Tale of Fox 〜神を喰らいし狐の物語〜   作:甜狐

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サクヤさんとの任務です。

今回のヒントは文字通り、「音にきづくモノ」です!


Tale.3 新型の戦い方、音に気づくモノ

リンドウとの初任務から一夜明け、テンカは

自室でいつものトレーニングをしていた。

 

 

「あ、まずい。」

 

ふと時計を見ると、時刻は午前11時を過ぎていた。

11時30分に任務の集合時間なため、急いで準備を始めなければならない。

 

 

速攻で準備を終わらせ、いつも通りフェンリルの黒いジャケットを羽織ると、テンカは自室を出てエントランスへ向かった。

 

 

 

 

 

エントランスには清掃員や一般人がおり、昨晩のような静けさはなかった。

 

 

 

テンカは階段を降りてロビーの受付へ向かった。

赤髪をふたつに束ねた少女が立っており、カウンターに置かれたパソコンを操作している。

 

 

「ヒバリさん。」

 

 

「あ、テンカさん。先日は初任務、ご苦労さまです!」

 

 

テンカの声に赤髪の少女、竹田ヒバリは作業を中断し、笑顔で答えた。

 

 

「えっと、任務の受注をしたいんだけど・・・。」

 

 

「はい、サクヤさんとの合同任務が発注されていますよ。」

 

 

そこへ、件の女性が歩いてきた。

 

 

「あら、昨日の新しい人ね?」

 

 

「あ、サクヤさん。ちょうど任務を受注していただくところです。」

 

 

「あらそうなの。じゃあグッドタイミングね。

私は橘サクヤ。あなたと同じ第一部隊よ。」

 

 

サクヤテンカの方を向き、そう自己紹介した。

 

 

「狐野テンカです。よろしくお願いします。」

 

 

「かしこまらなくていいわ。今日はよろしくね!」

 

 

「はい!」

 

 

お互いに握手を交わす。

気さくな人だ、とテンカは感じた。

 

 

「サクヤさん、テンカさん。任務の受注を確認しました。

気をつけてくださいね!」

 

 

「ありがとう、ヒバリちゃん。

それじゃテンカくん、行きましょ。」

 

 

テンカは頷くと、サクヤの後へ続いて出撃用エレベーターに乗って神機整備室へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

『嘆きの平原』

 

 

そう呼ばれるこの平原の空は年中厚い雲に覆われており、作戦エリアの中央にそびえる山の中からは竜巻が昇っている。

 

 

 

ヘリコプターから降下し、作戦開始地点の高台へ到着したサクヤとテンカ。

 

 

サクヤの手には長い銃身を持つ神機が握られており、近接武器パーツや装甲パーツは備えられていない。

『第一世代遠距離型』と呼ばれる。変形機構を持たない、テンカの新型神機よりも古い型の神機である。

 

ちなみにリンドウの神機は『第一世代近距離型』と呼ばれ、銃身パーツが無い代わりに近接撮影武器パーツと装甲パーツが備えられている。

 

 

テンカが竜巻に見入っていると、サクヤが口を開いた。

 

 

「テンカくん、さっそくブリーフィングを始めるわよ。」

 

 

テンカはハッとしてサクヤの方を向き、話に耳を傾ける。

 

 

「今回の任務は、君が前線で陽動。私が後方からバックアップします。

遠距離型の神機使いとペアを組む場合、これが基本戦術だからよく覚えておいて。

 

くれぐれも先行し過ぎないように。後方支援の射程内で行動すること。OK?」

 

 

サクヤの言葉にテンカは真剣な表情で頷く。

 

 

「うん。素直でよろしい!

緊張しないで。頼りにしてるわ!」

 

 

テンカの肩をポンと叩くと、サクヤは表情を引き締めた。

 

 

「それじゃあ、始めるわよ。」

 

 

2人は共に高台から飛び降りた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・今回の討伐対象は『コクーンメイデン』。

地中から生えたような紡錘形の小型アラガミである。

 

自力で歩行しているところを観測されたことはなく。夜間に地中を移動していると考えられている。

 

 

 

2人がしばらく歩くと、前方100メートルほどに対象が見つかった。

2人は物陰に身を隠す。

 

 

「居たわね。

ブリーフィングの通り、あなたは前で動いて敵の気をひいてちょうだい。

私は隙を見て後ろから狙い撃つわ。」

 

 

「了解。」

 

 

「でももし危なくなったら無理せず下がって。

あなたが持っている新型の神機には遠距離武器もあるから少しアラガミと距離を置いても戦えるわ。」

 

 

「そうですね。そうさせてもらいますよ。」

 

 

「オーケー。

あなたのタイミングで始めていいわよ。」

 

 

「はい。

・・・行きます!」

 

 

すぐににテンカは飛び出し、コクーンメイデンへ突撃した。

 

 

コクーンメイデンもすぐ彼に気づき、頭部から弾丸状のレーザーを撃ち出した。

 

 

テンカはそれをジャンプで躱し、一気に肉薄すると刀身『リベリオン』を振り上げた。

 

 

しかし、テンカはコクーンメイデンの体が縦に長くなっていることに気づき、危険を察知して後ろへ後退した。

 

 

刹那、コクーンメイデンの開いた胴体から四方八方に無数の針が突き出し、一番長く伸びた針がテンカの頬を掠めた。

 

 

「あっぶない!」

 

 

テンカはよろめきながらも姿勢を戻してコクーンメイデンに向き直った。

 

 

すると後方から銃声が響き、コクーンメイデンの胴体に風穴を開けた。

 

 

くぐもった電子音のような悲鳴をあげ、だらしなく胴体を開いてダウンしたコクーンメイデン。

 

 

その隙を見逃さず、テンカはコクーンメイデンを水平に斬り飛ばした。

 

 

断末魔は聞こえず、コクーンメイデンは絶命した。

 

 

 

 

「終わった・・・。」

 

 

「お疲れさま。上出来よ!」

 

 

テンカの背中を叩くサクヤ。

笑顔で頷きを返したテンカ。

 

 

 

 

 

 

・・・しかし。

 

 

 

 

「ギャオォオオオオ!!!」

 

 

そんな咆哮が耳に入り2人は再び表情を引き締めた。

 

 

すぐにサクヤの通信機が鳴った。

 

 

「こちらサクヤ!」

 

 

〔作戦エリアに複数の『コンゴウ』が接近中!数は3!

作戦開始時からすでに近辺にいたようです!〕

 

 

ヒバリからの通信にサクヤの表情が強張った。

 

 

「近くにいたのに気づけなかったってこと!?」

 

 

〔申し訳ありません!実はお二人の出撃直後にレーダーが故障してしまって・・・!

現在リンドウさんとソーマさんがそちらへ向かっています!到着まで身を隠していてください!〕

 

 

「っ・・・!了解!」

 

 

「アラガミ・・・ですか?」

 

 

「えぇ。戦闘音で気づかれたみたい。

わたしたちだけじゃ対処は厳しいわ。

救援が来るまで身を隠していましょう。急いで!」

 

 

「わかりまし・・・」

 

 

 

現実はそう甘くはなかった。

 

 

テンカとサクヤを囲むように、三体のアラガミが姿を現した。

 

 

 

「ガオォオオオオ!!」

 

 

猿やゴリラのような図体の中型アラガミ。『コンゴウ』

テンカは自室のターミナルで情報は知っていた。

 

 

音に敏感で群れを成す習性を持ち、戦闘ではお互いに連携するという。

 

 

まだ小型アラガミとの交戦経験しかない彼にとっては少々荷が重く、サクヤも3対1となると厳しいものがあった。

 

 

 

「テンカくん。」

 

 

「はい・・・。」

 

 

「私が気をひくからあなたは逃げなさい。上官命令よ。」

 

 

「嫌です。」

 

 

即答だった。

 

 

「大丈夫よ。私も後から行くわ。」

 

 

「嫌です。」

 

 

テンカの目は真剣そのもので、サクヤは説得の方法がわからなかった。

 

 

そしてアラガミも待ってはくれなかった。

 

 

「来ますよ!」

 

 

一体のコンゴウが巨体を振りかぶって、テンカに向かって突進した。

 

 

テンカはコンゴウの横をすり抜けるように躱す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Continue to the next tale




毎度毎度2000字超え・・・。

前編とは書いていませんが、前後編になります!

しかしこの任務前後でハプニングを入れるのは二番煎じ感が拭えないな・・・。

それにしても三人称視点で文を書きたいのに心情描写のせいでどうしても一人称っぽくなってしまう!難しい!
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