G-generation Break Destiny 作:ソースカ・ツドン
またよろしくお願いします。
低軌道会戦から数日後、俺たちはシステムの生産設備のある太平洋基地に集合していた。
こちらで目覚めた場所だからか何となく思い入れがある。
「揃ったな。今回集まってもらったのは先の戦闘、原作に倣って低軌道会戦とするが、これの分析と評価、今後の活動についてのミーティングを持つためだ。ゼノン頼む。」
「承知した。それではまず低軌道会戦についてだ。この戦闘での目標は、アークエンジェルのアラスカ降下を成功させることだったが、戦闘後の分析ではアフリカ共同体の勢力圏に降下したことが判っている。」
こちらに被害は無かったが、有り体に言って作戦失敗だ。その原因もはっきりしている。
「敵戦力が戦闘前の予測より多く、十分に削ることが出来なかったことでアークエンジェル及び第八艦隊への圧力が原作と同等だったことが原因だろう。」
ザフト、プラントに対する情報収集を怠り、原作知識を当てにしすぎた結果だ。MS万能主義のザフトを笑えないな。
「今回の敵戦力に対応するには、ジェガン1個小隊では火力不足が明らかでした。」
「そうだねー。ウイングみたいな高火力の機体か、ジェガンがあと1小隊あればね。」
「現状、ザフトのMSに対してジェガンであれば性能差で圧倒できます。しかし対艦攻撃能力は高いとはいえず、防御力の低いザフト艦にも有効打を与えるにはジェガンの標準装備では打撃力が不足しています。」
ニキ・テイラー、クレア・ヒースローの言うとおりジェガンだけでは、敵戦力がある程度の規模になると打撃力が足りない。高機動高火力の機体か数を揃えるか、もしくは火力支援を提供できる戦闘艦が今後は必要になる。
「しかし保有キャピタルを考えると、今回あれ以上の戦力を用意することは難しかったと思うが。」
「そうですね。今後はどこにリソースを割くべきか慎重になるべきですね。」
そう、戦力を整えるのに必要なキャピタルが、想定したよりかなり多く必要だったのも問題だ。ホバートラックやコロンブス級輸送艦などの補助戦力は低額に抑えられていたのだが、MSや戦闘艦などの正面戦力は高額に設定されていた。
またキャピタルの取得も、これまで資源やジャンク、鹵獲MSを投入してみたがあまり効率的ではなく、挙げ句アースダラーを変換したがこれもやはり効率は悪かった。
「しかし今回、戦闘報酬は悪くないと思います。」
「そうだね、戦艦はムリでも高性能MSなら買えるんじゃないかな?」
「正面戦力もいいが、今後を考えるなら人材のスカウトも必要だと思うが。」
「マークの言う通りだな。ここは情報収集と戦力拡充の為に投資しよう。」
今の残高で高性能MSなんぞ購入したら、他に何も出来なくなってしまう。連合経由でも情報は手に入れられるが、自前でも情報源は確保しておくべきだろう。戦略兵器の建造を掴めないこの世界の諜報部は頼りないと言うのもある。
戦力の拡充については技術系のメンバーに頑張ってもらおう。・・・この辺の準備もしたかったんだが・・・あの駄女神め、次会ったら折檻してやる。
「ケイ、ジェガンが運用出来るビームランチャーを開発してくれ。ベースジャバーにオプションパーツをつけたんだ、出来るはずだ。」
頭を抱えながら、うへーなんて言っているがマッドメカニックの気があるから大丈夫だろう。他にもやってもらわなきゃならないこともある。
「あと、人手をつけるからやってほしいことがある。」
「なんだい?ミデアにメガ粒子砲でも取り付けるかい?」
出来そうなのが怖いな。
「いや、リバースエンジニアリングだ。こちらの勢力の戦力を底上げしたい。」
「連合に技術を売るのかい?」
「正確にはその準備だ。まだ地位の固まっていない現状、ただ利用されたり横流しされたら堪らない。」
ジャンク屋なんて厄介な連中もいるし、情報漏洩に緩いからな、こっちは。連合もザフトも。
「アークエンジェルはどうしますか?そのままと言う訳には行かないと思いますが。」
「今から出ればインド洋かマラッカ海峡には間に合うのでは?」
そちらも当然介入だな。戦闘報酬のキャピタルも欲しいがキラ達を放置するつもりもない。謎テレポートを阻止出来なくても、ここで接触を持っておくのは無駄にはならないはずだ。
「マーク、アークエンジェルに対する救援部隊として俺達が動けるようにアズラエルに掛け合ってくれ。」
「任せてくれ司令官殿」
「エリスとエルンストは俺とアークエンジェル行きだ、準備を頼む。ゼノン、人材は手配しておく、しばらく采配は任せた。」
「承知した。不在の間を預からせてもらう。」
さあ、また忙しくなる。その前に準備を整えないとな。