豊穣の女主人の上に何でも屋を開いた   作:フリーザ様

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逃亡(逃げすぎだろ)と居候

 

 

ある日。豊穣の女主人の扉が吹き飛び、そこからリアムが突っ込んできた。

 

「いってて……」

 

リアムは見上げると、クロエとアーニャがゴゴゴゴッと怒りの炎を燃やしている。

 

「リィアムゥ〜」

 

「ぶっ殺すにゃ!」

 

「ま、待て待て!俺が悪かっ……!」

 

「「くたばれニャアァーッ!」」

 

追うアーニャとクロエと、逃げるリアム。喧嘩の発端は、貰い物のクッキーの取り合いから取っ組み合いに発展、結果、二人の尻尾をリアムが固結びした結果、ブチギレられてこうなった。

 

「ったく、面倒クセェな……!」

 

そうボヤくと、リアムは小さい頃の鬼ごっこスキルをフル活用し、路地裏から大通りに入り、また路地裏と移動して逃げ回った。で、屋台の下に隠れた。息を殺して、猫に二匹を下から探す。

 

(あ、パンツ見えた)

 

ミニスカの人が通ったりした。ちなみに猫の気配はない。

 

「……ふぅ」

 

息をついて、屋台の下から出た。ついでに、屋台でアイスを買うと、念のため警戒しながら歩いて路地裏を通る。すると、

 

「おい、何してやがる!とっととしろ!」

 

と、罵声が聞こえ、小さな体がリアムのアイスに直撃した。

 

「あっ」

 

手からアイスが落ちて、思わず悲しい声を上げたが、小さな体を蹴っ飛ばした方は謝りもせずにこっちに来て、その小さな体……というかパルゥムを踏みつける。

 

「荷物を運ぶくらいでちんたらしやがって、能無しが!碌に仕事もこなせねえ足手纏いに、くれてやる報酬なんざねえぞ!」

 

と、踏み付ける男の肩にリアムは手を置いた。

 

「オイ」

 

「あん?」

 

ガゴッ!と思いっきり顔面をブン殴った。空中で20回転くらいしながら10mほどブッ飛ぶ。

 

「な、なんだ⁉︎誰だテメェ!」

 

「俺たちは冒険者だぞ!」

 

「だからなんだよゴミカスがよ。人のアイスをおじゃんにしといて、『冒険者だぞ!』って何様だコラァッ!」

 

冒険者三人ほどの中に殴り込みに向かった。冒険者三人は武器を抜いて応戦しようとする。一人が剣で突きを放ってきた。が、躱して手首に手刀を打ち、武器を手放させて奪い、とりあえず蹴っ飛ばして一人KO。

二人目はバリスタを向けてきたが、そこに奪った剣を投げて腕に突き刺し、撃たせまいとすると顔面を掴んで地面に叩きつけた。

最後の一人は、勝てないと思って逃げ出したが、その後頭部に落ちてたビールビンケースみたいなのをブン投げてぶっ飛ばした。

 

「ふぅ……」

 

手をパンッパンッと払うと、リアムは蹴っ飛ばされたパルゥムの元へ歩いた。

 

「おい、大丈夫か」

 

聞くも、返事はない。

 

「おーい」

 

持ち上げると、気絶していた。

 

「………はぁ、仕方ねぇな」

 

リアムはパルゥムを担いで路地裏を出た。その時だ。頭と肩をガッと掴まれた。

 

「「オイ」」

 

「ふぇっ?」

 

と、返事をした瞬間、壁に叩きつけられた。振り返ると、アーニャとクロエが立っていた。

 

「どこまで逃げてるニャ!」

 

「男なら覚悟決めるニャお前は!」

 

「いだだだだ!待った!ちょっと待って!今それどころじゃねーんだって!」

 

「「問答無用ニャー!」」

 

「こんのっ……!いい加減にしろ畜生ッ!これ見ろ!」

 

二人を弾き飛ばし、パルゥムを見せ付けた。

 

「なんか気絶してたんだよ」

 

「それは一大事にゃ!」

 

「何を遊んでるにゃリアム!早く連れて帰るにゃ!」

 

「誰のせいだ誰の!」

 

 

 

 

豊穣の女主人。そこでとりあえずシャワーを浴びせられたパルゥムは、今は店の裏で眠っている。それを囲むように従業員達は見ていた。

 

「ふぅーん、この子が?」

 

「ああ、なんか雑魚冒険者四匹に虐められてたから全員命に別状はない程度にボコボコにしといたよ」

 

「自慢はいらないから。ていうかちゃんと加減したんでしょうね?」

 

「あれで死んでたら冒険者やめた方がいいよ」

 

シルに言われて、リアムは悪びれる様子なく言った。

 

「その子は大丈夫なのですか?」

 

リューが聞いた。

 

「一応、死にはしないしこれといった大怪我もないけど……でも、所々に小さな傷はいっぱいあった。こんな小さい子が、どうして……」

 

「ま、色々あったんじゃねぇの?」

 

リアムが自分の少年時代を懐かしむように言った。ダンジョン暮らしをしていた、少年時代を。

 

「そういうことなら、リアムが引き取るべきですね」

 

「は、はぁ⁉︎」

 

リューに言われた。

 

「そうだにゃ。リアムが適任にゃ」

 

アーニャも頷く。

 

「そうだね。似た体験したもの同士ってことで」

 

シルにも念を押され、仕方なく引き取った。

 

 

 

 

リアム家。そこのソファーでパルゥムは目を覚ました。

 

「あ、生き返った」

 

「………ふえっ⁉︎こ、ここどこ⁉︎」

 

「俺ん家。お前、俺のことわかる?」

 

「だ、誰?……ですか?」

 

「マサラタウンのサトシだ」

 

「ま、まさら……?」

 

「冗談。何でも屋だ」

 

「な、何でも屋……?」

 

「お前、冒険者四人に絡まれてたんだぜ。それを俺が袋叩きにしたってわけだ」

 

「あ、あの人たちを……?」

 

「ああ。お前も苦労してたんだろ?」

 

「っ」

 

「だから、しばらくはここにいろ。最近は俺収入バカみたいに金入ったから余裕あるんだわ。ガハハ」

 

「でも、あなたに、迷惑掛かるんじゃ……」

 

「あの程度の奴は百人掛かってきても問題にもならない。で、どうすんの?」

 

「じ、じゃあ、お願いします……」

 

「名前は?」

 

「リリです。リリルカ・アーデ」

 

「そうか。俺はリアムだ」

 

そんなわけで、住むことになった。

 

 

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