オバロ二次 設定適当の駄文   作:むみあ

12 / 16
死の支配者と■■ 8

 闘技場を後にし、玉座の間へとやって来たアインズは、疲れたように自身の席へとどっしりと腰を下ろした。

 そしてふと思い出したかの様に視線を向けた先に、カルネ村から使用した《ゲート/転移門》がそのまま残っている事に気が付き慌てて消去した。

 

 「うっかりしすぎだろ・・・ここから闘技場への《ゲート/転移門》はオウルが来た時に消したのに、こっちを消し忘れてるとか、テンパってたと言えどもないわー。

 誰も来てないだろうな、まあ村に居た連中が来た所で何もできやしないだろうけど」

 

 そう呟きつつも、念のため侵入者が居ないかを調べる様に言っておこうと考えるも、すぐに実行するつもりにはなれずその場で大きく息をついた。

 しばらくそうして虚空を見詰めたまま呆けた後、アインズはおもむろに《メッセージ/伝言》を起動させる。

 相手に繋がったのを感じた瞬間、今までの虚脱感を感じさせる動作とは裏腹に、渾身の力を込めて叫んだ。

 

 

 〈この、お馬鹿様がああああああああああああ!!!〉

 

 

 〈痛っ!? な、なんだァ!? 

 新手の精神攻撃か!? 《メッセージ/伝言》にこんな効果あんのかって頭痛ァ!!〉

 

 繋がった相手からその突然の絶叫に対する驚愕が伝わってくる。

 感情の沈静効果と鬱憤が少し晴れた事による相乗効果で、文字通りスッとした気分を味わいながらも、そのオウルの呑気な様子に再び腹が立ち続けて叫ぶ。

 

 〈確かに臨機応変にアドリブ効かせろとは言ったが、何必要以上に煽ってんだこの阿呆が!!

 お陰で延々と精神安定効果発動しっぱなしで情緒不安定になったわこの阿呆があああああ!!〉

 

 〈痛ァ! 痛いぞなんだこの《メッセージ/伝言》、俺の知らない呪言だったりすんの!?〉

 

 再度精神安定化による虚脱感と、相手のリアクションによる苛立ちで再燃する怒りに叫ぶ。

 

 〈頭痛いのはこっちだっつーの! テンパりすぎて殆どなに言ってたか覚えてねーぞ!!

 これでやっぱりお前の事は認められませんとか言われたらどうするつもりだァァァァ!!〉

 

 〈ギャース!? いや、大丈夫だろ多分! 

 いい感じだったじゃねえか打ち合わせしてた俺もチビるかと思ったぐらいの立派な支配者サマだったぜ。

 行ける行ける、ってか口調砕けすぎてんぞ、砕け散ってるレベル〉

 

 〈ハードル上がりすぎだっつってんだよ、こぅ、このアッ、アホゥがああああああ!!

 あと砕け散りそうなのは俺の心だっつーの!!〉

 

 〈しもべの為に心を砕くお優しい支配者、まさに上司の鑑って痛ァ!?〉

 

 ペカペカと精神安定化の光を発しながら、椅子の掴んだ部位がミシミシと音を立てる。

 それから暫くの間、傍から見れば無言で行われるその不気味極まる光景は途切れることなく続くのだった。

 

 

 

 

 

 

 〈ふぅ・・・〉

 

 一頻り鬱憤を吐き出し終えたアインズはゆっくりとそう溢した、《メッセージ/伝言》で。

 

 〈ふぅ、じゃねーよ。 どんだけ幅のある使い方してんだよ《メッセージ/伝言》如きで。

 全く、街の雑魚どもは雑音交じりで下手すりゃ満足に言葉を伝える事すらできねーってのに〉

 

 そんなアインズに対して、延々と怒鳴られ続けたオウルはげんなりした様子で愚痴る。

 

 〈ふむ? 雑音が混じるのか?〉

 

 〈ああ、どうにも精度が悪いみたいだぜ? 距離が離れると聞き取れたもんじゃねえ。

 実力に比例すんのかねえとは思ってはいたんだが、それにしたって頭痛くなる程の音量、音量って言うのかコレ?を出すとかマジでどういう事だよ・・・〉

 

 そんな機能初めて知ったわ、と溢すオウルに興味が向いたアインズは『街』とやらの情報、主に周りの者の実力や魔法の効果などについて話を振った。

 そうして暫く雑談に興じつつ情報を仕入れていたが、守護者達がやって来た時に備えて心構えをする時間が必要だと考えほどほどで切り上げる。

 

 〈さて、とりあえずお前には暫くペストーニャをつけて置くから、いやペストーニャについて回って大人しくしてくように、その旨は当人には伝えておく〉

 

 〈あいよ、この犬のメイドさんについてりゃいいんだな?

 目付にしちゃ頼りない気がするが・・・いや、回復魔法は大したもんだけどよ〉

 

 〈力ではなく、躾という面での目付だと思え。 それからの言いつけを守って大人しくしておけよ〉

 

 〈うへえ、了解〉

 

 〈全く、守護者達がどう言う結論を出すかもわからないというのに呑気な・・・〉

 

 そう言ってため息をこれ見よがしに《メッセージ/伝言》に乗せて放つアインズだったが、オウルは気楽な様子を崩さない。

 

 〈大丈夫だろ、アンタと仲間の自慢の子供達なんだろ?

 実際、大したもんだぜ、それがあの相対で俺の意図が読めねえって事もねーだろよ。

 ちゃあんと俺を認めてもらえると俺は信じるぜ。 何、アンタは信じられねえの?〉

 

 〈抜かせよ、俺が信じずに誰が信じると言うんだこの戯けが。

 あまり俺を舐めるなよオウル・アマルガム、誰に物を言っているんだ?〉

 

 〈うははははは、いいねえ、威厳が崩壊したかと思ったらなんだかんだでちゃあんと威厳ある支配者サマじゃねえか、アインズ・ウール・ゴウンさんよ〉

 

 〈ちっ、誰が好き好んでこんな肩が凝るロールをやってると思ってんだ。

 だが、わかってるんだろうな、もしも我が子らがお前を認めないと言った時は・・・〉

 

 〈へーへー、全力で逃げるさ。 アンタ達の子供を可能な限り傷つけないように、な〉

 

 そこまで言葉を交わし、互いの雰囲気が変化する。

 

 〈可能な限り? 可能な限りとな、まあいい、まあいいだろうさ。

 だがわかっているだろうな、もしも過剰に傷つけたり、(あまつさ)え殺すようなことがあれば―――〉

 

 〈わーってるよ。

『ただでは済まさん、貴様の故郷も含め地の果てまでも追い求めて塵も残さず消し飛ばしてくれる』

 だろ? 流石に俺も意地を通すために村を、聖域を巻き込むわけにゃあいくまいよ〉

 

 〈ふん、肝に銘じてほしいものだ。 

 どんなに馴れ合おうと、どんな相手であろうとそこは絶対に譲れん俺の―――〉

 

 〈わかったって! もう十分わかったっつーのよ重たく考えすぎなんだよアンタは。

 あくまで万が一の可能性なんだからよ。 アイツらが俺を認めりゃ何の問題もねーだろ?〉

 

 〈万が一だろうと億が一だろうと、だ!〉

 

 〈重たっ! 過保護すぎだろ正直。 アイツらの方が俺よりも強いんだから心配し過ぎだろ。

 むしろ認められた後に、裏でこっそり俺がぶち殺されないかの心配をしてもらいたいもんだね〉

 

 〈・・・そこは自分でなんとかしろ。 

 俺からも言うだけは言うが、それでも従わんならどうしようもないだろう。

 大人しく運命を受け入れる事だ〉

 

 〈軽っ!? 俺の扱い軽すぎだろ! やだよ、全力で逃げるよ、冗談じゃねえよ!〉

 

 〈そうだな、頑張って生き延びろ、だが―――〉

 

 〈ああもうわかったっつーの! 傷つけないように頑張ればいいんだろチクショウ!

 わかったわかったわーかーりーまーしーたーよー! わかったからもう切るぞ〉

 

 そうして終了したやりとりに何度目かの息をついて、アインズは椅子に凭れ掛かる。

 

 「わかってるさ、心配し過ぎだって事は・・・けど、もう俺は誰にも居なくなってほしくないんだ。

 ここが、ここだけが、俺の、皆の・・・」

 

 玉座の間に翻る旗を視界に収めながらそう呟き、守護者達がやって来るまでの間、アインズは一人静かにそれを眺め続けた。

 

 

 

 

 

 ■■■■

 

 

 

 

 

 どのぐらい玉座の間を眺めていただろうか、現在アインズは守護者達ならびにセバス、そしてプレアデスの面々を前に話を聞いていた。

 皆を代表して、と一歩前に出たデミウルゴスはまず最初にアインズを待たせたことを詫びると、まずはオウル・アマルガムとの一連の闘いにおいて、対戦した者達と感想戦を交えた話し合いの結果を述べ始めた。

 

 「最初に言わせていただきますと、『華を持たされた』とでも言うべきでしょうか」

 

 そう苦笑して語るに、どうもあの男は我々と同じ土俵(ステージ)で態々戦ったようだ、と。

 

 シャルティアとは総合的な技量をもってトラップなどの搦め手なしの正面からの戦いを。

 

 コキュートスとは武器を使用した接近戦を。

 

 アウラとは使役する物を使った物量戦を。

 

 マーレとは魔法も使用した中・近距離戦を。

 

 デミウルゴスとは魔法を使用した遠距離戦を。

 

 そしてセバスとは肉体を用いた格闘戦を。

 

 全て中断による終了か敗北で、一つの勝ちもなかったが、勝敗とは関係ないところで『力』を、その片鱗を見せたのであろう、と。

 

 「全く、人間如きが小癪な真似を・・・と言いたいところですが、なかなかどうして」

 

 さらに苦笑を重ねて、どうやらそれでもまだ手の内を隠していたようですが、と続けて語る。

 

 「コキュートスとセバスが言うには、体捌き、足運びがどうにも正面から遣り合うに違和感のある動きであった、との話で・・・。

 その点に関してはソリュシャンが興味深い意見を述べてくれました」

 

 そう言ってソリュシャン・イプシロンに一瞬視線を向け、

 

 「どうもあの男は暗殺技能(スタッブ)も修めているのではないか、との話でありまして」

 

 そう言って続ける。

 どうにも、アサシンとは若干違うが似たような理念の元に構築された動きが、ソリュシャンからは伺えたらしく、自らと同じ暗殺者(アサッシン)ではなく、別の技能を主軸とし暗殺技能も修めた暗殺技能者(スタッバー)ではないかと。

 その考察を入れると、コキュートスとセバスの感じた違和感にも当人たちには納得がいったようだと。

 特にセバスが感じた納得が大きかったらしく、曰く拳闘士(モンク)としての技量も内気の練り(ナイキマスター)も申し分ない実力でありながら本領を得てないように感じたとの事。

 それについて、どうも自身とは違う発展先の技能、暗殺技能も含めた上での格闘戦での切り札が、本領が残っていたのではないか、との事だった。

 コキュートスもそれに同意し、尚且つ自身との闘いが恐らく最も歯ごたえがなかった、修めた技量の中で一番不得手なのが自身との勝負で見せたそれなのだろうと、不満交じりに漏らした事を付け加えた。

 

 「ソーサラス・スタッバー、か」

 

 話を聞いているうちに、ふとアインズはそう溢した。

 その言葉に注目が集まり、話の腰を折ってしまったと悔やみつつ口を開く。

 

 「なんでも魔法詠唱者(ソーサラー)暗殺技能者(スタッバー)を修めた先にあるらしいが・・・他の条件などの詳しい事は私も知らぬのだ、つまらぬことで話を中断させたな、許せ」

 

 続けて、まさかモンク系の職業(クラス)も取ってないと無理とかいうオチなのか、よくわからんが後で本人に聞いてみるか、と内心で呟いていたが口には出さなかった。

 と言うよりも、我々の知らないことをご存知とは流石アインズ様、と言わんばかりの周りの視線にこれ以余計な事を言うつもりになれなかった。

 その後もデミウルゴスの話は暫く続いた。

 粗方の相手の力量、技量の推察とそれに対した時に見えた各々の課題を述べて言った。

 

 「結論といたしましては、未だ全容を見せぬものの決して侮ってよい存在ではない、と結論付けました」

 

 そして最後にそう締めて、尤もそれでも我々も後れを取るつもりも毛頭ございませんが、と付け加えた。

 

 「うむ、デミウルゴス、それに他の者達も、この度は中々にいい訓戒となったであろう」

 

 「はい、至高の御身の叡智に比べ、己の不明さに恥じ入るばかりでございます」

 

 鷹揚に放った言葉に恐縮したように首を垂れる、デミウルゴスと階層守護者以下しもべ達の姿に、アインズは満足げに頷いた。

 

 「人間であれなんであれ、ナザリックの者でないならば私にとっては等しく無価値だ。

 そう、人間であろうが別の何かであろうが、そもそも路傍の石であろうが須らく等価。

 あえて言おうか・・・ゴミに等しい、とな」

 

 そう言って言葉を一旦切り、周りを見渡して続ける。

 

 「だが、心せよ、我らにとって無価値であろうとも無意味なものはないのだ。

 ゴミはゴミなりに我らにとって極めて有害である可能性すらありうるのだ」

 

 まして、その中に埋もれる力ある者、稀有な能力を持つ者、見るべき意思を示す者、輝きを見せるそれを見誤ってくれるなと、そう言って尚も続ける。

 

 「ナザリックの者、私が友と作り上げたこの地の者達で非ずとも、前提としてゴミに等しく無価値な物でも、例外もまたあるのだと知れ。

 力に、能力に、意思に、その『輝き』には『敬意』を払え。

 お前たちとは比べることも出来はしないが、それを怠って自らを損なう事なぞ決して無きように心得よ」

 

 そうして再度言葉を切って周りを見渡す。

 視界に入る全ての者達が感動に打ち震えてか小刻みに震えているように見える。

 その姿に、内心違った意味で震えながらアインズは言葉を続ける。

 

 「さて、では此度私が見出したあの男、オウル・アマルガムであるが。

 アレの見せた意思に私は敬意を示し、続けてそれに相応しい力を示すよう求めたわけだ。

 そして私はそれに相応しい物を見せてもらったと考えるが・・・」

 

 そこまで言って、内心で大きく息を吸い込み、腹に力を込めて言い放つ。

 

 

 アレを我が盟に加える事について異論のある者は前に出よ、と。

 

 

 アインズが固唾をのんで見守る中、前に出る者は現れなかった。

 こうして、オウル・アマルガムはナザリック地下大墳墓の、アインズ・ウール・ゴウンの盟に加わることを許され、一連の騒動は幕を下ろしたのであった。

 

 (ひょっとして、今後誰か仲間に引き入れようとする度にこんな事しなくちゃいけないとかはない、よな?)

 

 ふと我に返ったアインズの内心の懸念を残して。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 













 アインズ「ハードルが爆上がりしたような気がする。
      全部オウルって奴のせいなんだよ」

 オウル「言いがかりも甚だしい。 
     全部偉大なる支配者サマのテノヒラノウエー、だろ?」

 アインズ「解せぬ」



 しかし、実際オリ主を真面目にあの面子に受け入れて戴くにはこれでもかと大仰に試練を乗り越えないと無理なんじゃないかと思った所、当初の予定の数倍の文量を費やす羽目に・・・次から崩して書きたい気分です肩が凝るったらないです(白目)

 古田さんみたいにペロペロ隷属すれば別なんでしょうけど、ね・・・。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。