考え付いた事思いついた事如何でもいい事適当にぶち込んだ小説と前置きしておいて、それでもしっかり読んでくれるのは嬉しいものがありますね。
…そして何故だか、リリカルな話を書いて投稿する私。
*1/13 修正しました。
「…ねえ。」
「なんだ?」
二人きりの道場。
僕を見つめる目から視線をそらす。
「目…あわせるの。」
「断る。」
視界の端でなのはが微笑んでるのが視界に入る。
僕を見つめる目が動く。
僕を見つめる目から視線をそらす。
僕はなのはと視線を合わせない。
「どうしてもかな?もしも地球が滅亡しても、もしも周りが死体の山になったとしても、もしもゴンくんの好きなものがなのはの所有物であっても、もしもなのはがゴンくんのことを好きでも、目を合わせてくれないの?」
「どうしてもだ。もしも地球が滅亡しても、もしも周りが死体の山になったとしても、もしも僕の好きなものがなのはの所有物であっても、もしもなのはが僕のことを好きでも、目を合わせたくない。」
オウム返しで答える。
僕を見つめる目から視線をそらす。
僕はなのはと視線を合わせない。
「そっか…じゃあ…。」
ぐいっと。
なのはが、僕の後頭部を両手で捕まえて。
僕の顔となのはの顔は額がくっ付く距離まで引き寄せられた。
僕は目を瞑る。
僕はなのはと視線を合わせない。
「む~」
可愛らしい声で唸るなのは。
僕は目を瞑り続ける。
僕はなのはと視線を────
「あ、二千円札が落ちてるの。」
「どこだ!?」
「やっと目を開いたの。」
目を開けてしまった。
僕はなのはと視線を合わせてしまった。
「じゃあ、お話を始めるの!」
なのはの目が笑っている。
…僕は、これから始まる高町流会話術に絶望した。
高町流会話術。
それは単純明快、奇想天外。
会話とは名ばかりの『お話』で相手に必ず「はい」か「Yes」か「わかりました」と言わせる。
方法は単純明快、奇想天外。
相手の目を真っ直ぐと見て、本音を話して否定の言葉をなくす。
これが始まると、必ず僕はなのはに負けるから目線を合わせなかった。合わせたくなかった。
「さ、ゆっくりと『お話』するの!」
「うん…さっさと『お話』してくれ。」
なのはは笑顔で。
僕は無表情だ。
「なのはは、ゴンくんに名前で呼んで貰えることができてとっても嬉しいの!」
「そうかい、僕はなのはを名前を呼ぶ事に不快感を感じるよ。」
なのはは笑顔で。
僕は無表情だ。
「だから、そんななのはの大好きなゴンくんにこれから一生をかけて、もしもなのはが死んでも、もしもなのはが生きていても、もしもゴンくんの名前をなのはが『一生知らない』ままでも、もしもゴンくんの名前をなのはが『一生知り続けた』ままでも、もしも今からする約束を守りたくなくても、もしも今からする約束を守りたくても、約束してもらいたい事があるの!」
「へえ…。僕が大嫌いななのはにこれから一生をかけて、もしもなのはが死んでも、もしもなのはが生きていても、もしも僕の名前をなのはが『一生知らない』ままでも、もしも僕の名前をなのはが『一生知り続けた』ままでも、もしも今からする約束を守りたくなくても、もしも今からする約束を守りたくても、約束してもらいたい事があるのか。」
約束したい事とはなんだろうかと、僕は耳を傾ける。
なのはは笑顔で。
僕は無表情だ。
「それはね…。」
「早く教えろ。」
溜めるな、疲れるんだ。とおくびにも出さないでいるのに疲れを感じる。
「それはつまり…なのはと一緒に暮らすの!」
「…えー。」
嬉しそうな顔で告げるなのは。僕を殺したいのだろうか?
「おいおい、なのは。その提案を僕は否定する理由を用意してやろうか?」
「ううん、だいじょうぶなの。この提案をなのはは認めざるを得ない理由を用意するから!」
…参った。オウム返しを真似されるとは。
僕は無表情で。
なのはは笑顔だ。
「そうかい、なら言ってやろうか。僕は三人のイケメンから、勝手に懐いているなのはによって敵視されている、だから断る。僕は陽だまりのような明るい家庭よりも寂しくて暗い家庭が好き、だから断る。そしてなにより────僕は高町なのはが大嫌いだ、だから断る。」
「ふーん…だったらなのはも言うよ?ゴンくんは三人のイケメンから、勝手に懐いているなのはによって敵視されている、だから認めるしかないの。ゴンくんは陽だまりのような明るい家庭よりも寂しくて暗い家庭が好き、だから認めるしかないの。そしてなにより────なのはは『まだ名前の知らない親切なきみ』が大好きなの、だから認めるしかないの。」
無表情で僕は。
笑顔でなのはは。
似ているようで全く違う事を話す。
「なのはの理由は、無茶苦茶だな。これは僕が断っても問題ない。」
「ゴンくんの理由は、正論過ぎるの。これはなのはが頼もうと断られるけれど…」
なのはは、オウム返しを止めた。
そして──────
「分かっているの?なのはがいないとゴンくんは死んじゃう事を。」
僕にとって絶対服従の命令が、僕を縛り付けた。
『お話』を終えたなのはと僕は、なのはの家で少し遅い朝食を食べた。
とどのつまり、なのはの『お話』によって、僕は高町家のお世話になる事が決まったのだ。
今日の夜は、歓迎会をするとなのはが話していた。
…それよりか僕は、なのはに懐いているフェレットに興味があるのだが…。
触らしてくれないかな…。
今は、なのはと一緒にテレビを見ながらお茶を飲んでいる。
喫茶店を経営するだけあって、パックで置かれていたお茶すら自家製だとか。美味しい。
《次のニュースです。海鳴市で起きた大規模爆発による死傷者が0名とされており~~これを海鳴市警察署は戦後撤去されなかった不発弾と~~。》
「あ、これ私がやったの。」
「キュウウウ!?」
僕は、美味しいお茶を噴き出した。
隣に座っている人が、大規模なテロ紛いをしたと暴露したら僕でなくとも驚くだろうが、ただの一般人ななのはがやったと聞かされると更に驚かされるだろう。
その証拠に、フェレットは驚いてる…君は人語を理解できるのか?
突然の爆弾発言に驚いた、そんないつもの日のことだった。
「だって、なのはは魔法少女なの!」
「キュウウウウウ!?」
「…ハッ。」
なのはが、
─────そんな、いつもの日のことだった。
「そっか、それは『いいこと』だな。」
「うん!やっとゴンくんに近づけたの!」
「キュ…キュウ?」
なのはは笑顔で。
僕も笑顔だった。
「だったら、僕は何にも問題ない。
括弧付けず、心の中から笑った。
*解説コーナー
・高町式会話術。
→自分の信念を貫き通す為に、どこまでもしつこく追いかける。それはまるで『くろいまなざし』のように逃がさない。…一人の少年談
有名な俗称はO☆HA☆NA☆SHIである。