武の竜神と死の支配者   作:Tack

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 年内にもう一話書くとは何だったのか? Tackです。
 今回は半分本編、半分番外編のつもりで書いてみました。只、あまり話数を割きたくない気持ちがモロに出てしまい、結果としてすごく雑な文章になってしまった気がします(反省)
 それでは長くするのもアレなので今回の御話をどうぞ。


第三十二話~ある少女の回想~

 

 幼い頃から私は一人だった。それか、ある時期から一人になってしまったと言った方が正しいかもしれない。

 そこだけ聞くと私が何かしたように聞こえるが、全く以て身に覚えはない。

 言い方は悪いとは思う。けれど、私は被害者なのだ。優秀過ぎる兄の。

 

 私が物心つく前から兄は周囲の期待以上に何でもこなしていたという。

 勉学を進めれば常に最優秀者と貼り出され、体術を習わせれば一月も経たずに格上の相手を圧倒する。

 性格は明るく、責任感も強い。

 弱きを助け強きを挫き、いつも私を守ってくれる優しい兄。彼は私の憧れであり誇りだった。

 それに比べ様々な点で劣る私が自分を卑下し過ぎずにいれたのも兄のお陰だ。

 ……あの日までは。

 

 

//※//

 

 

 私の生まれ育った国では周辺国には無い特徴がいくつかある。

まず、とある神々を崇める宗教国家であること。

二つ目はその神々らの『教え』や『使命』と言われるものを貫く力を得る為、信仰系魔法詠唱者(マジックキャスター)や戦士の育成に力を入れる専門の施設、『学院』と呼ばれる専門機関があること。

そして最後は、国民一人一人の情報をまとめた戸籍というシステムが確立されていること。これは先の話で出た学院に院生を集めるためにも役立っている。

 

 かくいう私も、兄が優秀なのだからその妹にも片鱗があるのでは? というオマケ的な扱いではあったが、お国柄もあって所属出来ること自体が幸運な学院に入ることが出来た。

 院生になれて暫くは嬉しさが勝っていたが、それも長くは続かなかった。

 

 まず勉強が壊滅的だった。

 一応予習はしておいたのだが、授業のペースが恐ろしく早い。その速さたるや授業書を何章か飛ばしたのではないかと思う程である。

 体術の時間では教官に筋はあると言われたものの、何かが足りないとモヤモヤした指摘を受けるに終わった。只、この教官は私の境遇に同情したらしく、学院に居る間よく面倒を見て貰うことにもなったのは、後に繋がる要因にもなったと思う。

 だが、それでも心に大きな傷を受けたのは、兄と比較され、それを発端にかなり手酷い苛めをうけたこと。学院での生活で何よりもこれが辛かった。

 苛め自体もそうだが、妹として兄の顔に泥を塗り、余計な心配をかけたことが私の心を削り続けた。

 いけないとは思いつつ、そんな私を気遣ってくれる兄の優しさに時折甘えながら精進し続けたある日、不意に絶望が舞い降りた。

 

 

ある日私は、不甲斐なくもいつも通り終わらせることの出来なかった課題の罰を受け、夜まで只一人補習を受けていた。

 当然というのも不愉快だが、その脇を通り過ぎる他の者たちは小さな笑い声をたてていた。生徒も教員も関係なく、だ。

 私はそれを聞こえないふりをしながら補習を受ける。どうせいつもと同じことを言っているのが分かっているからだ。

 

――本当に片割れは出来が悪い。

 

 これに決まっている。いつもの台詞だ。

 優秀な兄と落ちこぼれの妹、陰口を言われるのは当然だ。しょうがないと割り切っている。

 だが、そんな私(落ちこぼれ)でも兄は優しく守ってくれる。

 他人からは勿論のこと、実の子供同士を比較し、私は存在しない方が良かったとまで陰で言う両親からも守ってくれた。妹ならば必ず出来る、と。

 その言葉に応えたい。兄の重荷にならず、胸を張って側に立ちたい。

 それこそ私を支えている全てなのだ。

 

 やっとの思いで課題を終わらせ、早く帰らせろと顔に出ている監督役に形だけの挨拶をし、私は家へと急いだ。

 以前にも同じような補習を受けたのだが、その時よりもかなり早く終わった。

 進歩している実感と、兄に報告したいという気持ちが、私に走るという選択肢を選ばせた。

 ――けれど、それがいけなかったのだろうか。この判断がなければ、この後の人生も変わっていたのだろうか?

 

 

//※//

 

 

 家の扉を静かに開き、また静かに閉じる。そのまま兄と私の部屋に向かおうとした時、両親が寝室で声を抑え気味に話すのが聞こえた。

 

「よかったわねアナタ、私達の子がやっと認められて」

「そうだな。……初めこそ対応の遅さに若干の苛立ちも覚えたが、まさか特待生としての準備をして下さっていたとはな。

ともかく、これからは神官の方々の元でもっと立派な人間になれるだろう。私達も鼻が高いな」

 

 それを聞いて私は理解した。兄が国に才を認められ、噂だけでしか聞いたことのない専門の院に入るのが決まったことを。

 思えば、私はこの瞬間何かを感じ取っていたのだと思う。

 普段ならこっそりと部屋に向かう筈が、足を止めてそのまま聞き続けた。今更だが、それがいけなかったのだろう。

 

――僕もこれで、やっと出来の悪い妹から解放されます。

 

 時が止まった。否、気がした。

 信じられない言葉が聞こえた。しかも兄の声で。

 鼓動が早くなり、それに合わせて呼吸も荒くなる。

 家族に悟られないように両親の寝室を通り過ぎ、そのまま足早に部屋へと向かう。

 カバンを脇に放り投げ、私はそのままベッドに潜り込んだ。毛布を頭から被り、これは悪い夢なんだと心で何度も復唱した。

 夕食を取らず、それに抗議する腹部に無視を決め込み睡魔に襲われる瞬間を待った。

 

 荒れる心象を余所に、思いの外駆け足でやってきた睡魔に敗北した翌日。

 深淵からゆっくり覚醒していくと、ベッドの傍らには兄が立っていた。

 いつからいたのか、何故そこにいるのか、湧いて出た疑問を投げ掛ける前に兄は口を開いた。

 

「おはよう。今日もいい天気だな。……何かうなされていたみたいだったが、悪い夢でも見たのか?」

 

 いつもと変わらない姿。

 幼い身に耐え難いものを受け続け、頻繁に悪夢を見るようになった私を気遣う。そんな優しい兄の姿だ。

 昨晩の出来事は全て夢だった。そう思えるもの。

 大きな不安から解放され、目尻には涙すら浮かんだ。

 それを見た兄は少し慌てたように私の背中を優しくさする。

 

「どうした? やっぱり怖い夢を見たんじゃないのか?」

 

 その言葉に泣きじゃくりながら首を振り、「大丈夫」と答える。

 そんな私を見た兄は優しい笑顔で「時には話すことも大事だよ」と言ってくれた。

 悪夢の内容を伝えるのは気が引けたが、心配してくれている兄に黙っている方が失礼な気がし、思い切って話してみた。

 

「……あの、ね。怖い夢を見たの。お兄ちゃんが私を出来の悪い妹だって言ってる夢なの」

「……え、僕がかい?」

 

 兄が妙な反応をした。

 それは、「そんなこと言う訳ないだろう」ではなく、「聞かれてしまった」という意味合いのものに聞こえた。

 その反応の意味を思考し不安がぶり返しかけた時、兄は表情に影を落としながら言った。

 それを見て一気に不安が大きくなっていくのを感じていると、兄はほんの少しだけ動きを止めた後にこう言った。

 

「……二人の前ではああ言うしかなかった。」

 

 兄の言葉に二つの感情を同時に抱いた。

 私を厄介者だと思っていなかった安堵感。そして、兄がいなくなる事実への喪失感だ。

 そのまま私は言葉を紡ぐことが出来なくなり、兄は少し悲しい顔をして部屋を後にした。

 それからは普段通りに一日を過ごし、また就寝。翌日目を覚ますと、隣のベッドに兄の姿はなくなっていた。

 私は、一人になってしまった。

 

 

//※//

 

 

 兄が噂の院に向かってから数年が経ち、私にも変化が訪れる。

 体術の才能が認められ始めたのだ。

 兄には遠く及ばないが、唯一得意だと言っても過言ではなかっただけに、教官に誉められた時は正直に嬉しかった。

 教官曰く、「兄と離れたことによる自立心が関係しているかもしれない」だそうだ。

 教官は噂の院、『経典院』のことを少しばかり知っているらしく、授業の後で私にこっそりと教えてくれた。

 そこには体術を極める為の課もあり、努力すれば私も行けるかもしれないと。

 

 それからもいつか兄に追い付く為と僅かながらの才を伸ばし続け、とうとう兄がいる聖典院、その体術専門の課に入ることが出来た。

 

 ……とは言っても、そこでもまた同じような日々が続く。

 兄が在籍しているのは別の課だと言うのにも関わらずその名は知られており、私が兄の残りカスのようなものだと言われ続けた。

 最早慣れたものでそんな周囲の対応にも耐え、私は更に努力を重ねた。

 

院で数年を過ごした私は専門課程を終え、とうとう実戦命令が下る。内容は愚かにも神の教えに疑念を抱き、それを国全体に広げようとした反逆者達の征伐。

 早い話、国の考えに背く者達の粛清だ。周囲の話に耳を傾けた所、このような任務は度々あるらしい。

 私はそれを少し複雑な気持ちで聞いた。

 と言うのも、以前私の面倒を見てくれた教官――ノルド教官が時折言っていたからだ。

 

――この国はやり過ぎだ、と。

 

 上層部が神の教え絡みだと過激な行動に出るというのは既に知っていたので、この言葉は十分に粛清対象になると思い私は教官の身を案じた。

 しかし、だからといってそんな言葉を広めることはしないだろうとも思った。そもそも、学院教官の地位にまで登り詰めた人がそんなことをするとも思えなかったのだ。

 更に言えば作戦前日にたまたま教官と街で出会っていて、その時も危ない橋を渡る雰囲気は出していなかった筈だと言い聞かせ、私は作戦概要の確認をし始めた。

 

 

 

//※//

 

 

 闇に紛れて私を含めた部隊、『シャルナー隊』二十名程が森の木々をすり抜けていく。

 今回、反逆者達が潜伏しているとの情報が入ったのは国の西、多様な敵性亜人――私が知る限り友好的な亜人は少ないが――が潜む『アベリオン丘陵』から少し離れた領内にある小村だった。

 位置のせいで亜人に襲撃される件が度々あり、以前より本国から部隊が派遣されこれを征伐していたらしい。

 只、元々地理的にも生産的な面でも大して価値の無い村だったようで、ここ最近は部隊を派遣する回数も減っていたようだ。

 その対応が国への反発心を煽り、それが自衛手段の確立と共に反逆者の隠れ家として機能することになった。

 

これを聞いた隊員の内数名が余りにも話が出来過ぎだと疑っていたが、有り得ない話ではないし、何よりも私は不思議と予感がしていた。そこに反逆者達が潜伏していると。

 国を出発し、目的地への最短距離を妨害するように存在する名も無き小さな森。

 夜闇との相乗効果を狙って突破することになったが、ある問題が発生した。

 

「止まれ!」

 

 疾走する部隊を静かな大声という矛盾で制したのは、日頃体術が重視される部隊のシャルナー隊を訓練する役割も持ち、今回の現場指揮を任されている隊長のベージンスという女性だ。

 鬼教官の二つ名を持つ厳しい人物だが、普段は私達のことをしっかりと気遣うこともしてくれる人だ。優れた人格者であり実力者、私が目標にしている女性(ひと)でもある。

 その彼女は疑問符を浮かべ、怪訝な表情をした近くの男性隊員に呆れ顔でこう言った。

 

「今私が止めていなければ、お前の頭と胴体、そして両手両足が不幸な別れ方をしなければならなかった」

 

 尚も疑問符を浮かべたままの隊員が前方数メートル先を注意深く見つめ、それ(・・)に気付き驚愕する。

 そこには木々の隙間から漏れる僅かな月明かりに照らされ、触れるもの全てを切り裂く刃が張り巡らされていた。

 

「こ、これは!?」

「これは恐らく――」

「フォレストスパイダーの亜種……、ドールスパイダーの……そ、それの幼体が出す……糸をか、加工した罠でしょうか?」

 

 思わず口を開いてしまい、それに反応した全員の視線が私に刺さる。

 「やってしまった」、視線に怯えそんな表情を作った私が謝罪をして下がろうとすると、ベージンス隊長はなんとも漢らしく――本人は大変凛々しく大変美しい女性なので大変失礼――不敵な笑みを浮かべ、感心の色を滲ませるように私に言った。

 

「ほう? よく分かったな。……ドールスパイダーは近辺では珍しく、講義でも大して触れていないんじゃないのか?」

「兄が……そういうの……。せ、生態学が……得意だったもの……で」

「成程、それで兄の話を聞いていたら自然と詳しくなっていたと?」

「は、はい……でも」

 

 私は周囲の反応が怖く、縮こまりながら隊長の問いに答えた。

 

 まだ兄が家に居た時、私に色々と教えてくれたこと。その中で一番印象に残っていたのが『生態学』についてだ。

 彼は昔から鳥等の小動物に好かれており、それが元で動物――引いてはモンスターの生態や特徴を学ぶ勉学、即ち生態学を最も得意としていた。

 時間さえあれば私は兄から様々な動物、またはモンスターについての知識を聞かせて貰っていた。

 只、残念ながらその知識は後の勉学に生かされることはほぼなかった。何故なら――。

 

「き、聞かせてもら、貰ったモンスターが、げ、限定的過ぎて……」

 

 それを聞いたベージンス隊長は可愛らしくクスクスと笑い始める。

 

「そ、それでこ、講義には生かせなかったか。通りで生態学での最優秀者(トップ)がお前ではなかった訳だ。ククク……」

「は、はい……」

 

 どうやら少しツボに入ったらしく、彼女は小さくだが、暫し笑い続けた。

 鬼教官として知られる彼女がまるであどけない少女のように笑う姿に、私も含め全隊員がポカンと口を開いたままその光景を見ていた。

 やがて笑いが収まってきた頃、自分が浴びている視線に気付き慌てて襟を正す。

 

「オ、オッホン! あー……、そう言えば私の院生時代の同期にもやたら生態学に詳しい奴がいたな」

「え?」

 

 タイミング的に、他の隊員には自らの失態を誤魔化す話題に聞こえただろう。けれど、私には違った。

 最近は全く来なくなったが、時折来ていた私宛ての手紙から、兄と隊長が同期だったのを知っていたからだ。

 

「そ、それ多分、私の……兄、かも……です」

「何……? あぁ、そう言えば姓が同じだな。以前から色々と話題にはなっていたが、意外と気付かないものだ」

 

 ここで彼女の端正な顔に陰りを見た気がした。恐らく、迂闊なことを言ったと思っているのだろう。

 

 色々な話題。即ち、(才ある者)(才なき者)という話だろう。

 最早慣れているので別に追及はしないつもりだが、言葉を選んでくれるのは素直に嬉しかった。

 只、今の隊内にも私を快く思わない者は多いので、これで彼等が隊長のことを悪く思わなければいいが。そんな気持ちが、私に話題を変えることを勧めた。

 

「……ドールスパイダーの糸は、な、内部に特殊なき、菌糸が入っています」

「お、そ、そうだな。それが糸を通して広がり目立つから、木々の間など通る時は幹にも目を配れ」

「そ、そうです。皆さん……も、気を付けて……下さい」

 

 私の意図を汲んでくれたのかは知らないが、ベージンス隊長が話題を合わせる。

 普段は私の言葉など聞こうとしない筈の他の隊員達だったが、流石に空気を読んだのか、微妙にではあるが頷いてくれる。

 しかし、この時は後先考えず話を聞いてくれた嬉しさから余計なことを口走ってしまう。

 

「それで、ですね? 成体の方がつ、強い糸を出すんですが何故幼生のい、糸を使うかとい、言うとですね? そ、そもそもドールスパイダーの成体をた、倒すのは非常に困難なんです。ま、まず縄張りに行かなくては行けないんですが、その縄張りにこの罠の数倍危険な物が張り巡らされていて、その中で自在に動く最低難度三以上、強い個体になると難度五を超すと言われる成体を相手にしなくてはなりません。火攻めで巣を追い出し、パニック状態に陥らせてから狩るのが有効とされますが、それでも油断出来ないモンスターです。逆に幼生を捕えたりして糸を入手するのは容易です。理由は、ドールスパイダーの子育て方法による所が強いです。何故かはまだ分かっていませんが、彼等は幼生がある程度――」

「……待て、待て待て待て。頼むから待ってくれ」

 

 隊長の言葉で我に帰り、私は恐る恐る周囲を見渡す。すると、案の定隊員達の目が死んでいた。

 やらかしたのを悔やむ私を尻目に、隊長は改めて任務の遂行を促す。

 

「えー、兎に角だ。彼女が教えてくれた貴重な情報を元に、各自罠に注意しながら進むんだ。作戦開始時刻までには幾分余裕があるから多少は速度を落としても大丈夫だしな」

「「「了解」」」

 

 流石と言うべきは未来の特務部隊候補生達で、皆が揃えて返事をし、それをきっかけに空気が張りつめる。

 元の精鋭達――仮ではあるが――に戻ったのだ。

 

「宜しい。では行くぞ、諸君」

 

 隊長の言葉を合図に、私達は夜の森が作り出す闇に溶けていった。

 

//※//

 

「はぁ……」

 

 ほんの少し肌寒さを感じるようになった夜風。そこへ僅かながらに白みを帯びた吐息が流れていく。

 私達(シャルナー隊)は今、罠に注意しながら抜けた森の出口付近で暫しの休息を取っていた。

 多少開けてはいるものの岩や草木などが点在し、そこに夜闇も相まってそう簡単に周囲からは見つからないようになっている。そんな場所だ。

 無論、ただ見つかり辛いというだけでここが選ばれた訳ではない。

 この場所は休息に使用していると同時に、シャルナー隊から選抜され先に出発している偵察隊との合流地点に指定された場所でもあるのだ。どちらかといえばこちらの意味合いが強い。

 休息は飽くまで急遽決まったこと、謂わば臨時の措置だ。

 というのも、予定されている時間が過ぎても偵察隊の人間が誰一人として現れなかったのだ。

 

「ベージンス隊長、一体どういうことなんですかね。流石にこれ以上待つと任務に支障が……」

「……そんなことは言われんでも分かっている」

「し、失礼しました」

 

 あからさまな怒気を含んだ声に押され、他の候補生達から無理矢理質問者に選出されてしまった候補生が、なんとも悲しい背中を見せながらスゴスゴと下がっていく。

 その後も時間だけが過ぎていき、隊長が苛立ちで地面を繰り返し踏み鳴らす音だけが聞こえる。

 確かにおかしかった。

 予定ではとうに偵察隊との合流を終え、改めて敵戦力などの情報の摺合せをしてから出発している頃だろう。

 それなのに連絡員の一人も寄越さないのは何か問題でも起きたからなのか、そんな不吉なことを考えていると件の村方面から人影が現れた。

 部隊一同が身を隠し、その人影が何者かを見定めようとする。

 段々と近付き、やがてその正体がはっきりと確認出来る位置まで来ると、隊の者達から安堵の息が漏れた。

 

「あれ、バートンじゃないか?」

「本当だ。でも、何であいつが?」

 

 隊員達がその名を呼ぶ彼は、成績の優秀さから偵察隊の副長に選ばれたバートン・ウィルゾという候補生だ。

 爽やかなマスクと人懐っこい性格。驕らず、虐げず、誰にでも優しく。

 まるで物語に出てくる王子様のような人物で、内外問わずファンも多いらしい。

 ……ここだけの話、私もそのファンの一人だったりする。

 そんな彼が、偵察隊の副長(・・)である彼がたった一人で集合場所に現れたことに隊の空気が変わっていく。やはり何か起きたのかと。

 余程急いで来たのだろう、私達の所まで来た彼は息を整えながらベージンス隊長の顔を見た。

 

「何故副長のお前が来た? なるべく簡潔に報告をせよウィルゾ副長」

 

 隊長は最悪のケースをも覚悟したのか、表情を引き締めながら報告を促す。そこで私達は、呼吸を整えたウィルゾの口から驚愕の事実を知らされた。

 

 




 如何だったでしょうか?
 え? 読み辛いし話が急過ぎるし文章下手くそだし練り込みが甘い?
 すいません、何も言い返せません(反省part2)
 予定ではこのノリで三話前後になると思いますが、次回も海の様に広い心で見て下されば幸いです。
 最後にいつものやつですが、誤字脱字、変な表現などありましたら報告して頂けると嬉しいです。ではまた。
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