オバロ二次 設定適当の駄文   作:むみあ

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死の支配者と■■ 6

 予め言っておかなければ間違いなくただでは済まなかっただろう。

 言葉はおろか、間違いなく飛び掛かられて八つ裂きにされたであろうその不遜な態度と言葉に、闘技場は眷属達の異様な殺気と怒気に包まれた。

 

 「――――静まれ」

 

 今すぐにでも飛び掛からん、とでも言わんばかりのアルベドの肩に手を置きながらそう言ったアインズの言葉に、とりあえずは静まったものの、最早とても抑えきれないと言わんばかりの異様な気配が、帯電するかのように場に留まったままピリピリと空気を震わせる。

 そんな中で、まるでその全方位から向けられる圧に耐えるかのように、歯を食いしばるかのように獰猛な笑みを浮かべた男を見遣る。

 

 「ク―――ッ、フ、クフフ・・・おっかねえ、おっかねえなあ、これだけで死ぬかと思ったぜ」

 

 額に脂汗を浮かべながらも、重圧に耐えながらオウルは語る。

 

 『精霊』と呼ばれる強者に憧れて強くなった自分が、その対象が『外』では大した事がない存在であるという言葉に反発して村から外界へと旅立った自分が、その順位を押しのけてアインズをそこに据えることは出来ないと。

 

 「別に、精霊様はあの村の、聖域の支配者ってわけじゃねえ。

 それに忠誠を誓ってるわけでもねえし、精霊様は別にそんなもんを求めても居ねえ」

 

 だから、別に誰かの配下になったから不忠だなんだという話にはならないだろう。

 別に件の精霊もそれに関して咎めることもしないだろう。

 

 「だが、違う。 断じて違う」

 

 こうしてアインズの配下達と向かい合って感じたモノで確信した。

 この連中に混ざって同じ対象に首を垂れるという事は違うと。

 

 「アンタと言う強者に、アンタと言う死の支配者に、『敬意』を払うことは出来ても、俺はコイツらと同じようにアンタを至高とは仰げねえ」

 

 精霊様に憧れて、その強さを目指して強くなった。

 それを信じてこうして外の世界へと出てきたのだ。

 

 「それは俺の中で曲げられない『筋』ってもんだ。

 コイツらだって精霊様に会って、もしもその強さを認めたとしてだ、アンタと比べたりなんか絶対にしねえ、するわけがねえ、そうだろう?」

 

 後発がどれだけのモノだろうが、その席は既に不動の物なのだから。

 

 「だから、俺には無理だ。 俺の『筋』が通らねえし、コイツらの『忠』に対しても礼を欠くってもんだ。

 違うか?違わねえよなあ!そう思うだろう、お前等も!」

 

 気が付けば、闘技場内の空気は随分と静かな物になっていた。

 未だ剣呑な雰囲気は残る物の、先ほどまでと比べると随分と落ち着いた物へと変わっている。

 

 至高の御身に働いた無礼は万死に値するが、その言い分は確かに成程、と奇妙な納得をもってその場に居る者達の胸の内へと入り込んだ。

 しかし、それでもその所業を許せるかと言われればそれは断じて否である。

 奇妙な納得と収まりえぬ憤り、ここにきて各々はそれぞれに違ったその感情の比率によってなんとも言えない気分を味わっていた。

 それが剣呑な気配を薄れさせ、不思議な静けさをもって場を包むものとなった。

 唯一その空気に、感情に紛れを及ぼしていなかったのはアインズのすぐ傍に侍るアルベドだけだった。

 むしろ彼女だけはその内面を最早嚇怒と呼んで差し支えないほどに荒れ狂わせていたが、自らの肩に置かれた至高の存在たる御方のぬくもり、といっても死の気配を纏った冷え冷えとしたものだが、だけがその感情を押し止めていた。

 似たような状態なのはナーベラルであろうか。

 逆に冷静なのはデミウルゴスとコキュートス、そしてセバスにユリと言った面々で、納得と感心へと天秤が傾いているように見受けられる。

 そしてイマイチ良くわかっていなさそうなのは、シャルティアとルプスレギナで、二人して何言ってるんだコイツは、と言った顔だった。

 はっきり言ってしまうと場で恐ろしく浮いて馬鹿っぽかった。

 

 「ふ、ふふ・・・ふふふ」

 

 そんな奇妙な空気を震わせる笑い声、それが場に響いたのはそれから暫しの間を置いてからだった。

 この場で口を開くことを許されている二名のうちの片割れ、髑髏の王は存在しない喉を震わせて静かに、だが困惑するこの場に不思議とよく響く声でゆっくりと笑っていた。

 

 「いや、全く、何が『眩しいな』だ。 お前も随分と『眩しい』男じゃあないか」

 

 くつくつと、静かに笑いながらそう告げるアインズに、場の空気が更に困惑したまま静まって行く。

 感情抑制が発動しないままに静かにゆっくりと笑い続けたアインズは、

 

 「いや、実に程よく笑わせてもらったよ。 こういうのを小気味良いとでもいいのかね」

 

 そう言いながら笑いを収めた。

 そうして視界に映る男の顔が、なんともバツの悪そうなふて腐れたものであったので再度こみ上げそうな笑いを押さえる羽目になった。

 

 「―――ッチ、こういうのは小気味良いとは言わねえよ、暑苦しいって言うんだ。

 クソ、ガラじゃねえ事を叫んじまったぜ」

 

 で、どうなのよ、殺るのか?

 そう視線で問いかけてくるオウルに、

 

 「まあ、そう焦るなオウル・アマルガム。

 別に、死にたいわけではないのだろう?」

 

 抑えきれなかった含み笑いを湛えたまま、片手を上げて制止する。

 

 「何、お前が小気味良い啖呵を切った事だし、私も一つ思いの丈を話してやろう」

 

 そして、主だったしもべ達も大半がこの場に居る事だし、丁度いい機会でもあると前置いて、アインズは静かに語りだす。

 

 「嘗て、このナザリック地下大墳墓には私と同格の40、いや41人の友が居た―――」

 

 思い出すアインズ、いやモモンガにとって、鈴木悟にとっての輝かしい日々。

 だが、

 

 「今はこうして私一人がここに居る。

 皆、今は何処か会えない場所に居て、私は未だ彼らの帰りを待ち侘びている」

 

 果たしてこの世界に彼らが居るのか、もう決して会えることのない彼方へと流されて来てしまったのではないのだろうか。

 そう考えると無い筈の胸が張り裂けそうに痛み、感情の昂ぶりを沈めんとする効果によって気分が不自然な落ち着きを見せ、虚脱感と共に虚無感までもが心を覆いそうになる。

 闘技場は先刻までのはち切れんばかりの気配が嘘のように静まり返っている。

 しもべ達は皆が辛そうな面持ちを隠し切れず、それが静まった気配を今度は沈んだものへと変化させて行く。

 

 「だが―――」

 

 そんな周りの者達を、自分の気持ちを振り払うように言葉に熱を込める。

 

 「最近になって気が付いたのだ。

 私は一人ではないと、友たちが残してくれた物が、者は、まだこうしてここに在ると」

 

 周りに居るしもべ(NPC)達をそう言って見回す。

 皆がそれぞれに拘りを、願いを、想いを、時に引くような欲望を込めて作り上げた者達。

 それぞれの中に仲間達の思い出が、在りし日の姿がある。

 

 「仲間たちが残してくれた者達、いや違うか・・・彼らの『子供達』だ。

 今の私にとって、何よりも、そう世界などよりも大切なモノだ」

 

 私の自慢だ。

 

 凄いだろう?

 

 そう言って胸を張る。

  

 この子らがここに在る限り、私は何時までだろうと待ち続けられる。

 

 「だから、私はこの子らが死んでしまうような、消えてしまうような事は決して認めん。

 私の為に身を差し出す? 断じて否だ、『私を想うならば在り続けよ』」

 

 私はとても我儘なのだ。

 支配者なのだから当然だろう?

 

 「故に、オウル・アマルガムよ。 お前に対してこの子らを嗾けることなど私は望まん。

 お前を排除して引き換えに誰かを失うなどとそんな事は断じて認めん」

 

 だが、その所持する二振りの魔剣、それを放置しておく事もまた出来ない。

 

 「その二振りを差し出して、隷属するのが否だと言うのであれば、是非はない。

 他の誰でもない、私が手ずから相手を―――」

 

 そこまで口にした瞬間、闘技場は先刻を上回る圧力に支配させた。

 この場にいる全てのしもべ達のそれが総意であると言わんばかりのそれを、

 

 「口を挟むなとしか言わなかったが、だからそれ以外を出した、などと戯けた事を言うわけではあるまいな?

 話の途中だ、何度言わせるつもりだ、控えよ」

 

 そう言って抑えんとしたアインズの言葉に、しかし今回ばかりはそれが治まる事はなかった。

 

 

 今この場にあるしもべ達、その心は未だ嘗てないほどに一つとなっていた。

 至高の御身、その尊き御心の内を伺って、我ら一同未だにその深き想いの底を見誤っておりました。

 ああ、我々は御身に血の一滴、肉の一片(いっぺん)、魂の一片(ひとひら)に至るまで、この全てを捧げると誓っておきながら、心の奥底では恐れていたのです。

 もしかした、もしかすると、もしかして、ああ、なんと愚かな、なんと情けない、なんと嘆かわしい。

 我々は、

 

 『この御方も我々を置いてここを去ってしまうのではないか』

 

 などと、そんな事を極々僅かに、そう言い表すにも足りないほど極小であれど、それでもその僅かさの中に大小の差があれど、皆がその思いを拭い去ることが出来ずに、それに怯えていたのです。

 なんたる不敬、なんたる惰弱、なんたる怯懦、そんな我らを、そんな度し難い我らを、『友の残した大切な子供達』などと。

 ああ、理解していたつもりであったのに、御方の慈愛の御心を、我ら如きが推し量れよう筈もないと、わかっていたつもりであったのに。

 いや、それ故に、と言うべきか。

 望めぬ頂の高さに悟ったような気になり、矮小なるこの心に湧いた疵瑕を払底する事も出来ずにいたなどと。

 なんたる蒙昧、なんたる愚昧、その度し難さは稚児にも劣る。

 ああ、矮小な自身の在り様に、恥じ入るなどと言う言葉すら到底足りない。

 許されるならば今すぐにでも消え入ってしまいたい。

 ああ、その言葉にすることすら憚られるその大きすぎる慈愛の御心に触れた喜びよ。

 許されるなら今このまま、この歓喜と呼ぶことすら烏滸がましいそれに身を委ねたままに果ててしまいたい。

 

 ああだからこそ、ああそれ故に、御身の御言葉には頷けないのです。

 

 我らが為に御身がこのようなモノの前に身を晒すなど耐えられない。

 その我らを包み込んでなお余りある深き深き慈愛の御心を知って尚、知ったが故に、それで御身を損なうなどと、とてもではないが耐えられない。

 御身の強壮たるを疑うことなど、そのような事は毛ほど、塵ほども思っていなどおりませぬ。

 しかし、それでも御身が損なわれる事、その塵ほどの可能性をすら我々は認めることができないのです。

 ましてや、それが我々の為であるとするなら、そのような事認めてしまえば、我々は己が存在、その全てを許すことが出来なくなりましょう。

 故にどうか、どうかご自愛を。

 故に、故にその至高の命に背く不忠をお許しください。

 

 

 一つとなった気持ちは、誰の者か知れずと言葉となって、各々の口より連なりながら紡がれていった。

 この場に居るしもべ達の忠義の総和として、口を挟む事なかれと命じられたそれを破る事への身を切るような想いを乗せて、それ以上に切実たる願いを乗せて、この場を静かに、しかし大きく揺るがした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
















 この、大仰さである(白目)

 途中から何を書いているのか、わからなくなりました。
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