救世主の贖罪   作:Yama@0083

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・・・ええ、皆さまの言いたい事は分かってますよ。よく分かっています。言い訳と言えるか分からないけど一応理由はあるのですが、でも遅れてしまったのは事実ですから。ようするに・・・






        投稿、2カ月くらい遅れて申し訳ありませんでしたッ・・・・


16. IS学園 ~阿鼻叫喚~

そしてめでたく採用されたリボンズは、轡木の私室に案内された。両者が向かい合って座る中、轡木が口を開いた。

「・・・さて、では君が何故ISを使えるのか、説明してもらえるかな?」

「それについては、僕もそこまで分かってはいないんだ。今の所、僕が『篠ノ之 束の思考パターンから生み出されたから』だと解釈しているよ。」

「つまり、デザインベビーとほとんど一緒か・・・そう言えば最近、世界政府が目を付けていた非合法な研究を行っていた研究所が、突如壊滅したという情報を耳にしたが・・・もしや君はそこで?」

「さあね、そこは君の想像に任せるよ。まあ、あくまで憶測だからそこまで気にしなくとも良い。」

「分かった。それはそうと、君の扱いはどうしようか?まさか今この状況で二人目の存在を明かす訳にもいくまい。」

「確か、君は表向きは用務員なのだろう?ならば僕も用務員と言う肩書でいかせて貰うよ。」

「そうかい?ではそれでいこう。一部の勘の良い者達は何か探りを入れて来るだろうけど、そこも含めて私が対処するよ。君は何も心配せずに、君の仕事をすれば良いさ。」

「ほう、それはありがたい。おかげで僕自身が情報の操作をする手間が省けた、感謝するよ。」

「ああ、この位はどうと言う事ないさ。君は今日からこの学園の一員なんだ。それ位の事はさせて欲しい。」

「すまないね。君のご期待には答えよう。必ず彼とこの学校を守護してみせるさ。」

二人は立ち上がり、共に握手を交わした。

 

 

 

 

・・・と、こんな感じで晴れて用務員となった彼だが、如何せん彼にはそう言った職務をした事はない。と言う事で、彼は轡木にどの様な事をするのか教わった。かと言って彼一人に全てを任せる訳にはいかないので、夏休みまでの間はひとまず花壇の整備や夜間の見回りを命じられた。彼はその仕事内容に、内心歓喜していた。というのも、彼は最近クロエから花について教わっており、それぞれの花に多数の意味が込められている事に大変興味を抱いていたのだ。それに夜間の見回りについても、彼はそこまで不安を見出していなかった。仮に不埒な輩が襲ってきたとしても1ガンダムで撃退すればいいからだ。その後自分の部屋を急遽用意してもらって、泊まり込みで学園の校則やら花壇の整備やらを学んでいたらあっという間に入学式の日になり、壇上に上がると女子生徒達に絶叫された。

 

そして、今は入学式の数日後。彼は今丁度1-1組前の廊下付近の掃除をしていた。これは彼本来の仕事ではないが、ずっと花壇に居るよりかは生徒達との距離も縮まるかと思ったからだ。事実、彼の人気はこの数日で急上昇しており、噂によるとファンクラブ設立の動きもあるとか。

まあ、彼は陰で「リヴァイブさんって独特な雰囲気持ってるよねー。なんか大人の魅力みたいな?ミステリアスな感じ!」と所々的を射ている評価を受けているのだが。さて話を戻すが、彼が教室の目の前を掃除していた時、

 

 

「決闘ですわ!!!」

 

と叫ぶ少女の声が廊下まで聞こえてきた。

「おや、この声はセシリア・オルコットだったかな?確か、女尊男卑の風潮に見事に染まってしまっていた生徒だったね。まあ、代表候補生らしいし実力はあると思うが。」

(それでも、BT兵器の使用と他の動作を同時に行う事が出来ない内は、まだ半人前と言った所か。)

本来そんな芸当を簡単に出来る訳がないのだが。だが確かに彼が元居た時代では、ビット兵器を操作しながら自衛を行っていたり、狙撃を行ったりしている者が多い。なら彼からすれば、BT兵器と他の動作を両立する事は普通のことなのかもしれない。

「まあ、それでも彼女が勝つだろうね。初見でBT兵器の猛攻を見切れる者はそうそう居ない筈だ。」

ふと、リボンズが教室の窓から中を覗くと、なにやら一人の少年が、そのセシリアと思しき少女と言い争いをしているのが見えた。

「あれは・・・!織斑 一夏か。まさか、入学早々代表候補生と口論とは・・・ある意味尊敬するよ。しかし、あの勇ましさと言い、あの目と言い・・・やはり、姉弟と言う訳か。」

やはり遺伝子の力と言うべきか、彼の目元は千冬そっくりだった。その目にリボンズは、かつての刹那・F・セイエイの様な物を感じていた。

「フフ・・・面白い事になりそうだ。」

リボンズはそう言い残し、その場を後にした。

 

 

そして休憩時間の時、事件は起きた。

彼が廊下を歩いていると、後ろからある少女に声を掛けられた。

「ご機嫌よう、リヴァイブさん。少しお話ししたい事があるのだけど、よろしいかしら?」

「・・・君は」

リボンズが振り向くと、そこには扇子を持った水色の髪の生徒が佇んでいた。

 

 

更識 楯無。IS学園の生徒会長にて、最強の女が彼の前に現れた。

 

 

 

 

「貴方、会長さんがリヴァイブさんに接触したらしいんだけど、どうなってるの?」

「うーん・・・一応説明はしておいたんだけどな・・・やはり、あれだけの説明では足りなかったかな?」

「そりゃそうよ、いきなり『新しい用務員の方を採用する様になったから宜しく。男性だが、何故採用したかについては一切聞かないで欲しい。』なんて言われて、疑わない人はいないわ・・・」

七葉は、少し抜けている自分の夫に溜息を吐いた。

 

 

 

所変わって生徒会室。そこにリボンズと楯無は対峙していた。そこには他にも会計の布仏 虚や、その妹の本音が居た。一見両手に花の状態なのだが、その場は緊迫感に包まれていた。

「さて、一体何の用だい?ただの用務員でしかない者をわざわざ生徒会に呼び出すなんて聞いた事が無いね。」

「とぼけないで頂戴。貴方の目的は何なの?言っておくけど、仮に貴方がこの学園に、そして生徒に危害を加えようなどとすれば、私が直々に潰すわよ。」

「・・・ふむ、流石は生徒会だ。大半の生徒は僕に警戒心など抱いていなかったが、君達はしっかりと僕の事を今日まで裏で探っていたらしいね?そうだろう、更識 刀奈(・・)?」

その名前を出された楯無・・・いや、刀奈は明らかに動揺していた。

「何でその名前を・・・!」

「フフ、僕の情報収集能力を舐めて貰っては困る。それより勘違いしている様なら言っておこう、僕は別にこの学園に危害を加える意思は無い。むしろ護衛する役目にある・・・いや、どちらかと言えば『織斑 一夏』のかな?」

「・・・残念だけど、その役は私達だけで間に合ってるわ。全ての生徒の安全を守る、それが私達生徒会の役目。貴方の助けなんて要らない。」

「いいや、それは違うね。今の君達ではこの学園の全てを守るにはまだ足りないのさ。今のままではいずれ来る脅威に対抗する事は出来ないよ。」

「それは・・・つまり、私達が力不足だと言いたいのかしら?」

彼女は自他共に認めるIS学園「最強」。その称号を受け入れつつも慢心はせず、日々実力を高めていった。また、自分と同じ生徒会の仲間も、それぞれの活躍をしている。・・・まあ、布仏 本音は別かもしれないが。だが、それを曲りなりにも何処の馬の骨とも分からないような男に「力不足」などと言われる筋合いは無い。

「・・・本気で言ってるの?何なら、今ここで私達の実力をみせてもいいのよ?」

それを聞いたリボンズは、肩を竦めながら心底呆れた様な顔をした。

「君はISを使えない男、しかも一般市民に手を出すのかい?そんな事をしたらかなり問題になるんじゃないかな?それに・・・」

その瞬間、ぞくりとした感覚が彼女たちを襲った。それはその男から発せられた圧倒的なプレッシャー。そう、まるで自分の実力など「ちっぽけな物」に思えてしまう程の物だった。

(な、何・・・?この男は一体何なの・・・?私がここまで悪寒を感じるなんて・・・)

「君の様な『小娘』に、この僕が倒せるとでも?・・・僕を甘く見るなよ。君は目の前の男と自分の力量差すら理解出来ないのかい?」

刀奈は一瞬、彼女らしくない事を考えてしまった。

(この男には・・・勝てない・・・!?)

動かなくなった刀奈を前にリボンズは溜息を吐き、生徒会室の扉を開けた。

「・・・っ、何処へ行くつもりですか?」

先に我に返った虚が、彼を引き留めようとする。

「僕も暇ではないのでね。今から花壇の整備をしなければいけないのだよ。呼び出した更識 刀奈は放心しているようだし、僕がここに居る意味が無いだろう?まだ用があるのであれば、手数をかけるが僕の部屋まで来てくれないかい?織斑先生の部屋の横だから、すぐ分かると思うよ。」

それでは、と軽く手を振りながら部屋を出るリボンズを、彼女等は黙って見送る事しか出来なかった。

「・・・会長。あの男性は異様です。そしてきっと・・・私達より強い。どうするおつもりで?」

「・・・そうね。私だって、自分より強い相手に無闇に攻撃する事はしないわ。彼もこの学園を襲う気は無いって言ってたし。」

ま、あまり信用出来ないけどね。と何時もの微笑を浮かべる刀奈を見て、虚は安堵した。

「でも、これから長らく監視しなきゃいけないわね・・・うーん・・・」

しばらく考えていた刀奈は、不意に何かを思いついたかの様な表情を浮かべた。

「ふふ、今こそ生徒会長権限の使い時ね。虚に本音、ちょっと手伝ってほしい事があるのだけど・・・」

「はい、何でも仰ってください。」

「私の部屋にある荷物、あれを一緒に運んでくれない?」

その言葉を聞いたとたん、虚の表情が一気に引きつった。

「ええと・・・何をするつもりで?」

「そんなの、今までの話の流れで分かるでしょ?」

生徒会長とは言えどそれは駄目だろう、と本気で感じた虚であった。

 

 

 

 

 

その後花壇の整備を終え、食堂へ向かっていたリボンズだったが、またしても後ろから呼び止められた。

「待て。貴様、リボンズ・アルマークだな?」

「その声・・・千冬かい?随分と久しぶりじゃないか。」

リボンズが振り向くと、予想通り千冬がそこに居た。千冬は普段の彼女とは思えない様な穏やかな笑みを浮かべていた。

「ああ、久しぶりだな。尤も、こんな所で再会するとは思ってもみなかったが・・・いや本当、貴様はいつも私の予想の遥か上を行ってくれる。」

「褒め言葉と受け取っておこう。ああ、それと先に言っておくけど、僕は君の弟とこの学園を守る為に来たんだ。別に害を与える気はないよ。」

「そんな事はとうに分かっている。貴様はその様な事をする下賤の者じゃあるまい。」

「フ、信頼してくれている様で嬉しいよ。」

「まあ、これからも同じ学園で仕事をする仲になるのだ。宜しく頼む。」

「こちらこそ、宜しく頼むよ。」

「ふむ・・・それはそうと今夜、私の部屋に来てくれないか?良いワインがあるのでな、出来れば共に飲もう。」

「ほう、ワインか。これでもワインには少しうるさくてね。とても楽しみだよ。」

「それは良い趣味をしている。ではまた後でな。」

「ああ。君も教務員の業務、頑張ってくれたまえ。」

お互いにな、と千冬は言い残し、彼女は先に食堂へ向かった。

「・・・さて、では僕も昼食を摂るとしよう。まあ、多少覚悟を決めるべきだと思うが・・・」

そう、彼はただでさえ学園内で人気の人物なのだ。そんな彼が、生徒の大半が集まる時間帯に食堂へ向かえばどうなるか・・・

「いつの間にかすぐ近くまで来てしまった・・・よし」

彼は意を決して、食堂に足を踏み入れた。と次の瞬間。

 

 

「「「「「「きゃあああああああ!!!!」」」」」

案の定、黄色い悲鳴が彼を出迎えた。

「ハァ・・・君達、食堂ではもう少し静かにしてくれないかな?」

「ああっ、リヴァイブさんもっと注意して下さい!!」

「私達が理解するまで教え込んで!!」

「出来ればからd・・・ゲフンゲフン」

最後にまずい発言があった気がするが、そこはスルーしてもらいたい。

「やはり、この空気にはまだ慣れないな・・・とにかく、食堂の隅の方で座ろう。」

彼は何も注目を浴びたい訳ではない。よって出来るだけ注目されないように端っこでひっそりと食べる事にした。

「おっと、その前に料理を受け取らないと・・・ここは無難にカレーにするか。」

彼がトレーを手に取って列に並ぶと、そこには意外な人物が居た。

 

「あ、リヴァイブさんじゃないですか!」

「君は・・・この前の警備員ではないか。」

「はい、笠谷 衣恵(かさたに きぬえ)といいます。たまにここでも仕事してるんですよ。それで、何をご所望ですか?」

「ああ、カレーを一つ頼むよ。」

「はーい。・・・お待たせしました、こちらがカレーです。ここのカレー、とっても美味しいんですよ!」

「ほう、ドイツ軍のカレーも中々の絶品だったけど、あれに匹敵するカレーがあるのかい?」

「ああ・・・あのカレーも美味しいですよねぇ~・・・じゃなくて、あそこのカレーと同等の美味さを保障します!」

「おや、君もドイツ軍に行った事があるのかい?」

「ええ。私、これでも昔は代表候補生の端くれだったんですよ。まあ、腕はそこまででもなかったのですが・・・」

照れくさそうに笑う衣恵に、リボンズは好印象を持った。この女性とは中々気が合いそうだ、とも思い始めている。

「まあとにかく、このカレーは頂くよ。そうだ、今夜千冬の部屋でワインを嗜む事になってるのだけど、良ければ君も来てくれ。」

「えっ!?良いんですか?ありがとうございます!!ふふ、ワインかぁ~、楽しみだなぁ~。」

「ああ。中々良いワインらしいのでね。期待してくれ。」

「分っかりました!!じゃあまた今夜!」

その後彼はカレーを堪能して、再び仕事に戻った。余談だが、そのカレーもまた絶品だったらしい。

 

 

 

そして、その夜。その三人は千冬の部屋に集まっていた。

「よく来てくれたな。リボンズ、そして衣恵。では早速だが酒盛りをしよう。さあ、お待ちかねのワインだ。」

千冬が机の上に置いたワインの銘柄は・・・

「「ろ、ロマネ・コンティ・・・!?」」

「なんだ、飲むのは初めてか?」

千冬は慣れた手先で栓を抜いて、中身をワイングラスに注いだ。

「は、初めてって・・・これって極めて稀少性が高く、世界で最も高値で取引されるワインですよ!?確かに千冬さんなら普通に変えるかもしれませんけど、私じゃ到底買うのも難しい奴ですよぉ!?」

「流石は千冬、と言った所かな?」

「まあ、昔はそこまで飲む機会が無かったのでな・・・今くらいは飲ませてもらおう。」

千冬はそう言いながら、一口で注がれたワインを飲み干した。

「「もっと味わって飲んだらどうだい(どうですか)?」」

「気にするな、私はこの飲み方が好きなんだ。」

この後、酔った千冬と衣恵が脱ぎだそうとする事態が発生したが、それはリボンズが少々荒々しい行動で止めさせたので問題は無い。

 

 

 

 

 

次の日の朝。彼は自室で休息を取っていたが、横で何者かの気配がしたので、注意深く目を開けた。すると、そこには・・・

 

 

「う~ん、何?もう朝ぁ・・・?」

「・・・君はここで何をしているんだい?」

空いていたもう一つのベッドで眠る、刀奈の姿があった。

 

 

 

 

おまけ

 

 

その1・入学式

「貴方達はISと言う『兵器』を扱うという事をくれぐれも忘れないようにして下さい。では次に、新しい用務員の方を紹介します。リヴァイブさん、どうぞ。」

ドンナヒトダロウネー?

カワイイヒトジャナイ?

「初めまして、リヴァイブ・C・スタビティと申します。皆さん、廊下でもし出会ったらぜひお声掛け下さい。」

 

 

 

 

「「「「「・・・きゃああああああああああああ!!!!!」」」」」

「男性よ男性!!しかも超イケメン!!」

「あれはクール系?ええ、そうとしか考えられないわ!!」

「ああっ、天国のおばあちゃんに良い冥途土産が出来たわ!私この場で死んでもいいかも!!」

 

 

(くっ、脳量子波が乱れる・・・!?この少女達、中々侮れない・・・!)

 

 

 

その2・刀奈がリボンズの部屋にアポ無し突撃した時

シュバルツェ・ハーゼ隊本部

 

「・・・はっ!?何か今壮大に出し抜かれた気がッ・・・!?」

「なんだ、恋する乙女の勘と言う奴か?全く、羨ましいものだ。」

「隊長!?い、いえそういうのでは無く・・・!」

「ハハハ、冗談だ。」

「そ、そうですか。からかうのもほどほどに・・・」

「しかし、お前が色恋沙汰に目覚めるとなると・・・フフッ」

「なッ!?だ、だから違うと・・・ああああ!!!」




はい、久しぶりの投稿なんで駄文でしたね。大変申し訳ありません。

因みに前回から出て来た警備員、笠谷 衣恵さんですが、容姿は名前からも想像できるように艦これの衣笠さんです。それを穏やかにした感じ。まさかの艦これキャラ二人目ですよ、早くも。搭乗ISは・・・あれしかないですよね?そろそろタグに「艦これキャラ(容姿のみ)」付けよう。うん、そうしよう。
さて、次回は一夏とリボンズを会わせてみようかと。次回はもっと早く投稿するようにします。頑張るのです。
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