魔法少女リリカルなのは~白い冥王の妹、天翼の朱里~ 作:天翼
海鳴温泉に家族旅行でやって来た私達は旅館での豪華な食事を終え、浴衣に着替えて寝室でお布団に寝転がって居ます。ちなみに子供部屋と大人部屋に別れて泊まっています。大人の人達は隣の部屋でお酒を飲んだりしています。それとメンバーは私こと朱里となのは、アリサ、すずかです。もちろん、いづなとユーノも居ます。
「じゃあ、恒例の話をしましょうか」
「恒例?」
「嫌な予感がするの」
アリサの発言にすずかやなのはが答えます。確かに嫌な気配がします。
「朱里も居る事だし、先ずは恋バナね」
「やっぱり」
「いえ、ここは怪談じゃないですか?」
「そっちもいいわね」
「うぅ、どっちもやだ……」
なのはは怪談は好きじゃないですからね。しかし、恋ばなですか。周りにろくな男が居ません。
「まあ、ろくな男がいないわね」
「うん。そうだよね。あ、そう言えばギル君はこの頃姿が見えないね」
「そういえば学校も休んでるの」
まあ、女体化しているので行けないでしょうね。しかし、シスター服とか着せてみたいですね。
「まあ、あいつらはねえ。まあ、ましなやつは兄貴はどうよ?」
「あ~クー君は面倒見いいよね」
「困ってたら色々と助けてくれるしね」
「その人はどんな人なんですか? 兄貴さんとかクーさんって呼ばれているようですが」
「兄貴ってのは渾名だよ。三馬鹿が言い始めたのが定着しちゃったんだよ」
「三馬鹿って」
「あってますよ」
「頭はいいんだけどね」
「いや、アリサちゃんが言うのは……」
「アリサちゃんの方がすごいしね」
「そうなのですか。お名前は何と言うのですか?」
「美咲クー君っていうんだよ」
クーですか。もしかしてあそこに居たクー・フーリンですか。危険ですね。宝具を使われたら大変です。対策を取らないといけません。それだけゲイ・ボルグは危険な宝具です。
「朱里はなにかないの?」
「私は好きな人がいますよ」
「「「え!?」」」
「なのはです」
「ふぇ!?」
なのはに抱きついて、そのまま押し倒してしまいます。
「本当に仲がいいわね」
「だね」
「双子ですから」
「まあ、そもそも入院ばっかしてた朱里に友達なんて私達以外いないわよね」
「いえ、いますよ。少なくとも三人ほどは」
はやて、フェイト、レヴィの三人です。他のメディアさんや先生は友達という訳ではないですし。
「どこで知り合ったのよ?」
「病院です」
「そうなんだ」
「なのは、知らないんだけど」
「今度紹介しますね」
「うん」
さて、これからどうしましょうか。
「恋ばなはこれくらいにしておきましょう」
「そうね、いっそ外に肝試しをしにいく?」
アリサの提案はありですね。夜の散歩、実にいいです。
「では、行きましょうか」
「でも、お姉ちゃん達に言ってこないと」
「まあ、アタシ達だけじゃ危ないわね」
「うぅ、やだなぁ……」
外に出てお母様達に話してから移動していきます。保護者としてノエルがついてきてくれました。
旅館の周りにある道は街灯で照らされ、花壇の中に設置されたライトでライトアップされています。されに川のせせらぎも聞こえて来ていい感じです。
「綺麗ですね」
「だね~」
「確かに夜の散歩もいいもんね」
「でも、危険だよ」
「そうですよ。くれぐれも子供だけで外に出ないようにしてくださいね」
「「「は~い」」」
いづなは走って楽しんでいます。ユーノはなのはの肩に乗ったままです。すずかとアリサが先頭を歩いています。
「朱里、身体は大丈夫」
「ええ、大丈夫ですよなのは」
「辛くなったら直ぐに言ってね」
「はい、ありがとうございます」
なのはと手を繋ぎながら奥へと進んでいきます。なのはは事ある毎にビクビクしています。
「そうですね、どうせなら怪談の話を……」
「やめてぇぇぇっ!!」
「ふふ、仕方ないですね」
なのはと楽しくお話しながら散歩コースを歩んでいると、急になのはが立ち止まりました。
「どうしましたか?」
「ごめん、ちょっと……」
なのはの肩に乗っていたユーノが急に走り出して森の奥へと消えていきました。
「ユーノ君! 私、連れ戻して来る!」
「ちょっと、なのは!!」
「えっと、どうしよう?」
「私はなのはちゃんを追います。皆さんは戻って皆さんに伝えて来てください」
「私達も探すわ!」
「駄目です」
「嫌よ!!」
「それなら、私だけで戻るので三人で探してください。私がお父様達に伝えてきます」
「しかし、それは……」
「早くしないと見失っちゃうわよ!」
「仕方ありませんね。私から離れないようにお願いしますよ!」
「「うん」」
「なのはをよろしくお願いします」
「「「任せて」」」
三人を見送り、私は旅館へと戻ります。そこでお父様達に話します。直ぐに皆が探しに出ました。私は大人しく旅館に残って待っています。ええ、待っていますとも。ただし、メディアさんと合流して認識阻害を発動してもらいながら旅館から狙撃します。
「動くと思う?」
「動いてもらわなくては困ります。残りはなのはが持つ三つとここにある一つなのですから」
いざという時の為に砲撃を放つ準備をしておきます。
「しかし、フェイトちゃん達は大丈夫なんか?」
「監視しておけばよかろう」
浴衣姿の先生が庭に面している廊下に座り、はやてが私の隣で遠見の魔術を発動しました。そのおかげでフェイト達の姿が虚空に写だされよく見えます。
「彼等も動き出しましたか」
「せやね。結界もちゃんと張ったようや。しかし、おかん達も張り切っとんな」
「うむ」
画面のあちら側にはフェイトとレヴィ、それにプレシアさん、メディアさんのリリィバージョンでいます。それに大して相手側はセフィロスもどきとエミヤもどき、それに財宝の殆どを奪われた姫ギルです。
「しかし、性転換薬か~おもろそうやな」
「そうですね。複製をできるようにしましょう。そうすればなのはやはやて達と楽しめます」
「ちょっ!? 朱里ちゃん!!」
「冗談です」
半分はですけど。ええ、私は元男ですから。だいたい、男に身体を自由にさせるなど考えただけで怖気が走ります。
「で、どっちが勝つと思う?」
「こちらでしょう。と、言いたいですが、わかりません。おそらく、今回管理局が乱入してくるでしょう」
「そうなん?」
「既に通報はしていますし、派手な戦闘も行っていますからね」
「通報ってええのん? 面倒やない?」
「ええ、面倒ですよ。ですが、通報する事でこちらに大義名分が立ちますし、プレシアさんが交渉してこちらの魔術師がジュエルシードを確保する事に文句は言わせません。そもそもここに落とす方が悪いですし、何より管理局の対応が遅すぎます。労力だけ払わせておいて、美味しいとこどりなど許しません」
「ま、せやな」
「其の辺は御前達に任せる。好きにするといい。だが、くれぐれもこちらの計画を悟らせないように」
「了解や」
「ええ、任せてください」
さて、どう戦うか悩みますね。いざという時は私も乱入しますし。いっそ、管理局の船を落としますか。それはそれでありですね。チャージさえしっかりとすれば貫けるでしょう。なにせ神殺しの一撃です。いえ、それよりもアルカンシェルを撃たせるべきでしょうか。あれが使えるようになったら助かりますし……いえ、竜の咆哮とかもありますし別にいりませんね。