混沌としたネタ帳   作:川丼

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 今日は珍しく、連続で投稿します。

 まあ、ネタ帳ですし、語彙力なんて皆無ですし…(長ったらしい自虐にみせかけた愚痴とみせかけた自虐が延々と続く…)


なのはは面倒だけど…仕事があるから、頑張ろう。

 唐突に、出し抜けに、不意に、僕はなのはに驚かされた。

 

 曰く、つい最近魔法を使えるようになった。

 曰く、満身創痍のオコジョもどきもしくはフェレットもどきが魔法を使うための『デバイス』をくれた。

 曰く、『デバイス』によって魔法が使えたことに喜んだ挙句核爆弾の如き一撃を放ってしまった。

 曰く、そのため町の一部が消し飛んだ。

 

 これらの戯言を「やっとゴンくんに並べたの!」と嬉しそうに話すなのはに僕は『まるで下ネタを聞く部下が向ける冷たい目』のような眼差しと共に「たかが異能を使える一般人の分際で僕に並べると思っているのか?」と嘲笑い、挑発にのった彼女にオコジョもどきもしくはをフェレットもどきによって展開された不思議空間にて実力差を見せた。なのはは絶望した顔になっていた。

 

 その後、夕飯を高町家でいただいた。

 

 そして…突如高町家に住む事が決まった。

 …決まっていたが正しいのだろうか?以前からそのような話が『高町家族会議』で挙げられていたそうだ。

 お人よしだなと思っていたが、仮にも身寄りなし戸籍(実は)不明によって不審人物極まりない筈の僕に弁当の差し入れや道場をしている彼等はかなりのお人よしだったのかと改めて高町家の懐の大きさに感心した。

 

 

 それが、昨日の話。

 

 

 僕は、なのはの母桃子さんから僕に提供していただいた部屋(空き部屋が幾つもあったのは何故だろう)にて目を覚ます。

 せんべい布団でないベッド、やたら熱くも寒くもない部屋…道場で寝泊りするより遥かに快適だ。僕はここに住む事になって本当に幸せだと思う。

 

「ふぁああ~」

 

 制服に着替え、久方ぶりの欠伸をしながら僕は部屋をでる。

 すると、タイミングを合わせたように隣の部屋からなのはが出てきた。

 僕がトイレから部屋に戻る際に彼女の声がブツブツと聞こえたときは何も思わなかったのだが、今は心底不快感を感じているのが分かるから不思議だ。

 

「おはようゴンくん!」

 

「…ちっ」

 

「キュウ…。(僕は彼のようにわずらわしさを全体で表す人を知らないよ…)」

 

 なので先程の『幸せ』発言は前言撤回しよう、僕は更に不幸になった。

 

 

 享楽主義という言葉がある。

 その言葉は僕の性格に当てはまると、僕は思っている。

 動物園のバイトが週三日で且つ怠惰な日々を職場でも休日でも過ごしているパンダのように。

 お金に貪欲なあまりお金の音が鳴れば反射で反応できる某忍玉のあ奴のように。

 

 兎に角、僕は目の前の楽しみを存分に味わう事が好きなのだ。

 

「ほらほら~ゴンくんはなのはの隣に座るだけでいいの!そうしたら一緒にデザート食べよう!」

 

 だから、このような食事の誘惑に勝てない僕がいた。

 なのはは朝食の席に隣で座って欲しいそうで、予め僕が断るだろうと用意しておいたなのは自作のゼリーを用いて交渉してきたため、僕はあっさりと折れたのだった。

 なのはの強かさには目を見張るものがある。しかしその情熱は別の場所へ持っていって貰いたい。

 

「キュウ。」

 

「……ゴ、ゴンく」

 

「──ご馳走様でした。」

 

「えっ…ゴンくん早いの!早すぎるの!」

 

 用意された朝食は二分程で食べ終えて学校に向かう。デザートは既に貰った。柑橘系大好き。

 昨日まではなのはが起こしたと空言を話した爆発事故によって町の一部が抉れ、僕の通う小学校にも被害が及び、結果休校となっていた。

 だが、『コトブキ』という企業によって町の修復工事が行われ、たった一日で何もかもが元通りに直されたので今日からは登校日…となった。

 『コトブキ』は以前まで新種の最近に対して抗生物質を開発していた。それが大規模工事にまで手を出すとは…あの企業は謎が多い。

 

「ゴンくーん!まっングッ」

 

「なのは!?」

 

「キュウウウ!」

 

 喉に物が詰まったような声とサスペンス調の台詞を背にして、僕は家を出た。

 

 

 

 

 

 

「ふう、ゴンくんは食べるのが早いの…。」

 

 ゴンくんは流れるように朝食を飲み込んで、冷蔵庫からゼリーを掻っ攫って家を出てしまいました。

 なのはも急いで準備をしたのですが、ゴンくんが家を出てから既に二十分は経っています。

 

 ゴンくん、早いです。せめてめざましじゃんけんの三戦目が始まるくらいに出ようよ。

 

「行ってきまーす!」

 

 家族の声と、ユーノくんの鳴き声がなのはを押してくれます。

 

 さあ、全速力でゴンくんを追いかけないと。

 

 

 

 

 ────やはり、僕にとって朝は一日の始まりを決める時間であって、決して破られてはいけない神聖な時であると思う。

 いつも通りの朝ならなのはが土煙を出しながら僕を追いかけてくるのでうんざりしてしまうが、今日の僕はすこぶる上機嫌である。

 なのはの喉に食べ物が詰まったお蔭で彼女は僕の乗るバスに乗り遅れ、僕は快適な登校日を迎える事が出来たからだ。

 一人ぼっち最高。あれ?僕は以前寂しいと言っていたような…。

 

 とりあえずは、どうでもいい考えを続けても邪魔されなかったバスに乗れた事を感謝しよう。

 と一種の神様に感謝するポーズを取ろうとしていたときだった。

 

「ありがとうございます!」

 

 あの声がバス内で聞こえたのは。

 

 …おいおい、バスより速く走れるのかよ。

 

 僕は最後尾の端の席で頭を抱えて、身を縮めた。

 

 近づく足音によって研ぎ澄まされる感覚…。

 あと三歩………二歩…………一歩……………零。

 気配を隠して忍んでいる忍者並みに忍べていた筈だが、なのはは僕を見つけたようだ。

 

「ゴンくん!お隣座るの!」

 

「隣に座っていいかと了承を得ろよ。」

 

「公共の乗り物だから利用者はどの席に座っても大丈夫なの。」

 

「……。」

 

 もう…嫌だ。

 

 

 

 

 

 

 

 その日の学校は、一つの問題もなく一欠片の不審な点も見つからない平常どおり、いつも通りの学校だった。

 いつも通りに授業が勧められる。但しなのはが隣の席だった。

 いつも通りに美味しい昼食を食べる。但しなのはが口移しをねだってきた。

 いつも通りに僕に行われる交渉と称した暴力行為は起きる。但しなのはが一部始終を見ていた。

 いつも通りにイケメントリオが教室を支配する。但しなのはは知らない。

 いつも通りに新しくイケメントリオの毒牙にかかる女子がいた。但しなのははかからない。

 いつも通りに新しくイケメントリオに心を折られる男子もいた。但しなのはに慰められていた。

 いつも通りに紫髪と金髪の女子二人を筆頭にイケメントリオに抱きつく女子達がいた。但しなのはは僕に抱き付いてきた。

 いつも通りにそれを見て諦めた顔をする先生と男子達もいた。但しなのはは気にしないで僕にベッタリだった。

 

 ────本当に、つまらない。

 

 いつもと変わらず、嫉妬憤怒悲哀憐憫後悔絶望不幸恋慕執着依存興奮の入り混じったクラスで過ごす時間は退屈になる。

 

「…さて、本日の嘘吐き戯言詐欺紛いの仕事を終了しようかな。」

 

 下校時間を報せる鐘が鳴り、生徒たちは次々に家に帰って行く。

 僕は人気の無くなった教室で、呪文を解除した。

 ちなみになのはも先に帰らせておいた。邪魔だから。

 

「【マヌーサ】解除。」

 

 幻術は解け、隠れていたクラスメートたちが現れる。

 

「────っあああああ!死ね死ね死ねェ!」

 

 幻術によって隠蔽されていた三人の内、白髪の男子は溜めていた怒りを吐き出す。

 

「まあまあ落ち着くべ。あれに関しちゃあ致し方あんめえべ。」

 

 白髪の男子をたしなめるのは、和服に洋服を混ぜたような服を着こなす女子。

 お茶を啜っている姿に老人を思い浮かべてしまうのは何故だろう。

 

「そうですよ。このままの状況で彼等と争う事になったとき、僕らは圧倒的不利なんですよ?」

 

 今度は、気弱そうな顔をした男子が白髪の男子に抑えるよう促す。

 

「んなこたあ馬鹿でも分かってる。だがな…」

 

 怒り心頭の白髪の男子。これでは何も始まらないか。

 

 僕は白髪の男子を手で制し、その場を収める。

 

「静かにしないと『狩り』をしているあいつ等に勘付かれるぞ。さっさと始めるよ。」

 

 白髪の男子は舌打ち一つでおし黙り。

 風変わりな服装の女子は茶を啜り。

 いじめられっこ気質の男子は溜息を吐いた。

 

 世良 一

 塚原 つむぎ

 弘也 晃市

 

 男子二名と女子一名。

 

 それが、このクラスでイケメントリオの接触を受けずにいるクラスメートの人数であり、僕に仕事を依頼している人たちだ。

 

 彼等の説明としては、イケメントリオの『同種』であると一言で片付くために割愛しよう。

 

 ………うん。

 

 僕も彼等も、期限が近いから。

 さっさと話しておこうか。

 

「今日は良い情報を君達に提供しよう。」

 

「んァ…?なンだ…あいつ等についてかぁ?」

 

 早速世良が食いついた。

 彼は直情的だからな、さっさと知りたいのだろう。

 

「あながち間違ってはいない。いや殆どそうかな?」

 

「へェ…。」

 

 遠回しな会話だが、大体理解したかもしれないな。

 世良は賢いからな。

 

「御託はいいべ『ねーむれす』。時間がわしらには無い事など分かっているべな?」

 

 塚原は年寄り染みた口調で歳相応の催促をしてくる。

 本当の年齢は幾つなんだ?

 

「良い情報…それってもしかして…。」

 

 弘也は一人で考えていたが、すぐにハッとした顔になっていた。

 流石空気読み検定一級。

 

 …おっと。

 話を進めないと何も始まらないな。

 

「世良と弘也は分かったかもしれないが、君達で言うところの『無印編』が始まったよ。」

 

 失礼な考えをおくびに出さないと心がけて、僕は彼等へ始まりを告げる。

 

 




 うん、チラシ裏だからこれくらいの文才なんだ。
 けれど、これからゆっくりと頑張っていくので誹謗中傷は止めて下さい。(例えば「この程度で連載なんてksの極みだな」や「臆病者w」、「これネタ帳じゃねえよ」など。)
 以前は無言の0評価が怖かったけどコメント欄が荒れていた小説を見てコメントにも恐怖を抱いた川丼でした。

 
 

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