラスホッパーを多重展開した特殊な高速機動『ピンボール』とはまた異なるテンポの高速移動に、村上の思考と対応はかき乱される。独特の機動戦と、瞬間のトリガーの切り替えを好む、龍神らしい合わせ技だ。

 着地し、村上の背後を取った龍神はレイガストを裏返すように振りあげ、ブレードモードにチェンジ。膝を大きく曲げた低い姿勢から、大振りのそれが牙を剥く。

 

(また、大剣……!)

 

 突きあげるように迫る剣先。と、同時に。

 油断を切り抜くように光刃を伴って伸びた足払いを、村上は空中への跳躍で回避した。

 

 これも、避けるか。

 

 口に出さずとも、龍神の口の間から覗く犬歯が、殺意を雄弁に物語る。

 高速機動で狙いを乱し、大振りの一撃……と見せかけてからの、下段の足払い。コイツ、本当に性格が悪いな、と村上は思った。

 

 そんなことを思うだけの余裕が、村上にはあった。

 

「スラスター」

 

 『もぐら爪』を使わなかったのは、先ほど弟子にその攻撃パターンを見切られたから。足を地面に縫い付けることを、嫌ってのことだろう。実に龍神らしい、経験を確実にフィードバックした、派手なように見えて理にかなった動きだ。

 しかし、最初から立て直しを考慮に入れた攻撃など……村上に言わせれば、甘すぎる。

 低い姿勢、足払いで伸ばした脚部。そんな状態で、スラスターによる加速を得たシールドチャージを受けて、ただで済むわけがない。受け身すらとる暇もなく、龍神の体は大きく吹き飛ばされた。強い衝撃に堪えきれず、レイガストがその手の中から落ちる。先ほどシールドを剥ぎ取られたシチュエーションと、完全に真逆。身を守る楯を失った龍神に、村上は肉薄する。

 取れる。そんな確信を村上が抱いたのも、無理はない。

 ただ、誤算があったとすれば、

 

「流石だな……鋼さん」

 

 それら全ての攻撃に、村上が対応してくることを。他ならぬ龍神自身が、誰よりも信じていた、ということだろう。

 自分1人では、No.4攻撃手に勝つことはできない。その事実を、龍神は正しく理解していた。

 

 

 

 

 

「だが……もう『一手』だ」

 

 

 

 

 

『鋼くん! 上方警戒!』

 

 瞬間、空中から飛来したのは十数発の弾丸だった。

 サイズとしてはそこまでの大きさではないそれらは、しかしサイズに見合わない威力を発揮し、着弾と同時に凄まじい爆発を撒き散らす。

 

(合成弾……これは、サラマンダーか!?)

 

 この状況で、そんなものを撃てる人間は1人しか残っていない。

 龍神はシールドをメインに展開し、スコーピオンを合わせて距離を詰めてきた。だが、その動きそのものが、いわばフェイク。攻撃を誘い、自身は防御重視の立ち回りに切り替えることで、追尾炸裂弾の射程距離まで村上を誘導したのだ。

 

「……やられたな」

 

 爆発の轟音の中で、村上は呻く。

 

 一騎打ちなどではなかった。

 

 最初から……如月龍神は個人戦ではなく、チーム戦をしていた。

 レイガストの使用には驚いた。思いも寄らないトリガーの組み合わせにも舌を巻いた。だが、村上が何よりも、もっとも驚愕を覚えた明確な龍神の『進化』は、間違いなくこの行動だった。

 追尾炸裂弾によるダメージは薄い。射程距離ギリギリから放ってきたせいもあるのだろう。狙いも甘く、弾もばらけたせいでそこまでの決定力はない。だからこそ、この攻撃はトドメではなく、こちらの意識を散らすための『布石』だ。

 事実、爆発による衝撃で、村上は龍神の姿を見失ってしまった。スコーピオンによる奇襲か、またレイガストとグラスホッパーの合わせ技か。あるいは……

 

「旋空七式」

 

 自身の、代名詞か。

 

「浦菊」

 

 高速の刃が、背後から襲いくる。

 

(やはり……『旋空』か!)

 

 居場所は掴めなかった。どこから来るかも分からなかった。ただ、予感と反射だけで、村上は龍神が放った旋空弧月をレイガストで止めてみせた。拡張された斬撃は、重く、深く、村上は堪らず立ち揺らぐ。その隙を見逃さず、龍神は一直線に、真正面から突撃した。

 弧月か。スコーピオンか。旋空か。レイガストか。

 どれでもいい。どれできても、一発止めて、反撃を叩き込む。回転する村上の思考はどこまでも滑らかであり、迷いなど欠片もなかった。

 

 けれど、

 

 

「……な」

 

 

 その回転が、止まる。

 左手に弧月。そして、右手に『レイガストのグリップ』を持って、突っ込んでくる馬鹿の姿を見てしまったが故に、戦闘に最適化されていたはずの村上の思考は、完全に停止する。

 

 まて。

 なんだそれは。

 

 龍神は、レイガストとスコーピオンを同時に使用していた。そして、弧月とスコーピオンの二刀流はもはや龍神の基本スタイルと言っても過言ではない。だから、弧月とレイガストは共に『主トリガー』にセットされているはずだ。そうでなければ、説明がつかない。つまり、この2本の同時使用はあり得ない。

 迷う必要はない。荒船の時にやった曲芸と同じだ。あえてオフにしてブレードの出力をゼロにした弧月。見せかけだけのレイガストのグリップ。恐れることなど、何もない。

 踏み込み、一閃。鋭い斬撃を、レイガストで受け止める。龍神が繰り出したのは、やはり弧月による斬撃。飛び散る火花と軋む手応えは、その刃が切れ味を伴っていることを、明らかに示していた。レイガストはフェイク。二の太刀は、スコーピオンのみ……

 

 

 

 否、本当にそうか?

 

 

 だとしたら。

 この目の前の笑みは、どうしてこんなにも深い?

 この目の前の馬鹿は、どうして深く『レイガスト』を構えている?

 

 

 村上の予測と対応は、全て正しかった。

 龍神がメインにセットしていたのは、弧月、旋空、レイガスト、スラスター。弧月とレイガストの同時使用は不可能である。

 同時に、龍神が振るった弧月は正しく切れ味を伴っており、その刃を防いだ村上の判断も、やはり間違いなく正しかった。

 

 だから、その正しさを。その強さを。

 

(しまった……!)

 

 如月龍神は、どこまでも予想外な、奇抜極まる『技』で超えていく。

 

 

 

(弧月に、スコーピオンを纏わせて……っ!?)

 

 

 

 龍神が振るった弧月の刃は、弧月であって弧月にあらず。スコーピオンによって、ブレードが補填されたもの。見せかけだけの、偽造刃だった。

 この瞬間、龍神が起動しているのは、副トリガーのスコーピオンのみ。

 つまり、右手のレイガストはまだ生きている。

 

(だとしてもっ……!)

 

 明かされた手品のタネに、思考が動き出す。スコーピオンというカードを既に切ってしまっているのなら、防御を考える必要はない。

 無造作に、弧月を振り下ろす。これまでの激しい攻防がウソのように、龍神の左腕が肩口から切り落とされる。村上の判断は、正確で迷いがなかった。

 レイガストは、まだグリップのみの状態。村上にとって、もっとも厄介で注意すべきトリガーだったスコーピオンは、弧月諸共切り飛ばした。スコーピオンの再展開までは、数秒のタイムラグ。そして、レイガストのブレードの生成スピードは、村上が一番よく知っている。

 龍神に、もう残された刃はない。

 

 

 

 

 

「スラスター」

 

 

 

 

 

 だが、

 

 

 

 

 

「フィスト・オン」

 

 

 

 

 

 

 

 

 拳なら、ある。

 

 

 龍神が、ずっと欲しかったのは。

 レイガストの、防御の内側。ブレードによる斬り合いの、さらにその先。必殺を打ち込める、この間合いだった。

 

 

 一閃、ではなく。一撃。

 

 

 加速する拳が、No.4攻撃手の胸を貫いた。

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