「リっくん、せっかくだしテストをしてみたらどうかな?きっとリっくんなら使いこなせると思うよ!」
「心遣い感謝するよ。それではまた後程。良い結果を期待しておいてくれ。」
「うんうん、りょ~か~い」
部屋から出ていくリボンズを見送り、束は一人独白した。
「きっとリっくんならスペック以上の性能を引き出してくれる筈だね!さて、リっくんの戦闘データを採って、そこからルーちゃんの機体を作りますか!!頑張るぞー!!」
シミュレーションルーム
その頃、リボンズは訓練及びテストを行っていた。動き回る的に、次々とビームを当てていく。
「全く、こんな物じゃテストにもならないだろうに・・・そこ!」
そして、最後の的にビームを当て、訓練が終了した。
「他愛も無い・・・まぁ、むやみにISを浪費する訳にもいかないし、しかもここには4人しか住んでいる者が居ないからね。ISを動かすパイロットが少ないから仕方あるまい。」
すると、室内に束の声が響いた。
『その心配はないよリっくん!』
「束かい?すまないね、大したデータの採取は出来なかっただろう。」
『ううん、とても良いデータが採れたよ!そのおかげでまた新しいISが出来たしね!!』
「この短時間でもうISを作ったのかい?全く、君には驚かされてばかりだ。」
『それほどでもあるよ~。そうだ、ルーちゃんを新しいISのテストパイロットにしたから、模擬戦よろしくね!』
「人使いの荒い・・・まぁいいさ。これでやっとまともな戦闘が出来そうだしね。了解したよ。」
『えへへ、ありがとね!じゃあルーちゃん、よろしく~』
『ん・・・分かった。』
おそらくルビも束の研究室に呼び出されたのだろう。
(本当に人使いの荒い・・・毎日束の相手をしていたクロエを今は尊敬するよ。)
彼は素直にクロエの精神力に感心した。以前の彼ならそんな事はしなかっただろうが、やはり彼も刹那・F・セイエイに討たれた事で多少変わったのだろう。
「取り敢えず、ルビが来るまで武装の再確認をするとしよう。」
まず、彼はビームガンを取り出した。まだ試作段階のこれだが、第二世代のIS程度なら難なく渡り合う事が出来る。
次に、ビームサーベル。おそらく、0ガンダムの武装の中で一番相手のシールドエネルギーを削りやすい物だと言えるだろう。
最後に、ガンダムシールド。表面にGN粒子をコーティングして防御力を上げる事が可能な盾。しかし大きいため、取り回しはあまり良くない。
「今の所これで全てか・・・シールドはむやみやたらに取り出さない方が良いね。かえって機動力が悪くなってしまう。使い所を見極める必要がありそうだ。」
そして全て確認した後、ルビがシミュレーションルームに到着した。
「ごめんなさいお兄様・・・待った?」
「問題無いさ、今まで武装の確認をしていたからね。ところで、新しいISとはどんな物なんだい?」
「待ってて。ん・・・」
少しルビが念じると、ルビの体を光が包み、そしてそのISが姿を現した。
「これ。これが・・・ルビのIS。」
「これは・・・!」
それは、先程纏った「打鉄」に似ていた。しかし、所々にスラスターが付けられ、また右肩の盾は廃止されて大きな砲身が追加され、そして左肩に通常より小ぶりな盾が付いているので、実質別物と化していた。
『それは「打鉄」を束さんなりに改造した奴だよ!と言っても、スペック上の問題でそこまで大きな改造は出来なかったけどね。でも、性能はかなり上がってるから、第二世代のISなんか普通に倒せるんじゃないかな?あ、ちなみにまだ名前は決めてないから、リっくんが決めてもいいよ!』
「ふむ・・・」
(そうだね・・・右肩の巨大な砲身といい、左肩の小ぶりな盾といい・・・あの機体に似ているね。)
「・・・スローネ。この機体の名はプロトスローネだ。」
『プロト?という事は、これをまた改造するつもりなの?』
「心配しなくとも、それは僕が請け負うつもりさ。」
『おっけい!あと、それにはこの天才束さんも力を貸そうではないか!!』
「助かるよ。ではルビ、準備は良いかい?」
「良いよ・・・やろう。よろしくね、スローネ。」
ルビが「打鉄」改め「プロトスローネ」に搭載されたブレード「閃光」を構える。対するリボンズもビームサーベルを構え、戦闘態勢に入った。
『それじゃあ、これからリっくんとルーちゃんの模擬戦を始めまーす!!ドンパフドンパフ~!』
「「早くしてくれないかな?」」
『はいは~い、じゃあすたーと!!』
先に仕掛けたのはルビ。追加スラスターにより高速戦闘が可能なプロトスローネの特徴を生かし、一瞬でリボンズに肉薄し、閃光を振りかざした。しかし、リボンズはその重い一撃を受け止め、逆にパワーで押し返した。なら、とばかりに肩部の大型プラズマ砲、「星落」を向け、発射した。リボンズはそれを躱し、更に高速でルビに接近する。ルビは接近させまいと星落を次々に撃つが、リボンズはそれを時には避け、時にはビームで相殺させ、時にはガンダムシールドで防御して、確実にルビに近づいていた。
数撃っても勝てないと悟ったルビは、星落をリボンズの足元に向け発射し、何とか足止めをしようとした。リボンズはそれを躱すが、プラズマ弾が地面に当たった際の衝撃波で若干リボンズがふらついた。ルビはその絶好の機会を見逃さず、星落を正確にリボンズに発射した。プラズマ弾はまっすぐリボンズの下に向かい、直撃した。砂埃が周囲を包む。
「や・・・やった?」
ルビは確実に当てた。それは間違いない。だが・・・
「それが全力かい?」
「えっ・・・ッ!?」
不意に後ろから聞こえた声に、ルビは慌てて振り返る。しかし、気づけば首元にビームサーベルを突き付けられていた。
「チェックメイトだよ、ルビ。」
「・・・うん。」
ルビは素直に敗北を認め、ISを解除した。それを確認したリボンズもビームサーベルをしまい、ISを解除した。
「ルビ、君は確かに技量はあるし、発想も良い。あのプラズマ弾の衝撃波を使って僕のバランスを崩し、その隙を突くとは中々の物だったよ。」
(それ、偶然だったんだけど・・・でも良いか、お兄様に褒めてもらえたし・・・)
「だが、やはりまだまだ経験が足りないね。だから、これから様々な戦闘を通して学べばいいさ。君の成長に期待しているよ。」
「うん・・・ルビ、頑張るよ。」
『おー、これが兄の愛って奴かな?本当に見ていて素晴らしいね!!」
「むぅ・・・束、空気読んで。」
『いやーメンゴメンゴー!じゃあ後で私の所に来てね、リっくんとルーちゃん!」
「「了解したよ(ん・・・分かった)。」」
二人はしばらく、互いの戦闘の感想を言い合っていた。まるで、仲睦まじい兄妹の様に。
そして、彼の存在が世界に知られる日は突然やって来る。
てことで、ルビのISはスローネでした!モデルとしてはスローネアインを採用しています。次回はモンドグロッソの話に移ります!リボンズはどうやって一夏を救い出すのでしょうか?