オバロ二次 設定適当の駄文   作:むみあ

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死の支配者と■■ 5

 それから暫し後、ガゼフ、ンフィーレアと法国特殊部隊の戦いは幕を閉じた。

 誰一人殺めることなく、全員を無力化することに成功し村へと引き上げて来た部隊の姿を見ながら、その中に気を失ったガゼフとふら付きながらも歩くンフィーレアの姿を見つけ、アインズはオウルと共に話しかける。

 

 「お疲れさま、だ。 ンフィーレア君、中々の戦いぶりだったよ。 なあオウル?」

 

 「まだまだ俺らと比べたら雑魚もいいとこだけどな、アインズさんよ。

 ま、しかし・・・ちったあ男前になったか? 馬鹿弟子」

 

 「あ・・・ありがとうございます。」

 

 そんな二人の言葉に気恥ずかしさと嬉しさを感じつつ、どう返したものか戸惑いながら、その様子にンフィーレアは首を傾げる。

 何か先ほどの二人の様子から大分様変わりしたように感じられる。

 法国の部隊がやってくる前も、来た後も変化することのなかった二人のそれが変化したように見える。

 アインズの後ろに控えるアルベドの気配が相も変わらず剣呑な物であるから、より一層それが目立つように思われる。

 様子だけでなく装いにも変化が見られる。

 先ほどまでオウルは剣を携えていたのにそれがなく、アインズも最初に持っていた神々しいまでの威容を誇る杖を手にしていない。

 

 「あの、お二人共なんだか先ほどより打ち解けてませんか?」

 

 常であればもう少し考えてから口にしたであろう疑問が、様々な疲労によって鈍っていたせいかするりと口から零れる。

 そんな疑問に対して、二人は顔を見合わせて苦笑、と言ってもアインズは仮面で表情が伺えないが、を漏らしながら、

 

 「ばーか、まだだよ。 打ち解けるのは『これから』だ」

 

 「そうだな、『これから』だな」

 

 そう返してきたのでンフィーレアは更に首を傾げることとなった。

 

 それから二言三言他愛のない言葉のやり取りを終えると、アインズが纏う雰囲気が変化した。

 それに伴いオウルのそれも先ほどまでの緩んだものから引き締まったものへと変化する。

 

 「では、私は一旦『家』へと戻らせてもらおう。 『門』は開いたままにしておく、オウル―――」

 

 「ああ、呼ばれたら行くぜ。 それまでは誰も入らない様に注意しておくさ」

 

 そう互いに意味深な言葉を交わすと、アインズはアルベドを伴い背後に出現した(ゲート)へと消えて行った。

 初めて見るその位階不明の転移魔法と思しきそれに唖然としつつも、それが消える様子がない事にンフィーレアは先ほどの会話の意味を悟り、自身の師へと視線を向ける。

 それを受けたオウルは、何でもなさそうにその『門』を眺めている。

 

 「っつーわけで馬鹿弟子、俺はちっと御呼ばれしてるんでこの後ちっとばかし外すが・・・」

 

 そう呟いたかと思うとオウルはそれに向けていた視線を突如何もない筈の上空へと向け。

 

 「んーなんだ? ウゼエな」

 

 いきなりそう呟いた。

 

 その瞬間、空間がひび割れるような音が聞こえた気がした。

 

 

 

 ■■■■

 

 

 

 「さて、まずは私が勝手に動いた事、そして与えた任務を切り上げさせてまでこうしてお前たちを呼び立てた事、それを詫びよう」

 

 ナザリック地下大墳墓、第六階層闘技場にて、首を垂れる守護者及びその高位眷属達、及びセバスとプレイアデスの面々を見下ろしながら、アインズはそう鷹揚に声を掛けた。

 そしてその言葉に対し、まずアルベドが尊き御身、至高の御方においては我等に謝罪など恐れ多い事であり、ましてや独断で守護者達に召集を掛けたのは己であり、その不遜なる行いにどうか罰をお与えください云々、と後半に行くにつれ勢いを増す言葉をそれについての謝罪は不要であると遮り、と言うより迫ってくるその身を押し止め。

 次いでデミウルゴスがそのアルベドの言葉の前半を引き継ぎ、謝罪など恐れ多いと守護者以下全てのしもべ達を代表して意見を述べた。

 その言葉に頷き、アインズは事ここに至る経緯をしもべ達へと語り始めた。

 

 遠見の鏡によって見えた兵士らしき装いの者どもに蹂躙されている村、そこに現地の人間の戦力を己が目で確かめるべく赴いた事。

 最初に接触した兵士が驚くほどに弱く、気を抜いた直後に神器級(ゴッズ)アイテムを所持こそすれど、やはり強者とは言えない奇妙な少年と対峙した事。

 更にその直後、その少年の師を名乗る男が目の前に現れた事。

 そしてその後に起こった幾つかの出来事を経た後、こうしてナザリックへと、この第六階層へと帰投し、その前にこうしてここに召集しておいた守護者以下高位眷属達の前に居る事。

 

 「さて、かなり大まかにしか話してはいないが・・・詳しい経緯は後でアルベドに尋ねるといい。

 あまり長々と話して『待たせるのも悪い』のでな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 アインズはそうして自身が戻って来た時より開いたままの(ゲート)を見る。

 首を垂れていたしもべ達は既にそこから来る者を出迎える体制を整えて、己が前に整然と控えている。

 

 「予め言っておこう。 

 私が許可するまで、これより来る『件の男』と私の問答に口を差し挟むこと、一切罷りならん」

 

 絶望のオーラを身に纏い、常にない力を込めながら言い切る。

 各々から了承の旨を伝える所作を見取り頷くと、意を決してそれを発した。

 

 『入るがいい』

 

 

 

 

 

 そうして、(ゲート)を越えてそれは入って来た。

 

 最初の相対の時はまだ全開ではなかったのだろうその清浄なる気配、それを強く身に纏いながら姿を現す。

 身に纏う装備、携えた二振りの剣、その装いは初見時と変化せずとも、それ以外の全てが明確に違う。

 その姿が見えた瞬間、守護者を含めこの闘技場にいる全ての者に緊張が走ったのを感じながら、ゆっくりと歩み寄ってくるその姿を見据える。

 そうして階層守護者達が控える場所からかなりの距離を置いて、当然アインズからは更に遠いその場所でそれは立ち止まった。

 

 「さて、こういう大仰な場所での作法には疎くて申し訳ねえが・・・。

 オウル・アマルガム、お呼びに与かって罷り越した、とでも言うのかね?」

 

 そう言って腹の前方右側に握った左拳を添え、右手は剣の柄に手を掛けたまま軽く頭を下げた。

 それに対して何か言いたげな雰囲気をしもべ達から感じ取りつつも、言いつけ通りに余計な口を挟むまいと抑えたのを確認しそれに対して言葉を返す。

 

 「ああ、態々こうしてこちらの招きに応じて来てくれたのだ。

 あまり細かい事を言うほど狭量ではないとも、私も、私の部下たちも、な」

 

 とりあえず、念のために遠回しに釘を刺しながらもゆっくりと互いに間合いを確認するかのように言葉を交わしていく。

 まずは初見で互いの強さ、身に纏う装備の剣呑さに驚いた事。

 オウルは自身の故郷での最強の存在たる『精霊』に匹敵するアインズから滲み出る強者としての威圧感と、全身を覆う装備の恐ろしさを。

 アインズからは外に出てすぐに遭遇した物騒すぎる世界級(ワールド)アイテムを二本差しした、強者に出会った驚きを。

 そうして互いに警戒しつつ碌な話が出来なかった事。

 ふとしたきっかけで腹を割って話すつもりになり、カルネ村ではそれをする場には相応しくないと考えたアインズが、こうして場を整え、今こうしてここにオウルを招いた事。

 それを周りの者達に聞かせるかのように話しながら、アインズはしもべ達の様子を伺う。

 今までの二人の会話と、目の前に居るオウルのその出で立ちから感じるモノを目の当たりにしたお陰か、それぞれに納得した様子が見受けられ人知れず胸を撫で下ろす。

 尤も、納得できたが故だろう、警戒心やその他諸々の剣呑な雰囲気は全く収まることはなかったが。

 まあそれも仕方のない事か、先刻までの自身の態度を思い返しながら内心苦笑しつつ、それを切り替えるかのように視線を相対する男の元へと戻す。

 

 「さて、前置きはこのぐらいでいだろう」

 

 今までの比較的軽めに感じられる口調を改め、切り替える様に言葉に力を乗せる。

 

 「オウル・アマルガム、この世界に来て最初に出会った『強者』よ」

 

 じっ、とその姿を見据える。

 相手も自分を同じように見詰めている事を確認しながら、

 

 「――――我が軍門に、降るつもりは、あるかね?」

 

 

 ざわり

 

 

 そう闘技場に詰めるしもべ達の気配が揺らぐのを感じつつ、余計な口を差し挟むものが未だ居ないことに満足し表に出さずに息を着く。

 そして相対するオウルを視界に収めたまま、その返答を待った。

 

 

 

 どのくらいの間が空いただろうか、しもべ達の様々な思いが乗った視線を一点に集めたまま、

 

 「その前に、聞いていいか?」

 

 大きく、息を吐き出すように言葉を発した。

 

 至高の御方から恐れ多くも賜ったお言葉に、即答するどころか質問で返すとは、とでも言わんばかりの、と言うよりもきっとそう言うんだろうなこの忠誠心がありすぎるしもべ達は。

 そんな事を考えながら一気に膨れ上がった剣呑な気配を手を上げることで制止し、続きを促した。

 

 流石にそのいきなり膨れ上がった気配に気圧されたのか、少し顔を引きつらせながら苦笑いを浮かべてオウルは口を開いた。

 

 自分が弱いなどと言うつもりは断じてないが、ここにいるアインズの眷属を見れば彼我の戦力差は一目瞭然であり、わざわざ問いを投げずとも文字通り『力尽く』でどうにかできるだろう。

 

 「何故、問いを投げる? このアンタの陣営、その威容を見ればたった一人の男相手に阿る理由なぞありはしないだろうよ。

 『王』たるアンタはこう言えば良い筈だ。 ただ、『従え』と。

 逆らったならそれこそ、そこに控えるおっかねえ連中を嗾けて俺をブチ殺せば憂いもなく終了だろ?

 それが強者を束ね、そこに君臨する者の仕事で、アンタに忠を尽くす奴らに対する礼儀じゃないのか?」

 

 語るうちに調子を取り戻したのだろう、引き攣った顔は元のふてぶてしい物へと戻っている。

 そんな顔を見て思わず苦笑しながら、そうなのだろうと呟く。

 だが、

 

 「そう言って、お前は『はいわかりました』などと首を垂れるのかね?」

 

 そう試すように問うた言葉は、

 

 「―――無理だね」

 

 即座に切って捨てられた。

 

 瞬間、今までにないほどの圧力がその言葉を発した男に降り注いだ。

 

 

 

 

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