さて、では第五話です!タイトルは単語別で見ると何も関連性ないですが、一応タイトル詐欺はしてないつもりです!!
「お帰りリっくん!凄い活躍だったね!」
「別に大した事はしていないさ。僕はただ、任務を全うしただけだよ。」
「それでもだよ!もしリっくんが居なかったら、今頃いっくんはアイツらに殺されてたんだよ?それを阻止してくれたリっくんにはもう感謝感激だよ!!」
「大げさな・・・まぁ、悪い気はしないかな。・・・ん?何だいそれは?」
リボンズは、彼女が手に持っている紙束に目を付けた。
「これ?これはドイツの『シュバルツェ・ハーゼ』隊についてまとめた資料だよ。織斑 千冬・・・もといちーちゃんが、いっくん捜索に協力してくれたドイツ軍へのお礼にこの隊で教官になるらしいから、ちょっと調べてみたんだけど・・・まぁ、特に悪い所はないね。ただ、この子・・・」
束は、クロエと顔がよく似ている少女の写真を指差した。
「この子、多分ク―ちゃんと同じ試験管ベビーだね。まぁ、ただ似てるだけかもしれないけど・・・」
リボンズは、ある一つの単語の意味が気になった。
「束、その『試験管ベビー』とは何だい?」
「簡単に言えば、リっくんとルーちゃんと同じ『造られた存在』。この子はかつてこの隊で最強だったらしいから、多分遺伝子から強化されてるね。」
造られた存在。その言葉に、彼は反応した。
(人間というのは・・・何とも業の深い生物だろう。だが、その人間を正し、正しい道へ導くのもまた人間だ。僕の出る幕じゃない。しかし、この少女は・・・)
そして、彼は知らず知らずに、こんな言葉を口にしていた。
「束・・・その教官となる任務、僕も参加させてもらおう。」
その日の夜、織斑 千冬は荷物の整理をしていた。シュバルツェ・ハーゼ隊の教官を明日から務めるので、軍の寮で寝泊まりするからだ。
そして、もうすぐ終わるという時に、携帯が鳴った。
「誰だ、こんな時間に・・・」
彼女は通話ボタンを押し、携帯を耳に当てた。
「はろはろー!元気してるかいちーちゃ「間違い電話だ」ブツッ・・・」
彼女は容赦なく通話を切った。だが、再び携帯が鳴ったので、彼女は仕方なく再び携帯を耳に当てた。
「いきなり切るなんて酷いよちーちゃん!!」
「何の用だ束。ふざけた内容なら即座に切るぞ。」
「大丈夫だよー!今回は至って真面目な話だし。ちーちゃん、シュバルツェ・ハーゼ隊の教官になるらしいじゃん?」
「ああ。それがどうした?」
「それがねー、私が養ってる子の一人が、自分もその任務に参加したいって言ってるんだよ。ダメかな?」
「駄目だ。それに、これは私自身の問題だ。手を出すな。」
「だけどー・・・その子もその子自身の問題があるらしいんだよね。それでもダメ?」
その言葉に千冬は、少し考え直した。
「・・・1カ月だ。1カ月だけなら良い。しかし、それ以上は駄目だ。」
「ほんと!?ほんとに良いの!?いやったああああ!ありがとねちーちゃん!じゃあ明日その子来るからよろしくー!じゃあねちーちゃん!ブツッ ツーツーツー・・・」
(全く・・・本当に嵐のような奴だ。しかし・・・)
「アイツが、あそこまで他人の事で喜ぶとはな。・・・お前も変わったのか?束。」
千冬は、友人の変化に小さい笑みを浮かべた。
「ねぇリっくん、何であの隊の教官をしようと思ったの?」
「そうだね・・・実は、僕自身でも良く分からないんだ。ただ、何故か彼女の境遇が他人事には思えなかったんだよ。」
「そっか・・・ふふっ、リっくんはほんとに優しいね!」
「そんな事は無いと思うけどね。僕はただ、自分がやろうと思った事をしようとしているだけさ。」
「謙遜しちゃって~!ふふふ、リっくんが先生か~。楽しそうだなぁ~。」
そして、次の日・・・
「織斑教官、お待ちしておりました。お荷物をお持ちします。」
「済まない。所で貴様は?」
「これは失礼しました。私はシュバルツェ・ハーゼ隊の副隊長を務めております、クラリッサ・ハルフォーフと申します。」
「クラリッサか、これから宜しく頼む。さて、早速で悪いが全隊員を集めてほしい。改めて自己紹介をする。」
「了解しました。」
その後、クラリッサの指令で全隊員がフィールドに集まった。
「全員集まったな。よし、では訓練を始める・・・前に、今日から諸君等を指導して下さる人を紹介しよう。織斑教官、どうぞ。」
すると、突然現れた千冬の姿に、隊員達は驚きの声を上げる。
「諸君、今日から指導役となる織斑 千冬だ。宜しく頼む。」
「「「「「は、はいっ!」」」」」
やはり皆動揺を隠せないようだ。すると、その動揺に更に追い打ちをかける出来事が起こった。
「く、クラリッサ副隊長!あ、織斑教官もおられましたか!!丁度良かった、緊急事態が発生しました!!」
「何だ?言ってみろ。」
「所属不明のISが基地に接近しています!しかも、送られた画像から見るに・・・恐らく『天使』かと!!」
その言葉に、モンド・グロッソの時にドイツ軍本部に居た隊員達は更に身を強張らせる。しかし、逆に出撃していてその概要を知らない隊員は、ただ首をかしげるだけだった。
「待って下さい。その『天使』とやらは何ですか?」
この少女、ラウラ・ボーデヴィッヒもその一人だった。
「そうか・・・お前はあの時救助活動に向かっていたな。『天使』とは、昨日のモンド・グロッソのテロ行為の際、誘拐された織斑教官の弟君を救助した未確認のISだ。その詳細・所属は不明だが、緑色の粒子の様な物を背部から排出するその姿から、我々は『天使』と呼んでいる。何か質問はあるか?」
「いえ、ありません。成程、そのISが今ここに向かって来ていると?」
「そういう事だ・・・どういう思惑かは知らないが、各自武装しておけ!」
「「「「「はっ!!!」」」」」
そして、彼女等は『天使』が現れるであろう上空を見上げていた。すると・・・
「あの・・・今、緑色の光が見えた気が・・・」
「何だと!?どの方向だ!!」
「ひゃっ!?ちょ、丁度3時の方向です・・・」
全員が右を見ると、そこには空からゆっくりと姿を現す
「て、『天使』・・・各自警戒を怠るな!いいか、何があってもいいように、あらかじめ武器のロックは外しておけ!」
多少動揺しながらも、部下達に的確な指示を出すクラリッサ。そして、少しずつ降下して来た「天使」は、とうとうフィールドに降り立った。それと同時に、全員が一斉に武器を向ける。それを確認したのか、未確認のISはゆっくりと両手を挙げた。
「所属不明ISのパイロットに告ぐ!いますぐISを解除しろ!さもなくば・・・武力行使で貴様を拘束する!」
そのISは、少し考える仕草を見せ、やがて光と共にISを解除した。すると、彼女等にとって予想外の出来事が起きた。
光が止んで、そこに居たのは・・・薄緑色の髪と紫色の目を持った「少年」だった。
「な・・・何だと・・・?何故男性が、ISを・・・?」
その少年は、微笑を浮かべてこう言った。
「初めまして、僕はリボンズ・アルマーク。これから1カ月間、君達の指導を織斑教官と共に行う事になった。宜しく頼むよ。」
今度こそ、全隊員が絶句した。
はい、という事で、リボンズがシュバルツェ・ハーゼ隊の臨時教官になりました!最初は裏で怪しい動きを見せる者を排除させる予定だったんですが、作者がどうしてもラウラと交わらせたかったので・・・コレジャナイ感満載でしたらすみません。