・・・まだ第2話なのに愚痴りすぎですね、すいません(笑)
さて、いよいよ初任務です!
1週間後の朝、テンカは自室で筋トレをしていた。
ウォーミングアップである。
なぜなら本日は彼の初めての実地演習。
実戦だからである。
この1週間、テンカは訓練室での厳しいトレーニングや戦術理論の勉強に明け暮れ、少々周りが引くほどの努力で常人の1ヶ月分のカリキュラムをこなしてみせたのだ。
どうやら彼の神機使いとしての素質は、適合率だけでは測れないものがあるらしい。
適度に体が温まったところで、テンカはフェンリル制式の黒いジャケットを羽織り、両手で頬をペチっと叩いてからエントランスへ向かった。
ロビーにつくと、程なくして黒い髪に長身の、背中にフェンリルのシンボルが刺繍されたロングコートを着た男性がテンカのほうへ歩いてきた。
「よう、新入り。
俺は雨宮リンドウ。
形式上お前の上官にあたるが・・・まぁめんどくさい話は省略する。
とにかく、とっとと背中を預けられるように育ってくれ。な?」
また飄々としたのが出てきたなぁ〜と感じたテンカだが、彼=リンドウのオーラを感じ取り、ただ者ではないと確信した。
「えっと・・・狐野テンカです。よろしくお願いします。」
「おうテンカだな。覚えとくぜ、新入り。」
名乗っても名前で呼んでくれないことに心底がっかりしたテンカだった・・・。
・・・とそこへ・・・
「あら?もしかして新しい人?」
黒髪のおかっぱ頭の女性が歩いてきた。
「あ〜今厳しい規律を叩き込んでるんだから、あっち行ってなさい、サクヤくん。」
「了解です、上官殿♪」
サクヤと呼ばれる女性を窘めるリンドウだが、そのやりとりからは特別な絆を感じさせた。
女性はテンカに手を振るとそのまま歩いて行ってしまった。
「・・・とまあそういうワケでだ・・・。
さっそくお前には実戦に出てもらうが、今回のミッションには俺が同行する。
・・・っと、時間だ。そろそろ出るぞ。」
テンカの初の実戦が、幕を開けた。
『贖罪の街』
そう呼ばれるこの場所は、かつてビル街や住宅などがあっただろう場所だが、当時の面影はなく、建物はアラガミによって食い荒らされていた。
ヘリコプターから降下したテンカとリンドウは作戦開始地点の高台へと歩いた。
「おい新入り。実地演習を始めるぞ。
命令は3つ。
『死ぬな』
『死にそうになったら逃げろ』
『そんで、隠れろ』
『運がよければ不意をついてぶっ殺せ』
・・・あ、これじゃ4つか?」
一瞬ずっこけそうになるテンカだが、堪えてリンドウの話に耳を傾けた。
「ま、とにかく生き延びろ。
それさえ守れば、あとは万事どうにでもなる。」
彼なりにテンカの緊張を和らげてくれたのだろう。
そして最後にこう言った。
「さーて、おっ始めるか!」
2人は作戦地域に飛び降りた。
・・・今回の任務は小型アラガミ、『オウガテイル』1体の討伐。
新人ゴッドイーターの誰もが一度は通る道である。
対象はすぐに見つかった。
広場でポツリと一匹のオウガテイルが、地面を一心不乱に貪り食っていた。
「肩の力抜けよ、新入り。
敵の動きをよく見ろ。慌てなければ必ず勝てる。」
リンドウの落ち着いたアドバイスにテンカは首を縦に振った。
「よし、今回俺はバックアップに回る。
危なくなったら助けてやるから、好きに暴れてこい。」
その声を合図に、テンカは青緑に光るロングブレードの神機、『リベリオン』を握りしめて飛び出した。
地面を食っていたオウガテイルはその気配に気づき、テンカのほうを向くと、尻尾を振って数本の針を飛ばしてきた。
テンカはそれを右前にステップして避けると一気に肉薄し、リベリオンを右上から振り下ろした。
「ギャアアアアアアア!!」
胴体の左側面に深い裂傷を負ったオウガテイルは耳を劈く叫び声をあげ、大口を開いてテンカに噛みつこうとするが、テンカはその口に神機
「プレゼントだ!」
銃身が火を噴き、弾丸系のバレットがオウガテイルの頭を吹き飛ばした。鮮血が撒き散らされ、テンカの体も紅く染まる。
しかし、頭を吹き飛ばそうと単細胞生物の集合体であるアラガミの活動は止まらない。
首をなくしたオウガテイルはやけになったように尻尾を振り回すが、テンカは一度は後ろへステップで後退すると、ふたたび神機を
バランスを崩したオウガテイルはその場に倒れ、ジタバタと体を動かす。
テンカは神機の捕食口を展開、
オウガテイルはビクビクっと痙攣したのを最後に、その生命活動を停止させた。
「ふぅ・・・終わった・・・。」
「上出来だ新入り。・・・ってひどいなそりゃ・・・。」
リンドウはテンカを指差し、呆れたように言った。
それもそのはず、今のテンカは体中にオウガテイルの返り血を浴び、輝く銀髪もまるで染めたように真っ赤なのだ。
「あはは〜。
もうちょっとスマートに戦えるようにならないとですね〜・・・。
うぇ・・・ベトベトする・・・。」
両腕をブラブラ〜っとさせ、不快感をアピールするテンカにリンドウは思わず噴き出した。
「はっはっは!
まぁ初陣にしちゃよくやったぜ。
この調子でじゃんじゃん強くなってくれ。
でもその前に、帰ったらシャワーをあびろ。な?」
「そ、そうします・・・。」
時刻は19時過ぎ。
ミッションを終え、シャワーを浴びてさっぱりしたテンカは自室に戻り、ふと思い出したように部屋の片隅に置かれた大きな端末、『ターミナル』を起動した。
「メールチェックはマメにしないとね。」
リンドウからメールが来ていたようだ。
受信時間はつい30分前だった。
おそらく今日の任務のことだろうと思い、テンカはメールを開いた。
〈お疲れさん、よくできました。〉
え、それだけ?
拍子抜けしたテンカだったが、ちゃんと続きがあったようだ。
〈初陣にしちゃいい動きだったぜ。
明日の任務には橘サクヤが同行する。
まぁ気のいいやつだからな、仲良くしてやってくれ。
俺はちょっと野暮用があって一緒に行ってやれないが、まぁ生きて帰ってこい。〉
労いのメールだったようだ。
橘サクヤとは先ほどのおかっぱ頭の女性のことだろう。
感謝のメールを打って返信すると、テンカはベッドに横になり、枕元の写真を手に取った。
写真には30歳前後の男女、そしてその間で10歳ほどの子供が写っており、3人とも幸せそうな笑顔を見せていた。
「大丈夫。生き延びるさ。必ずね。」
テンカは小さく、しかしとても強くそう呟くと、写真を戻した。
「疲れたぁ〜。」
初陣による疲れが眠気となってテンカを襲い、彼は抗うことなくそのまま意識を手放した。
テンカくんはとりあえず小型アラガミ一匹程度なら初任務でもなんとかなるポテンシャルを持っています!
それには理由があるのですが、まぁそれは後々。
そしてリッカちゃん登場!
テンカくんは、素でジゴロです!
本当は書き貯めしてから1日1話ずつくらいで投稿しようと思ったんですがこのままだと1ヶ月くらい更新しなくなりそうなのでノロノロとあげていくことにしました!