その日も、リボンズは束に呼び出されていた。
「リっくん、今日はドイツに行ってくれないかな?確かモンド・グロッソが行われる筈だから、良い経験になると思うよ!」
「モンド・グロッソ?何だいそれは?」
「簡単に言えばISの世界大会だね!世界各国の代表者が集まってドンパチして、総合優勝者にはもれなく最強の称号『ブリュンヒルデ』が与えられるんだよ!!」
「とてもアバウトな説明感謝するよ。成程、各国の手練れ達が集まって戦うのだから、中々良い勉強にはなるだろう。だが・・・君の本当の目的はそれじゃないよね?」
「さすがだねリっくん。そう、今回は私の数少ない友達の弟君を影から護衛して欲しいんだ。」
「やはり裏があったか・・・して、その護衛対象の顔は?」
「これだよ!この男の子!」
束が取り出した写真を見ると、どこで撮ったのか分からないが黒髪短髪の少年の顔がアップで写っていた。
「この少年だね・・・それで、この少年の名は?」
「織斑 一夏。私はいっくんって呼んでるよ!」
「成程、記憶したよ。では、今から向かえば良いかな?」
「お願いね!なんか裏で怪しい奴らが動いてそうだから、出来るだけ早く!」
「分かったよ。それでは出撃するとしよう。任務は必ずこなすさ。」
「ありがと~!!早く済まして早く帰って来てね~!」
「ああ。リボンズ・アルマーク、0ガンダム、行く!」
彼はGNドライヴを起動して、空へ飛翔した。
モンド・グロッソ会場
その頃、織斑 千冬とアメリカの代表選手の試合が行われていた。織斑千冬のISは、「暮桜」。刀剣型近接武器「雪片」のみを備え、単一仕様能力「零落白夜」によって今までモンド・グロッソを勝ち抜いて来た。まあ、今まで勝ち抜いて来たのは千冬自身の技量もあるが。だが、相手もこれまで勝ち進んで来ただけあって、両者互角の戦いをしている。
(このままでは埒が明かない・・・「零落白夜」を使うか!)
千冬が零落白夜を起動して勝負を決めようとしたその時、
ドォォォォォン!!
天が揺らぐかの様な爆発が、観客席の一部で起きた。千冬は異常を感じ、ドイツ軍に連絡をした。
「おい、どうした!襲撃か!」
『はい!おそらくテロリストかと!現在、我が軍のシュバルツェ・ハーゼ隊が事態の鎮静化を行っております!』
「分かった、私も援護する。どこに行けば良い?」
『ただ今位置情報を転送します!ん?ふむ・・・何だと!?そんな、そんな事が・・・!?』
「おい、どうした!何が起きた!」
『織斑 一夏君が・・・
貴女の弟が、テロリストによって誘拐されました!!』
リボンズは、モンド・グロッソ会場の近辺を移動していた。先程の爆音で、彼はもう戦闘が始まっている事を理解した。
「こちらリボンズ・アルマーク。束、状況はどうだい?」
『大変だよリっくん!いっくんが誘拐されちゃったよ!!』
「何だと!?一足遅かったか・・・仕方ない、救助に向かう。位置情報の転送を頼むよ。」
『りょーかい!急いでねリっくん!』
彼は送られた位置に、GNドライヴをフル稼働させて向かった。
その頃ドイツ軍本部では、織斑 一夏の場所の特定を大急ぎで行っていた。おそらく今回彼が狙われたのは他でもない、彼が「
「織斑 一夏君の居場所特定は済んだか!」
「もう少しで割り出せそうです!推定約20秒!」
「20秒だと!?もっと早くできんのか!!」
「これが最速です・・・あれ?ちょ、ちょっと待って下さい!」
「どうした、何か問題でも発生したのか!!」
「所属不明のISが接近!映像を出します!」
「何だと!?早く映してくれ!」
そしてモニターに現れたのは、
「て・・・天使・・・?」
そのISは、急に背部から排出する粒子の量を増幅し、それと共に機体のスピードが上昇した。
「・・・しょ、所属不明ISに交信をしろ!」
「了解しました!・・・あ、あれ?交信不可能です!何やらノイズが聞こえるだけで・・・」
「何?なら、あのISの挙動を監視しろ!!」
「了解です!あ、何やらある一点に向かっている様ですが・・・」
「どこだ!予測して位置を特定しろ!」
「は、はい!・・・出ました!この会場の近くの倉庫です!」
「もしかすると、そこに織斑 一夏君が・・・ブリュンヒルデに連絡を!」
「はい!通信を開始します!」
織斑 一夏は、どこかの倉庫に監禁されていた。彼は姉の活躍を見にドイツまで来たのだが、突然テロが起き、その混乱の中でまんまと捕まってしまったわけだ。
(くそっ・・・俺さえ、俺さえちゃんとしていたら・・・!千冬姉、心配してるだろうな・・・情けねぇ。)
彼は、自分を誘拐した女を見た。
「あぁ!?援護が回せねぇだぁ?オイ、テメェちゃんとしやがれ・・・オイ、オイ!!チッ、切りやがった・・・」
この口の悪い女は誰なんだろうか。そして、何の目的で自分を誘拐したのか。彼はそれだけを考えていた。すると、その女がこちらへ向かってきた。手に銃を持って。
「ったくよぉ・・・こっちはこっちでイラついてんだよ。大体何でこんなガキを『誘拐』しなきゃなんねぇんだ・・・チッ、スコールとは連絡つかねえし、雑魚共は使い物になんねぇし・・・あぁムカつく!」
その女は、こちらに銃を向けた。カチャリとトリガーに手が添えられる。彼は一瞬で体が凍った気がした。それほどの「死」への恐怖が彼を襲った。
「悪ぃが、お前を今ここで殺す事にした。恨むんならテメェの姉を恨みな!!」
(ちくしょう・・・ごめんな、千冬姉・・・)
銃のトリガーが引かれようとしたその時、
ズキュウウウン!
一筋の桃色の光が、銃を貫いた。
「なっ・・・どこのどいつだ!!私の邪魔をしようって野郎はよぉ!!」
彼女はISを纏い、周囲を警戒した。すると、彼女の目線の先に
そのISは頭部のツインアイを光らせ、彼女に突進した。
「何ッ!?・・・ハッ、度胸は良いがなぁ!」
彼女は自分のISに搭載されていた大剣のような物を構え、そのISに振り下ろした。当たった、と彼女は確信した。しかし、そのISは現存するISでは有り得ない速度で、自分の攻撃を回避したではないか。しかも、すれ違いざまに光る剣で彼女を切りつけた。
「何だと・・・この私が、押されてるってのか!?」
彼女が自分の残りシールドエネルギーを見てみると・・・
「なっ、3割減っている・・・!?たかが一撃で3割だぁ!?ふざけんじゃねぇぞ!」
彼女は再び接近し、自分の得物を振りかざす。だが、今度は躱された挙句に刀身を光る剣で斬り裂かれてしまった。
「なッ!?・・・クソッタレが!」
「もう止めたまえ、これ以上やっても無駄なだけだよ。分からないのかい?」
「この声・・・!男だってのか!?んな馬鹿な、男はISを動かせない筈じゃ・・・」
「フ、そういう物言いだから器量が小さいのさ。もう諦めたらどうだい?君の役目は終わった筈だよ?」
「チッ・・・覚えてやがれ、クソが!」
彼女は捨て台詞を吐いて去っていった。
「結局、あの女はどこの差し金だったんだろうね・・・おっと、束に連絡をしなければ。」
彼は通信回線を開き、束につないだ。
「束、織斑 一夏の救助は完了した。これからドイツ軍に引き渡しに行くよ。」
『おっけい!それじゃ・・・あ、リっくんすぐそこから離れた方が良いよ。』
「何?どうしたんだい突然に「そこのIS、今すぐ一夏から離れろ。」・・・」
彼が後ろを振り返ると、織斑 千冬・・・「
「聞こえないのか?離れろと言っている!」
更に語尾を強めて迫る千冬。
(参ったね・・・いくら何でも0ガンダムで「
彼がどう戦闘を回避するか模索していると、織斑 一夏が前に出た。
「千冬姉!俺、この人に助けられたんだ!この人は敵じゃない!」
その言葉に、織斑 千冬は動揺した。
「何だと?なら、お前を誘拐した犯人はどこにいる?」
「ああ、あのおっかない女の人なら逃げてったぜ。」
「そ、そうか・・・」
彼女は戸惑いながらも雪片を収めた。
(彼が証言してくれたおかげで、無駄な戦闘を起こさずに済んだ・・・感謝するよ、織斑 一夏。さて、僕は帰るとしようか。束達も待っているだろうからね。)
彼は何も言わずに、GNドライヴを起動した。独特な起動音と共に、GN粒子が放出される。そして、彼は戦場に多くの謎を残したままその場を後にした。
「なぁ千冬姉・・・何なんだろうな、あのIS・・・」
「分からん・・・だが、何れまた会うかもしれん。」
「そっか・・・そうだよな。その時また、改めてお礼を言うよ。」
「フッ・・・それでこそ私の弟だ。ああ、そうすれば良い。そして、いつかは恩を返せよ?」
「分かってる!俺、決めたよ!俺は強くなって、千冬姉や箒、それに皆を守る!そんで・・・
いつか、あのISに乗っていた人に恩返しするよ!!」
やはり戦闘描写は難しい・・・やりましたよ、やったんですよ、必死に!!他の作者様の作品や、00の小説を少し読んで参考にしたり、自分の数少ないボキャブから必死に単語を探し出したりと、必死に!!これ以上・・・これ以上、何をどうしろって言うんですか!?(涙目)