オバロ二次 設定適当の駄文   作:むみあ

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駄文 2

 城塞都市の朝は早い、というか俺の朝が早い。

 村に居た頃と同じ時間に起床し、やることがないので宿の屋根から朝日をぼーっと眺める。

 森の中だと木々が生い茂って、日の光つったら基本木漏れ日なんで外に出て三か月経った今でもついつい眺めてしまう。

 毎朝思うんだが、朝日の眩しさに目を窄めながら感慨にふけりたいんだが、どうしてもそんな気分になれないのが微妙な気分にさせられる。

 何故かと言えば。

 

 「クセえ・・・」

 

 匂いだ。

 村に居る時は常に周りに溢れていたむせかえるような濃い木々の匂いが一切せず、代わりに漂う糞やらその他諸々の混じったこのなんとも言い難い不快さを感じさせる臭い。

 いい加減慣れたと言えば慣れたが、やはり気分はよろしくない。

 まして、今からやる俺の日課を考えると毎度のことながら憂鬱になる。

 しかしやらなきゃ調子が出ないから仕方がない。

 意を決して鼻を摘まみながら息を大きく吸い込む、吸い込む、ひたすら限界まで吸い込む。

 鼻をどんなに強く抑えてもやはり気分が悪い、そもそも村で、森の中でやってた時はこんな大きく吸い込む必要すら感じなかったってーのに、くそ。

 

 「くっ、せええええええんだよチクショー!!」

 

 憤りと共に力を込めて吐き出す。

 それと共に俺の体から光が漏れ出しあたり一面を淡く照らし出し広がっていく。

 城塞都市最近の朝の風物詩、裏町から発生する謎の発光現象の正体とは俺の事だ。

 まあ、謎も何も実は俺だってバレバレなんだが、おい、そこの奴、俺を拝むな気色悪い。

 

 

 

 

 「朝の深呼吸だけで並のポーションに近い回復量を広範囲散布する奇人について」

 

 「んん゛、フィーレア君、喧嘩売ってんの?」

 

 「ンフィーレアです!」

 

 朝の体調を整えるための深呼吸を終えて、屋根から飛び降りた途端にこれだよ。

 なんでお前さん朝っぱらからここにいんのよ。

 

 「採 集 で す !

 貴方がその薬師殺しの奇行に走り出してから、この辺は雑草ですら薬草みたいになってるんですよ!

 この歩く非常識! 奇人! 変態! 冒険者は無償で人の治療が禁止されてるのに!」

 

 いや、確かに色々言われてっけどよ、そもそもなんで回復なんてすんのよ意味が分からん。

 なんで息をするのにまで気をつかわにゃならんのよ?

 村の奴らなんてこれで影響受ける奴なんて全くいなかったんだが・・・あれか。

 

 「俺の呼吸一つで影響受けるとか、まさに吹けば飛ぶような雑魚ばかりって事かよ」

 

 「貴方って人は・・・!

 あの発光現象はどう考えても第二位階の治癒魔法相当でしょうが!

 一体何をどうやったら朝の深呼吸でそんな現象を広範囲にバラまけるんですか!

 化け者か!? それとも馬鹿者なんですか!? 両方ですか!!」

 

 朝っぱらから良い空気吸い過ぎだろうこのにーちゃん、落ち着けよ。

 

 「第二階位? そんなん箸の棒にもかからねえようなゴミじゃねえか、ないのと同じだろう」

 

 「あああ、駄目だあ、同じ人間と会話している気がしない」

 

 おいおい、いきなり膝をついて項垂れるなよ、相変わらず浮き沈みの激しいガキだねえ。

 

 「まあ、確かに同じ人間とは思えないレベルではあるよなあ。

 なあ、ほんとにこの街全員お前も含めて人間なの? なんか違う種族なんじゃねえの?」

 

 「アンタが人間辞めてるだけだよ!!」

 

 また元気になりやがって、血管大丈夫なのかね。

 

 「いや、村に居る時は外は人間にしろ別のモンにしろ、俺なんぞより強い奴が溢れてるから調子に乗らない様に気を付けろって言われてたんだが・・・」

 

 「どんな魔境ですかそれは・・・というかどんな村なんですか本気で」

 

 いや、普通に鄙びた感じの、鬱蒼と生い茂る木々に囲まれた村だったんですがねえ?

 やっぱ転移罠で別世界だか、どうしようもないぐらい遠いとこにカッ飛ばされたんだろうか。

 

 「はあ、全くバレアレだぜ」

 

 「だからそれやめろって言ってるでしょうがこの変人!」

 

 

 ■■■■

 

 

 さて、今日も元気だ空気がクセえ!

 冒険者組合に入った瞬間、いきなり受付までの道が開けたんでずかずかと歩いていく。

 

 「おいっすー!なんか金になる依頼をよこせ、というか金よこせー!」

 

 「ヒイィィ、少々お待ちくださいぃぃ!」

 

 おいおい、今日の受付のねーちゃんは怯えすぎだろ。

 

 「君は強盗か何かかね・・・あまり職員を脅かさないでくれ・・・」

 

 「いや軽い冗談・・・ってわけでもねえが、まあでも真理だろ。

 何事も金が必要で、楽に手に入るならなおのこと良い。

 というわけで依頼を、もしくは金をくれ組合長」

 

 「はあ、とりあえずいつもの如く討伐依頼しかないが説明するから着い来てくれ」

 

 はいはいっと、今日も稼ぐとしますかねえ。

 しかし、なんでいっつも別の部屋に通されるんだか、他の奴らはそうじゃないだろうに。

 

 「君が受付にずっといると皆が近寄らないだろう?」

 

 俺は猛獣かなんかなのかね、まあいいが。

 

 

 ■■■■

 

 

 ふん、ふふん、墳!

 

 「破―――ッ」

 

 あ、やべ、討伐証明部位ごと吹き飛んだ。

 退屈だから適当に鼻歌なんぞ口ずさみながらやってっと、力加減まで適当になっていかんな。

 適当だからついうっかり体に染みついた技が出る。

 ただ殴るだけでもアレなのに、加減していなしながらうっかり『寸打』なんぞ叩き込んじまう。

 

 「やっぱ剣でも使うか・・・」

 

 何使うかね、確か精霊様から貰った奴含めて袋に入ってるのは・・・『樹』『月』『星』『蟲』あとは常に携えてるがまだ外にきて一度も抜いてない『鋏』か。

 

 「どれもこれもこんな雑魚以下の何かに使うにゃ勿体ないんだが」

 

 そういや、『森』の杖もあったなーガキをとっ捕まえるのにしか使ったことなかったが、って。

 

 「全部これでいいじゃねえか、攻撃能力ねえし」

 

 なんてこった、今まで頑張って手加減してた苦労はなんだったんだよ。

 そうだよ、これで捕まえて石突で突けばそれで終了じゃねえか。

 

 「さて、つーわけで行けワニども!」

 

 道具袋から出した杖、それを振ると杖の頭に繋がれた鎖の先端に付いている装飾のワニが巨大化し近くにいるモンスターを噛みついて拘束する。

 

 「えーっと、確か基部を回すと石突が尖るんだったよな」

 

 お、尖った尖った、これで刺殺して・・・あとは討伐部位を・・・けど死体もアンデッドになるとアレだから処分しなけりゃいけねーんだったな・・・。

 

 「・・・あれ、あんま手間が変わらねえんじゃコレ」

 

 いや、むしろ手間が増えてる気がする。

 そしてよく考えると力の加減の練習もまだ必要だと思い至り、結局他の武器も使うことなく狩りを続行する事にした。

 まあ、楽をしようと思ったらいけねえわな。

 しっかし、こうダメージを受けることがないと折角身に着けてる『緋』と『緑』、この両方を使う機会がねえなあ。

 外した方が良いような気がするが・・・うーん、何があるかもわからんし油断はしねえ方がいいの・・・か?

 

 

 ■■■■

 

 

 「お、お疲れさまでした。 こちらが褒章金となります・・・」

 

 「あいよ、どーも」

 

 組合の受付で朝声をかけたのとは別のねーちゃんから金を受け取って外へ出る。

 ま、それなりの稼ぎにはなったが、どうも最近稼ぎの底が見えてきた感じだな。

 なーんか地味且つ夢がねえんだよな、あんま狩りすぎてもアレだし。

 つか、食うためでもねえのにむやみやたらと殺して回るのがイマイチ性に合わんっつーか。

 

 「なんか、別に副業でも持つかねえ・・・」

 

 そんな事を考えながら暗くなりつつある街中を宿へと向かって歩く。

 腹が減ったが、どうも街中の匂いが鼻についてげんなりする。

 そこらへんに糞が転がってるし、どいつもこいつも体が小汚いしで臭うんだよな毎度ながら。

 

 「糞を放置すんのはいいんだけどよ、家畜放し飼いにして食わせるのにも限度があんだろ」

 

 全く、糞の処理がなってねえからこんなにクセえんだよボケが、あと風呂に入れクソが、などとぶつかたと文句を垂れながらのっしのっしと足を進める。

 糞を家畜に食わせたりしてもその家畜も糞をすんだから結局根本的に駄目だろうが、そもそも木が少なすぎなんだよボケが、もっと木を植えろよいい加減森に住みたくなってきた。

 

 「・・・ん?」

 

 あれ・・・?

 そうだよ、森に住めばいいんじゃねえか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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