「リアム様!次は何を致しましょうか!」
「あ?そうだな。じゃあ、洗濯を頼む」
「はい!」
一週間後、いい感じに溶け込んでいた。
「ビックリするほど依頼がこねぇな……この前の時が嘘みたいだ」
「洗濯終わりました!」
と、リリが戻ってきた。リアムは顎に手を当てると「うしっ」と言った。
「じゃ、自由にしていいぞ。あ、パン食べる?これ下の階のババァが作った奴」
「ミア様のですか⁉︎いただきます!」
と、パンを頬張るリリ。それを見ながらリアムは欠伸をした。
「そうだ、リアム様。今日は少しお出かけしてきますね」
「ん?そうか?じゃあ一緒に……」
「いえ、リリ一人で大丈夫です。では!」
そのまま張り切って出て行った。
○
リリは張り切っていた。それと共に感謝していた。リアムのお陰で、ここ一週間、家の雑用をするだけですごく良い生活が出来ている。出来るなら、ずっとここにいたい。だからこそ、いや、理由はそれだけじゃないけど、今所属しているファミリアから抜ける必要があった。
そのために、一週間ぶりにいつもの奴をやろうと歩いていた。路地裏に引き込まれた。
「っ⁉︎」
「よぉ、クソパルゥム」
ゴガッ!と蹴り飛ばされた。この前とは別の冒険者だ。
「もう逃がさねえこらな……ッ!」
と、冒険者はさらにリリに迫る。だが、その前に白い髪をした冒険者と体がぶつかった。
「うわっ……!」
「………チッ」
舌打ちし、リリに向かって歩く男。だが、その前に白い髪の男の子が立ち塞がった。
「……あぁ?ガキ、邪魔だ、そこを退きやがれ」
「あ、あの……今からこの子に何をするんですか……?」
「うるせえぞガキッ‼︎今すぐ消え失せねえと、後ろのそいつごと叩っ斬るぞ!」
だが、ベルは退かなかった。
「ガキ………!マジで殺されてえのか……⁉︎」
「そ、その、い、一回落ち着いた方が……⁉︎」
「黙れっ、何なんだよテメエは⁉︎そのチビの仲間なのかっ!」
「しょ、初対面ですっ」
「じゃあ何でそいつを庇ってんだ⁉︎」
「……ぉ、女の子だからっ?」
「何言ってんだよテメエッ……!」
本当に何を言ってるんだろう……と、自分で思うベルだった。すると男は剣を抜いた。
「いい、まずはテメエからブッ殺す……!」
反射的にベルもナイフを抜いた。が、
「そうだなぁ、まずはお前からぶっ殺すか」
「「えっ?」」
ムンズッと男の股間にぶら下がってる男の子が背後から掴まれた。見れば、リアムが掴んでた。
「お前じゃないぞ。お前の男の子だ」
「……いや、それ、つまり、俺……」
路地裏に悲鳴が響いた。
○
「と、いうわけだよ」
「ふぅーん……」
まったく興味なさそうに言った。
「で、その女の子は?」
「それはこっちに……あれ?」
いつの間にかいなくなっていた。
「いなくなってる……」
「ま、いんじゃね」
「リアムはどうしてここに?」
「家にいてもすることないから」
「ああそう……」
○
翌日。朝早くからリリの姿はリアムの前になかった。
「どこ行ったんかねあいつ……ま、いーや」
鼻くそほじりながら立ち上がると、リリが作ってくれたのか、朝飯が置いてあった。それをもっさもっさと咀嚼しながら、着替えを済ませた。
で、飯も食べ終わると歯磨きし、下の階に降りた。
「おーい、ババァでも誰でもいいから起きてっかー」
間抜けな声で聞くと、いたのはシルだけだった。
「あ、リアム。どったの?」
「いや、リリこっちに来てないかって思って。なんかいないんだよね」
「こっちには来てないよ?」
「マジか。邪魔したな」
そのまま帰ろうとした時、肩を掴まれた。
「あ?」
「いいところに来たねリアム」
「何だよ」
「ちょーっと、お願いがあるんだ〜」
「絶対に嫌だ」
「ダーメ」
「ダメなのがダメ」
「い、い、か、ら、来なさい!」
店の掃除手伝わされた。
○
その頃、ベル。ダンジョンに向かっていると、
「お兄さん、お兄さん。白い髪のお兄さん」
声を掛けられた。
「えっ?」
声の方向を見ると、小さいのがいた。
「初めまして、お兄さん。突然ですが、サポーターなんか探していたりしませんか?」
「え、ええっ?」
「混乱しているんですか?でも今の状況は簡単ですよ?冒険者さんのおこぼれに預かりたい貧乏なサポーターが自分を売り込みに来ているんです」
「そ、そうじゃなくて……君、昨日の……?」
「……? お兄さん、リリとお会いしたことがありましたか?リリは覚えていないのですが」
「あれぇ?」
「それでお兄さん。どうですか、サポーターはいりませんか?」
「ええっと……で、できるなら、欲しいかな……?」
「本当ですかっ!なら、リリを連れて行ってくれませんか、お兄さん!」
「いや、それはいいんだけど、うーん……?」
「あっ、名前ですか?失敬、リリは自己紹介もしていませんでした」
そして、リリは朗らかな笑みを浮かべた。
「リリの名前はリリルカ・アーデです。お兄さんの名前は何と言うんですか?」
「べ、ベル・クラネル」
「では、よろしくお願いいたします。ベル様!」
と、まぁこんな具合に強引に二人は契約を結んだ。
○
夕方までシルにこき使われたリアムは、家で寝転んだ。
「疲れた……」
と、ぼやいた。瞬間、ガララッとドアが開いた。
「リアム!」
ベルが入ってきた。
「悪いな。今日は店じまいだ」
「お願い!いくらでも出すから!」
「何かお困りですかお客様」
「僕のナイフがないんだ!」
「は、はぁ。どこで落としたか分かるか?」
「分からない!だから一緒に探して!もしかしたらダンジョンかも……」
「わーったから落ち着け。行くぞ」
「うん……」
そのまま2人で探しに向かった。