模擬戦が終わってリボンズがフィールドへ戻ると、一人の隊員が近づいて来た。
(この少女がラウラ・ボーデヴィッヒ・・・僕と同じ、造られた存在。)
「リボンズ・・・教官。先程の模擬戦、見事でした。まさか、あのクラリッサ副隊長相手にあそこまで立ち回り、そして倒すとは・・・」
「いいや、彼女は中々手強かった。最後に勝ったのはほぼまぐれさ。して、ラウラ・ボーデヴィッヒ。いきなりそんな口調になってどうしたんだい?」
「こ、これから教授して下さる方ですので、敬意を示した方が良いかと・・・」
「成程・・・まぁ、好きにすればいいさ。それで、何の用かな?何かしらの用があって来たのだろう?」
「はい。私の個人的な頼みを聞いて下さいますか?」
「・・・内容によるね。それで、何だい?」
「私の・・・」
ラウラは一瞬目線を落とし、そして覚悟を決めたかの様にリボンズを見て、こう言った。
「私の、専属教官になって下さいませんか!?」
その言葉にリボンズはあっけに取られたが、すぐに微笑を浮かべた。
(これは好都合だ。まさか、本人から言ってくるとはね・・・そんな物、とっくに答えは決まっているさ。なんたって僕は、その為にこの隊に来たのだから。)
思考するリボンズの顔を見て、ラウラは不安そうな表情を浮かべた。
「駄目・・・でしょうか?」
「おっと、失礼・・・答えから言わせて貰うと、良いよ。」
「え・・・ほ、本当ですか!?」
「だが、それ相応の覚悟はしておく事だね。多少の怪我は我慢して貰うよ?」
「それ位の覚悟はすでに出来ております、リボンズ教官!」
「フ・・・良い覚悟だ。それでは、早速訓練と行こうか。先ずは君の実力を見たい。ISを纏ってフィールドに来るんだ。」
「了解しました!」
意気揚々と整備場に向かうラウラを見るリボンズの目は、どこか悲しげだった。
~訓練後~
ラウラの実力を一通り見たリボンズは、感想をラウラに述べていた。
「はっきり言わせて貰うと、弱いね。射撃も的を外していたし、何よりISの動かし方もなっていない。」
「も、申し訳ありません・・・」
「だが、格闘技術には目を見張る物があったよ。しっかりと相手を仕留める、ちゃんとした軍人の動きだった。」
その言葉に、ラウラの表情が和らいだ。
「あ、ありがとうございます・・・」
「それに射撃の時だけど、君は撃つ瞬間かなりの機体のブレが見られた。しかし、あの時機体がちゃんと制御出来ていれば、あの弾は的に直撃していただろう。」
「と、言いますと?」
「君は根本的な戦闘における技術はしっかりしているという事さ。だから、これからはISの動かし方を学ぶ訓練をするとしよう。きっとそれさえ出来れば、君はすぐに良いパイロットになるさ。」
「本当ですか!?ありがとうございます教官!!」
「感謝をするのは結果が出てからだ。もう昼時だし、まずは食事をしよう。その後から、本格的な訓練をするよ。」
「了解です、教官!」
二人は揃って食堂に向かった。
~食堂~
二人は取り敢えずカレーを頼み、適当な椅子に座って食事をしていた。
「そういえば、ここにはドイツが所持するISの内の三機があるそうだね。」
「はい、クラリッサ副隊長のIS『シュヴァルツェア・ツヴァイク』。そして、AICと呼ばれる特殊機能を搭載した『シュヴァルツェア・レーゲン』。先程私が使用していたISです。まあ、私が使用するにはまだまだ未熟ですが・・・」
「成程、
「はい、それは我が隊の隊長・・・」
その時、食堂に一人の女性が入って来た。その姿を見た隊員達が、一斉に敬礼をする。
「隊長!もうお戻りになられたのですか!」
「ああ。何やらクラリッサから連絡があったのでな、予定を早めて帰ってきた。」
すると、クラリッサがその女性に近づいた。
「隊長、この度は遠征お疲れ様でした。」
「ん?まあ、そこまで大変でも無かったがな・・・それで、例の教官は誰だ?」
「はい、あの男性です。」
すると、その女性がリボンズに近づいてきた。
「君か、織斑教官と共に我が隊を指導してくれるのは。」
「初めまして。リボンズ・アルマークと申します。これから一か月、宜しくお願いします。」
「ほう。まさかとは思ったが、本当に男性とはな。君の事は聞いている。何でも、クラリッサを倒したらしいじゃないか。」
その言葉に、リボンズは苦笑を浮かべた。
「いえ、あれは運が良かっただけですよ。クラリッサ副隊長も、かなりの腕を持っていました。」
「フッ、この『シュバルツェ・ハーゼ』を嘗めてもらっては困る。おっと、そう言えば自己紹介がまだだったな。私はレーヴェ・ハンブルク。この隊の隊長を務めている。少しの間だが、宜しく頼むぞ。」
リボンズは敬礼をし、こう答えた。
「了解しました。」
「ああ、期待している。」
彼女は食堂を後にした。
(敬礼をするのは初めてかもしれないな・・・まあ、悪くはないね。)
リボンズとラウラは食事を済ませ、席を立った。
「ラウラ、それでは訓練を開始しようか。ISの準備をしておくように。」
「はっ!承知しました!」
リボンズはフィールドに向かい、訓練の準備をする事にした。
リボンズがシュバルツェ・ハーゼ隊に行って丁度一週間の頃。束はある悩みを抱えていた。
「う~~ん・・・リっくんの0ガンダム、中々
束は考え、やがて一つの結論に辿り着いた。
「なら、その封印を解き放つまでだよ!さあリっくん、その機体の真の力を今こそ解き放つのだ!」
彼女はピンク色のボタンを押し、笑みを浮かべた。
~アメリカ軍基地~
その頃、ある隊員が司令部でシステムのチェックを行っていた。すると、ある異常を発見した。
「何だ?このウサギのマーク・・・」
彼が気になってそれをクリックすると、突然画面全体が赤くなり、「WARNING」の文字が表示された。
「な、何だ!?何が起きている!?」
彼が驚いて再度画面を見ると、何やらウサギがミサイルを発射している絵が現れていた。と同時に、別の隊員が焦った様に告げた。
「き、緊急事態です!!ミサイル迎撃システムが何者かに乗っ取られました!!・・・ああっ!!ミサイルが・・・!」
彼らが衛星写真を見ると、そこには大量のミサイルが発射される光景が映し出されていた。それを見た司令官らしい者が驚き、すぐに指示を下した。
「大変だ・・・!すぐにミサイルの目標を探知しろ!それにIS部隊も投入し、全力でミサイルの撃墜に当たれ!」
「了解!第一IS部隊、第二IS部隊共に出撃可能です!」
「よし、発進させろ!」
「はい!3・・・2・・・1・・・0!IS部隊発進しました!」
「よし・・・なら、ミサイルの目標地点は特定出来たか!!」
「はい、ミサイルの目標が特定しました!」
「どこだ!!すぐに警告を促す!!」
「ドイツの・・・
『シュバルツェ・ハーゼ』隊本部です!!!」
訓練描写、少しすっぽかして申し訳ありません。次回は、お馴染みのあのシステムが登場します。そういや、千冬さん空気・・・何とか次は登場させます。