IS世界にいる『正義』の彼女のお話。
※にじファン、アットノベルスからの移転です。

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設定等は深く考えずにゆる~くお読みください。


IS世界の”正義”

 

 『IS』

 

 

 正式名称『インフィニット・ストラトス』 

 

 『篠ノ之 束』が開発した宇宙空間での活動を想定し、開発されたマルチフォーム・スーツ。だが現在では軍事転用され、世界最強の兵器として使われている。

 その世界最強兵器は、女性にしか反応しないという特性のせいで女尊男卑の世界を造り上げた。

 

 そして世界最強兵器ISを操る事を目的とする女性を育成する施設『IS学園』

 

 いかなるモノであろうと一切の干渉が許されないという条約が制定された一種の安全地帯。ISの特性上、女学園とならざるを得なかった学園。

 

 

 

 そんな場所に一人の『男性』が入学してきた事で、物語は始まる…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いや、もしかしたら…あの『少女』が居た時点で、この物語は始まっていたのかもしれない…。

 

 

 

 

 

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 キングクリムゾンッ! 原作話数は臨海学校編まで消し飛ぶっ!!

 

 

 

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 容赦なく照りつける太陽。白い砂浜。そんなどっかの雑誌にカラー写真で載ってそうな場所である。その砂浜には現在、大勢の女子が各々の水着を纏い、互いの姿を比べ合っていた。

 

 ある者は羨望の眼差しを。

 

 ある者は嫉妬の眼差しを。

 

 ある者は憐憫の眼差しを。

 

 ある者は絶望の眼差しでorzの姿。

 

 

 

 そして大勢の者が、唯一の黒一点へと注目する。

 

 

 

 

 

「やっぱり場違いっぽいよなぁ…」

 

 多くの女性の注目を集めながら溜め息一つ吐いたのは、冒頭で記されたこの学園ただ一人の男、織斑一夏。大勢の女性が、泳いだり、肌を焼いたりと興じている中で、彼は何をするわけでもなくただ座っていた。

 

「な~にをぼんやりしてんのよ」

 

 突然の声と衝撃に前のめりになる。首を廻らせるまでもなく、彼はもたれ掛かって来た人物を注意する。

 

「鈴、いきなり飛び掛るなよ」

 

「こんな美少女に構ってもらえるんだから、もっと喜びなさいよ」

 

「美少女…ねぇ…」

 

 スポーティーな水着に身を包んだ彼女の名は『凰 鈴音』中国の代表候補生である。

 

「何よ、文句でもあるの!?」

 

「イテテテッ! わ、わかった! 文句なしに、鈴は美少女です!」

 

「よし、わかればよろしい」

 

「あなた達は何をなさってますの?」

 

 次に現れたのは、ブルーのビキニに腰のパレオが輝く、金髪の女性『セシリア・オルコット』イギリスの代表候補生である。

 

 そして彼女の後ろには、もう二人の女子が居た。フランスの代表候補生『シャルロット・デュノア』に

ドイツの代表候補生『ラウラ・ボーデヴィッヒ』だ。

 

「お~。三人とも、その格好良く似合っているぞ」

 

「フ、フン。当然ですわ///」

 

「えへへ、ありがとう。一夏///」

 

「うむ。その言葉は素直に受け取っておく」

 

 三人ともが、好きな人からの賞賛の言葉に喜びを表す。だが同時に彼の人柄を知っているだけに少し残念にも思えてしまっていた。彼は素直に似合っていると思ったから、言葉にしただけであって深い意味は無い。それもわかっている彼女達だが、好きな人からの言葉にうれしくないはずがなかった。 

 

 今回の臨海学校で、彼を必死に振り向かせようとする彼女達。しかし、簡単ではないことも自覚していた。それは彼が朴念仁だという事も理由の一つである。そして何より、彼は彼女達にではなく…。

 

 

 

 

 

「あ、みんなここにいたの」

 

 

 

 

 

 この人に恋しているのだから。

 

 

 

 その声が響いた途端、場の空気が一変した。一夏はビクッ!と肩を震わせ、その声の主へを振り返る。

その他の女性は、やって来た人物へ敵意を混ぜた視線を投げかけた。

 

 そこに居たのは当然というべきか、女性であった。長く紅い髪を半ばから折り、纏めて上にあげて少し大きめの髪留めで留めている。そして同じ女性をもして羨むようなスラリとした体形。ソレらを黒の水着に包んだ姿は、素直に美しいと賞賛できるだろう。

 

 彼女は一夏のクラスメイトであり、ある企業の専属パイロットでもある。名は…。

  

「ア、ア、アア…アリアさん!?」

 

 ……である。

 

 彼女の姿に見惚れていた一夏の反応は劇的なモノだった。改めて言うが、彼は『king of ニブチン』の称号を持つほどの鈍感少年だ。女性からの好意を歪曲した形で受け止めてしまう彼が、女性に対してこのような反応をする事例は、この女性に出会うまで無かった。

 

 今の彼はまさしく絵に描いたような、恋する初心な少年であった。

 

「ア、アリアさん! その姿、良く似合ってます!」

 

「フフ、ありがとね。新調した甲斐があったわ」

 

 小さく笑う彼女の姿に、一夏はまたもや見惚れる…が、突如として襲ってきた激痛に我に返る。

 

「このっ…デレデレするな!」

 

「不潔ですわ! 一夏さん!?」

 

「一夏…」

 

「一夏よ…浮気は重罪だぞ…」

 

 原因は一夏ラヴァーズの嫉妬による制裁だ。

 

「だいたい、アタシ等には淡白な反応しかしなかったクセに、アリアさんが来た途端、ソレ!? 遠まわしにアタシ等が劣ってるって言いたいの!? 胸かっ、胸なのかっ!? ちっきしょう! このおっぱい星人がぁぁぁっ!!」 

 

「ちょっとお待ちなさい! ソレでしたら、ワタクシやデュノアさんだって該当しますわ。と、いう事はは他の要因が…」

 

「さりげに自慢してるのかぁぁぁぁぁ!!」

 

 勝手に突っかかっておいて勝手に自爆し暴走を始めた鈴音。周りの連中も止めようとするが、手に負えない。汎用決戦人型兵器の如き暴走は、暫くの間放っておくしかないようだ。

 

 

 

「まぁまぁ、落ち着いて鈴音」

 

 この場に居る何人かに八つ当たりをかました鈴音は、アリアに宥められて漸く動きを止める。

 

 自分の恋敵に宥められて落ち着くのか?と思うだろうが、彼女等も決してアリアが嫌いというワケではない。むしろ彼女の人柄に、この上なく好意を寄せている。なれば無碍にする道理も無い。 

 

「女の魅力は、何もバストだけじゃないのよ。鈴音だって、わかってるんでしょ?」

 

 親が子を叱るような声色に、さしもの鈴音もうろたえる。アリアは彼女等と同い年でありながら、普段は年上と錯覚させるような佇まいを見せる。そして時折覗かせる子供っぽさも彼女の魅力の一つである。そんな両方を併せ持っている彼女は、一夏からすればストライクゾーンだったようだ。さすがはシスコン。

 

「それに、この世界(・・・・)の偉い人だって言ってるでしょ?」

 

 鈴音の頭に手を置き、諭すように優しく語り掛けるアリア。 

 

 

 

「『貧乳はステータスだ。希少価値だ』ってね♪」

 

 

 

 いろいろ台無しである。

 

 

 

 

 

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 

 

 

 

 

 その夜、一夏は臨海学校故のプログラムを終え、夜の自由時間を散歩に費やしていた。普段だったら、彼の周りには一夏ラヴァーズの誰かしらが居るはずなのだが、今に限って言えば彼の姉にとっ捕まって絡まれている。

 だからと言って、今の彼は一人で居るワケではない。

 

「……」

 

(き、気まずい…)

 

 夜の砂浜を散歩していた一夏だったは、そこに座り海を静かに眺めていたアリアを偶然見つけた。高鳴る心臓の鼓動を抑え、彼女に声をかけて許可を貰い、隣り合わせに座っていた。そこまではよかったのだが、彼女は何も喋らずにただ海を…水平線の彼方を見つめていた。

 そんな愁いを帯びたような彼女に一夏は、声をかけることもできずただ時間が流れていった。 

 

「ねぇ?」

 

「は、はいっ!?」

 

 突然の声に上擦った返事が出た一夏。

 

「一夏は、今の生活は楽しい?」

 

「え、え~と…」

 

 質問の意図はわからなかった一夏は、とりあえず質問に対する今の自分の心情を吐露する。

 

「はい、楽しいですよ。そりゃあ、入学当初は男は俺だけだったから苦労したけど、ここに入ったから千冬姉や箒に鈴と再会できたし、セシリアにシャルにラウラに…ア、アリアさんとも出会えたし」

 

「……」

 

「正直、それ以上に苦労もしてるけど…やっぱり楽しいかって訊かれたら、楽しいって答えれます」

 

「フフ、一夏は本当に楽しんでるのね」

 

「……アリアさんは、楽しくないんですか?」

 

「いいえ、今の生活は楽しいわよ。私も心の底から楽しんでる」

 

「じゃあ、何で今みたいな事を?」

 

「……壊れるかもしれないからよ」

 

「壊れる?」

 

「今の世の中、ISという大きすぎる力が蔓延している。そして大きすぎる力は、人間の意志とは無関係に争いの火種となる。IS学園に在籍している私達は、言ってみればその火種の一つでもあるのよ。だから…もしISのせいで争いが起これば、私達も関わらざるを得ない。そしてそうなれば…この楽しい日常は崩れるわ」

 

「そんな…そんな事は…」

 

「ありえない事じゃないのよ。現に私は、その大きすぎる力によって生み出された争いをしっているわ」

 

「えっ? それは一体…」

 

「それは……秘密♪」

 

 さっきまでの真剣さは何処へやら。急におどけてみせたアリアの姿に、一夏は肩透かしをくらう。暫くアリアを見ていた一夏だったが、さっきまでの愁いの顔は見えなかった。もはやそんな空気ではなかったが、一夏は知った事かとばかりに、アリアへ言葉を投げかける。

 

「だったら、守ってみせます!」

 

「!?」

 

 突然の叫びに、アリアは驚く。だけど一夏は止まらない。 

 

「今の日常が崩れないように、今を守ってみせます。たとえ、壊れたとしても…取り戻せばいいんです。俺はみんなを…アリアさんを守ってみせます!!」

 

 言い終えた一夏。アリアは依然として驚いた顔のまま。それを見た一夏は、急激に恥ずかしくなってきいた。そして勢い良く立ち上がる。

 

「と、突然叫んだりしてゴメン。だけど、今のは俺の本音です。忘れないでください。ではこれでっ!」

 

 言うだけ言って、その場を去っていった。その場に残ったアリアは、暫くしてやっと我に返る。そして先ほどの一夏の台詞を思い出し、小さく笑う。                          

 

 アリアは、一夏が自分を好いている事を知っている。だがアリアは、二度と会う事はできないが、他に好きな人がいるのでそれに応える事はできない。だが一夏はそんなアリアの事情をも知っていながら、諦めなかった。

 

 一夏の眩し過ぎる純粋な言葉に、想いに、嬉しく思ってしまう。だが…

 

「一夏…私は君に、好意を向けてもらえるほど、いい人じゃないんだよ…」

 

 彼女の脳裏に蘇るのは、嘗ての彼女の『罪』。

 

 その『罪』は彼女に完全に根付いてしまっている。それが、彼女に影を落とす。

 

 一気にナーバスな気分になってしまった彼女は、今の自分の心情を的確に表している、自分の好きな人の口癖だった一言を呟く。

 

 

 

「…ヘヴィだわ」

 

 

 

 

 

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 

 

 

 

 

 翌日に事件は起こった。

 

 ハワイ沖で試験稼働中だったIS『銀の福音』が暴走。この付近を通過するということなので、IS専用機持ちが対処することになったのだ。一夏に一夏ラヴァーズ、そしてアリアも専用機持ちなのでメンバーに宛がわれた。

 

 作戦開始、当初は苦戦しながらもうまく行くと思われたが、ソレは命を賭けた実戦。不足の事態は起きるものだった。 

 

 

 

 結果、作戦は失敗。一夏が重傷を負い、残りの作戦メンバーも意気消沈といった有様だった。

 

 

 

 

 

 ただ一人を除いて…。

 

 

 

・ ・ ・ ・ ・

 

・ ・ ・

 

 

 

 

 アリアは旅館から遠く離れた、人気の全く無い場所に居た。そこで静かに佇み、海を…正確には戦闘の行われた作戦領域の方向を見ていた。

 だがその静けさとは裏腹に、彼女は内心は穏やかではなかった。その胸の内に渦巻くのは…怒り。

 

 昨日の夜、一夏は彼女に言った。日常を守ってみせると…。

 

 彼女にとって、一夏は眩しいほどの日常の象徴でもあった。真っ直ぐで、持ち前の明るさで慕われ、羨ましくなるような人物だった。

 

 

 

 だが今日、その一夏は重傷を負った。原因は何だ?

 

 

 

 決まっている。アレだ…。

 

 

 

 私の日常を…友人を壊そうとした。

 

 

 

 ならばどうする?

 

 

 

 捨て置けない…。 

 

 

 

 

 

 アリアはその場でISを纏う。白を基調とした彼女のISは、他の面子のISに比べると、華奢な印象を受ける。まるで機械というよりは……生物のようだった。

 

 そして彼女は頭に手を伸ばし、髪留めを外す。彼女の長く、紅い髪は重力に従い、地に流れる。

 

 この髪留めは彼女にとって、あらゆる意味での戒めであった。それを外すという事の意味を理解していながら、彼女は外したのだ。

 

 眼を閉じ、自身の内なる『者』に呼びかける。 

 

 

 

 まず最初に起こったのは、彼女の額に紋様が浮かぶ。次いでISに変化が起こった。

 

 

 

 手足にのみ、展開されていた装甲は、徐々に体を覆いつくしていく。脚から腰へ、胸へと徐々に覆いつくしていく白の装甲を、アリアは静かに受け入れる、やがて白一色だった装甲に青が混じり、遂には彼女の頭をも覆いつくす。

 

 

 

 全ての工程を終えたソレはISと呼ぶ者ではなかった。

 

 下半身は華奢で、しかし反比例するかのように上半身は隆起が目立つ、鋭角的な姿。手を覆う爪はもはや、それだけで一つの武器と呼んでいい程に鋭い。何かを搭載しているのかと思わせる巨大な両肩。ISには無い器官、白い尾も見受けられる。そして覗く両眼は紅。唯一、彼女の名残といえば全身装甲でありながら、その頭部から後ろに流れる紅い髪であろう。

 

 

 

 

 

『シャアアアアァァァァァァォォォォォォッ!!』

 

 

 

 

 

 咆哮をあげるその者をもはやISと思う者は居ないだろう。それもその筈。その者はISではないのだから。

 

 

 

 改めて彼女のIS――いや、彼女という『ギア』を紹介しよう。

 

 

 

 かの者の名は『ジャスティス』

 

 

 

 

 

 とある世界において、人類を絶望に陥れた最強最悪のギアである。

 

 




続編等はあまり考えてません。

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