楽しく逝こうゼ?   作:piguzam]

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文章内の///という照れ表現は移転作業が済み次第随時削除していきます


第12話~今日はよく女の涙を見る日だなぁ…俺の涙も…

 

 

 

 

 

「あ~…クソッ…髪の毛がボッサボサになってら…」

 

「だ、大丈夫かい?」

 

夜の道を歩きながら俺はアルフにぐちゃぐちゃにされた髪の毛を手櫛で整える。

だが、余りにもぐちゃぐちゃになりすぎて効果はねぇ…所々跳ねてやがる……

そんな悲惨な状態の俺を肩に乗ったフェレット状態のユーノが心配してくれる。

 

マジ感謝ッス。

男友達って大事だね、ヤッパ。

 

「あぁ…心配してくれんのはオメエだけだよ…ユーノ…」

 

「あ、はは…と、当然だよ…(言えない…僕がアルフに言ったなんて…絶対に…)」

 

なんか目が泳いでやがるがどうした?

 

「オメエはいい奴だなぁ…そっれに比べてよぉ……」

 

「………」

 

俺は腕の中でぶすっとしているアルフに視線を送る。

 

「オメエは何時まで不機嫌なんですか?アルフさんよぉ?」

 

「………」

 

子犬状態のアルフは俺の声に一切耳を貸しちゃくれません。

マジで俺が何したよ?

 

あの後、翠屋の入り口でアルフに噛まれた俺はフェイトの家に向かって、夜道を歩いてる。

腕に子犬状態のアルフと肩にフェレットモードのユーノを装備して。

ちなみにアルフは『呪われた』系の装備だけどな。

翠屋の前で5分ほど俺の頭に噛み付いていたアルフはそのまま俺の腕にしがみ付いてきたので抱っこしていたんだが

フェイトの家に向かうため腕から降ろそうとしたら……腕に思いっきり噛み付きやがった。

それから、何度も降ろそうとする度に噛み付くので諦めて抱っこしてます。

ホントに『呪いのアルフ』状態だよ。どっかに御祓いの呪符ねえかな?

散々噛み捲くってくれたおかげで俺の腕とジャケットの裾は噛み後だらけだ。

 

俺は噛めば噛むだけ味の出る骨ガムじゃねぇんですが?コノヤロォめ…

 

ちくせう

 

「まったくよぉ……久しぶりに会ったら噛み付きて…何の罰ゲームだっつーの…」

 

そう愚痴を零しながら腕の中のアルフを撫でてやる。

人通りが少ないところ歩いてるのにアルフは全然喋っちゃくれねぇから

俺が一人で呟いてる状態だ。

 

「……」

 

未だに喋っちゃくれねえが、最初みたいに唸ることはなく俺の腕にアゴを乗せて垂れている。

普段ならスッゴイ和むような仕草だが、アルフの目はまだ不機嫌なまんまなので全然和めねえ。

 

マジでだめだわ。こりゃ、相当怒ってやがる。

つうか何に怒ってんのよ?アルフさん?

俺にはなんでアルフがココまで怒ってるか皆目検討がつかない。

 

…それと…もう一人不機嫌なのがいるんだよなぁ………

 

俺は出そうな溜息を飲み込みながら、手を後ろに組みながら前を歩くそいつを見る。

 

「………」むすっ

 

「フェイト~?いい加減、機嫌直してくだせぇや…」

 

「………」ぷいっ

 

「……ハァ…」

 

俺の前を歩いているのは頬袋を膨らました顔のフェイトさん。

首を反対に向けて俺から視線を逸らすその仕草は吹きだしがあれば『プンプンしてます』って感じだ。

やってることは素晴らしく可愛らしいんだが……さっきから俺に一っ言も返事をしてくれません。

…目線すら合わせちゃくれませんぜ。この娘。

どうにも俺がアルフを抱っこしているのが気に入らねぇようだが…

降ろそうとしたら噛まれるんだから仕方なくねぇか?

 

降ろす→噛まれる→降ろす→噛まれる→以下エンドレス……

 

仕方無しにアルフを抱っこすれば今度はフェイトが拗ねて怒ってくる。

フェイトの機嫌を直そうと降ろせばアルフに噛み付かれるです。

 

どうしろと?

 

あまりの理不尽さに目から汗が出そうだったぜ……

例えるなら『ギャルゲーの最後の選択肢でどっちを選んでもBAD ENDだったときの理不尽さ』ぐらいに…

 

肩にいるユーノが前足でポンッと俺の肩を叩く。

俺を見つめるその目は慈愛に満ち満ちている……

その優しさが………とても染みてきます…

 

そんな感じで早く着かないかと祈りながら俺達はフェイトの家を目指して夜道を歩く…どうしてこうなったよ?

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

フェイト達が引っ越したのはこの近所の高級マンションだそうでリンディさん達アースラ組も一緒に住むそうだ。

嘱託魔導師としてもそのほうが都合がいいらしい。

 

ちなみに教えてくれたのはユーノ君です。二人は喋っちゃくれません。

 

そんで、辛い道を歩くこと5分。やっとフェイトの住むマンションに着いた。

感覚的には1時間はあったけどな……

目的のマンションに着いたときにはまるで砂漠にオアシスを見つけたときのような安堵感がでてきました。

そのままエントランスを潜ってエレベーターに乗る。

結構、上の階で降りてやっとこさマンションの入り口に着いた。

フェイトがポケットから鍵を出して扉を開ける。ちなみにココまでの道のり、俺達に会話は無い。

 

…この年で胃がやられそうだったぜ……

 

「ただいま」

 

フェイトが帰った挨拶をすると奥から半年前と余り変わって無いクロノがでてきた。

 

「あぁ、お帰り…ってゼンじゃないか!?久しぶr……」

 

クロノはアルフに噛まれて髪がぼさぼさでジャケットの腕の部分がボロボロの俺を見て固まっている。

まぁ、そうなっちまう気持ちはわかるけどな……

そして事態を理解したクロノの目は驚愕から同情に変わっていく…

 

「…久しぶりだな…クロノ…元気そうで良かったぜ…」

 

「あ、あぁ…ありがとう…き、君も元気そう……だな?」

 

疑問系かよ。

 

「と、とりあえず入ってくれ。お茶をだすから…」

 

「あぁ…すまねぇな…」

 

「ぼ、僕も手伝うよ…ゼンはゆっくりしていなよ?…」

 

ユーノは俺の肩から降りて変身魔法を解除して人間になる。

 

「そ、そうだな。ユーノも来てくれ…ゼンは、ゆっくりしてくれたらいい…」

 

「…すまねぇな…」

 

そのまま二人はキッチンに向かう…

今日はとんでもなく疲れたし、お言葉に甘えますか…

と、その前に…

 

「フェイト」

 

俺は玄関をまたぐ前に、未だにむすっとしているフェイトに声を掛ける。

 

「………何?」

 

俺を見る目は未だに不機嫌一色…心が…折れそうです…

 

「あ~その、よぉ……連絡先教えてなかったりしたのは悪かったからよ……そろそろ機嫌をなおしちゃくれねぇか?…な?」

 

俺の手は自然とフェイトの頭を撫で始めた。

なんか吸い寄せられちまうんだよなぁ…フェイトは嫌がらずに撫でられている。

そのまま俯いて、たっぷり数十秒沈黙した後…

 

「……うん…」

 

顔を上げて、一言だけ返事を返してくれた。

 

あぁ!!助かった!!

マジでこのままじゃ胃がやられるとこだったぜ!!

 

「ご、ごめんね?…ずっと無視しちゃって……」

 

フェイトもやり過ぎたと思ったようで、ちょっとオロオロしながら謝ってくる。

 

「なぁに、いいってことよ…頬を膨らましてるフェイトも結構可愛かったしなぁ」

 

俺はちょっと意地悪な感じで言ってやる。

まぁ、実際可愛いかったしな。

なんつうか『主人に構ってもらえなくてへそ曲げてる犬』って感じで。

 

「ッ!?///…あ、あうぅ…///」

 

再び俯くフェイトだが、頬は真っ赤になっている。

やっべえ。

滅茶苦茶可愛いんですけど!?手が、手が止まりませぇんッ!!

俺はそのまま調子にのってフェイトの頭を撫で続ける。

 

「うんうん、さっきのフェイトもいいがこっちのフェイトも可愛いなぁ、おい」

 

「ぁう…うう~…///」

 

羞恥で顔を真っ赤にしながら声を上げるフェイトに萌えっぱなしでテンションがハイになってた俺は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グルルルルル……」

 

手元で唸り声を上げるアルフをスッカリ忘れてた。

 

 

 

アウチ

 

 

 

 

 

 

ガアァァァァブウゥゥゥゥゥッ!!!

 

「んぎゃあぁぁぁぁあっぁあぁぁああっぁあっす!!!!?」

 

 

 

 

噛み跡がまた一つ、増えたぜ……

っておいッ!?まだ噛み足りねぇってかっ!?

ちょっ!?まっ!?まっ………

 

 

 

 

 

 

 

アッーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

「ゼン…大丈夫かい?」

 

「……………」ボロッボロ

 

「…大変だったな…」

 

今はリビングのソファーに全員座っているんだが…俺の状態を一言で表すなら、ボロッボロです。

ボロボロではありません。ボロッボロ。

服も顔も噛み跡だらけ、マジ痛えよ。

そんで、俺をこんなにズタボロのボロ雑巾にしてくれやがった張本人は……

 

 

「ふんっ!!ゼンの馬鹿があたしを忘れるからいけないのさッ!!」

 

人間形態(大人)で胡坐をかいてソファーにふんぞり返り、未だに俺への愚痴がノンストップですた。

かなり、ご機嫌斜めです。

 

こんなときに彼女を納めてくれる筈のフェイトさんはというと………

 

「///…ゼンが私のこと…か、可愛いって……あ、あぅぅ///」

 

頬に手を当てて煙を噴いて時折、頭を左右にふってます。

つまりはポンコツになってます。

まぁ、俺がそうしたんですがねぇ…噛まれ捲くってる俺の横でトリップするってどうよ?

とりあえずフェイトは置いといて……今はアルフの機嫌を直すほうが先だな…

 

「…痛てて…わ、悪かったって…久しぶりだな、アルフ…元気そうで良かったぜ…」

 

痛みを波紋で和らげて立ち上がった俺は服を『クレイジーダイヤモンド』で治してアルフに声を掛ける。

俺の「悪かった」って言葉あたりでアルフの耳がピクンッと動いた。

 

「ッ!?そ、そう簡単には許してやんないよ!!」

 

だが、目を俺にちょっと向けただけで未だに顔はそっぽを向いている。

 

「だから悪かったっつうに。またアルフに会えたのは本当に嬉しいんだからよ…機嫌直してくれって…頼むわ…」

 

俺はそう言って頭をさげたんだが、反応が無かったんで顔を上げてみると……

さっきの不機嫌な表情から一転、ソファーに座ってるアルフは膝を抱えて目尻に涙を溜めたまま俺を睨んでいる。

体育座りみたいな状態だ。耳もなんか、ぺたん、としてるんだが…

 

……何?この可愛い生き物?

 

「……なにさ、あたしがいない間に別の雌と楽しんでたくせに!!その雌を構ってやりゃいいじゃんか…」

 

そう言って俺から視線を外して口を尖らせてる。

胸の前で両手の人差し指をツンツンしながら…

……すいません、その反応は可愛いすぐるんですが。

ってチョイ待て…

 

「あぁ?別の雌だぁ?」

 

別のって…知らないんですが?一体誰のこと言ってんだよ?

だが、俺のその反応はお気に召さなかった様でアルフは再び涙目で俺を睨みつける。

俺を見るその目はまるで『しらばっくれるなっ!!』と言いたげな目だ。

 

………なんぞ?

 

俺が首を傾げていると、遂にアルフの目尻から溜まっていた涙が一筋零れた。

そのまま涙を拭いもせずに俺を睨みつけて爆発した感情をぶつけてくる。

 

「ッ!?……良くもまぁそんなことが言えたもんだねっ!?

 じゃあアンタに染み付いてるそのあたし以外の雌の匂いはなんなのさっ!?

 ここにいてもプンップン匂うよっ!!イヤラシイ雌の匂いがねッ!!

 あたしがいないのをいい事に別の雌と遊び回ってたんじゃないかッ!!

 あ、あたしが…ゼンに会いたくて、会いたくて必死に…が…頑張ってる、時に……ひっぐ……

 …アンタは…ぐすっ………他の雌とイチャイチャしてたんだぁッ!!うわぁあっぁんっ!!!」

 

溜まりに溜まった感情を吐き出したアルフはそのまま傍にいたエイミィさんに泣きつく…

エイミィさんの俺を見る目は女の敵を見る目です。

 

………なんで『結婚したての妻が夫に浮気を責める』みたいな感じで怒られてんの?俺?

怒りと悲しみがごっちゃになったアルフは涙をポロポロ流しながら俺を責めたてている。

その涙と悲しみに染まった表情を見ていると罪悪感で胸がメチャクチャ締め付けられてくるよ。

……………今日はよく、女の涙に罪悪感を感じる日だなぁ、おい。

 

そんなことを考えていると生ゴミを見るような視線にレベルアップしたエイミィさんから……

 

「ゼン君ってさ…………………サイッテーだね。」

 

トドメの一言が出てきた。

 

『ブッタ切ってやるっ!!』

 

エイミィさんの言葉が俺のハートを容赦無くシルバーチャリオッツの如き速さで切断していく。

最初より声が1トーンぐらい下がるのが凄く効きます。

女性から言われたくない言葉、ブッちぎりのNO1を貰った俺は崩れ落ちそうになる。

 

なぜか今、幻聴が聞こえますた……ポルナレフェ…………

 

クロノとユーノは俺のことを泣きそうな表情で見ている。

目は口ほどに物を言うと言うが、二人の目は『もう止めてッ!ゼンのLIFEはゼロだよッ!?』と語っている。

……こいつ等みたいに思ってくれる奴がいなかったら、俺はもう立ち直れなかっただろうなぁ…

俺の姿を見ていて辛くなったのか、ユーノが俺に教えてくれる。

 

「ゼ、ゼン…アルフが言ってるのはね?……他の動物の匂いのことなんだよ」

 

ユーノから貰った最大のヒントを元に俺の頭の中で検索作業が行われていく。

……他の動物だぁ?…てぇことは……アイツしかいねえじゃねぇか…

 

「……久遠のことか?」

 

今の所、俺が愛でる動物なんか久遠しかいねえんだけどなぁ……

俺の声が聞こえたアルフは顔をあげてソファーから飛び上がって俺に掴みかかってくる。

胸元を掴まれた俺の体はアルフとの身長差と相まって、宙吊りにされ、ブランブランと揺れる。

 

ちょっ!?苦しいッス!?アルフさ……

アルフはそんなのお構い無しに俺の胸倉を掴む手に力を込めて怒鳴りだす。

 

「そぉら見ろッ!!ヤッパリ他の雌と会ってたんじゃないかっ!?

 『久遠♪』だなんてだらしない声で呼んじゃってッ!!イヤラシイったらありゃしないよッ!!

 …アタシが居ない間に……アタシの………アタシのゼンを誑かしやがってぇえぇッ!!!

 ギリギリギリッ!!!(手に力を込めまくって胸元を締め上げていく。反比例してゼンの顔も白くなる)

 その久遠とかいう雌はどこのどいつだいッ!?白状しなっ!!庇い立てすると、容赦、しないよッ!!?」

 

アルフは俺を前後にガクガクとshakingしながら問いただしてくる。

 

も、もう既に容赦ないッス!!?酔います酔います酔いますぅッ!!?

つうか♪なんてつけてねえんですけどーーーーーッ!!!?

 

振り回されて意識が彼方に飛びそうになるがなんとか意識を保ってアルフに答える。

 

「う、うちの近所の神、社…に住んで、でるっ!?狐だッ!!」

 

そこでやっとアルフは振り回すのを止めてくれたが…その目は獰猛にギラついていたぜ。

 

「狐っ!?雌狐に誑かされたんだねっ!?すぐに見つけ出してブッ飛ばしてやるっ!!」

 

俺から手を離したアルフはそう言葉を言い放って窓へ駆け出そうとする。

や、やべえッ!!このまま行かせたらマジで久遠がッ!!俺の癒しが消えちまうッ!!

 

「ちょっ!?ま、待てっ!ク、『クレイジーダイヤモンド』ッ!!」

 

なんとか揺さぶりから回復した俺は間一髪のところで『クレイジーダイヤモンド』でアルフを羽交い絞めにする。

後ろから体を掴まれたアルフは動けなくなってジタバタしてる。

…フゥ…あぶねえ………っておいっ!?

『クレイジーダイヤモンド』ごと引きずってるんですがッ!?

どーゆう事っ!?

なんかパワーがとんでもないんですがっ!?こ、こっちはフルパワーなんですけどッ!?

慌てて俺も波紋で体を強化してアルフの片足にしがみ付く。それでやっと拮抗してる状態だ。

 

「や、やめんかいっ!!久遠はコッチとは関係ない普通の狐なんだからよっ!?」

 

だが、俺の懇願も虚しく、アルフは目をギラつかせながら『クレイジーダイヤモンド』の拘束を振りほどこうとしている。

 

「関係ないねっ!!二度とゼンに近づけないようにしなきゃあたしの気が収まらないよっ!!

 人様のオスに手ぇ出したんだッ!!

 その代償がどれだけデカイか、ミッチリと体に叩き込んでやるッーー!!」

 

「やめろっつうにーーーーっ!!」

 

久遠の、癒しの安全確保のために、俺は持てる全ての力でアルフを止めにかかる。

 

なんでこうなるんだよぉッ!!?ちくしょおぉぉぉっぉおおッ!!!!!

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

そのまま暫く、アルフは暴れ続けたが、「何でも願いを一つ聞く」ということで矛を収めてくれた。

但し、後日、久遠に会わせることを条件に………

 

なぜこうなった?

 

そして、今はアルフの『お願い』を聞いてるんですが………

 

「~~~♪♪///」

 

「…まだやんのか?」

 

「あったりまえさっ!あたしが満足するまでだよッ!!///」

 

甘えん坊と化した人間モードのアルフを膝枕して撫でてます。…15分ほど…

実はさっきまでは仔犬モードのアルフを撫でてたんですが…15分ほど…

計30分。腕が攣りそうです。

しかもやたらと体を擦り付けてくるのでアルフの甘~い匂いがします。

アルフ曰く『雌狐の匂いが取れるまで』擦りつけてくるんですが…

ムニュムニュと形を変えるおっぱいとクラクラするほどの甘~~い匂いのダブルコンボを俺の体擦り付けてくる。

大人モードのバディは……凄いです…そして…

 

 

「…………」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………

 

何時の間にか復活したフェイトさんのオーラも…凄いです……もう真っ黒です。はい。

部屋の空気が途轍もなく重いです。俺の後ろからくるプレッシャーが半端ないです。

クロノ?ユーノ?エイミィさん?

とっくに避難しましたが?

 

 

prrrrrrrrrr

 

と、そんな重苦しい空気の中でこの家の電話が鳴り響く。

 

「………」スッ

 

フェイトは音もなく、無表情で電話を取りに部屋を出て行く。

やっべえ。

プレッシャーが凄すぎです。フェイトさん。

 

「あふぅ~~♪♪///」

 

そしてこんな空気の中でそんな幸せそうな顔できるアルフさん、アンタすげえッス。

暫くして電話が終わったのか、フェイトが帰ってきたんだが………なんとも素敵な笑顔で帰ってきました。

 

なにがあった?

 

フェイトはそのまま笑顔で俺を見てくる。

さっきまで無表情で俺を見てたのに、今は輝くような笑顔です。

 

「ゼン。あ、あのね?…///」

 

 

 

 

 

 

今度は赤くなる。一体なんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「き、今日の晩御飯何が食べたい?それともお、お風呂が先のほうが…///」

 

「さっきの電話で何があった?」

 

 

いつの間にかお泊りが決まっていますた。

 

 

 

あるえ?

 

 

 


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