魔法先生ネギま!~消えたもう一人の御子~   作:香坂美幸希

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いやはやまさかここまで遅くなるとは…
難産だったのですがね。
まあ、少し暗い話ですがよろしくお願いします

ではどぞー


9時間目「諦念」

ネギ先生の歓迎会も何事もなく終わりを迎え、新たな生活を迎えた。

 

そして、そんな生活の中でもやはり苦難は待ち受けているものでネギ先生の魔力暴発による被害は着々と増えていた。

 

 

それとは裏腹に現在進行形で無理難題に直面してしまっていた

 

「姉さん、そこ文法間違ってるよ。その文はするじゃなくてしている。現在進行形だからプレイじゃなくてプレイング。」

 

「あ、ホントだ。」

 

「そして、書き直しても単語間違えてる。playにはそのままingを付けてplayingだよ。」

 

「うぅ~。なんで英語ってこんなに面倒なのよ~」

 

「英語より難しい日本語ができるんだから少し勉強するだけでしょう。」

 

簡単な英語の問題を作ってみたけど出来がそこそこひどい。ほとんどの問題を解けないなんて思っていなかった。

 

「さ、もう一枚やりましょう似たような問題にしているからさっきまでの解説を思い出しながら解けば出来るから。」

 

「はい…。」

 

 

10分後

 

「うん、さっきよりはよくなったね。」

 

「ホントに!?」

 

「うん、全問間違ってるけど。」

 

「がくっ

だったら良くなってなんか無いじゃないの!!」

 

「でも、今回の問題殆どがケアレスミス。ちょっとした間違いなんだ。だからそこを徐々に直せば今回の一枚は完璧だね。

それじゃあ解説するよ。解説ごとに同じものを解いてもらうから。」

 

「はい…。」

 

「問一 He is playing tennis この文を日本語に直しなさい。

これはHeで男性用三人称、つまり「彼」になります。Isで接続詞、繋げる言葉なので今回は「は/わ」を使い、playingでさっき言った現在進行形だから「~しています。~しているところです。」最後のtennisはそのままテニスを指しています。そして文法通りに直すと「彼はテニスをしているところです」になります。姉さんの答えは「テニスをしたのは彼」です。この答え方ももう少し変えれば正解です。

「したのは」ではなく「しているのは」に変えることですね。

姉さんの答えはIt is him who played tennisになります。

これだと過去形になってしまいます。今回の問題だと素直に答えていいです。」

 

姉さんの勉強を見始めて三日、ほとんど何も知識がない状態から中学二年に上がるための内容をしている。正直心が折れそうである。

 

「ね、ねぇミズキ。少し休憩にしない?」

 

「…そうですね。では、休憩の後に解説の続きをしましょう。」

 

「うん、わかった。あと、聞きたいことがあるんだけど、あのことで。」

 

「わかりました。場所を移しましょう。木乃香さん、ネギ先生、少し夜風に打たれてきます。根を詰めすぎると捗らなさそうです。」

 

「わかったぇ。戻ってきたら温かい物いれとくわぁ。」

 

「ありがとうございます。」

 

行きましょう。と姉さんに声をかけて玄関を出る。目指す場所は人気のない場所。私が一晩泊まった管理人室だ。

扉を開けて中に入る。この間使った時から変わらない空間がそこにはある。今度掃除をしに来よう。

ベッドに二人で腰を掛けて座る。人ひとり分の間を開けて。

 

「さて聞きたいこととはなんでしょうか」

 

この問いかけの時には私の意識のスイッチは武人としての自分に切り替える。こうでもしないと私の心が泣き叫ぶから

 

「うん。いろいろ考えたんだけど、やっぱり一番に聞くのはこれ。

私には戦う力はあるの?

二番目は私の過去。私の持っている記憶より前の事でミズキの知ってることが聞きたい。」

 

来た。話したくないことのツートップ。この二つは話してしまえば姉さんは確実に巻き込まれなくてはいけなくなる。

 

「姉さんには戦う力はないですし、私が知っている過去も姉さんに話したと思いますが?」

 

「戦う力がないのは半分本当、私の過去の事も上辺だけしか話してない。よね?」

 

「………。」

 

「私ね、最近よく記憶にないことを思い出したりするんだ。

今日なんか、私の本当の名前だなんて勘違いもした。ミズキが来てからもそうだけど、ネギが来てからは特に。」

 

「ッ!?…。」

 

「……その顔、知ってるのね?私の本当の名前があれだって、知ってるんでしょ!?知らない大人たちに囲まれて保護されてる私を、知っているんでしょう!!?私の本当の名前がッ!……

アスナ・ウェスペリーナ・テオタナシア・エンテオフィシアだって…知っているんでしょう…?」

 

(そこまで見ていたのかッ!?)

顔を手で覆い、視界を一度クリアにする。

 

…もはや隠し事は出来ないみたいですね…

 

「……はい。知っています。」

 

「っ!?なら!!」

 

「教えてしまっては……また、過去に囚われるじゃないですか。」

 

「…え?」

 

「あなたにそれを言えば、私が一人でその名を背負うことに異議を示し、自分もと一緒になって罪を背負うじゃないですか。

私にはそれが耐えられなかった。

せっかく、都合よく過去の記憶を封印されているのに、私しか…その名を背負えるものが居なかったのに…」

 

「ミズキ…。」

 

「お話ししましょう。姉さんの過去を…私の知っている限り。」

 

私は決心するために座りなおした

 

 

 

「まず、大前提として、私と姉さんは血のつながった姉妹ではありません。」

 

「…はい?」

 

「私が姉さんの近くで見つかり偶々姉さんと似通った能力を有していることから姉さんは私を妹と勝手に言い始めました。私のほうが年上なのに」

 

ここが私たちの始まりにして私の原点。私が私として何かしようと頭を使い始めるための。その前までの生活は秘密。

 

「…マジか…」

 

「それが大体…4,50年前ですかね。詳しくは覚えてないですが」

 

「私たちっておばあちゃん!?」

 

「長命種です。寿命の長い種族なんです。今では人の年齢に例えると二十歳過ぎですかね。」

 

中学生らしき外見でも私たちは人とは違う。本来なら旧世界に居られないはずの体は世界が私たちの重要性を加味したのかいささか疑問だが体を構築できている。

 

「は、はは…」

 

「細かいところは省きますが、それから少しして私たちは悪い人たちに捕まります。」

 

「いきなりクライマックス!?」

 

姉さんがいた場所は隠れ家的な掘っ立て小屋のような場所だった。ほかには召使のような人が一人だけ。まあ、その人は殺されてしまったのだけれどそこは割愛。

 

「捕まえた目的は軍事利用。私たちの持つ力は攻撃力さえありませんがほぼすべての超常現象を防ぎます。いえ、無効化します。」

 

「何そのチート」

 

「この力を貯めて一気に解き放てば、魔力によって生命活動しているものなら殺せるほどに。」

 

「……」

 

「そして、それなりの時間が過ぎ、一度は助けられた私たちでしたがまた別の組織が私たちを捕らえました。私たちの力で世界を救おうとする組織に。」

 

ナギさんが私たちを枷から解き、外へと連れ出してくれた。その時は私たちは感情を抑制されていたからあまり覚えていない。

 

「…世界を救うのならいいんじゃないの?」

 

「…たとえそれが人のいなくなる未来でも?」

 

「え?」

 

「すべての人間を夢の世界へと送り、人のいなくなった世界で『これで世界は救われたね』っていう連中よ、奴等は…。」

 

完全なる世界。私はどちらかというと彼らに賛成。私もこの世界が、旧世界も魔法世界も大好きだから。姉さんには内緒だけどね。私が逃げ出した理由は私ではだめだから。それだけ。

 

「そんなの救ってなんか無いじゃないの!?」

 

「救ってるでしょ?大地を環境汚染から。世界のあるがままを。」

 

「そんなの間違ってるわ!救う相手が違うじゃないの!」

 

「何も間違ってない。彼女は大好きなあの星を壊したくないから人を捨てたんだ。人よりも世界が大事なんだ。」

 

「そんなの!!「それに!」…」

 

「それに、奴等は既に負けている。現に私たちがここにいるのがその証拠。でしょう?」

 

「…そうね」

 

彼女を悪く言いたくはない。私にはその権利がない。

 

「奴等に捕まってからは別々の牢に入っていたから知らないけど計画の最終段階の時に私は姉さんに逃がしてもらって機械によって転移した後何処かを経由して山奥に放り出されたの。それが八年前。私の知っている過去はここまでよ。」

 

「私が逃がして…だから教室のインタビューの時の言葉だったんだ。」

 

「うん。今度は私が助ける番だよ。だから、知らせたくなかったの。知ってほしく…なかったの。昔の事を忘れているのなら、このまま……平和な世界で…一生を過ごして欲しかった…。」

 

「ミズキ……ごめんね。でも、私は逃げたくない。私たちが私たちのまま生きて行きたいから。」

 

「姉さん…。わかってる、分かっていた。この話をしたら尚更こっちの世界に来るだろうことは。」

 

だからこそ、これからは姉さんを守らなければならないし自衛の手段も手に入れてもらう。

 

「ありがとう、ミズキ。」

 

「礼はまだ早いよ。これから姉さんには身を守る術を手に入れてもらうから。」

 

「???あ、無効化能力?」

 

「そう、便宜上マジックキャンセラーって呼んでるけどね。

私はスパルタだからきついと思うけど頑張ってね。応援はしないけど。」

 

「アッハイ。」

 

さてと。これから忙しくなる。姉さんには四月までに完璧に仕上げてもらうかね。

 

 

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