混沌としたネタ帳   作:川丼

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~雇ったアイルーが(良い意味で)壊れていたら~
うちのアイルーが強すぎる。


 アイテムボックスを開けると下位ドス系の素材がぎっしりだった。

 

 頭の中が真っ白になった。

 

「ご主人様、どうしたのニャ?」

 

 …待ってくれ。今、僕は文献でしか見たこと無いモンスター素材の存在を預かりも貰いもしてないし、裏マーケットで購入もしていないよね、と無茶苦茶動揺しているんだ。

 

「あ、ごめんニャさい。」

 

 …ん?どうしたんだ。

 

「実を言うとその素材、ご主人様が他の村に行ってるときに狩って来たものだニャ。てっきりご主人様が一度狩りに成功していたと思ってて…うっかり狩っちゃったニャ☆」

 

 は?

 

 え、買ってきたの!?

 

 いや、え? 僕は君を信用してたからある程度お金を渡したけど…こんなに買えたかな!?

 

「ご主人様…どうやら勘違いをしてますニャ。」

 

 

 

 

 

 

 

 僕がハンターとなり、数ヶ月経ってのことだ。

 段々ハンターとしての生活に馴れてきた僕は充実した毎日を送っていたけど、どこかで寂しさを覚えていた。

 村々をまわって色々な人達と交友関係を結べたし、そういう村では皆挨拶をしてくれるので、孤立はしていない。

 しかし、一人で狩場に向かい、一人でモンスターと対峙したり虫や草と触れ合うのは精神的に辛かった。

 最近はぶつかって来たファンゴをペットにしようとしてネコタクのアイルーに怒られるほどだ。

 

 なので、かねてからベルナ村のネコ嬢がオトモを勧めていたのを思い出し、最近アイルーを一匹雇用したのだ。

 

 初めて彼女と会ったのはタルの中に閉じ込められた彼女を助けたとき。

 眠そうな目と弾けたような尻尾、つやつやした真っ白な毛並み、触れば天国の見えそうな毛並みのアイルー…そんな彼女に一目惚れしました。

 彼女は名前が無かったそうなので僕は『ハク』と言う名前をつけ、一緒に生活する事にした、今ではすっかり家族のような存在になっている。

 

 何故、僕がこのような話をしたかと言うと、ハクの事で混乱しているからだ。

 

 ハクを雇用して、彼女は凄く喜んでくれたのはいいんだ。

 一緒にクエスト行って空き時間にモフモフするのもいい。

 ただ、一つだけ、理解が追いつかないことがある。

 

 

 

 

 ハクが、異常にハイスペックなことが。

 

 

 

 いや、まあ、強いとか有能とかなら誰でも望むけど、ハクは次元が違う。

 

 おかしいよ、渡したばかりの新しい武器でマッカォを一撃で仕留めるのは。

 採取した区域同じなのに質と量が段違いの物ばかり手に入れるなんて。

 僕のアイテムポーチに回復薬を入れて且つそれがハクが調合した安価ですませた物だなんて(そしてグレートだった)。

 怒りの一撃でドスファンゴの牙をへし折るなんて。

 

 最近は、治療が必要なくらいの大怪我で動けなかった僕に代わって僕以上の狩りをしていたのもおかしいよ。

 

 健気に頑張ってくれるのはうれしいけれど…凄く…複雑な気分です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 怪我の治ったご主人様に頑張った成果を見せて、落ち込まれたニャ。

 どうやらご主人様が狩りをしていなかったモンスターを狩ったのが原因のようニャ。

 

 ……や、やっちまっニャー。

 

 オトモになりたくて里を出て数年、野良オトモ時代にネコ嬢に誘われて雇用待ちを数ヶ月、後輩達が続々と雇われて焦りに焦り、やっとの事で見つかって絶対に幸せにすると決めたご主人を落ち込ませるとはニャにやってるんだにゃ!?

 

 どうしよう、この楽しい日常が崩れるのはとても嫌だニャ。

 なにか、考えニャいと。

 

 

 

 

 

 ご主人様と初めて会ったのは…えっと…雨季に入る時期だったのニャ。

 待てど暮らせどオトモとして指名されない私を見る後輩の目に耐えきれずどこかにいきたくなったハクはネコ嬢の制止を振り切り逃げ出そうとしたのニャ。

 逃げた結果、ハクは運悪く無造作に放置された閉じかけのタルの中に落下して更に閉じ込められたのニャ。

 タルの中にはハクの足と同じ大きさの幼虫がわんさかいてパニックに陥ったのニャ。

 蓋は蓋で外せず、足下には幼虫がいて、助けてと叫び続ける事しか出来なかったニャ。

 そんな地獄から出してくれたのが、今のご主人様なのニャ。

 ご主人様は石ころでタルを簡単に破壊してハクを出してくれたニャ。そして…ハクをタルから出してくれた親切な人、つまりご主人様にお礼しようとしたら「オトモになってください!」とご主人様が綺麗な四五度の礼で頼んできて…

 …初めてご主人様に言った言葉が「意味が分からないニャ。」で…本当にごめんなさいニャ。

 

 そこから落ち込んだご主人様を慰めたりご主人のオトモとなる契約をしたりとあって、私は念願のオトモになり、ご主人様との幸せな日々は始まったのニャ。

 

 お祝いと言われて渡された綺麗な剣に喜んだり…

 一緒に採取ツアーに行って大きなワラビに驚いたり…

 ご主人様の為に頑張って回復薬グレート調合したり… 

 ご主人様がハクに過剰じゃないかと思えるスキンシップをしたり…

 

 毎日が楽しかったニャ…ニャッ!?

 

 ち、違うニャ!回想じゃニャくて折れそうなご主人様を何とかしニャいと!

 

 

 

 

 うーん…ご主人様は『名前で呼んでいいよ!むしろ呼んで欲しい!家族なんだから!』と言ってくれたけど…未だに恥ずかしいニャし、今それをすると格下みたいな扱いになる気がするからニャー…。

 慰める言葉も…思いつかないニャ。

 

 …これもハクが馬鹿だからかニャ…ご主人様を慰めたいニャァ…。

 

 ニャァ!?ご主人様が小声で「ハンター向いてないかも…」て呟いてるのニャ!?ニャにか言わんとあかんニャ!

 

 だ、大丈夫ニャよご主人様!ご主人なら成長していってハクが霞むくらいの存在のハンターになれるニャ!

 だから、一緒に頑張ろうニャ!今のご主人様を見ているとハクは悲しくなるのニャ…

 

 

 …ニャ…ご主人様?顔がシモフリトマトみたいに赤いの…ニャァァァァアアアアアア!?

 

 

 

 

 

 五分後、立ち直ったご主人様がハクを開放したとき、ハクは腰砕けになって地べたに伏していましたニャ。

 …ご、ごしゅじん、さまぁ…さわり、すぎ、だにゃぁ…。

 

 

 

 

 

 

 アイルーが優秀すぎて挫折寸前になった、そんな時。

 ハクは必死に僕を元気付けてくれて、さらには「今のご主人様を見ているとハクは悲しくなるのニャ…」+上目遣いのコンボ。僕は鼻から愛が溢れるのをギリギリで止めてハクをモフって我慢をしました。

 

 ハクに励まされたんだ。しっかりしないとね。 

 

 それに、今はハクより劣っていてもいつか辿り着ければいいんだから。

 

 

 ありがとう、ハク。

 

 

 

 

 

 

 …ご主人様、ご主人様。

 

「うん。どうしたの?」

 

 動けニャいのでベットに寝かせてくださいニャ。

 

「…ヤダ。」

 

 ニャ!?

 

「さあ、まだ僕はハク成分が足りないよ。もっともっとモフらせてよ~。」

 

 変態っぽいニャ!?

 

「うりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうりうり!」

 

 にゃぁぁぁぁぁああああああ!

 

  




 解説コーナー(もしも質問コメントがあったら此処で説明しようと考えていたり考えなかったり)

 ・ハク
 →オトモアイルーをニャンターとしてプレイできる衝撃から誕生。
 設定としては『カリスマ』でサポート行動以外に一部アイテムを使用可能なアイルー。
 作者は猫も犬も爬虫類もばっちこいな動物好き、ただし大型犬は祖母の飼っていた犬がトラウマで苦手。
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