救世主の贖罪   作:Yama@0083

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3月中は作者ではなく、読者として様々な作者様の作品を見て行こう!と思って面白い小説を発掘していたら、いつの間にかこんな時間に・・・いけませんね、これは。

と言う事で、最新話です。どうぞ!


14. 正史へのカウントダウン ~Road to Story~

ルビは整備が終わった後、リボンズの下に向かった。大抵はただ談笑をするだけだったが、今日は明確な目的が彼女にはあった。

「お兄様・・・ちょっと、お願い。」

「何だい?今出来る範囲であれば大丈夫だよ。」

「ルビに『ファング』の使い方教えて?」

「・・・そうか、あの武装か・・・少し待ってくれ。」

そう言うとリボンズは束に話し掛けた。

「束、今どこまで出来ているんだい?少し用事が出来たのでね、出来れば少しの間君一人でやって貰いたいんだが・・・」

「んー、上半身の装甲は大方完成したかな。残りは下半身と追加装備位だから、あと半日位で全て完成するよ!」

「流石だね。では、少し僕は席を外す事としよう。後は頼んだよ。」

「ん、行ってらっしゃーい。」

彼は束から離れ、再びルビと向き合った。

「という事で、許可は下りた。では早速、『ファング』について説明していこうか。」

「お願い・・・」

ファングについての勉強会は、小一時間続いた。

 

 

 

 

「・・・と、この様な感じかな。何か質問はあるかい?」

「ううん、大丈夫。ありがと、お兄様・・・」

「礼はいらないさ。どうせ後々教授しようと思っていたからね。おかげで手間が省けたよ。」

「ふふ・・・それにしてもやっぱり凄いね、このファングって。」

「ああ、既存しているBT兵器はただビームやミサイルを撃つだけだが、このファングは自らにビームの刃を纏う事で近接戦闘も可能になるのさ。自分で言うのもあれだけど、画期的な発想だと思うよ。」

「確かに・・・BT兵器自体が近接戦闘を仕掛けて来るなんて、初見じゃ分からないかも。」

「BT兵器は強力だ。しかしそれの制御に全神経を使ってしまい、自身の移動がままならなくなるという欠点を持ち合わせている。つまり、近づかれたら一気に窮地に陥ってしまうんだ。でもこのファングなら、敵が接近戦を仕掛けて来ても対応出来る。まさに理想的じゃないかな?」

「・・・でも、大剣とかで攻められたら・・・」

「・・・確かに、それではファングがパワー負けしてしまう・・・ファング同士を連結させ、巨大にするのもありか・・・?」

「いっそ、数を多くして圧倒するのは・・・あ、そっか。そうしたら脳への負担が凄い事に・・・」

「そういう事さ。よし、ではフルアーマーが完成した後、ファングを少し改造してみる事としよう。だがルビ、その前に実際にファングを使用してみるんだ。何事もまずは実践しなければ身に付かないよ。」

「分かった・・・準備、してるね。」

二人は一旦別れ、ルビはシミュレーションルームへ、リボンズは束の下へと歩を進めた。

 

 

 

 

「そっか。それにしてもルーちゃんがファングを使いたがるなんてね。ルーちゃんはどっちかと言えば自分の身でガンガン攻めて行く方が得意かな、って思ってたんだけど・・・まあ、使えないって事はまず無いよね!元々それなりに素質はあったみたいだし?」

「確かにそうだね。一応君の思考パターンを埋め込まれている訳だから、そんな事態はまず無い筈だ。むしろ常人より制御が容易に出来るかもしれないな。」

「ま、ルーちゃんなら大丈夫でしょ。多分、早い内に使いこなせるようになると思うよ。」

「フ・・・では、僕はこれで失礼するよ。」

「うん、頑張ってねー。」

リボンズはシミュレーションルームへと向かって歩き出した・・・が、ふと立ち止まった。束はそれを見て怪訝な表情をした。

「? リっくんどうしたの?」

「・・・束、一応僕は君に託す分のISも考えてはいるんだが・・・必要性はあるかい?僕としては一応君も持っていた方が良いと思うのだけど。」

「リっくん・・・ありがとね。でも、その必要は無いかな。この天才束さんはその気になれば生身でもISとやり合えるしね。」

「そうか・・・まあ、君がそう言うのであれば、僕は何も言わないよ。だが・・・」

彼は一息つき、再び声を発した。

「きっといつか、必要になる時が来ると僕は思う・・・もしISを受け取る気になったら、直ぐに知らせてくれると助かるよ。」

それだけ言い残すと、彼は今度こそ去っていった。残された束は、ふと呟いた。

「・・・この束さんがISを使う時なんて・・・それこそ超危機的状況じゃないかな?出来れば、そんな時は来て欲しくないね。」

 

 

 

 

 

 

「お兄様、束となに話してたの?」

「ああ、彼女にもISをプレゼントしようかと思ったんだが・・・断られてしまったよ。まあ、彼女は別に問題無いだろうが・・・」

「へえ・・・因みに、どんなISを送ろうとしてたの?」

「そうだね・・・詳しくは言えないけど、彼女に合った機体さ。さて、この話は一度置いておこう。まずはファングの演習だ。」

「うん。で、どうやって動かすの?」

「方法は至ってシンプルだ。ただ全神経をファングに集中させる。そうすれば案外動く物だよ?」

「・・・うん、お兄様がそれで出来たのは異常だと思う・・・」

でも事は試しと言う訳で、ルビも挑戦してみることにした。すると・・・

「あ・・・動いた?」

「・・・まさか本当に動かすとは思ってもみなかったよ。」

腰部に搭載されているファングの内三基が、空中にスッと浮かび上がった。少し雑な説明だったとは言え、これでファングを容易に動かしてしまったルビにリボンズはかなり驚いていた。

「ふむ・・・まあいいか。ではまず、少し動かしてみてくれるかな?」

「分かった・・・ファング。」

すると、ルビの周りに浮いていたファングは、少し直線的だが動き始めた。それを見たリボンズは感嘆の声を漏らす。

「ほう、見た所簡単な制御は出来る様だね。初めてにしては素晴らしい成果だ。」

「ふふふ・・・ありがと、お兄様。」

「それでは、今から標的に当てる訓練を開始しようか。確かこのスイッチを・・・」

リボンズがそこら辺にあったスイッチを押すと、「訓練開始~!せいぜい足掻いてくれたまえ!」と言う束の声と共に、無数の的が様々な場所から現れた。

「わぁ・・・凄いね、こんなのがあったんだ・・・」

「おや、ルビはまだ使用した事が無かったのかい?少々鼻に付くが、それなりに技術が身に付く効果的な訓練だよ。」

「鼻に付くって・・・どう言う意味?」

「やってみれば分かるさ。」

「???」

ルビは頭上に疑問符を浮かべながら、取り敢えずファングを射出した。

「行って・・・ファング。」

スローネから射出されたファングは、直線的ながらも的確に的へと向かった。

「ここまでは良い。しかし・・・」

ルビは疑問に思いながらも、取り敢えずファングからビームを発射した。すると・・・

 

「当たらなければどうと言う事は無い!!」

ギュン!とあり得ない速度で的が動き、そのビームを回避した。一々鬱陶しい束の声と共に。

「・・・え?何、これ?」

呆然とする彼女を見て、リボンズはしみじみとした感じで言った。

「そう、この的は回避するだけでは無く、一々口出しして来るのさ。全く、本当に忌々しい・・・」

只の的に憎しみの籠った目線を向けながら歯ぎしりするリボンズも大人げないかとは思うが、確かにこれは鬱陶しいとはルビも思った。

「でも・・・この訓練方法はあながち間違ってないかも。人って、負の感情を糧にしてもの凄い成長する事があるから。」

「確かにね。特に恨みや嫉妬などを抱えた者は何をするか検討がつかない。本当に恐ろしい物だよ。」

その言葉を聞いたルビの脳内には、何故か黒髪で紅い目を持った少年が移った。その少年は、何故かガンダムの様なロボットに搭乗していた。彼女は何故そんな光景が頭によぎったのか分からなかったが、取り敢えず気にしない事にした。

「はぁ・・・仕方ない。ルビ、もう一度やってくれるかい?」

「・・・分かった。」

という訳で、もう一度鬼畜的当てにチャレンジする事に。その時の一部始終をご覧頂こう。

 

「行け・・・ファング。」

ルビは最初四基のファングを射出し、適当な的に攻撃を開始した。ファングは時にビームを放ち、そして時にビーム・サーベルを纏って突撃するが、その全てを悉く的に回避されていた。そして、その度に口出しされたルビは、

 

 

とうとう、ブチ切れた。

「このッ・・・!!死ね、死んじゃえーーーーーッ!!!」

普段温厚なルビの表情は瞬時に変わり、まるで鬼神の様な雰囲気を醸し出していた。

「うああああああーーッ!!」

するとルビは、残りのファング四基を全て射出し、自らもGNバスターソードを取り出し、突撃した。

「ルビ!?落ち着くんだ!!幾ら素質があるとは言え、初めてファングを使用する君の脳には莫大な負担が・・・」

「墜としてやる・・・絶対、絶対に!!」

ここから、怒涛のイライラボイスラッシュとなる。

 

「なんとぉぉぉぉ!!」

 

「雑魚めぇ!」

 

「外れ、下手糞!」

 

「馬鹿め、何処を見ている!私は此処だ!!」

 

「大した腕も無いくせに!!」

 

「子供の遊びじゃないんだよ!」

 

「今の私は、阿修羅すら凌駕する存在だ!」

 

「へっ、怯えてやがるぜ、このIS!」

 

「やる気の無い弾など!」

 

「獅子奮迅!」

 

 

などなど、もうフィールド中から聞こえる始末である。だが、ルビとて黙って躱されている訳では無い。これまでも数個の的を粉砕している。その際の的の断末魔がこちらだ。

 

「暴力は、いけない・・・!!」

 

「強い子に会えて・・・」

 

「オ・ノーレェェェェ!!」

 

因みに、ルビはファングを八基から五基に減らし、今度はGNランチャーで的を薙ぎ払っていた。

「あっはははは・・・これで、終わりだァァァ!!」

ルビの様子を見ていたリボンズは、これは不味いと思ったのか1ガンダムを装着し、ルビにGNビームライフルを向け、引き金を引いた。発射されたビームはルビの目の前を通過した。

「お兄様・・・邪魔しないで、コイツ等潰せない・・・」

「ルビ、今は退くんだ。今の君の脳は、一度に演算出来る容量の限界に達しつつある。このまま続ければ卒倒は免れない。」

「でも、だって・・・」

渋るルビに、彼は仕方ないと思いながら再度、ビームライフルの引き金に指を添えた。

「警告はしたよ?」

「・・・ごめんなさい。」

兄の目が本気なのを悟ったルビは、素直にファングを腰に収納した。

「全く・・・君は感情が高ぶると周囲が見えなくなる性質があるようだ。戦場において冷静さを失う事は致命的だ。なるべくこの様な事は無いようにね。」

それを聞き、ルビは申し訳なさそうに下を向きながら答えた。

「・・・本当にごめんなさい。あんな数の的から罵倒されたから、つい・・・」

「気持ちは分からない事も無いけどね。でもあの時の君は、ファングの制御をほぼ完璧にこなしていた。癪に障るが、的としての役割はちゃんと果たしているようだ。兎に角、今の課題は激昂せずともファングの制御を完璧にする事だね。まあ、今日の所はこれで十分だ。部屋にでも戻ったら・・・ルビ?」

反応が無いルビを見てみると、なんと彼女は立ちながら睡眠していた。

「・・・知恵熱を出すよりはましか。」

そのままにする訳にもいかないので、彼はルビをおんぶする形で彼女の部屋に運んだ。

 

 

 

 

 

 

次の日

リボンズは起きて直ぐに束の下へ向かった。

「おはよう束。徹夜の作業ご苦労様だったね。取り敢えず朝食をクロエと僕が作ったから、一度作業を止めて貰えるかな?」

「おーリっくん!見て見て、今しがた完成したんだよ追加装甲!・・・でも、結局トランザムは無理だったよ・・・ごめんね。」

「謝るなど君らしく無いではないか。それにトランザムはきっと束でも無理だろうと思っていたし、そこまで問題視はしていないよ。まあ完成して何よりだ。良くやってくれたね、束。」

「えへへへ・・・いやぁ、それ程でもあるよ!!」

胸を反らしてふんぞり返る束に、リボンズは軽いチョップを喰らわした。

「だが、慢心はしないようにね?」

束は額を抑えながら言った。

「むー・・・少し位いーじゃん!」

「経験者の僕が言うんだ、信憑性は高いよ?」

「分かったよー・・・リっくんの意地悪・・・」

何とでも言うがいいさ、とリボンズは軽くいなし、二人は歩いていった。

 

 

 

 

~朝食後~

「と言う事でクロエ、君の機体が完成したので早速使用してみてくれ。」

「分かりました。んっ・・・」

クロエが強く念じると、数々の情報が彼女の頭に流れ込んで来た。

 

 

 

『武装確認・・・・・・・・完了。

 

各駆動部チェック・・・・・異常無し。

スラスター・・・・・・・・異常無し。

 

GNドライヴ・・・・・・・マッチングクリア。

 

GNフィールド・・・・・・100%。

 

生体認証・・・・・・・・・完了。パイロットをクロエ・クロニクルに設定。

 

初期セッティング終了。型式番号「GN-000FA」、フルアーマーガンダム、運用可能。』

 

「これが・・・私のガンダムですか・・・」

「第二世代型IS『0ガンダム』を強化改修した機体だけど、気に入ってくれたかな?」

「ええと、その・・・なんていうか、こんなにもイメージが変わるものなんですね・・・」

「確かに、元の0ガンダムを知る者が見たら目を疑うだろうね。色合いも変更したから、嘗ての0ガンダムの名残は表面上存在しないと言っても良いだろう。」

もっとも、装甲をパージしたら素の0ガンダムが出て来るけどね、と話すリボンズ。

「武装は・・・成程、確かにこれなら戦艦レベルと言えますね。そして、この重武装でも機動性が下がらないように追加のスラスターを搭載した訳ですか。」

「そういう事さ。では早速、的当てをしてみよう。」

「頼みますから、普通の的にして下さいよ?あの温厚なルビすら怒りを爆発させる物なんて、私は御免ですからね。」

「分かっているさ。」

リボンズが「イージーモード」と書かれたボタンを押すと、動く事もなければ喋る事もない的がフィールドの床から多数現れた。

「では、訓練開始といこうか。」

「了解です。対象を殲滅します。」

まずクロエは各スラスターの出力を上げ、軽く飛んでみた。すると、機体は元の0ガンダム以上の速度で飛翔した。続いて彼女は上空から、右腕に搭載された『2連装GNビームライフル』を乱射した。ビームは吸い寄せられる様に次々と的に当たっていく。そして次に右肩に搭載されている『360mmロケット砲』を地面に向け、一発発射した。巨大な弾頭が高速で地面に向かって行き、そして着弾した瞬間ドッ!と衝撃波が発生し、その周囲にあった的を吹き飛ばした。また、爆心地にあった的は跡形も無くなっていた。最後に肩部、膝部にある『GNミサイル・ベイ』のハッチを開き、そこから計10発の小型GNミサイルを射出した。ドドドドド!という轟音と共に、ミサイルはそれぞれの目標へと向かい、そして起爆した。フィールドの至る所で爆発が起こり、煙が晴れると的が全滅していた。

「これは・・・分かってはいましたが凄い性能ですね。」

「僕が立案し、束が造ったISだ。性能は保障するよ。」

「それでいながら、ベースは0ガンダムなのでそこまで操作が難しい訳ではないとは・・・やはり、素晴らしい機体ですね。」

トランザムがなければですが、と彼女は忘れずに付け足した。

「何もトランザムは日常的に発動する物では無い、そう心配することはないさ。」

「それなら良いんですが・・・あ、そう言えばリボンズ。今この機体を操作して、思った事が一つあるんですが・・・」

「何だい?改善点なら幾らでも言ってくれ。」

「このミサイル・ベイですが・・・弾幕を張るには少々火力不足と思います。ですのでミサイルポッドなどを追加装備するのが良いかと。」

「ふむ、それならば両足にミサイルポッドを追加してみる事にするよ。貴重な意見をありがとう。」

「構いませんよ。この様な高性能な機体を託して下さって、こちらこそありがとうございました。」

その後、簡単な模擬戦をして、フルアーマーガンダムの性能実験は終了した。

 

 

 

 

 

 

 

それから年月がたち、「ある一つのニュース」が世界を驚愕させた。

 

                

 

 

                

 

 

 

                「世界初の男性操縦者発見」




因みに言い忘れていましたが、シュバルツェ・ハーゼ隊の隊長であるレーヴェのモデルは、艦これのグラーフさんです。ドイツ人だったらビスマルクかなーと思ったんですが、何か人物象と合わなかったんで・・・グラーフさんも可愛いしかっこいいから良いよね。
あと、このままでは話が全然進まないということで、この強行手段を取らせて頂きました。すみません・・・み、皆さんだって、早く我らのリボンズさんと原作ヒロイン+主人公がどんな交じり方をするのか見たいですよね!?ね!?
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