でも細かいことは気にせず行こう!
「んん、えっ?なにここ?どうなったの?」
大地が目を開けると先ほどの市街地ではなく見たことのない空間に立っていた。
「説明は後だ。行くぞ大地!」
急なことに頭が混乱している大地に謎の声が話しかける。
「誰!?ってかなんで俺の名前…」
謎の声に質問をしようとしたところで大地が視線を下に向けると眼下に倒壊したビル群がミニチュアのように広がっていた。
「うぇっ!?なんだこれ!うおおお高っ!俺高いとこダメなんだよ!」
大地がしゃがもうとすると巨人もそのようにしゃがもうとする。巨人を見ていた八幡たちはその光景にポカンとするしかなかった。
「ムリムリムリムリ!高いよ!」
「高くない!巨大化したんだ。だから落ちない!」
またしても聞こえてくる謎の声に反論をしようとして今度は視線を上げると目の前にデマ―ガが迫っていた。
「うおおお!?」
キシャアアとうなり声をあげながら近づいてくるデマ―ガにしり込みする大地。その動きにリンクして巨人もその場にしり込みしてしまう。
「来るなーーーー!」
だがそんな大地の叫びもむなしくデマ―ガは巨人に攻撃を始める。
腕へ噛みつき地面へ巨人を組み伏せる。巨人もやられまいとデマ―ガを蹴り上げ何とか拘束から逃れるが立ち上がったところへ強烈なタックルをお見舞いされてしまった。
されるがままの状況を見かねて謎の声は大地を叱責する。
「コラッしっかりしろ!そんなんじゃたたかえないぞ!」
「はあ!?たたかう?おれが?なんで!」
「他にすることがあったら言ってみろ!」
その直後デマ―ガの吐いた熱線を正面から喰らい背後のビルを倒しながら巨人は吹き飛ばされる。
「あちちち!熱いよ!」
「落ち着け!あの熱線を喰らっても平気だろ」
「ほんとだ」
謎の声のいう通りそれほどダメージが無いことを実感する。
「君と私はユナイトした。心を一つにすればあの怪獣とたたかえるんだ!」
「心を一つにったって…」
「できる!まずは深呼吸を」
そのとき聞きなれた声が大地の耳に入ってきた。
「だいちーーー!」
「だいち兄ぃーーー!」
視線を向けるとアスナと八幡が自分を探していた。デマ―ガもその声に気づいたようで八幡たちに体を向ける。
「だいちーーーー!っは!」
アスナがデマ―ガの視線に気づき逃げようとするがデマ―ガはすでに熱線を吐こうとしている。
「アスナ!八幡!」
いうが早いか大地は無我夢中でデマ―ガと八幡たちの間に滑り込む。そして身を挺して八幡たちをデマ―ガの熱線から守る。
「デュア!グアアア!デュッ」
巨人が助けてくれたことによりアスナと八幡は衝撃で飛ばされるだけの軽症で済んだ。そんな巨人を見ながらアスナの口から疑問が出てくる。
「私たちを…守った?」
「みたいですね。わざわざ自分から飛び込んでくるなんて…」
こちらを見つめる巨人の表情は変わることはないが八幡は巨人から安堵の感情を読み取った。
大地は自分のとった行動に驚きを隠せなかった。
「俺がやったのか?」
「ああ!ファインプレーだったな!おっと、来るぞー」
再び顔を上げるとデマ―ガがこちらを威嚇している。
「なんだかよくわかんないけど、やれるだけやってみるか!」
「よし!行くぞ大地!」
大地が決意を固めると全身にチカラがみなぎってくる。それは大地とシンクロしている巨人も同様である。立ち上がると勢いよくデマ―ガに向かっていく。
「セイッ!イーッサア!」
そのまま勢いを乗せた蹴りをデマ―ガに喰らわせる。ひるんだところへ頭部と腹部へ連続でパンチをし、顎へ膝蹴りをお見舞いする。
次の攻撃をしようとしたところでデマ―ガの突進を喰らい吹き飛ばされるがすぐに持ち直し、再びデマ―ガに向かっていく。
明らかに先ほどとは変わった巨人の様子にオペレーション本部はモニターに釘付けとなる。
「怪獣と…たたかってる」
神木隊長の口からそんな言葉が漏れる。
巨人はデマ―ガの背中から放たれた火球と口から放たれる熱線を避けながら接近し攻撃を続ける。
だがデマ―ガもやられっぱなしではない。一瞬のスキをついて巨人めがけて尻尾を叩きつける。それを受けて巨人は地面に倒れてしまう。
ピコーン ピコーン ピコーン
突如巨人の胸の部分が赤く点滅をはじめる。
「タイムアップか!」
「なんだよタイムアップって?」
「これが我々のユナイトの限界のようだ」
立ち上がろうとする巨人をデマ―ガが踏みつける。その巨躯から繰り出される一撃一撃が着実に巨人と大地にダメージを与える。
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「冷却ファン復旧!」
デマ―ガの攻撃によって一時退避していたスカイマスケッティから通信が入る。
「ファントン光子砲は使えるか?」
「可能です」
攻撃再開の指示が出されるだろうと思っていたワタルたちだが実際に出された指示は驚くものだった。
「あの巨人を援護しろ」
「えっ?」
隊長の指示に全員が驚きを隠せなかった。だが隊長は巨人が敵ではないことを確信したうえでもう一度指示を出す。
「援護だ!!」
「「了解!」」
巨人を踏みつけていたデマ―ガの後ろからスカイマスケッティの攻撃が直撃する。それを受けてデマ―ガは巨人の上から離れる。
「頼もしい仲間だな!」
「ああ、俺たちもいくぞ!」
大地が声に応えると大地の体が巨人の姿と一瞬重なる。
「ようし今だ、いくぞ大地!」
巨人は立ち上がると力を溜めるように腕を胸の前にもってくる。すると点滅していた胸部の発光部分が黄色く輝いた。デマ―ガはひるんで攻撃できなかった。
巨人が右腕を胸にもってきて横に振り上げると周囲に閃光が走った。そして右足を軸にして両腕と左足を腰を捻りながら後ろへ持っていく。そして両腕を胸の前でXにクロスさせると腕から光線が発射された。
「「ザナディウム光線!!」」
すさまじいエネルギーの奔流がデマ―ガに直撃する。正面から光線を喰らったデマ―ガは爆発を起こし粉砕される。
しかしデマ―ガのいたところに光が集まりゆっくりと地上に降りて行った。
「「「「わあーーーーー!!」」」」
たたかいを見ていた一般人から巨人の勝利に歓声が上がる。
「なんだ今の?」
「君と私が完全にユナイトした証だ。初めてにしては上出来だな!」
謎の声に褒められて大地はつい照れてしまう。
「シュワッチ!」
そして巨人は目的を果たしたことを確認し空へと帰っていった。
「監視衛星の映像を!巨人の行方を捕捉しろ!」
「捕捉できません!消失しました」
オペレーション本部は驚きと勝利の喜びが混じったような微妙な空気に包まれていた。
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巨人の姿から元の姿に戻った大地は光が降りて行った場所へ向かった。そこにはデマ―ガの亡骸ではなくスパークドールズが落ちていた。
「あの光線でデマ―ガをスパークドールズにしたのか。お前ほんとすごいチカラを持ってるな!」
「正確には君と私のチカラだ」
大地のデバイザーの中に入った巨人は大地の質問に冷静に答える。
大地が元の姿に戻るのと同時に体をデータ化しデバイザーの中に入ることによってユナイトを解除したのだ。
「お前となら怪獣を殺さずに捕獲できるのか」
だが巨人は大地の話よりもデバイザーに興味を持っている。
「このデバイス気に入った!ここにいればまた君とユナイトできる。よろしくな大地!」
そう言い残すと巨人は画面から消える。
「えっ!?ずっとここにいるの?おいっ!おいっ!」
残された大地は黒い画面に向かって話しかけるが巨人が返事をすることはなかった。
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大地がデマ―ガのスパークドールズを回収したころ八幡たちは必死に大地の捜索を行っていた。
「だいちー!だいちー!」
「だいち兄ぃー! おーい!」
瓦礫の山と化した付近一帯で声を張り上げながら大地の捜索を行う八幡とアスナ。
「返事しなさいよー!お願いだからぁ」
だがアスナの心は限界であった。
そこへワタルとハヤトが駆けつける。
「アスナ!八幡!」
「おまえら無事か?」
「それより大地が…」
アスナと八幡が暗い表情で状況を報告しようとしたとき、遠くから声が聞こえてきた。
「おーい!おーい!」
煙の向こうから大地がピンピンした様子でかけてきた
「大地!お前無事だったのか!」
「このバカ!!」
「なにやってたんだ!!」
大地が無事であると確認するとアスナと八幡が大地に詰め寄る。
「死んだかと思ったじゃん!」
「助けてくれたんだ、あの巨人が」
そういう大地の手にはデマ―ガのスパークドールズが握られていた。
「お前、それどうやって?」
「あの巨人のチカラです」
そこへ隊長から通信が入った。
「大地なんなんだあれは?」
「カテゴライズ不能です。Xioのデータベースにも前例のない未知の超人ですから」
「未知の超人…」
隊長がそうつぶやくと大地はあの巨人の名前がなんなのか知らないことに気付いた。大地は少し逡巡すると巨人の名を口にする。
「つまり、彼の名は…エックス。ウルトラマンエックス」
この日、一人のウルトラマンが地球に降り立った。
そして新たな物語が起動した。
やっと第1話を書き終えたわけですが、ここまで時間がかかるなんて思いませんでした。
まぁ、そのほとんどがやる気の問題なんですけど...
今回の話にはある伏線を組み込んだんですけどどうでしょうか?
すぐに次の話あたりで伏線回収するかもしれないので問題ないんですけど。
というわけで次回予告
Xioに職業見学でとある高校がやってきた!
でもその中には八幡と因縁がある人物達がいて...
次回、「望まぬ再開」