オバロ二次 設定適当の駄文   作:むみあ

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藪から棒に蛇が出る
死の支配者と■■


 ンフィーレア・バレアレは未だ嘗てない焦燥に、恐怖に駆り立てられるまま走っていた。

 

 「エンリ! 何処に、無事なのか!? エンリィィィィィ!!」

 

 つい先刻まであった恋しい少女との逢瀬に弾んでいた胸は、その相手を失うかもしれない恐怖に張り裂けんばかりにその脈動で自身を急かした。

 師と仰ぐ青年の言葉で我を忘れて飛び込んだそこは、カルネ村は死地と化していた。

 バハルス帝国の物と思しき装いの兵士たちによって蹂躙される村の光景に、彼は自身の保身や初めて直面する人間同士の命のやり取りに対する諸々の葛藤、それら全てを忘我の彼方へと置き去りにそこへ飛び込んだ。

 己が意思に応えるように鳴動する剣、その名の如く蟲の羽音を渡らせてそれは展開した。

 刀身を覆う鞘、極小の蟲で構成されたそれが本来の姿へと解け、蟲同士の間に発した力場によって兵士たちを一蹴した。

 生き残った者、死に絶えた者、その中に自分の想い人が居ない。

 安堵と焦燥、その感情を咀嚼する間もなく彼は走った。

 エンリは、僕の愛しいあの娘は、エンリ・エモットは何処に。

 彼女の住まいに横たわり冷たくなったその両親の姿に、彼の視界は真っ赤に染まった。

 激情のままに近くに倒れ伏す兵士を切り刻み、彼女とその妹が何処へ行ったのかを問い詰める。

 何人かの兵士が逃げた姉妹を追って行ったと、その言葉が終る前に走り出す。

 悍ましい咆哮をあげて腐り落ちた巨躯を引きずり駆けてくる化け物と行き交うも、そんなものはどうでもよかった。

 アレが何をしようが知った事ではない、僕にとって大切なあの娘さえ、エンリさえ無事なら、神でも悪魔でもなんでもいい、どうか、どうか―――!

 

 そして彼は辿り着いた。

 

 目の前には抱き合い、震えながらも無事な姉妹の姿がある。

 よかった、本当によかった。

 視界が滲むが、無理矢理にそれを抑え込む。

 まだだ、安心するのはまだ早い。

 無事な二人の姿に冷えた頭が、いや、頭どころが全身から熱が失われていく。

 二人の前に、直視するのも憚られる悍ましくも恐ろしい気配を発して佇むその姿。

 がちがちがち、剣の羽音ではない耳障りな音が響く。

 それが自身の口から発せられているのに気が付き、歯を食いしばる。

 二人の前に佇むそれが只管に恐ろしい。

 その恐ろしいナニカがこちらに顔を向ける。

 その顔は―――

 

 

 

 自分の師の存在から興味を持ち、最近になって知った四大神を崇める王国では信仰されていない六大神の片割れ、闇を、死を司る神。

 

 

 「――――――死の、神―――スルシャーナさ、ま・・・?」

 

 そう呟くと、その夜を思わせる暗い髑髏の眼孔に浮かぶ血を思わせる篝火が、僅かに揺らいだような気がした。

 

 

 

 

 目の前の、命を助けた姉妹、その姉より名を尋ねられた。

 モモンガ、いや、今この時よりアインズ・ウール・ゴウンとして、その名を背負って行かんとその決意をもって名乗ろうとした。

 そんな所に無粋にも割って入った愚か者。

 どうやら姉妹の反応から知り合いであることが伺えるが、感じた不快感は拭えない。

 声からするに若い男であるようだが、恋人だろうか。

 そう考え思わず舌打ちしたくなりつつも、嫉妬は見苦しいと自省しつつ乱入者へと顔を向けたのだが。

 

 死の神、スルシャーナ。

 

 自身の顔を見て呆然とした面持ちで呟かれたその言葉に、苛立ちは即座に困惑に変わった。

 この世界はアンデッドを神と崇める文化でもあるのか。

 それとも私が死の支配者(オーバーロード)であるからそう思ったのか。

 後者であるとすれば、それがもし自身と同じユグドラシルプレイヤーであったのならば、それを神と崇めるだけの実力差がこの世界の人間との間にあるのだろうか。

 確かに先ほどの兵士の弱さを思えば、それだけの実力の断絶があっても不思議ではないが。

 

 (この少年の持っている剣は見覚えがある。

 うちのギルドでは所持者は居なかったが、神器級(ゴッズ)だったか伝説級(レジェンド)だったか)

 

 では、目の前のコレはどういう事なのだろうか。

 

 (詳しい事は情報がなかったが、確か剣でありながら防具のようなパッシブスキルを発動する物だったか。

 しかし、装備するにはかなりのレベルを必要とした筈なのだが・・・名前は確か、そう『蟲の紋章の剣(コクルト)』だったか?)

 

 この少年がそれを使うに足るレベルなのだろうか。

 

 (むう、全くわからん。 兵士が弱すぎると思ったらいきなり全然強そうじゃないくせに神器級(ゴッズ)持ちとは、どう判断したらいいんだ)

 

 そんな事を考えながらも、とりあえず誤解されない様に目の前の姉妹から距離を置いて話しかけることにした。

 

 「失礼、この者達に危害を加えるつもりはない。 知り合いなのだろう? 

 それと、私はスルシャーナという名ではない、アインズ・オウル・ゴウンという通りすがりの―――」

 

 そこまで口を開いてふと、考えた。

 この姿を見て神だなどと言う輩に対して、通りすがりの魔法詠唱者(マジックキャスター)などと言うのは余りにも間が抜けているのではないか、と。

 

 「通りすがりの・・・?」

 

 言い淀んだ所で目の前の少年が聞き返してくる。

 意外とこんな状況でノリがいいな、などと場違いな事を考えると、何か気が抜けてしまい。

 

 「ふむ、何だったかな?」

 

 そんな言葉が思わず口をついて出てしまった。

 

 「は、はあ・・・」

 

 いつの間にか姉妹を背にした少年、どうやらジリジリと慎重に移動していたらしい、に思わず感心しつつどうにも先ほどの兵士の歯ごたえのなさに気が緩んだままだったかと内心舌打ちをする。

 なにやら自分の返しに気が抜けたのか、そのまま互いの空気が何とも言えず弛緩する。

 

 「ンフィー、そ、その方は私たちを助けてくれたの・・・怪我も、治療してもらって、だから」

 

 そう言って姉妹の姉の方が切り出したおかげで、なんとか場が纏まりそうでモモンガ改めアインズは内心で安堵の息を吐いた。

 

 そうして、場が一先ず収まり、目の前で少年に抱きしめられ頬を僅かに染め困惑する姉の方、確かエンリと言ったか、を見ながらアインズは内心では無く思い切り表に出して舌打ちした。

 

 舌はなかったが。

 

 (チッ、このリア充どもめ、戦場でのボーイミーツガールか も げ ろ)

 

 「あっあ゛ーゴホンゴホン」

 

 わざとらしく咳払いをしてその空気をぶち壊した。

 こういった類の事には大変心の狭い死の支配者だった。

 何かクリスマスに配布された呪いのアイテムを無性に被りたくなったアインズだった。

 

 

 

 

 「エンリ・エモットです。 それと妹のネムです。 

 助けて頂いて本当にありがとうございます。」

 

 「ンフィーレア・バレアレです。 二人を助けて頂いて本当にありがとうございます」

 

 「改めて、アインズ・ウール・ゴウンだ」

 

 改めて互いの名乗りを行っている最中に、自身の後ろで転移門(ゲート)による転移の気配を感じ、視線をやってすぐに戻す。

 

 「丁度良い、紹介しておこう。 我が配下の一人であるアルべドだ」

 

 「ナザリックが従僕が一、アルべド、御前に」

 

 ・・・どうやら、目の前の三人(人間)に態々挨拶をしてやる必要を感じない、と言ったところか。

 

 

 「丁度良い、んじゃ俺も自己紹介をしておこうかね」

 

 突然の聞きなれぬ声と共に、濃密な気配、自身とは対極の『清浄な』それを伴ってその男は現れた。

 

 「お師様・・・!」

 

 驚き振り返ったンフィーレアの視線の先に、いつの間にか立っているその男。

 

 「っ・・・! モモ―――アインズ様、お下がりください。 あの男は危険です・・・!!」

 

 アルべドが危機感も露わに前へ出る。

 

 「おいおい、そんなに構えないでくれよ。 別にアンタらと事を構えようってわけじゃないんだ」

 

 そう言いながらゆっくりとこちらへ歩み寄ってくるその姿に、アインズも警戒せざるを得ない。

 

 「世界樹紋章の剣(ヒュプノカイエン)天世界の門(オーロラサークル)・・・だと・・・!?」

 

 (おいおいおいおい、世界級(ワールド)アイテム二本差しとか正気かコイツ!?

 しかも鎧が緋魔王(イフリート)と・・・確か緑宝石の鎧(スネークグリーン)の重ね着とは)

 

 男は薄く笑いながらも明らかに油断していないどころか、警戒心が滲み出ている。

 

 (まさかユグドラシルで失われた『聖域の遺産』を見る事になるとは・・・ね)

 

 「ほんとにそう構えないでくれよ、こっちとしちゃ一応の用心としてのこの装いなんだ。

 アンタらの方が強者なんだから、そこらへんは笑って許してほしいもんなんだが?」

 

 「ふむ、敵対の意思はない、と?」

 

 (嘘つけええええ! 殺意が高すぎる装備だろうがアホか!)

 

 「明らかに信じてねえな、いやマジだって。

 その、なんだ、まさかここまで警戒されるとは・・・こりゃ用心が裏目に出たな」

 

 じり、じり、と後ろに下がっているこちらに薄笑いが苦笑に変わるが油断は出来ない。

 

 「あー、その、なんだ、とりあえず名乗っとくぞ。

 オウル・アマルガムだ。 このえっとなんつったか、んっんー、そうそうフィーレアの師匠だ」

 

 「ンフィーレアです! こんな時までふざけないでくださいよ!!」

 

 間の抜けたやり取りに気が緩みそうになるがやはり油断はできない。

 

 「いや、あの、ほんと、俺の方がビビってんのにそう引かれるとそれはそれで困るっつーか」

 

 「いや、その装備を前に気を抜くのは無理なんだが、流石に」

 

 「いやいやいや、アンタだってガッチガチの装備じゃねえか、隣のねーちゃんも」

 

 「アインズ様、私が前に出てあの男の一撃を受けますのでその間に・・・!」

 

 「「いやまて、落ち着け」」

 

 「「・・・」」

 

 こうして、互いに警戒したままその状態が解消されるのに30分以上の時間を要した。

 

 

 

 そうして向かった村では、帝国の者と思しき兵たちが既に全滅していた。

 

  

 





オウル「いきなり序盤で魔王と遭遇した件」

アインズ「いきなり序盤で最強装備の勇者っぽいのと遭遇した件」

二人「「えっ?」」


 ■■■■

オウル「仲間とか知らぬ!俺だけは生き残って見せる!!」

アインズ「仲間たちの残した子供達(NPC)を守らなくては!!」

二人「「えっ?」」


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