混沌としたネタ帳   作:川丼

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 性懲りもなくやって来た川丼です。

 元から脆弱で、豆腐ステーキのような弱っちい精神は某剣豪将軍(中二)のメンタルと同等に、初投稿時のハイテンションは今や夏休みを終えたものの宿題に手をつけなかった学生並みとなり、そうして残念になった二つの要素が川丼の文章を無味無臭のガムの如きものと変貌させました。
 遠回しな話し方をそのままに、ネタの量は茶碗にこびりついた米粒のように少なく、面白さは十万ボルトを喰らい星になるロケット団のように彼方に飛んで行きました。

 そんな私の作品です。

 注意書きと上記の前書きを読んで尚これを読んで頂けるという優しい方、本当にありがとうございます。

 では、これから混沌としたネタ帳(別名:ネタのゴミ箱)が始まります。

 *1/17 修正しました。


 


モンスターハンター~日記形式の勘違いにしたい~
日記1


 モンスター────それは自然と共存し、自然と共に歩む生き物達。

 

 人間───それは自然と共存し、時に歯向かい、時にその自然から恵みと生活を交換する生き物達。

 

 この二つの生物達は、とても類似していて、とても懸隔がる。

 そして、両者は時に価値観の違いによって争いを起こす。

 古くからモンスターに怖れを知る人間は、モンスターとの争いに恐れを抱き、両者を間接的に繋ぐ者を生み出した。

 

 ──その名、人は『ハンター』と呼ぶ。

 ハンターが現れたことにより、人間は生活の領域を広げ自然の恵みのことごとくを得た。

 ハンターが既知の事実として人々に認識されて幾星霜…

 今でも、ハンターはモンスターと人間の懸け橋となることを許されている。

 

 ・

 ・

 ・

 

 太陽が輝く。

 まるで炎で熱された鉄板のように熱い砂が、生命を、行く手を阻む場所(フィールド)──砂漠。

 その場所で最も暑く、熱いとされる区域(エリア)に彼は立っていた。

 右手に身の丈を超える銃槍を、左手に銀の盾を構え、一心に目前のモンスターに集中している。

 彼の見る先には一匹の竜がいた。

 その竜に翼は無く、大きさの程も成人男性を横に二人ほど並べた程度。

 竜は、鳥竜と呼ばれる竜の中で中位の危険度を持つ種である。

 しかし、その鳥竜は種の中でも首領(ドス)と呼ばれ、鳥竜種でも極めて危険な、強いモンスターであった。

 

 男と竜。

 人間とモンスター。

 互いが互いを牽制し、どちらも一歩を踏み出さない。

 

「アオオオオン!」

 

 先に動くは紫の鳥竜。

 頭を天に伸ばし、猛々しい声を上げる。

 対して彼は太陽に照らされた銃槍に新たな弾を装填し、その槍先を紫の鳥竜へと向ける。

 

「一発喰らええええええええ!」

 

 男は銃槍から弾を放つ。

 放たれた弾は同時に爆発四散し、鳥竜には爆発そのものを、男には爆発による衝撃を与えた。

 

「ギャウン!」

 

 鳥竜は爆発に耐え切れず吹き飛び、倒れ、砂を被った。

 

「……ッ!」

 

 男は衝撃を全身に伝え、足裏へと逃す事で堪えた。

 数秒の間を空け、男は動かぬ鳥竜に気付き、鳥竜に近づく。

 

 鳥竜──ドスジャギイは息絶えていた。

 

 ドスジャギイの死を確認した男はその亡骸に小刀を入れ、皮を、骨を、そして爪を得る。

 

「すいません、体の一部貰いました。」

 

 ドスジャギイの一部を袋にしまい、合掌。

 男は自らの仕事を終えたと知り、家路に着く。

 

 男の名はケイスケ、ハンターである。

 

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 いの月 ろの日

 

 いやーまいった。

 ハンターになって日の浅い僕になんて依頼を出すんだあの受付嬢さんは。

 このイライラを今日溜めに溜めた貯金をはたいて買ったこの日記帳にある事無い事書き込んでやる。

 今日は、肩慣らし気分で久しぶりのガンランスだったってのに…ねえ?

 でだ、出されたクエスト、一見すれば普通のドスジャギイを一頭討伐すれば終わる楽なお仕事だったんだ。

 なのに、いざ出てみれば

 ●砂漠スタート、但し区域(エリア)で一番拠点(ベースキャンプ)に遠い所。

 ●やたら小型モンスター硬い。

 ●体力満タンでドスな一撃(タックル)を喰らい二回猫に運ばれる。

 ●乱入で茶色冠+赤ダンゴ虫が推☆参。

 ふざけてる…上位クエストではないか。

 HR制度は!?もう二つか三つ上がらないと無理じゃね!?HR1に上位を任せるなよ。

 下位ハンターに安心と安全と信頼(此処重要)を提供してハンターズギルド!

 と苦情をギルドマスターに申告しても「生きて帰ってのハンターじゃから別にいいじゃろ。それに報酬と剥ぎ取りの素材はさぞ高く売れたじゃろうて。結局は一石二鳥に近いじゃろう?」とか酒飲みつつ言いくるめられた。

 ああもう、ギルドマスター胡散臭いし受付嬢綺麗だけど無口で無表情な分話しかけにくいし受付嬢の対応つっけんどんだし最近理由は分からないけど花の名前が由来らしき格好悪い通り名付いて陰口叩かれているし…

 もう引っ越してあんなブラックギルド(なりかけ)なんて行かないぞ!

 …問題は、うちの息子娘にどうその話を伝えるべきかな。

 まあ、明日考えるとするか。

 

 日記を長女に見られた、怒られた。

「貯蓄すら必死になっても溜まりそうに無いのに引越し!?借金するの!?」って…

 うん。しばらくはこの街で稼ぐ日々を続ける必要があるな。

 

 

 いの月 はの日

 

 取り敢えず近い将来必ず引越しをする決意をしたのでうちの子供たちに話した。

 想像と逆に長女を除いた全員が凄く喜んでた、驚いた。

 次男曰く「父さんが恐いって友達皆言うから、父さんを恐がる人が一人もいない所がいいなあって前から思っていたんだ…」とのこと。

 長男も長女も(長女、激しく首肯してた。ヘッドバンキング?って位に)次女も三男もうんうん同意していた。

 嬉しさで感無量です、てか他の子供が僕に抱く恐怖心はどうした、僕恐い顔なんて一度もしたことないし、寧ろ息子娘の力を合わせた竜撃砲(拳)を笑顔で受け切れるほどの性格だと自負するのに…。

 

 今日は空飛ぶ友達の力を借りて空中散歩するクエストをやった。

 もう、ギルドに信頼なんてしていない、僕は小型モンスターの討伐と採取クエストしかやらない。

 

 

 いの月 にの日

 

 今日のクエストは釣りだった。

 いやー大量大量大満足。

 黄金魚十匹小金魚二十五匹超大物五匹でお金ガッポガポ!

 まあ、貯金としては僅かだけどね…。

 

 引越し先を考えていると、都合よくバルバレに行った妹から手紙が来た。

『お久しぶりですお兄様、こちらでなんとか落ち着いた暮らしができるようになってきたこの頃です。お兄様、聞くところによればまた子供が増えたのだそうですね、そろそろ暮らしに不自由を感じてはいませんか?…もし、もしで良いのですが、もし、ですよ?もしですからね?もしお兄様がよろしかったらバルバレで一緒に暮らしませんか?一緒に暮らせば幾分かお兄様の負担は減ると思いますし私も一人ではなくて嬉しいなと考えます。もし、お兄様が引越しを考えて下さるのならお便りを下さい、再び私が返信させていただく時に幾らかの費用をお送りいたします。(妹への愛によって難なく全文書けたZE☆)』と実に兄思いの温かなお手紙を貰えたのでそのご好意に甘えるつもりだ。

 それにしてもタイミングが絶妙。見られてるのかなって一瞬疑った位。

 よーし、まってろバルバレー!

 …バルバレって村だっけ?町だっけ?(違う気がする)

 

 今度は長女と一緒に次女が日記の中身を見ていたようだ。

 ご飯待ちの姿勢で僕は息子達と数分ほどの談笑をしていたとき、次女が音もなく、部屋に現れて無表情でテーブルに料理を並べた、いつもは明るい次女の豹変振りに息子達は声を揃えて『トイレ』と部屋から出て行った、

 次女は、息子達が部屋から逃げ出すと、僕の日記にしか書いていないことについて質問してきた。

 我が家の家計を担う娘達の一人が静かな怒りをむき出しにしていたので、もしや賭け事をしたのがばれたかと身構えていたので拍子抜けした。

 

 ホッとした僕は手紙や引越し先は妹の近くが良いかと検討しているのを色々話したら仲良くダブルパンチを繰り出してきた。

 う~ん……理不尽だ。

 

 

 いの月 ほの日

 

 妹宛に手紙を送って後は返信を待つばかり、なので今日もクエストに。お金は稼げるときに稼がないと。

 

 うっかり受付嬢さんに呟き聞かれたのがきっかけでクエスト終えてギルドに帰った頃には街のクエストに行っていないハンターさん全員に武具屋のおじさん、雑貨屋店長に子供らを通わせていた学校長などなど人が沢山、うじゃうじゃと。

「そっか、お前がいなくなるなんて」とか「寂しいですね。」と口々にいって悲しんでいたけど…それ『弱い奴でもいなくなれば寂しいオーラ』見えてるよ?

 

 お別れ会状態のギルドからほうほうの体で帰ると長男次男が肩たたきしてくれた。

 子供がいるって素晴らしいなあもう!

 

 肩たたきなる天国への列車に乗っていると長女が「引越しにお金を使うのはこの際目を瞑りますから、おばさま(・・・・)に頼らないでなるべく遠くへ引っ越しましょう。おばさま(・・・・)に頼らずに。」と言ってきた。

 息子娘の事を思っての行動なんだからその厚意を受け入れようよ、といった趣旨を話すと長女は顔を赤くして寝床に戻っていった。

 …長女が最近おかしい。

 

 

 いの月 への日

 

 長女、一日明けると上機嫌に。

 凄くニヨニヨしながらエヘヘヘと笑っていたので普段の彼女を知る長男次男三男次女が引いた。

 …え、まあ、うん、機嫌いいから健康だよね、ドキドキノコ? 触れるな次男、僕は娘がキノコを食べてハイになるような知り合いと同じになってるとは絶対に思っていない。

 今日の受付の方はいつも見る受付嬢さんでなく、新参者といった感じの方だった。

 いつも仕事中毒かと思うほど受付に立ってた人も休むのか。珍しい。

 

 

 いの月 との日

 

 今回のクエストと、キャラバンの護衛のクエストが被ったのでついでに護衛もしたが…リオレウスとリオレイアの夫妻が襲って来たのがきっかけで車一つと二人を失ってしまった。

 

 二人も、護ることができなかった。

 

 リオ夫妻が子供に向け放った火球を標的にされた子の両親が庇った事で死んでしまった、結果は文字にすると少ないことに気付かされる。

 子供はショックを受けたのか気を失ったので今我が家で寝かしている。

 僕に、周りを見る力がもっとあれば…クソッ。

 

 家に帰ると一家全員で迎えてくれた。真夜中なのにだ。

 子供なんだから早く寝なさい、とか思ったけどそれよりも凄く嬉しくて、それと同時に今日見たあれとうちの家族が重なって気が付くと皆を抱えていた。(まあ僕が倒れこんだという表現のほうが正しいけど)

 一人危ない顔で笑いながら痙攣したので次女に運んでもらった。

「医者はいりませんよぉ」と次女は笑って言ってたから平気だろう。

 

 

 いの月 ちの日

 

 妹から手紙が来た。

 お金が同封されていて、住所と『女子です!』と性別を伝える内容が書いてあった。

 妹の手紙を見た次女は口に含んでいた蜂蜜ミルクを思いっきり吹いた。

 …だめだ、淡々と整理してみても次女の行動と妹の手紙のどちらも理解できない。

 

 新しい家族が増えた。

 昨日のクエストと平行して行った護衛中、護れなかった人達の子供だ。

 ギルドに確認をとったところ、他に身寄りのない放浪中の家族だったらしいので、善意で引き取る事にした。

 新しく家族が増える事に我が家は肯定的でよかった。

 お金はどうするの?と長女に聞かれなくて本当に良かった…!

 心の傷は簡単に治らない、僕の経験でも今の息子娘達の経験でも良く分かっている。

 だから、いつか立ち直れる日が来るまで、いま僕の膝の上で寝ているこの子を護りたいと思った。

 …一応家族がこの日記を覗く事を危惧するから説明するよ、この子が涙目で袖を引っ張ってきたから僕はそれに答えただけなんだ、友人みたいな性癖は持っていないからね、本当だよ、信じて、嘘じゃないんだ。

 あ…僕はこの子を善意で引き取ったなんて書いてるけど、この気持ちは善意ではないな…う~ん…

 

 

 

 

 あ、母性か。

 うん、この子は我が家の第三女だ。

 日記に護りたいと書いた、確かに一生僕が護ってやるからな!

 めっちゃ三女なでなでした、「う~にゃ~」とアイルーみたいな声だしながら笑顔で起きてきた。

 

 やはり、家族のためなら、僕は死んでも良い。

 

 今日のクエストは楽しいスカイダイビングだった。

 同伴したハンターさんがその後弟子入りを求めてきた。

 HR6の人がHR1に弟子入り志願をしないで欲しい、てかそっちのほうが凄いでしょうが。

 

 

 いの月 りの日

 

 凹凸の激しい道を通り揺れるポポ車。

 それを操る雇われアイルーと後ろの車両でキャッキャと騒ぐ息子達娘達…

 僕はとうとう引越しをした。

 

 正直、あの街にいると僕は申し訳なさで心が押しつぶされるのが分かっていたから、引越しを決意してよかったと思う。

 毎日のように僕だけ割安で品物を売ってくれる雑貨屋さん、畑で採れた余り物だと、どう考えても余り物の域を超えた質量と大きさを備えた野菜を下さる方々、そして村長さんが週一で無言で渡してくる入手経緯不明な金の卵…そうして渡してきた人たちは必ず「頑張れよ」と温かな目線を送って来て…心が…重かったんだ…!

 

 ただ、一つ悔いがあるとすれば日頃の疲れに気にしないフリをしていたお蔭で、ポポ車へ荷物を積み終えた途端大の字に倒れて寝てしまったのがな…結局、動くポポ車の中で目を覚ました時には街を抜けてた。

 雇われアイルーに「お兄さん…家族愛に溢れた家庭でありますにゃ」と言われてどうしてポポ車の中にいるのか理解したとき、僕は号泣していた。

 

 いい子だよ、うちの息子達も娘達も。

 

 追記

 娘とか息子とか長女とか次女とか三女とか名前が分からないままにしながら日記書くなと娘三人に言われた、読みにくいと怒られた、読まれるのは仕方ないと黙認したけど、どうどうと読み続けることを宣言するな。

 




 解説コーナー(もしも質問コメントがあったら此処で説明しようと考えていたり考えなかったり)

 ・主人公(ケイスケ)
 →東洋人の血を引くハンター。息子が三人、娘が三人のバランスが良い大家族。
 しかし六人全員、主人公がクエスト中に助けられなかった家族達の生き残りを引き取られただけの血の繋がらない子供。
 子供達は微塵も気にしていないが、主人公は子供たちの家族を助けられなかったことを後悔していて、子供達の家族が眠る墓に毎年子供を連れて供養しに行く。
 …書いてるうちに、主人公がどこぞの名探偵のように死を引き寄せている気がする事実にちょっと絶望した。
 己の実力を勘違いしているようで、ハンターとしての初めてのクエストで飢えに飢えて黒い瘴気を吐くゴーヤを「狩猟環境不安定だったけどHR1だから見た目はアレでも勝てる筈」と思い込み、強靭な足の腱を切り機動力を奪い、過剰に準備していた大タル爆弾を口にぶち込みブレスを潰し、とどめに喉元をぶちっとして勝利するが、ドスジャギイには完膚なきまでにボロボロにされたので「コイツ…強すぎる!これが熟練ハンターと元一般人である僕との格の違いか…!」とHR昇格を諦めた。
 
 狩猟したモンスター素材は子供達の手によって食卓に並んだりお金になるので主人公の装備品は武具屋で購入できる物ばかり、つまり安物。

・茶色冠&赤ダンゴ虫
 ボルボロスとラングロトラ。
 見た目で区別する残念な主人公による、土砂竜と赤甲獣のニックネームである。
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