踏み出す一歩   作:カシム0

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 またもお待たせしております。
 仕事が落ち着いてきたので書く時間が取れるようになってきました。
 ゴールデンウィークはどうなるか、結局仕事があるんですけどねー。
 さて、それでは俺ガイル続Blu-ray最終巻発売記念、ゲーム発売日決定記念で最新話お送りします。
 じゃあ、どうぞ。


過去に縋っても加護はなく、過誤が増えるだけ

 

 

 

 

 

 コートに立った私たちだけど、ネットを挟まずに同じ側にいる。私が全く経験がないから、簡単な説明を受けるところから始めなければならなかったのだ。

 

「留美、テニス経験はないんだったよな」

「うん。バドミントンくらいしかやったことない。卓球もないよ」

「そっか。じゃまず……ラケットの握り方なんだが、持ちやすけりゃいい。何だったら逆手に持ったってボールを打ちかえせりゃ問題ない」

 

 八幡は言いながら、持っていたラケットをクルリと回して、忍者みたいな持ち方で振った。あ、掃除の時間に男子が箒でチャンバラしてふざけていた時に似たようなことしてたな。何とかストラッシュとか。

 目を細めて八幡を見ると、居心地が悪そうにラケットを持ち直した。

 

「普通でいいからちゃんと教えてよ」

「悪い悪い。とはいえ、ちゃんと教えられえるほどルール把握しているわけじゃないけどな」

 

 八幡はカゴからボールを取って、私に放る。ボールはワンバウンドして手元に飛んできた。

 

「テニスはネットの向こうにボールを打って、二回バウンドするまでに打ち返す。ルールは色々とあるけど、そこまで気にしないで軽く打ち合うとするか」

「わかった」

 

 コートの片面を使い、私と八幡は打ち合いを始めた。テレビで見るようなサーブはせず(というかできないし)、八幡が軽く打ってくる球を私が打ち返す。

 なかなか難しい。力が強すぎて八幡の後ろに飛んでいってしまうし、打ち方がずれて変な方向に行ってしまう。

 それでも続けていけば少しずつ上手くなっていくもので、何度か八幡と打ち合い、ラリーをすることができるようになってきた。

 

「上手くなってきたじゃないか」

「そう? なんとなく、コツがわかってきたかも」

「よし、ちょっとペースあげるぞー」

「わかった」

 

 そう言った八幡が次に打ってきた球は、先ほどよりも速かった。それでも打ち返せないほどではない。ポーン、ポーンと、球を打ち返す音が心地よく響く。

 しばらく続けていると、不意に八幡が私が打った球を地面に叩きつけ、跳ね返ってきた球を手に取った。……ちょっとかっこいいと思ってしまった。

 

「そんじゃ、そろそろサーブやってみるか」

「うん」

 

 八幡に手招きされコートの後ろの線、その真ん中へ行く。

 ボールの入った籠を脇に置き、八幡はボールを上に放り投げ、打った。ボールはネットを越え、反対側のコートに突き刺さった。多分、ラインの内側に入っているのだろう。

 ……八幡のくせに、さっきからやることなすことかっこいい。これって、ギャップ萌えとかいうやつなんだろうか。それとも私が単純なだけか。

 

「こんな感じだな。とりあえず、籠の中が空になるまでやってみ」

「うん……コツとか教えてくれないんだ?」

「教えられるほど俺もわかってないしなぁ。習うより慣れろだ」

 

 八幡がボールを放ってきたので受け取る。口で色々言われても理解できるかわからないし、やってみたほうがわかりやすいのかもしれない。

 

「あとサーブはここから相手のコートの対角線の四角の中に入れなきゃいけないルールがあるからな」

「わかった。そういえば、八幡は誰に教わったの?」

「壁」

「……何?」

「だから、壁だ。壁先生はいいぞ。俺がどんな球を打っても必ず返してくれる。変な打ち方したら変な方向に返してくるスパルタだが、今のはダメだったんだなってわかりやすいし」

「……」

「何だよ」

「別に……」

 

 そんなボッチエピソードを聞かされてどうしろというのか。私が反応に困っていると、八幡が私の横に陣取った。ボールを渡してくれるのだろう。

 とにかくやってみよう。とりあえずは見様見真似で、っと。

 ボールを頭上に放り投げた。

 

 

 

 

 

 何球打ったのかな。数えていないけど、五〇は越えている気はする。一〇〇まではいっていないと思う。

 さすがにちょっと疲れてきたけど、狙い通りにいくようになってきた。

 最初のころはネットに当たってしまったし、ラインを越えてしまっていた。けれど、段々と狙った位置に打ち込むことができているような気がする。

 

「ふっ!」

 

 短く強く息を吐いて、打ったサーブは相手側のコートの枠内(サービスコートと言うらしい)に突き刺さった。

 次の球を受け取ろうと八幡に手を差し出したけど、いつまでたっても渡されない。

 コートから目を反らし八幡の方を見ると、私の眼前はタオルに包まれた。

 

「わぷっ」

「お疲れさん。いったん休憩にするぞ」

「……ああ、そっか。もう全部打っちゃったんだ」

 

 タオルの向こうから八幡の声がして、私は籠の中のボールを打ち尽くしたことに気が付いた。

 それに気づくと、今まで気にしていなかった疲労にも気づいてしまい、右腕が一気に重くなる。

 

「しかし、すげえ集中力だな。俺がタオル取りに行ったのにも気付いてなかったろ」

「そうかな。夢中でやってた気はするけど」

「だな。相当汗かいてるし」

「あ、やんっ」

 

 八幡が、まるで濡れた猫を拭くように私の髪を拭く。髪がぼさぼさになっちゃう。

 

「変な声出すなよ」

「八幡が乱暴するからでしょ」

「おい、言い方」

 

 多分、八幡は小町さんにも似たようなことをしているんだろう。雑に扱っているようで、私の髪や顔をぬぐってくる手つきはどこか優しい。手馴れている感じがした。

私のことを気安く扱ってくれるのは嬉しいのだけど、どこまでも妹扱いであることが伝わってきてちょっと悔しい。

 

「ったく。あ、そうだ。留美、休憩ついでに飲み物買ってきてくれないか。俺スポルトップな」

「ん? うん、わかった」

 

 そういって八幡が五百円球を渡してくるのだけど、ちょっと違和感がある。

 八幡だったら自分で買いに行くか、一緒に買いに行くかするだろうと思う。変な言い方だけど、パシリにするようなことはしない。

 周りを見てみる。

 八幡の足元に空のボール籠、テニスコートには私が打ったテニスボールが散乱している。

 なるほど。

 

「八幡」

「ん?」

「すぐに戻るから、ボール片すの残しておいてね」

「……ゆっくりしてきていいぞ」

 

 苦笑する八幡を見て、想像が当たったのを確信する。私のいないうちにボールを回収するつもりだったようだ。

 こういうことするから、いろはさんにあざといと言われるんだろうに。無意識にやってしまうんだろうな。働きたくないとか言っている割に、根が働き者なのだ。

 おっと急がなくちゃ。モタモタしていたら、八幡がボールを全て片してしまう。

 

 

 

 

 

 えーっと、スポルトップスポルトップ……ないなぁ。

 テニスコートの近くの自動販売機にはスポルトップなる飲み物はなかった。なので私はスポルトップを探して館内を歩き回っているのだけど、どうにも見つからない。

 名前からしてスポーツ飲料だと思うんだけど……もしかして私が戻るのを遅らせようと八幡に騙されたかな。さすがにそこまではしないか。

 屋内テニスコートは一階の端にあり、反対側まで来てしまったのだけど、その間の自動販売機にはスポルトップは見つからなかった。

 ここまで探してないのでは仕方がないか。スポーツドリンクを二つ買い、八幡のところへ戻ろうとした私だが、阻まれてしまった。

 

「鶴見」

「……開成くん」

 

 開成くんは何やら不機嫌そうな表情をしている。彼も飲み物を買いに来たのだろうか。それなら早く買えばいいのに、なぜか私の前に立ちはだかっている。

 別に開成くんのことを嫌っているわけではないけど、この間のこともあってどうしても身構えてしまう。さっきは綾瀬さんがいたけど、今はいない。彼女でもいてほしいと思ってしまうあたり、苦手意識が芽生えているのかも。

 

「どうして行っちゃったんだよ。今日調子よくってさ、すごかったんだぜ、二枚抜き」

 

 笑っている開成くんだけど、不機嫌さを隠せていない。そんなに私に見てもらいたかったのか。でも、それなら綾瀬さんがいただろうし、綾瀬さんが見ていたのなら別にいいと思うのだけど。

 

「私、彼氏と遊びに来てるの。言う前に行っちゃったけど。それに、ストライ○アウト? 別に興味ないし」

 

 もっと言うと開成くんにも興味はないんだけど、さすがに自重しておく。

 私の言葉を聞いた開成くんは頬を引きつらせつつ、笑顔を保とうとしていた。もう取り繕おうとするのやめればいいんじゃないかな。

 というか、やめたようだ。開成くんは笑顔を消して、不機嫌さを露わにしていた。

 

「彼氏? あの優男かよ。あんなののどこがいいんだよ」

 

 八幡を侮蔑する言葉にムッとする前に、優男という言葉が気になった。

 八幡を見て優男という言葉はまず浮かばないと思う。目が腐っているし性格もねじくれている。でも、さっきの眼鏡をかけたキモイ八幡だったら、初見の人は勘違いするのではないだろうか。

 開成くんはさっきの八幡は見ておらず、見ていたのは綾瀬さんだけだ。綾瀬さんが開成くんに八幡のことを伝えたのだろうけど……さっきの様子からすると好意的に伝えたんだろうか。

 というか、八幡と優男って、本人を知っていると絶対に浮かんでこない言葉だ。

 

「どうせひょろっちいがり勉野郎なんだろ」

「彼を知らないのに悪く言わないでくれる?」

 

 語気強く睨みながら言うと、開成くんはひるんだようだ。たじろぎながらもボソボソと呟くように言ってくる。

 

「そ、それに、俺と全く似てないし。あてつけのつもりかよ」

 

 少し意味を咀嚼するのに時間がかかってしまった。八幡と開成くんが似ていないのは全くもって同意するけど、あてつけって、何?

 

「なんで開成くんと似ている人と付き合っているって思ったの?」

「だってよ……鶴見、去年俺のこと好きだったんだろ?」

 

 またそれか。

 なんで一年以上も前の考えなしに言ったたった一言がここまで後を引いてしまったんだろう。どうして開成くんはその言葉を引きずっているんだろう。

 本当にわからない。

 深くため息をつきたいところだけど、今は我慢しておこう。

 

「そんな事実はないし、仮にそうだったとしても私には今付き合っている人が、好きな人がいる。それは開成くんじゃないよ」

「そ、そんな……嘘だろ? あいつになんか弱みでも握られてるんじゃないのか?」

 

 ……もう、これ以上開成くんと話すことはない。というより、話しても意味がない。

 

「もう行くね。彼氏待たせてるから」

「お、おい、待てよ!」

 

 立ちふさがる開成くんは、よけて戻ろうとした私に手を伸ばしてくる。先日のことを思い出して身がすくむ。けれど、開成くんの後ろから聞こえた声が、一気に私を安心させてくれた。

 

「留美、どうした?」

「八幡?」

「遅いからどうしたのかと思ったよ」

 

 不意の声に驚いた開成くんが戸惑っている内に、八幡の元に駆け寄る。何でだかまた眼鏡していたので、面食らってしまったけど。

 というか、まだそのキャラやるんだ。また頭抱えたら、指差して笑ってあげようか。

 

「ゴメン、同じ学校の子につかまっちゃって」

「そうか。もういいのかい?」

「っふ……うん、それじゃね開成くん」

「あ、ああ……」

 

 爽やか八幡に笑いそうになりながら、開成くんに手を振ってそそくさとその場を離れる。見せつけるつもりはないんだけど、隣に並ぶと八幡は自然と手を伸ばしてくるので、つないで歩く。八幡の体温が伝わってきて、心細かったのがあっという間に消えてなくなった。

 

「もうボール片しちゃった?」

「ああ、それは別にいいんだけどな」

 

 戻る途中に眼鏡を外してこめかみを抑えている八幡に聞いてみるけど、やっぱりボールを片付けた後だった。結構時間をかけてしまったので予想通りではあったのだけど、申し訳なく思ってしまう。

 

「よくないよ。それと、もうひとつゴメン。スポルトップっていうの、見つからなくて。はい、これ」

「何だと? 千葉のスポーツドリンクを置いてないとか、どうなってんだ」

「聞いておけばよかったんだけど、私、それ見たことないんだ。どういうの?」

「おお、これもジェネレーションギャップか。紙パックのスポーツドリンクで……あれ、もう販売していないんだっけな? そういや、俺も最近見てねえや」

 

 八幡にペットボトルを渡す。どうやら八幡自身も知らなかったようだけど、スポルトップなる飲み物はもうお目にかかることはできないのかな。八幡が好きな飲み物なら知っておきたかったんだけどな。

 

「そう言えば、なんで八幡はあっちから来たの?」

「ん? あ、そうそう」

 

 ふと、気になったことを聞いてみる。私は自動販売機を探してぐるぐると歩き回っていたのだけど、八幡が来た方向はテニスコートのある方向ではなかった。確かあちらには受付があったように思ったのだけど。

 八幡は、ポケットから何やらと取り出した。なんだろう、ゴム、かな?

 

「留美、髪まとめてなかったからな。そんだけ長いと運動するのに邪魔になると思って、受付で買ってきた」

 

 ほれ、と渡してきたのは非常にシンプルなヘアゴム。私は部活の時はいつもヘアゴムで髪をまとめていたのだけど、今日は忘れてしまった。だから、さっきまで髪を振り乱してテニスをしていたわけだ。

 ……どうしよう。すっごい嬉しい。ヘアゴムは飾り気のないシンプルなものだ。それこそ百円ショップにでも行けば売っているものだろう。でも、八幡が私のことを気にして、私のために買ってきてくれたヘアゴムは、もはや私にとっては宝物と同等だ。

 こういうことを心の準備が整っていないときにやってくるのだから、八幡はあざとい。

 

「あー、安物だし、いらないってんなら」

「う、ううん、いる。欲しいっ!」

「お、おう」

 

 私が嬉しさを噛みしめてヘアゴムをじっと見ているのを、八幡は嫌がっているように見えてしまったようだ。

 危うくヘアゴムをしまわれそうになってしまい、食い気味にがっつくように言ったので八幡が若干引いていた。落ち着こう、私。

 

「ありがとう……つけてくれる?」

「つけるって、俺がか?」

「うん……ダメ?」

 

 どうせならと思いお願いしてみた。自分でも変なこと言っているのは理解しているので、気恥ずかしくて八幡の顔が見づらい。

 あれ、これはひょっとしていろはさんが言っていた上目づかいではなかろうか。

 

「ダメなこたないが……ま、いいか。ほれ後ろ向け」

「ん……どうせなら、このままで」

「なにがどうせなんだよ。このままって、そりゃ物理的に難易度高いぞ」

 

 八幡に正対する。後ろから髪を結ってもらうのが普通なんだろうけど、正面からお願いしてみる。ダメ元というか毒を食らわば皿までというか、どうせならとことん甘えてみようと思った、のだけど。

 

「上手くできなくても文句言うなよ」

「うん……あっ」

 

 困ったように頭をかく八幡からペットボトルを預かり、八幡を見上げる。

 正面から後頭部の髪をいじってもらうのだから、自然と私は八幡の腕に抱かれているような形になる。

 目の前に八幡の胸板、左右に八幡の腕、思いの外ガッチリとしているように見えてドキドキする。触ってもいないのに八幡の体温が伝わってくるようだ。あ、そういえば、私汗臭くないかな。急に気になってしまった。

 だけど、そんな私の葛藤は八幡が私の髪に触ってきたら吹き飛んでしまった。

 八幡は優しい手つきでこめかみから髪を梳き、首元に髪を集める。手櫛だからくすぐったくもあり、耳元を指が通った時に震えそうになってしまった。見上げると八幡のまじめな表情。

あ、ダメだ。これ想像以上に恥ずかしい。

 

「留美の髪はサラサラだな」

「ぇ、うん。お母さんに手入れの仕方教わってるから」

「そっか」

 

 危ない。気が抜けていたから、ふぇとか声が出るところだった。八幡は凄く丁寧に真剣に髪を扱ってくれるので、より気恥ずかしくなる。

 

「おし、できたぞ」

 

 髪を撫でつけられるのは頭を撫でられているのと一緒なんだな、とか思っていたら、八幡が達成感のある言葉とともに離れた。

 名残惜しさを感じつつ後頭部に手をやると、思っていたより上の位置に髪が縛られていた。

 

「……ポニーテール?」

「運動する女の子の髪型と言ったらこれだろ」

「そうなの?」

 

 近くの壁に大きな鏡があったので見てみる。すると、やりづらい体勢からやったとは思えないほど、きれいなポニーテールができていた。

 

「八幡、慣れてる?」

「いや、そういうわけじゃないんだけどな。昔、小町が髪長かった時にやったことがあって、指が覚えてたっつーか」

「へえ、小町さんポニーテールにしてたんだ」

「ああ。色んな髪型にしていたけど、ポニーが一番似合うって言ったらずっとポニーにしてたな」

「ふーん……」

「何だよ」

「別に、なんでもない」

 

 八幡と小町さんの兄妹はお互いを好きすぎるんじゃないかな。仲がいいことを悪いこととは思わないけど。

 一番のライバル、というか危険人物は小町さんなんじゃないかと思えてきた。

 

「……私は?」

「あん?」

「髪、似合う?」

「留美は大人しいイメージだったけど、活発な感じも似合うな」

「……可愛い?」

「おう、可愛い可愛い」

 

 八幡が頭を撫でてくる。言わせておいてなんだけど、言い方がぞんざいな気がする。それでも顔がにやけてしまいそうになって八幡から顔を背けると、尻尾が合わせて揺れる。今まで首元で縛ってただけだから、ちょっと新鮮な気分だ。

 明日から、もうちょっと髪型に拘ってみようかな。

 そんな話をしている内にテニスコートに戻ってきた。

 

 

 

 

 

 八幡と並んでベンチに座ってスポーツドリンクを飲む。八幡は何も言わない。

 先ほどああは言ったけど、ただ同じ学校の子に捕まっていたのだとは、八幡も思っていないだろう。けれど、私が何も言わないので八幡が触れてくることはない。

 無関心なのだとも取れるけれど、そうではない。八幡は仕事であったり、自分が原因のことだったりなど、理由があれば自分から積極的に関わっていく。けれどもそうでないときは放っておく。

 奉仕部の活動理念からして『飢えた人に魚を与えるのではなく魚の取り方を教える』というものだ。八幡も、面倒だという理由もあるのかもしれないけど、基本はそのスタンスを崩さない。

 だから、今回も私が八幡に相談しない限りは聞いてくることはないと思う。というか、開成くんに関しては、もう私の対応は決まっているので相談する必要もないのだけど。

 

「さて、そんじゃそろそろ試合してみるか?」

「うん」

 

 さて、休憩も終わりだ。残り時間もそう多くはない。

 今日始めたばかりの私が八幡に勝てるなんて思わないけど、それでも一矢報いたい気持ちはある。

 私は尻尾を一撫でし、コートに向かった。

 

 

 




 私と同年代の人ならば、陸上部のバンビちゃんに心惹かれた人がいるはず。一番好きだったのは2の唯でした。

 それはさておき、私はテニスの知識はベイビーステップくらいしかありません。体操もガンバFlyhighくらいです。
 だから、作中何か間違っていたら容赦なく突っ込んでください。赤面しながら訂正します。
 
 最近月一更新になっているので、次回はもっと早くしたいなーと、いつも思ってはいます。いつもできていませんが。
 今回の話は、本当はワンセットマッチまでやろうと思っていたのですが、文字数を考え次に回します。
 なので、ひょっとしたら、あまりお待たせすることなく、投稿できる、かも。

 ゲームの公式ページを見て、登場キャラクター一覧にルミルミがいなくてへこみ、戸塚が普通にいてふきました。
 じゃあまた。

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