祝☆劇場版公開記念! ガルパンにゲート成分を混ぜて『門』の開通を100年以上早めてみた   作:ボストーク

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皆様、こんばんわ~。
空いた時間を利用してなんとか連日アップです(^^

さて今回は……とあるゲート・キャラが活躍&お手柄します♪
そして、ガルパンからも新登場が?

ラストにはちょっとした裏設定が公開されたりしとりますよ~。




第11話 ”敵本陣、発見です!”

 

 

 

「”倉田”曹長殿、師団本部(ホンマル)から連絡入りました」

 

「う~い。ようやく出番か」

 

正面きって戦闘(ガチの殴り合い)に使われるより索敵/偵察/斥候などの「師団の目となる任務」に使われることが多い【九五式軽戦車】の中で、無線を受けたノンキャリ叩き上げの帝国陸軍曹長”倉田武雄(くらた・たけお)”は欠伸一つついて車長席に座りなおす。

そして、胸ポケットから一枚の写真を取り出して、

 

「行ってくるよ。”ペルシア”」

 

”CHU”

 

と写真に写るメイド服姿のキャット・ピープル(ねこむすめ)にキスをする。

例え世界が違おうと、例え時間軸や所属する軍事組織が違ったとしても倉田の獣娘萌え(ケモナー)気質はぶれない揺るがない。

特に猫娘への萌える魂は時空隔壁すら軽く越え、”この世界”でもペルシアと出会い恋に落ち、ゲットした。

幸い、”この世界”ではダー○ベイ○ーのテーマソングが似合うようになってしまった上官あるいは元上官のお陰でイタリカは日本領となり、住人も日本国籍となり結婚もなんら問題はないだろう。

 

「たいちょおー、それ絶対フラグだからやめましょうよぉ~」

 

「……俺、この戦争が終わったらペルシアと結婚するんだ」

 

すると苦言した部下が視線を向けた少女が、腰のホルスターから武35式制式軍用自動拳銃(ブローニング・ハイパワー)を無言で抜こうとする。

 

「ちょっとまって副長! 確かにフラグは立てたかもしれないけど、今すぐ成就させなくてもいいと思うんだけどっ!?」

 

「いえ。隊長のフラグに巻き添えになる前に、根本から始末してしまおうかなーと」

 

「だから落ち着け! 俺が消えてもフラグは消えないかも知れないぞっ!?」

 

すると少女、ちょっと考える素振りをしながら……

 

「そうですね。ここで上官は始末したとすると色々面倒が付きまといそうですし、どうせなら戦死扱いの方が後腐れないですね? 隊長の二階級特進は納得いきませんが」

 

「ヤダコノ部下コワイ」

 

 

 

倉田がいつもの部下とのコミュニケーションを終わらせ、師団司令部の命令を聞き終えると、

 

「おしっ! 師団司令部付捜索連隊『第13装甲偵察小隊』、出撃!」

 

その声と同時に師団司令部直属の捜索連隊……他の国で言う”偵察連隊”麾下、倉田率いる第7装甲偵察小隊所属の九五式軽戦車4両が、九八式重戦車や九七式中戦車に詰まれた同族より4気筒少ない分コンパクトな統制型空冷V型8気筒ディーゼル・エンジンを響かせた!

 

 

 

***

 

 

 

さて捜索連隊というのは数多くある兵科の連隊でも、一風変わった編成を持つことで知られていた。

ちょっと前まで偵察や斥候と言えば騎兵隊の仕事だったが、自動車化が進む近代陸軍ではそれに代わる機械化偵察部隊が数多く生まれた。

 

ただ大日本帝国軍の場合は少々事情が異なる。

自動車化と同時に忘れ去られていく騎馬偵察が現存し、むしろそれを補強する形で自動車化が行われていたのだ。

 

騎兵は特に『特地』では未だ有効な偵察手段だ。

例えば今回、敵の伝令用早馬を追尾する”送り狼”役を担い敵野戦司令部を突き止めようとしているのは、『甲冑姿で”帝国”騎兵に偽装』した騎兵隊なのだ。

 

しかし、機動力で馬を勝る機械化した近代偵察隊も自動車先進国の英米の影響で増強著しい。

非装甲偵察車両としては国産初の量産型四輪駆動車【九五式小型乗用車】やハーレーダビッドソンや陸王などのオートバイをベースにサイドカーを取り付け軍用車両とした【九三式/九七式側車付自動二輪車】などだ。

しかし、”帝国”が後装式小銃の開発/量産に成功したことから自動車にも防弾程度の装軽装甲を施した自動車も必要とされ、国内企業でライセンス生産されていた【ウーズレー装甲自動車】や【ヴィッカース・クロスレイ装甲車】を続いて導入する。

 

しかし、近年になって偵察の重要性の拡大に伴い、「敵の砲銃弾が飛び交う中で偵察を行う」必要がでてきた。いわゆる”強行偵察”の概念だ。

 

 

 

強行偵察という言葉は勇ましいが、いきなり敵戦車や対戦車砲のどまん前に飛び出すわけではなく、戦場あるいは戦場になりそうな場所を流れ弾に気をつけながらこっそり偵察するのが任務で、一番留意すべきはゲリラ的な遭遇戦や歩兵主体の少数の待ち伏せなどだ。

この任務を行うべき開発されたのが【九五式軽戦車】だった。

この場合の軽戦車の定義は、戦車砲の直撃には耐えられずとも歩兵の銃撃には簡単に潰されない程度の装甲防御と、それらを駆逐できる程度の火力、何より速度や航続力などの機動性を最優先に設計された戦車だ。

火力と装甲が上記の程度でいいなら車体も小型軽量に作れるのは道理で、それゆえに軽戦車という分類になる。

 

史実では旧軍の悪しき伝統たる「病的セクト主義」のせいで”豆戦車”なる奇妙な分類の戦車亜種の軌道式装甲車両、【九二式重装甲車】や【九四式軽装甲車】が同時期に開発/製造されたが、”この世界”では九五式軽戦車に全て統合され、量産効果を狙い集中生産されていた。

そしてついに軽戦車とはいえ戦車までも装備するに至った装甲化された偵察部隊を”この世界”の日本軍は『装甲偵察隊』と呼んでいた。

 

 

 

***

 

 

 

捜索連隊は、分隊→小隊→中隊→大隊→連隊と集まり規模が大きくなる他の大半の兵科や6個中隊が集まり連隊を形成する戦車連隊とも編成が違い、騎兵隊/非装甲化自動車隊(バイクを含む)/装甲化自動車隊/軽戦車隊を小~中隊単位で多く纏める方向で編成されている。

例えば倉田のような装甲偵察隊は、16個小隊が連隊にあった。

 

戦闘ならば戦力の分散は避けるべきだが、こと偵察に関しては無線機の発達もありいちいち伝令に兵員を裂くケースが減少したために「より広範囲を細分化して偵察する」ことに重点が置かれたために、このような変則的な運営をしているのであるが……

 

 

 

「おっ、いたいた……ここに隠れてたのかよ」

 

どうやらその甲斐はあったようだ。

岩場に隠れて高倍率双眼鏡を覗いていた倉田が見つけたのは、前話にてみほが地図で示した森の中に陣を張る”帝国”の野戦司令部だった。

 

”送り狼”の騎馬隊は尾行に気が付かれたのか途中で見失っていたようだが、”帝国”早馬伝令隊はそこで安心したのが拙かった。

早馬の送り狼に気付き巻くまでに走っていた方向と位置から、大雑把な目的地の場所は割り出せる。

 

装甲化された自動車があるのにわざわざ日本軍が軽戦車を偵察隊に組み込んだ大きな理由の一つは、”登坂力と悪路走破性”があった。

この差は装輪式(タイヤ)無限軌道式(キャタピラ)の差だともいえる。

自動車というのはある程度整地された平らな地面ならその性能を発揮でき、キャタピラよりずっと故障が少なく燃費もいい。

だけど皆さんは工事現場などのぬかるみや雪の中で、車が泥濘や雪にはまりタイヤがスリップし立ち往生する中を、キャタピラ式の建設作業車や除雪車が悠々と走ってく姿を見たことは無いだろうか?

そして坂道を登る登坂力はタイヤよりキャタピラの方が滑りにくい故にずっと高い。

つまりキャタピラの強みは、「タイヤでは走れない場所を走れる」ことだ。

 

だから倉田率いる九五式軽戦車が、こんな「誰もそこに軍隊がいるとは思わない険しい山道の岩場」に人知れず登り、陣取ることができたのだ。

 

「副長、敵司令部発見の報告と座標を大至急、師団司令部(ホンマル)へ伝達!」

 

「了解」

 

なんとなく第6戦車中隊の”中隊長随伴車(カモ)”の戦車乗りを連想させる黒髪おかっぱ頭で視線からクールビューティな軍曹は、静かにそう返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***********************************

 

 

 

 

 

 

「そうですか……やっぱりこの森でしたか」

 

『西住ちゃん大正解だったねー。相手は緑色の迷彩模様の天幕に加えて、魔導師を配して光学迷彩式の術式張ってるみたいだよ。これじゃあ空から探しても見つからないわけだわ』

 

舞台は、再びみほ達が補給を受けてる最中の”南南西32番陣地(S.S.W/32)”。

近場で戦場音楽は聞こえず、負傷者の応急手当や野戦病院、更に後方への搬送が初まっているようだ。

この場所限定ではあるが、どうやら今回の戦闘は終了したようだ。

 

「だとすると……森の中にいる敵陣を戦車や航空機で直線的に叩くのは、あまり得策ではないですね……」

 

そして現在、みほは第13装甲偵察小隊からの入電により敵野戦司令部の場所が判明し、その対応を中隊通信を使って角谷杏(中隊長)と対応を協議中だった。

本来なら師団司令部の優秀な作戦系参謀が考えるべき案件だが、現在のところイタリカ周囲全域の防衛戦自体はまだまだ継続中であり、上層部は多忙だ。

なのでこのようなオプショナル・ミッションになりそうな場合は下の者が考えても良い。

組織工学上の欠点だらけだった我々の(平行)世界の旧帝国陸軍と違い、欧米の影響を史実よりも遥かに多く……受けすぎなくらい受けた”この世界”の日本軍は、三軍あわせてかなり風通しの良い組織になっていた。

少なくとも、「作戦発動前に問題や欠陥があるのに指摘を言えず、無駄死に量産して作戦失敗するよりずっとマシ」ということで疑問や不安や不満があれば意見具申することはむしろ下の者の義務と教育されていた。

無論、それを聞くのは上の者の義務とされ、聞く耳持たなかったり下の者の具申を握りつぶしたりは以ての外とされる。

 

蛇足ながら現在の日本三軍は軍学校の入学前検査や入隊前審査などあらゆる機会で適性検査や性格診断、心理テストを行っている。

国家自体がなまじ史実より近代化し裕福になり、国力維持発展の高品質の労働力確保がシビアになってる現状……言い換えれば無計画な軍拡や”赤紙一枚”のお気軽な徴兵ができなくなってる現状では、将兵問わず軍人は貴重なのだ。

「限りある人的国防資源は大切にネ☆」というのは国家も軍も共通認識だ。

 

道理で史実では勇名より悪名を遺した牟田口某とか辻某とか出世できないどころか、名前すら陸軍名簿にないわけである。

 

『そのココロは?』

 

「森の中への空爆は効果が限定的で、森の中への砲撃は弾着や砲撃効果の確認がやり辛いですから。この攻撃だけでは逃げられてしまう公算が大きいです」

 

『だねー。でも、西住ちゃんのことだから作戦は考えてあるっしょ?』

 

そこまで無条件に信頼されても困るんだけどなーとみほは内心で思いながらも、

 

「直線的な空爆や砲撃が駄目なら……」

 

彼女は知性に満ちた強い瞳で、

 

「むしろ、それを”猟犬の群れ”にしちゃいましょう♪」

 

 

 

***

 

 

 

『どういうこと?』

 

「簡単に言ってしまえば戦車隊で敵司令部を強襲、可能ならば空爆や砲兵科の虎の子”自走砲”部隊の支援砲撃を加えて、火力の集中投入で敵を森の中から叩き出します」

 

『さっきの話だとそのまんまじゃ逃げられかねないって話だよね?』

 

「ええ」

 

確かに森の中に放り込める火力を増やしただけではあまり意味はない。

 

「然る後、戦車隊を中心に敵を追撃、後ろから砲撃を加えて”誘導”します」

 

『誘導? どこに?』

 

みほは事も無げに、

 

「中戦車や軽戦車などの機動性の高い戦闘車両を中心に編成して”別働隊”を行軍させ、森への火力投入前に布陣させて待ち構える”火線網”にです」

 

 

 

『これは『第四次川中島の合戦』、かの有名な山本勘助の”啄木鳥戦法”かっ!!』

 

そう通信に割り込んできたのは第6戦車中隊第2小隊(カバ・プラトーン)小隊長車(カバ01)の砲手を務める戦国史マニア”杉山清美(すぎやま・きよみ)”兵長だった。

 

他の中隊ならいきなり中隊長と小隊長の通信に割り込めば叱責ものだろうが、杏はそのあたりを自分の中隊で煩く言うつもりは無い。

「大洗女子戦車学校」の出身者で固められた第6中隊……そしてその生徒会長だった杏は、大洗女子の強さの秘密の一つを自由闊達で円滑なコミュニケーションであることを誰よりも理解していた。

 

「正確には啄木鳥戦法の”現代版機甲戦アレンジ”といったところです」

 

元ネタが予想された人物から即座に返ってきたことに、軽く安堵するみほだ。

自分達はいつもどおりで、いつもどおりまだ戦えると。

 

 

 

***

 

 

 

『だとすると、最低でもうちの中隊と別働隊で西ちゃんの2個小隊(本部直轄機動予備)はキープしたいね。あと九九式襲撃機(キューシュー)も何機か』

 

西絹代少尉率いる本部機甲予備の九七式中戦車2個小隊8両は、みほ達が南南西32番陣地支援のために抜けた穴を塞ぐべく、第1/第3小隊が使っていた戦車隠蔽壕にもぐりこみ杏の指揮下で奮闘してたはずだが……

 

「そっちの様子はどうですか?」

 

『問題ないよー。こっちも戦闘はあらかた終わって補給受けてる最中だ。西ちゃんのとこも含めて脱落車無し。今のところは他の場所への支援命令も来てないよー』

 

みほは少し考え込み、

 

「なら、敵本部の強襲を行うなら、早めに決断したほうがいいですね? 敵軍が本格的に撤退を始めて本部に集まり出したら色々と面倒です」

 

『同意だね。わかった。連隊長に掛け合ってみるよ。まっ、最悪……』

 

杏は笑いを含んだ声で、

 

『柚子を人身御供に差し出せば、多少の無茶は聞いてくれるっしょ?』

 

『か、会長っ!?』

 

どうやらいきなり名前を出された本人から驚愕の声があがったようだが、

 

『またなんかあったら連絡すっからねー。以上、通信終了』

 

 

 

みほは、中隊長車(カメ)運転手の”小山柚子《こやま・ゆず》”のボディラインを思い出しながらふと思う。

 

「”お兄ちゃん”、巨乳好きだったかなぁ……?」

 

今更だが驚嘆の追加情報を一つ。

【遣イタリカ増強師団】麾下戦車連隊の今年度に就任したばかりの連隊長、”西住虎治郎(にしずみ・こじろう)”陸軍少佐はみほの実の兄であった。(ちなみに前任の連隊長は西絹代の父君である西竹臣氏)

 

また今の師団司令部付参謀の中には彼を非常に信頼し、みほや姉のまほも世話になった上官、”高橋清吾(たかはし・せいご)”中佐もいる。

妙に杏の要請が通ると思ったら、実はこんなからくりがあったのだ。

 

軍隊といえど所詮は人の作った組織、やはりコネは重要であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





皆様、ご愛読ありがとうございました。
それにしても……倉田くん出世したなぁ~(笑)
ちなみにペルシアとは結婚を前提に交際中だそうな(^^

みほがどうやら(主に敵にとって)ロクでもない作戦を考え付いた模様。ヘルム指揮官ならびに”帝国”司令部の皆様に合掌を。

杏の要請がああも簡単に通ったのは西住兄のコネでした。
西家もそうだけど、西住家……どんだけ戦車一家やねん。

今回は戦闘は一段落ついたようですが、次回は再び硝煙臭くなりそうです(えっ?)

それでは皆様、また次回にてお会いしましょう!



***



設定資料



九五式軽戦車

主砲:九四式三七粍戦車砲(口径37mm、47口径長)
機銃:武1919式車載機関銃(7.62mm)×3(砲塔上、主砲同軸、車体前面)
エンジン:統制型九〇式発動機AB型(空冷V型8気筒ディーゼル、160馬力)
車体重量:9.1t
装甲厚:砲塔前面25mm(最大),車体前面20mm(最大)
サスペンション:シーソー式連動懸架装置
最高速:48km/h
乗員:定員4名(運転手、砲手、無線手、車長。砲弾が軽いため装填手は車長が兼任する場合が多い)

備考
九五式重戦車と同時期に登場した軽戦車で、正面きった対戦車戦ではなく「弾がいつ飛んでくるか判らない危険な戦場での斥候任務」、つまり”強行偵察”を主目的として開発された戦車。
故にコンセプトは、「戦車砲の直撃には耐えられずとも歩兵の銃撃には簡単に潰されない程度の装甲防御、それらを独力で駆逐/排除できる程度の火力、何より速度や航続力などの機動性を最優先」というものである。
実際、もっとも想定された戦闘が軽装備の歩兵主体のゲリラ的遭遇戦や待ち伏せなのでこれで十分とされ、故に小型軽量化できたのだから軽戦車というわけである。

そのため対戦車砲や敵戦車にエンカウントしたら持ち前のエンカウントで逃げの一手だろう。

ただ、火力/防御力/機動力のいずれもが史実のそれに比べて強化されている。
例えば火力は主砲の名称や37mmという口径こそ同じものの長砲身化されているうえ、弾頭だけでなく弾薬筒も陸軍の九四式三十七粍砲と完全な互換性があり(史実の物は弾頭は弾薬筒が九四式三十七粍砲の物より短い弱装弾で威力が低かった)、高初速のため威力はかなり向上している。
そもそもその役割から”この世界”では九四式三十七粍砲と九四式三七粍戦車砲は、同じ原型から分化、同時開発されたものである
また史実より一名乗員が多く大型の砲を搭載するため、車体/砲塔リング/砲塔がいずれも大型化している。

装甲は史実より大幅に強化されていて場所により倍近く厚くなり、重くなった車体を史実の物より40~50馬力上乗せの統制空冷V型8気筒ディーゼル・エンジンを搭載することで相殺、いやむしろ心持ち機動性を改善していた。
また実用的な車載無線機を全車全モデル標準搭載していることも、この時代としてはエポックメーキングと言えるだろう。

車体/砲塔共に旧来同様に鋲止めで作られていて、見た感じは目新しい部分は少ないが、全体としてあえて技術的な冒険はせず手馴れた既存技術で堅実に堅牢に作られていて、荒っぽい使い方でも壊れにくい戦車といえよう。
前出の通り史実のそれより大きく2t以上重いが、その分内部容積も広く拡張性の高い構造を持っている。

前出の通り、九五式軽戦車の主任務は直接的な戦闘ではなく索敵/偵察/斥候であるため、配備されるのは戦車などを扱う機甲科ではなく、自動車化する前まで偵察任務の花形だった騎兵隊を拡張/近代化することで現在の形と生った捜索科(旧騎兵科)、その装甲偵察隊がメインの配備先である。
また、史実では豆戦車という区分で生産され、用途が被り易い【九二式重装甲車】や【九四式軽装甲車】と生産/配備計画が統合されている。





バリエーション・モデル

九七式歩兵支援車

主砲:九七式五糎七戦車砲(口径57mm、18.4口径長)
機銃:武1919式車載機関銃(7.62mm)×3(砲塔上、主砲同軸、車体前面)
エンジン:統制型九〇式発動機AB型(空冷V型8気筒ディーゼル、160馬力)
車体重量:9.1t
装甲厚:砲塔前面20mm(最大),車体前面20mm(最大)
サスペンション:シーソー式連動懸架装置
最高速:48km/h
乗員:定員4名(運転手、砲手、無線手、車長。砲弾が軽いため装填手は車長が兼任する場合が多い)

備考
歩兵の直接火力支援を行うために主砲を史実の九七式中戦車初期型に搭載された口径57mm短砲身の”九七式五糎七戦車砲”に換装、専用砲塔に格納したモデル。
基本的に榴弾系砲弾を発射する戦車で、史実の三式/四式軽戦車に該当する車体として完成した。
名称通り部隊の生産は皇紀2597年(1937年)からである。
名前の通り、この車両は機甲科ではなく歩兵科の配備車両となっている。

この九七式歩兵支援車以外にも九五式軽戦車のバリエーション・モデルは九七式中戦車同様に多い。











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