十次元ガンナートライユ+ネプテューヌ   作:鞍月しめじ

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燃え盛る破壊神器(エヌラスギア)

「ひゃっほーい! 海だー!」

「うわ、みんな裸だけど……何あれ。光?」

 

 浜辺に出たとたん、ネプテューヌが駆け出す。トライユが周囲へ目を配らせるが、同性でも目のやり場に困るような刺激の強い場所だった。

 それがR18アイランドイチオシの施設。ここ、『ヒワイキキビーチ』。嘘のようだが、実際にこんな名前なんだから仕方ない。

 水着もオーケー、全裸もオーケー。一種のヌーディストビーチのようでもあるが、遊ぶ観光客の身体には光線のような謎の光がまとわりついていた。

 

「ナゾノヒカリ草、というそうですわ。女性のきわどーい部分がお好きなんだとか」

「イラつきが止まらねぇ……」

「ブラン、どうどう」

「私は馬じゃねーぞ! 平均胸!」

 

 苛立ちに限界の来たブラン、とうとうノワールに対してまでブチ切れる。普段の落ち着きは何処へやら、急いで探索しなければ彼女は高血圧で倒れかねない。

 しかし、そう歩くまでもなく目的らしい箱は見つかった。それはとにかく巨大な箱というべき四角いもので、原理は判らないが海に浮かんでいた。

 

「あれが、ルウィーにもあったっていう謎の箱?」

「ええ。気付いたら居なくなるから、全員目を離さないで」

「見た限りは単なる箱ですが……うーん?」

「あれってぇ、壊せないの~?」

 

 箱から視線を外すことなく考える皆。プルルートの言うことが合っていれば苦労する事も無いだろうが、試した事実はない。

 トライユがM249LMGを召喚し、箱へ向けて構える。射撃準備の間、ネプギアたちは他の観光客の避難誘導だ。

 

「準備できましたけど、撃って大丈夫ですかね……」

「だいじょーぶだいじょーぶ! このネプテューヌが言うんだから問題ない!」

 

 ネプテューヌの言葉に、ノワールたち三女神は口を揃えて言った。

 

『あなただから不安なのよ』

 

 ともあれ、銃撃を開始するとヒワイキキビーチ等というリゾートビーチは瞬く間に上陸作戦の最中にいるかのような銃声に覆われる。

 人が死ぬ仕様ではないとはいえ、100発以上の銃弾を受ければ貫通は免れない。と、思いきや箱は全ての銃弾を弾いた上、突如大量のモンスターを放ってきた。これには驚きを隠せないメガミーズ。

 

「ちッ! やっぱロクなシロモンじゃなかったか。お前ら、やるぞッ!」

 

 真っ先に女神化したブラン。ホワイトハートに続き、次々に女神化し残されたのはトライユだけだ。

 しかし、どういうことかトライユは女神化しようとしない――

 

「なんで……?」

「とらちゃん!? 何やってるの、変身しなさい!」

「なんで、トリガーが――」

 

 ――女神化(トリガー)が、出来ない。

 女神化しようとしないのではない、女神化()()()()()()のだ。襲い来るビット達は四女神、そしてパープルシスターをかわし一斉にトライユへ射撃攻撃を行う。

 どうやら、箱のモンスターは通常とは違っているようだ。集中攻撃をかわす暇無く浴びたトライユは砂浜を滑り、横たわる。

 

「トライユさん! くっ――」

 

 パープルシスターが駆け寄ろうとしても、強化ビットがそれをさせない。

 全員が、トライユに気を配らせる暇もない程の猛攻。その最中、彼女が持っていた紅の自動拳銃がまるで炎のように魔力染みたシェアエナジーを放つ。

 シェアエナジーは横たわるトライユを瞬く間に呑み込み、襲い掛かるビットたちを文字通り一瞬にして吹き飛ばした。

 

「アナタ……なによ、それ」

 

 ブラックハートが驚くのも当然だった。エルスタトリガーになる筈だったトライユは、紅い拳銃を二挺に不気味な雰囲気を放つ太刀を背負うという、彼女には不釣り合いな姿。

 なにより、エルスタトリガーとおぼしきそれから立ち込めるような禍々しいシェアエナジーの奔流は不吉以外の何を感じさせようか。

 

「不思議だ。力が湧いてくる――そうか、この拳銃……いくぞ、やられたらやり返すまでだッ!」

 

 エルスタトリガーが、全員の視界から消えた。唯一確認できるのは、彼女が滑ることにより巻き上がる砂埃だけ。

 刹那、まるでバルカン砲のような凄まじい銃声の後に次々とビットが墜落していった。しかし、敵はまだまだ諦めていない。箱には逃げられたが、追うどころでもない。

 

「ブッ壊れろッ!」

 

 空中前転で両足に拳銃を取り付け、背中の太刀を抜いてビットを次々切り裂いていく。途中、無実のナゾノヒカリ草を巻き込んだが破壊衝動ともいうべき意識に呑まれたエルスタトリガーには、道を蟻が這うのと同じくらいどうでも良い些末なことだった。

 次々に飛び出す罵詈は、四女神達も同一人物かと疑う程。

 

「邪魔だァッ!」

 

 脚に取り付けた拳銃と共にビットに飛び蹴りを加え、撃ち抜く。その戦いは、長いようであまりにも一瞬。

 ビットはもういない。だがエルスタトリガーは止まらない。あろうことか、次は四女神へ狙いを変え駆け出した。

 そんな彼女と真正面から対峙したのは、ホワイトハートだった。

 

「こういうのはな……叩けば、直るんだよッ!」

 

 ほんの一瞬、ホワイトハートが戦斧を振るタイミングを誤ればビット達と同じ目に遭わされていただろう。

 だが、ホワイトハートの一撃は痛烈に暴走するエルスタトリガーの脇腹を捉え、吹き飛ばす。再び砂浜に転がったエルスタトリガーの女神化は解け、シェアエナジーのオーラも消えた。

 どうやら、なんとか暴走は止まったらしい。そうと決まれば、大至急教会へ運ぶ以外彼女達に手は無い。

 箱に関しては、一旦後回し。トライユを元に戻さなければ、箱の調査どころではないのだから。

 紅の拳銃からは、再びシェアエナジーが失われていた。まるでエルスタトリガーが、暴走の燃料にしたかのように綺麗さっぱりと。




スペシャルサンクス
アメリカ兎さん(紅い自動拳銃の元ネタ、エヌラス)
┗超次元ゲイムネプテューヌZ-血と硝煙と鋼と荒唐無稽-(R-18作品)
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