魔法少女リリカルなのは~白い冥王の妹、天翼の朱里~   作:天翼

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第4話

 

 目の前で起こっている現状は驚くべきものです。何せ、森林破壊な上に動物虐待です。金髪の少年は無数の武器類を空中に展開して射出し、白髪の少年は弓で剣を飛ばし、片翼を持つ銀髪の少年は長刀を持って空を飛んで斬っています。そして、少年だけでなく髪飾りの鐘をつけている銀髪の少女もいます。よりによってお前ですか。確かにあちらも魔法少女ものですが、何故悪役の中の悪役ですか。これはまずい。何せ這い寄る混沌とか言われている方ですしね。そんなイレギュラーな方たちに加えたのが、ジュエルシードを探査するなのはとユーノ君陣営です。

 対して敵対している金髪美少女のフェイト陣営はというと、あちらに比べて可哀想なほど非力です。まず、フェイト・テスタロッサ。金髪ツインテールのとても可愛い子です。男ならペロペロしたいです。残念ながら女になってしまった私はそこまで意欲が湧きません。精々すりすりするくらいですか。いえ、これも十分変態ですね。まあ、話を戻してフェイトの使い魔であるアルフ。ここまでが普通のメンバーです。しかし、そこにフェイトに似た姿で、青い髪の毛をしたアホっぽくした女の子、レヴィことレヴィ・ザ・スラッシャーが居ました。ええ、間違いありません。なんせーー

 

「行くぞぉ、ずっきゅーん!」

「砕け散れ!雷神滅殺!きょっこーーーざん!」

 

 ーーと馬鹿の一つ覚えのように繰り返してますし。間違いありません。本当に可愛いですね。しかし、レヴィを追加しただけとは可哀想です。ここは私がシュテルになっていくべきですか?

 

「おい、どうするんだよ?」

「こっちは非殺傷設定ができないからな……」

「ちっ、いっそ……」

「駄目に決まってんだろう。いい加減諦めやがれ!」

「やだっ! ボクは強くて凄いんだ! お姉ちゃんの役に立ってみせるんだ!」

「んふふふ、いいねいいね」

 

 レヴィが四人を相手にひとりで戦えているのは遊ばれているからでしょう。逆になのはの方はフェイトに押されています。といっても、四人から適度に援護を貰って持っているようです。そして、動物の方ですが、こちらは必死に逃げようとしています。原作と違うのは猫ではなく狐ということです。ですが、この狐ちゃんもかなり強いです。なんだか全身から赤いオーラとかだして暴れています。といっても、翼を貫かれて地面に墜落しましたが。

 

「ここはやはり、漁夫の利ですね。っと、そのまえに着替えです」

 

 木々に隠れた状態でメディアさんに作って貰った空間収納の魔術を施して貰ったポシェットからシュテルの服を元に作成した礼装を取り出して着替えます。

 

「バリアジャケットなんていう便利なものはありません。セルフです」

 

 衣装ほぼシュテルと同じですが、両腕は機械仕掛けの篭手をつけ、足はガントレットです。クローはINNOCENTに出て来たルシフェリオンクローを元に作っています。これは精霊回廊に接続するには機械部品を外部に晒さねばなりませんから。もっとも、私の中に精霊回廊が存在しているみたいなので必要あるかといわれればあります。内蔵バッテリーと充電器という感じですからね。星の力という名の精霊を食い殺し力を得た状態こそ私の全力全開にあたるでしょう。

 

 着替え終わったものはポシェットに入れようかと思いましたが、金髪の少年を見て思い出しました。あの攻撃も受けていましたね。ひょっとして王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)が私にも使えるかもしれません。少し試してみましょう。

 意識してみると虚空に歪みが生じてそこに私を貫いた剣が出てきました。どうやら攻撃に使用された剣と攻撃方法である王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)も問題なく模倣出来ているようで……待ってください。そもそもエクスマキナには虚空から武器を展開する事が出来ます。つまり、それを仕舞っておく空間があるという事です。それも全てのエクスマキナ共有の空間がです。つまり、王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)はいらない子ですか? いえ、射出出来る事自体に意味がありますね。しかし、これは後ほど確認すべきですね。色々な武装が使えるかも知れませんし。

 さて、残る問題はシュテルの相棒であるルシフェリオンをどう誤魔化すかですね。いえ、そちらも模倣しましょう。幸い、オリジナルは居るのですから。

 方針が決まり、準備が整ったら早速行動です。まずやることはジュエルシードの確保ですね。

 暴れている狐となのは、フェイトの動きを見極めます。二人は激しい戦闘を行っています。原作ではなのはが押されて撃墜されましたが、こちらのなのはすでに剣術を護身術として習っているので身体の扱い方をしっています。それに加えて妨害もあるのでフェイトと戦えています。今も狐に攻撃してジュエルシードを封印しようとしたところを王の財宝から射出された武器に慌てて下がりました。

 

「なのは、今だ!」

「う、うんっ!!」

 

 なのはが狐に向けて突撃していきます。

 

「させるかぁっ!!」

「お前の相手は俺達だ」

「くそぉっ、ボクの邪魔をするなァァァァっ!! 泣くぞ!」

「ぶっ!?」

「なくのかよ!」

 

 女の子を泣かせてはいけません。

 なのはがレイジングハートを構えて封印効果を持つ砲撃魔法を放とうとすると、狐は自ら突撃して回避します。

 

「あまいよっ!」

 

 なのは狐の爪に合わせてレイジングハートで受け流そうとします。そこで私は縮地で瞬時に移動し、なのはと狐の間に割り込みます。そして、レイジングハートを生身で受けて狐の爪は右手のクローで掴んで受け止めます。

 

 《攻撃検知……解析……完了。模倣開始。完了》

「なっ!?」

 

 背中を無視して更に踏み込み、狐の懐に入り込んで額に埋め込まれているジュエルシードを左手で掴んで引き抜いてあげます。

 

「きゃうんっ!?」

 

 狐は大きくなった身体を維持できなかったのか、直ぐに小さくなっていきました。私は落ちてくる子狐を抱きとめて手に抱えます。それから皆を見渡すように振り向きます。同時に脳内で模倣したレイジングハートを外部に生み出しましょう。

 名称をルシフェリオンに設定。偽典・ルシフェリオン、典開。

 目の前にレイジングハートにそっくりな杖が作り出されます。それを握り、なのは達に向けます。

 

「しゅ、朱里……なっ、なんで……?」

「シュテルだと……」

「ほぅ」

「んふふふ、レヴィがいるから彼女が居ても不思議じゃないね」

「どなたかは知りませんが、私を知っているようですね。では、改めて名乗りましょう。私はシュテル・ザ・デストラクター」

「え?」

 

 なのはは本当に不思議そうにしています。無理もありませんね。

 

「そちらの子は私によく似ていますね」

「な、何を言ってるの? なのはだよ? 朱里? 朱里だよね?」

「誰かと勘違いしているのではないですか? 私はシュテルです」

 

 感情を抑え、まるでなのはに価値を見いだせないような無機質な瞳でなのはを見ます。それだけでなのはは涙目になりました。あとでたっぷりと慰めてあげますから、今は勘弁してください。

 

「貴女が誰かなんてどうでもいい。ジュエルシードを渡してください」

「そうだよ! それはお母さんが必要としているんだから!」

 

 背後からバルディッシュで斬りかかりながらそう言ってくるフェイトとレヴィ。

 

「プロテクション」

 

 プロテクションと偽り、偽典・魔術障壁を典開して二人の攻撃を防ぎます。流石の二人でも神代の魔術師の魔術障壁は簡単には抜けないでしょう。

 

「バースト」

 

 更に爆発させてまわりを吹き飛ばします。これで全員から距離を取れました。

 

「これが欲しいようですが、私も欲しいのです」

「「っ!?」」

「そ、それはユーノ君が……」

「知ったことではありませんね」

 

 ジュエルシードを口の中に入れて取り込んでしまいます。

 

「「「「食べたっ!?」」」」

「冗談です」

 

 ジュエルシードを体内から出して見せてあげます。その数、九つ。これらは解析して偽典化、つまり複製したジュエルシードです。これ、爆弾にしたら武器ですからね。

 

「九つもっ!!」

「よこせぇぇぇぇっ!!」

「いいですよ」

「え? 本当?」

「本当です。でも、ただではあげません。条件があります」

「ふぇ?」

「な、なんですか?」

「簡単です。貴方達のお母様に合わせてください。それだけです。交渉はこちらで行いましょう」

「いいよ」

 

 即答ですか、レヴィ。もうちょっと考えましょうね。

 

「駄目だよレヴィ! お母さんに相談しないと!」

「そっかなぁ?」

 

 当然です。ほうれんそうは大事ですよ。ほうれんそうといってもほうれん草ではありませんよ。報告、連絡、相談のことです。

 

「そうだよ! と、とりあえずまたあとでいいですか?」

「ええ」

「ちょっとまつの!」

「そうだそうだ! ジュエルシードは俺達が集めてるんだ!」

「だいたいそちらは犯罪者ですよ!」

「知ったことではありませんね。少女二人を寄って集って攻撃して虐めているような人達の話をきくなどありえません」

「「「なっ!」」」

「さて、ここではろくに話もできないでしょうから貴女達は逃げてください。ここにくれば私に連絡がつきます」

 

 フェイトの方にはやての家の住所を記した紙を渡して私は偽典・魔弾爆撃を準備します。

 

「逃すと思っているのか!」

「逃げられないとでも思っているのですか」

「う~ん、どうしよう」

「ここは逃げるべきだよ、お姉ちゃん! だって、ジュエルシードくれるっていってるもん! それにまた会えるし!」

「そうだね。すいません、よろしくお願いします」

「任せてください」

「逃がすかっ!」

 

 銀髪の少年が即座に斬りかかってきますが、用意しておいた偽典を起動して弾幕を展開します。

 

「パイロシューター、シュート」

「なっ、なんちゅう数だ!」

 

 魔術式から吐き出される魔弾は一分間に50発です。ただし、それが46個展開されています。

 

「――――I am the bone of my sword.熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)」

 

 完全展開すれば7枚の花弁を咲かせることになり、一枚一枚が城壁並みの防御力を誇ち、投擲武器及び飛び道具に対し無敵の概念を持つ熾天覆う七つの円環によって魔弾は防がれてしまいます。

 

「無駄だ。俺に遠距離攻撃はきかないぞ!」

「ならば試してみましょう。集え、明星(あかぼし)全てを焼き消す炎となれ」

 

 精霊を殺し莫大なエネルギーを生み出し、それをルシフェリオンの先端に収束させます。

 

「ルシフェリオンブレイカー(天撃)」

 

 放たれるのは星を殺す一撃です。概念だろうと関係なく破壊してみせます。何せ、ジュエルシードで生み出したエネルギーも喰らっているのですから威力は高いですよ?

 

「ちょっ、ありえねええええぇぇぇぇっ!!」

「何をやっておるか!!」

 

 全力で抗う皆様。熾天覆う七つの円環は貫かれました。ですが、安心してください。きっとたぶん非殺傷設定です。でも、劇場版スターライトブレイカーくらいはでています。やはり、私は白い冥王の双子ということですね。ちなみになのはですが、当然射線からは外しています。 

 

「それでは失礼致します」

 

 お辞儀したあと、縮地で離れてから走って逃げます。空を飛ばないのかって? 人間が飛べるはずないじゃないですか。偽典でも持ってませんし。メディアさんにどうにかして飛行魔術を攻撃として使ってもらいましょう。っと、はやて達に電話で連絡をいれておきましょう。あと、公衆トイレかどこかで着替えましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 




誤字脱字は多いと思いますので、教えて頂ければ幸いです。
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