魔法少女リリカルなのは~白い冥王の妹、天翼の朱里~   作:天翼

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第15話

 

 

 

 

 

 クー・フーリン

 

 

 

 まじでくそやべぇな、コイツ。格闘技もなんもなってねぇくせに、身体能力だけで軽く俺についてきやがる。まじで獣みたいだ。しかも、まさしく獲物を甚振るみたいに遊んでやがる。だが、どんな奴でも俺の刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)なら、どうにかできそうだが隙がねえ。

 

「ふふ、気に食わないですねぇ……下等生物如きが、これさえ決まれば俺の勝ちだなんて思っているとは……ええ、気に入りませんとも。ですから、シュヴィちゃん。先程の槍をくださいな」

 

 その言葉を呟くと同時に遠くから機械仕掛けの槍が飛んできた。頭部を目指して飛んできた槍を軽く頭を傾げて避け、掴む。

 

「ありがとうございます。ですが、もう少し狙いを……ああ、そうですか、わかりましたとも」

 

 どうやら、仲間同士での仲はよくないようだな。

 

「さて、貴方様の奢った気持ちを打ち砕くべく、槍でお相手して差し上げます」

「なめやがって……」

「ふふ、かかってきなさい」

「行くぜぇええええええええぇぇぇぇっ!!」

 

 全力で攻撃を仕掛ける。相手は強者であり、化け物だ。ケルトでもそうは拝めねえ敵だ。俺の全力でぶっ殺してやるっ!

 

 

 

 最初の異変に気付いたのは20分後だった。拙い槍使いをばかみたいな身体能力で補っているだけだったのが、明らかに精錬されてきやがった。それでも、俺の方が優勢だった。

 30分後、優勢がどんどんなくなって来た。それよりも相手の動きが師匠の動きと重なって見えてくる。おかしい、どうなってやがる。

 40分後、理解した。こいつは俺の動きを真似してやがるのだと。それも、だんだんと身体能力を落としていやがる。何故、こんな事をしているのかってわかる。こいつは俺をていの言い教材にしやがったのだ。

 

「ふざけんじゃねえぞっ」

「生憎、私達天翼種は好奇心旺盛で知識欲の塊でして。知らない技術や知識があれば欲しいと思うのです。ですから、下等生物が強者に立ち向かう為に編み出した武術。美味しく頂きましたわ」

「ちくしょうっ! ぐっ!!」

 

 明らかに今までとは段違いの速さで動き、槍を振るってくる。俺と同じ動きだからこそ、なんとかガード出来たが吹き飛ばされて木々に激突して、その木を貫いてようやく止まった。

 

「では、そろそろ貴方様の必殺の一撃とやらを受けて差し上げましょう。もう、覚える物はなくなってしまいましたから」

「どこまでも俺を虚仮にしてくれる……」

「下等生物如きが、この私の役に立てるのです。感謝してください」

「望み通り、やってやろうじゃねえかっ!」

 

 槍を構えて魔力を込めていく。同時に加速や攻撃を初めとした多種多様なルーンを使用して強化する。

 

「喰らいやがれ、刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)っ!!」

 

 槍の持つ因果逆転の呪いにより、心臓に槍が命中したという結果をつくってから槍を放つ切り札の一つ。コイツで無理ならもう一つの方を使うしかねえ。

 

「ふふふ」

 

 避けもせずに俺の刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)をその身に受ける女。

 

「なん、だと!?」

 

 しかし、少し進んだだけで槍が止まっていた。それどころか、一切動かねえ。

 

「おやおや~これは凄いですね。確かに私の軟な肌を貫いて心臓にほんの微かだけですが、刺さっておりますねぇ~。まあ、それがどうしたといえるのですが」

「っ!?」

 

 なんて硬さだ。槍がそもそも通らねえ。

 

「まさか、まさかとは思いますが、これで終わりとは言わないでしょうね? それだとがっかりなのですが」

「安心しろ、次で最後だ」

 

 バックステップで下がった俺は改めて槍を構える。

 

「行くぞ。この一撃、手向けとして受け取るがいい───!! 突き穿つ死翔の槍!!」

「今度はがっかりさせないでくださいませ」

 

 ゲイ・ボルクの呪いを最大限開放して渾身の力で投擲する。刺し穿つ死棘の槍とは違い心臓に命中させるのではなく、一撃の破壊力を重視している。生前よりさらにその威力は増大している。マスターからの膨大な量の魔力供給を受けているのだから、それも全てつぎ込む。

 

「幾たび躱されようと相手を貫く。例え、地球の裏側だろうとなっ!」

「では宇宙や別の場所に逃げてはどうでしょうか?」

 

 空中を飛びながら、槍を避けていく女。

 

「無駄だ、どう足掻いた所で……」

「確かに込められた魔力量は少し痛そうですが、所詮はその程度ですね」

「おい、待て……ならなんで避けてやがる」

「そ・れ・は……こういう事ですの」

 

 女が飛んでいった先には機械の人形が横たわっている。女はそれを掴んで槍にぶつけてきやがった。

 

「これでよしっと」

「無駄だ。その程度では止まらない」

「でしょうね。でも、無駄ではないですのよ? そもそも、最初から受け止めるだけですから」

 

 そう言って、マッハ2で飛来してくる槍をなんでもないかのように受け止め、足で地面を削っていく。そして、速度を完全に殺して軽く身体にちょっとだけあてやがった。

 

「さて、投げ捨てたのですから、この槍は拾った者の物ですね」

「おい、待てっ」

「戦利品として頂いておきます」

「ちょっ」

「それとこれはお返しです」

 

 二つの槍を器用に構えた女はなんでもないかのように宣言しやがった。

 

「突き穿つ死翔の槍、刺し穿つ死棘の槍」

 

 二つの槍は音速を軽く超えて俺の心臓と身体を貫いた。

 

「コピーと解析終わりました。これで量産が可能です」

「……ん……便利……」

「そちらはどうでしたか?」

「……一人……逃……がし……た……」

「それは困りましたねぇ……まあ、問題ないでしょう。そもそも、わざとでしょうし」

「……え、さ……」

「覚えて、やがれ、俺を倒したところで、師匠には……」

「ああ、私を殺したければ神様でも連れてきてくださいな」

「安心、しろ……その神様だ……」

「おやおや、これは嬉しい誤算ですねぇ。私の役目が果たせるではありませんか。私は神殺しの種族、天翼種。その力は神が相手でこそ発揮されますの。あなた方の言葉でいう。対神聖、威力UPから防御力UPまでとても楽しみですの」

「……ちき、ゅう……めつ、ぼう……かく、てい……」

「ちぃ、また……勝負だ……」

 

 俺は消滅する。

 

 

 

 

 そして、次に気づいた時には殴り飛ばされていた。

 

「この愚か者が。相手にしてやられおってからに」

「いや、無茶言わないでくれよ」

「大丈夫?」

「ああ、また呼んでくれたのか」

「今度はもっと魔力込めたんだよ。一兆ほど」

「これなら戦えるであろう。次は儂らで殺すぞ」

「もっと呼ぶ?」

「生半可な連中では邪魔になるだけじゃしのぅ。む、一人必須じゃったわ」

「?」

「エミヤ・シロウじゃったか。固有結界が無ければ確実に地球は滅ぶぞ」

「そうですね~世界が滅んじゃいます。こんな風に」

 

 気が付いた時にはいつの間にかベランダに女と機械の少女が居た。そして、回りの世界が荒野へと変わっていた。

 

「ようこそ、わたくしたちの世界。戦乱渦巻くディスボードへ。十八翼議会が一人。ジブリール。皆さまをアヴァント・ヘイム及び、アヴァント・ヘイムに居る天翼種の皆さまで歓迎致しましょう」

 

 空には背に都市が広がっている巨大な鯨がおり、多数の翼を持つ女たちが居た。

 

「遺志体(プライヤー)……シュヴィ、機凱種(エクスマキナ)、も……設計体(ツァイヘン)……戦闘体(ケンプファ)……指揮体(ベフェール)、で……歓、迎……す、る……?」

 

 機械仕掛けの少女達が空を飛んでいる。さらに空からは不気味な灰が降り注いでいる。

 

「マスターよ、吸うでないぞ。死ぬからの」

「うん」

「精霊が死んでやがる」

「さあ、さあ、楽しい楽しい戦争を始めましょう」

「神威・召喚。座に居る英雄達」

 

 俺達の回りに無数の英霊が召喚される。ルラの魔力が一気になくなるが、零時を過ぎて行って気に回復する。

 

「皆、心得よ。人類の存亡をかけた一戦ぞっ!」

「「「うぉおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉっ!!」」」

「くすくす、人類種(イマニティ)の英雄共に格の違いというものを教えてさしあげましょう」

「……命、令……全、武装……解、放……天翼種、と……とも、に……人、間……殲、滅……」

 

 てか、どう足掻いてもムリゲーくさいぞ、これ。Aランク以上の宝具じゃねえと、ダメージ入りすらしねえし、落ちて来る灰で気管とかがやられて戦うほど血を吐いていく。魔術師組が頑張ってくれてねえと、話にすらならねえ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




もう、どうしてこうなってるか、わかりますよね。具現化しりとりとおなじ技術です。固有結界みたいな感じで。

戦闘は書きません。勝ち目がありませんから。人類種ではどう足掻いても勝てません。
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