豊穣の女主人の上に何でも屋を開いた   作:フリーザ様

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お使いとデートと脱走

 

そんなこんなで、怪物祭会場。でっかい会場の下働きをさせられていた。檻に閉じ込められているモンスターを運んでいた。

 

「……おらキビキビ働け新入り!」

 

「あ?手伝ってもらってる分際で何様だハゲ」

 

「ハゲてねぇ!ふさふさだ!」

 

「バーコードをそう言い張るのは無茶だろおい」

 

そんな事を話しながら運んでいた。気が付けば夕方になっていた。

 

「あれ?リアムくん?」

 

聞き覚えのある声がして振り返ると、ダンジョン帰りのベルが立っていた。

 

「ベルか。ダンジョン帰りか?」

 

「うん。ていうか、何してるの?」

 

「仕事だ。今、何でも屋に波が来てる」

 

「そ、そう……僕も手伝おうか?」

 

「いい、いらん、やめろ」

 

「三回も拒絶した⁉︎なんでよ!」

 

「俺の分け前減るだろうが」

 

そんな事を話してると、さっきのバーコードが怒鳴った。

 

「コラ、リム!遊んでたらギャラ払わねぇぞ!」

 

「うるせーハゲ!」

 

リム、とはこの怪物祭の役員共につけられたアダ名だ。

 

「と、いうわけだからベル。お前は帰れ」

 

「分かった。またね」

 

「おー。あ、なんかあったら言えよ。ギャラ次第で力貸すぜ」

 

「分かった!」

 

そのままベルは元気良く去った。で、ハゲとリアムはモンスターを会場の倉庫に運んだ。

 

「ふぅ……これでいいのかハゲ」

 

「おう。サンキューな」

 

「ギャラ払えよ」

 

「それは俺に言うな。眼鏡の嬢ちゃんに言いな」

 

「おう」

 

で、倉庫から出ると、エイナが待っていた。

 

「お疲れ様。リムくん」

 

「ん。お疲れ」

 

「はいこれ、ギャラ」

 

「は?まだ明日の分もあるんだろ?」

 

「とりあえず今日の分。ほら、お金なくて困ってるんでしょ?だったらなるべく早い方がいいじゃない」

 

「は、はぁ。じゃあ」

 

ありがたく受け取ると、中には一万ヴァリス入っていた。

 

「っ⁉︎こんなにか⁉︎」

 

「うん。なんだかんだたくさん働いてくれたからね」

 

「マジか!今月は稼げる月だな……サンキュー、エイナ」

 

「うん。じゃあ、また明日ね」

 

「おーう」

 

そのままリアムも帰った。

 

 

 

 

翌日。ベルはまた朝早くからダンジョンに向かった。

 

「おーいっ、待つニャそこの白髪頭ー!」

 

その声に反応し、振り返るとアーニャが立っていた。

 

「おはようございます、ニャ。いきなり呼び止めて、悪かったニャ」

 

「あ、いえ、おはようございます。……えっと、それで何か僕に?」

 

「ちょっと、面倒ニャこと頼みたいニャ。はい、これ」

 

「へっ?」

 

「白髪頭はシルのマブダチニャ。だからコレをあのおっちょこちょいに渡して欲しいニャ」

 

「アーニャ。それでは説明不足です。クラネルさんも困っています」

 

後ろからリューが現れた。

 

「リューなアホニャー。店番サボって祭り見に行ったシルに、忘れていった財布届けて欲しいニャんてこと話さずともわかることニャ。ニャア、白髪頭?」

 

「というわけです。言葉足らずで申し訳ありませんでした」

 

「あ、いえ、よくわかりました。そういうことだったんですね。……でも、そのくらいリアムくんに頼めばいいんじゃないですか?」

 

「リアムは朝からお仕事です。ようやく仕事の入ったあの子の邪魔は出来ません」

 

そう言うリューの目は、まるでニートだった弟が自立して感動してるかのような目だった。

 

「それに、あのアホに頼むとギャラ取られるニャ」

 

「ああ、それ分かります」

 

「とにかく頼むニャ」

 

「分かりました。何処に届ければいいんですか?」

 

「……なんでミャーに聞かないニャ少年」

 

ベルがリューを見て尋ねると、不満そうに声を漏らすアーニャ。だが、無視してリューは言った。

 

「怪物祭です。そこにいるはずですよ」

 

「分かりました」

 

そんなわけで、ベルは怪物祭に向かった。

 

 

 

 

怪物祭の会場。警備員として駆り出されたリアムは、呑気にクレープをもっさもっさと頬張りながら歩いていた。

 

(もう少し苦味が強い方がいいな……)

 

とか考えながら歩いてると、ドンッと肩がブツかった。

 

「っと、悪い」

 

「いえ、こちらこそ」

 

ブツかった相手は金髪の女性だった。胸のない女と一緒の。

 

「って、あー!アイズたんの服に生クリームが!なにさらしとんじゃ我ボケェ!」

 

「………うぜーよその関西弁。断崖絶壁はだーってろ」

 

「んなっ……⁉︎」

 

隣の無乳にそれをまず言っといてから、ティッシュを取り出した。

 

「おらこれ。使ってくれ」

 

アイズにポケットティッシュを丸ごと差し出す。

 

「いえ、その……」

 

「じゃあ、また」

 

そのまま過ぎ去るリアム。アイズはそのリアムをどっかで見たことあった気がする……と、考えながら服の生クリームをティッシュで拭いた。

 

 

 

 

「おーい!ベルくーん!」

 

ヘスティアの声がして、振り返るとヘスティアがいた。当たり前だろ。

 

「あ、神様。どうしてここに?」

 

「おいおい、バカ言うなよ。君に会いたかったからに決まってるじゃないか!」

 

「いえ、僕も会いたかったですけど、そういうことじゃなくて今日までどちらに……」

 

「いやぁー、それにしても素晴らしいね!会おうと思ったら本当に出くわしちゃうなんて!」

 

声が届いてないことにため息をつきながらもベルは言った。

 

「か、神様?すごいご機嫌みたいですけど、何かあったんですか?」

 

「へへっ……知りたいかい?」

 

「は、はい」

 

「実はね………うん、せっかくだ。やっぱり今はおしえなーい」

 

「ええっ⁉︎」

 

「楽しみはあとで取っておくことにしよう」

 

まさかのお預けにガッカリしてると、そのベルの手をヘスティアは取った。

 

「デートしようぜ、ベル君」

 

「……で、デート⁉︎」

 

「ああ、そうさ」

 

「でも、僕、実はおつかいを頼まれているんです!」

 

「ん、そうなのかい?」

 

「はいっ、だから今もある人を探している最中で……!」

 

「よし、じゃあデートしながら人探しをしようじゃないか!」

 

「神様ぁー⁉︎」

 

簡単に流されるベルだった。

 

 

 

 

西口の倉庫。そこにリアムは着いた。なんとなく来ただけである。

 

「そういやどんなのがいたっけ……」

 

そう思うと、リアムは倉庫の中に入った。すると、中の人が何人か倒れていた。

 

「っ⁉︎ おい、どうした!しっかりしろ!」

 

だが、起き上がらない。その時だ。倉庫の奥から「グルルルッ……!」と、モンスターの鳴き声がした。

 

「おいおい……冗談だろ」

 

奥から現れたのはシルバーバックにソードスタッグ、トロール。どいつもこいつも10階層以降から出てくる奴らばかりだ。

 

「………おいおい、血祭りでもするつもりですか」

 

そう呟くリアムに三匹は襲い掛かった。

 

 

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