終わらない夜の再来   作:問題児愛

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其の十九 真の狙いと決闘ダイジェストだそうです!

 ギフトゲームを終えてゲーム盤から戻った〝ペルセウス〟の騎士達以外の一同は、ひとまずレティシアを取り戻せたことに安堵した。

 気絶中のルイオスは、いつの間にかメイド服に着替えていた黒衣に膝枕されていた。

 そしてルイオスが目を覚ますと、まず純白のメイドが視界に入り、顔を上げると闇夜を彷彿させるような黒髪の少女黒衣と目が合った。

 

「は?」

 

「あ、ようやく起きましたか。ルイオスさん」

 

「え?あ、うん。―――じゃなくて、なんで僕は極夜姫様に膝枕されてるのかな?」

 

「これですか?それは私がメイドだからです。ご主人様の膝を貴方に貸すつもりはありませんし、かといってレティシアさんに至っては貴方に膝なんか貸したくもありませんし………私しかいないですよね?」

 

「そ、そうだね」

 

 苦笑し合う黒衣とルイオス。白夜叉はルイオスの復活に気づいて黒衣に命令した。

 

「ふん。ようやく起きおったか小僧。黒衣、もう私の下へ戻ってきなさい」

 

「はい、ご主人様♪………すみませんが時間切れです。起きてください」

 

 黒衣はルイオスの耳元で小さく囁くと、ルイオスは「ああ」と言って起き上がった。

 ルイオスの頭が黒衣の膝から離れると、黒衣はすぐさま白夜叉の胸元に飛び込んで甘える。

 それに白夜叉は笑って黒衣の頭を優しく撫でてあげることで彼女のご要望に応えた。

 黒衣は気持ち良さそうにうっとりした表情を見せて白夜叉に体を預ける。

 その光景にレティシアとルイオスは二人してこう思ったのだった。

 

『本当に仲がいい姉妹なんだな君ら』と。

 

 

 

 

★★★★★★★★★★

 

 

 

 

 白夜叉は専属メイド黒衣を膝の上に座らせ、頭を撫でながら切り出した。

 

「うむ。さて、小僧―――ではなくルイオス殿」

 

「な、何だ白夜叉様?」

 

「黒衣がおんしにもう一度レティシアを取り戻せるチャンスをくれるようだから心して聞け!」

 

「は?」とルイオスは一瞬固まって黒衣を見つめる。すると黒衣は頷いてこう告げた。

 

「ルイオスさん。レティシアさんを取り戻したいのでしたら〝ノーネーム〟の方々と決闘をしてください」

 

「え?どうして〝名無し〟なんかと戦えばその吸血鬼を取り戻せるんだ?」

 

「ふふ、それはこの後私がレティシアさんの所有権を無償で〝ノーネーム〟の方々に譲ろうかと思っていましたから。私との再戦は厳しくても彼らなら喜んで受けて戴けますよね?」

 

「ふうん?それでもし僕ら〝ペルセウス〟が勝っちゃったら極夜姫様はあっさりその吸血鬼を僕らに返しちゃうわけなんだ?」

 

「はい。ルールはルールですのでしっかり守りますよ?それに―――〝ノーネーム〟の方々とルイオスさんのコミュニティ〝ペルセウス〟との決闘をさせることこそが、今回私が直接貴方からレティシアさんをギフトゲームで奪取した理由なんですから」

 

 笑う黒衣にルイオスは額に手を置いてしてやられた、といった顔をした。

 

「ハハ、参ったな。全ては貴女の思惑通りと言うわけか………いいぜ。〝名無し〟との決闘を受けてやる。そして二度と逆らえないように徹底的に、徹底的に叩き潰してやるよ!」

 

「ふふ、交渉成立ですね。―――皆さんもそれで構いませんよね?十六夜さん、飛鳥さん、黒ウサギさん?」

 

「ん?」とルイオスとレティシアが首を傾げると、障子が開いて十六夜、飛鳥、黒ウサギが中に入ってきた。

 

「ああ、構わねえぜ姫ロリ。レティシアを取り戻せるチャンスが出来たんだし拒否する理由なんかないね」

 

「あら?だけど無償で私達に譲って戴いても良かったのだけれど、黒衣さん?」

 

「ふふ、欲しいものはギフトゲームに勝利して手に入れる。それが箱庭の醍醐(だいご)味ですよ?飛鳥さん」

 

「YES。黒衣さんの言う通りなのです!元々、私達が〝ペルセウス〟に交渉を持ちかけるはずの立場でしたので、決闘までの段取りを行って戴けただけで感謝感激でございますよ♪」

 

 黒ウサギがお礼をすると、黒衣は微笑む。その話を聞いていた白夜叉はニヤリと笑った。

 

「うむ。ではこの私がおんし達〝ノーネーム〟に決闘を挑んで黒ウサギをペットにして」

 

「いいわけないのですよ!?何をお馬鹿な事を仰るのですか白夜叉様ッ!!!」

 

 スパァアン!と黒ウサギのハリセンが白夜叉の頭を打つ。ルイオスは視界に黒ウサギを捉えると、盛大に歓声を上げた。

 

「うわお、ウサギじゃん!うわー実物初めて見たよ!つーかミニスカにガーターとか随分エロいな!ねー君、うちのコミュニティに来なよ。三食首輪つきで毎晩可愛がるぜ?」

 

「お断りします!というより黒ウサギはペットじゃございません!白夜叉様と同じ事を仰らないでください!!」

 

 ウガー!とウサ耳を逆立てて怒る黒ウサギ。ルイオスはニヤニヤと笑って促す。

 

「それで、君らが〝ノーネーム〟所属の子達だよね?僕は〝ペルセウス〟のリーダーをしているルイオス=ペルセウスだ。決闘の時はお世話になるけどよろしくね」

 

「ああ。俺は逆廻十六夜だ。そっちのお嬢様が」

 

「久遠飛鳥よ。それでコレが」

 

「コレってなんですか飛鳥さん!黒ウサギはモノではないのですよ!?」

 

「いいえ、愛玩動物だからモノよ」

 

「ああ、愛玩動物だからモノだな」

 

「黙らっしゃいこのお馬鹿様方―――!!!」

 

 スパパァアン!と黒ウサギのハリセンは十六夜と飛鳥の頭を打つ。

 ルイオスはケラケラと笑って先を促した。

 

「あっはははは!面白いね君ら。それで決闘は何時にする?」

 

「そうだな。春日部が負傷中だし三日後でどうだ?」

 

「オッケーオッケー!三日後ね。はい、決闘日時は決まり。それじゃあ僕は帰らせてもらうね。―――あ、あと極夜姫様」

 

「はい。彼らなら既に貴方の本拠にお返ししておきましたよ」

 

 何時返したのかは定かではないが、ルイオスは黒衣の仕事の早さに感心した。

 

「そうなんだね。うん、ありがとう。それじゃあ僕はこの辺で」

 

 ルイオスは十六夜達が入ってきた障子とは反対の方の障子を開けて帰っていった。

 十六夜達も黒衣を見て呟く。

 

「んじゃ俺達も用事済ませたし帰るか」

 

「ええ、そうね。帰りましょう十六夜君、黒ウサギ」

 

「はいな。それでは白夜叉様、レティシア様、黒衣さん!また今度なのです♪」

 

「うむ。何時でも遊びに来い」

 

「ああ、またな」

 

「はい、またお会いしましょう」

 

 十六夜、飛鳥、黒ウサギも入ってきた障子から出て帰っていった。

 

 

 

 

★★★★★★★★★★

 

 

 

 

 そして決闘の約束をしてから三日目が過ぎ、〝ノーネーム〟と〝ペルセウス〟のギフトゲームが開催された。

 

 

『ギフトゲーム名〝FAIRYTALE in PERSEUS〟

 

 ・プレイヤー一覧

 逆廻 十六夜

 久遠 飛鳥

 春日部 耀

 ・〝ノーネーム〟ゲームマスター ジン=ラッセル

 ・〝ペルセウス〟ゲームマスター ルイオス=ペルセウス

 

 ・クリア条件

 ホスト側のゲームマスターを打倒。

 ・敗北条件

 プレイヤー側のゲームマスターによる降伏。

 プレイヤー側のゲームマスターの失格。

 プレイヤー側が上記の勝利条件を満たせなくなった場合。

 

 ・舞台詳細・ルール

 *ホスト側のゲームマスターは本拠・白亜の宮殿の最奥(さいおう)から出てはならない。

 *ホスト側の参加者は最奥に入ってはいけない。

 *プレイヤー達はホスト側の(ゲームマスターを除く)人間に姿を見られてはいけない。

 *姿を見られたプレイヤー達は失格となり、ゲームマスターへの挑戦資格を失う。

 *失格となったプレイヤーは挑戦資格を失うだけでゲームを続行する事ができる。

 

 宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、〝ノーネーム〟はギフトゲームに参加します。

 〝ペルセウス〟印』

 

 

 飛鳥・耀・十六夜の活躍を要約してみると、以下の通りになる。

 

 飛鳥は囮と露払いで不可視のギフトを持たない相手をし、〝ギフトを支配するギフト〟という形で〝威光〟を使用し水樹を操り次々と襲い来る騎士達を撃退した。

 

 耀は人並みを逸した五感を持ってして不可視のギフトを被る騎士達を順調に撃退するが、本物のハデスの兜を前に苦戦を強いられる。しかし、イルカのギフトでハデスの兜の弱点をつき、撃退に成功した。

 

 十六夜はルイオスと彼の切り札である星霊アルゴールと対峙した。結果は星霊を使役するルイオスの未熟さゆえに圧倒的な力を見せつけて打倒に成功した。

 

 それにより、このギフトゲームは〝ノーネーム〟が物にしたのだった。

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