ハッカドール 私たちどこでも誰でも捗らせます! 作:ショックラン
綾のツッコミで全員それなりに冷静になったのでハッカドールについてアレコレ説明を受けていた。
「つまり、ハッカドールは私たちの悩み事とかを解決して捗らせてくれる存在ってことね」
「そうです! さぁ、何でも言ってください。捗らせちゃいますよー!」
1号が胸を張って宣言するのを、ウズウズしながら忍が手を伸ばして1号の髪のトンガリの部分を触る。
「わわっと! いきなりどうしたんですか!?」
「アリスやカレンとはまた違うタイプの良い金髪ですねー」
忍が1号とじゃれつくのをどこか納得のいかない表情をしたアリス。それを2号が陽子を見て説明を目で訴える。
「あぁ、しのは重度の金髪オタクだからなぁ」
「ええ!? 私ってそんなに金髪の子に見境いなく見えますか!?」
心外だと言いたそうな顔をするが、手は1号の髪を撫でるのを止めない。
「いや、今現在の状況を見るとそうとしか見えないんだけど・・・」
陽子の言葉にアリス、カレン、綾がウンウンと頷く。
「いえいえ、いくら私でも金髪の好き嫌いぐらいあるんですよ」
「金髪に好き嫌い?」
「初耳だよぉ」
2号とアリスが首をかしげる。それを見た忍はハッと、慌てた顔をする。
「大丈夫ですよアリス。アリスやカレン、1号ちゃんのように純金髪美少女は別格なので何があっても嫌いになったりしませんので!」
「じゃあ、どんな金髪が嫌い何ですか?」
忍の手からようやく離れられた1号が質問をすると、右手を顎に乗せて少し考える素振りを見せる。
「そうですねー。強いて言うなら『中途半端に黒髪を残した金髪染め』ですかね」
「確かに金髪2黒髪8の人とか街で見かける事もあるわ」
「中途半端って事だと金が取れて微妙に黒髪が戻るのもアウトか?」
綾と陽子の言葉に大きく頷く。
「アレ? でもシノ前に金髪に染めようとしてなかったっけ? ・・・・似合わないから絶対にやらなくてイイけど」
最後の方の言葉は忍に聞こえていないようだ。
「はい言いましたね。でもあの時は、金髪に染める事にたいしてまだまだ覚悟も勉強も不測してました。徐々に金色が抜けて黒に戻ってしまうのは私にとっても不本意です。だから・・・」
少し溜めて語気を強める。
「アリスかカレンの髪を私に移植する案を提案します!」
忍の自信満々の提案を聞いた直後、カレン未だ気絶している3号以外の全員が二歩ほど後ずさる。
「「怖いよ! 突然ホラーな話に〔しないでください〕するなよ!!」
1号は髪をおさえ、陽子は忍を指差して怒鳴る。
「そうですか? 私は色落ちしない金髪を手に入れる。カレンかアリスとは髪を通じて永遠に繋がる。・・・Win–Winです」
先ほど読んでいた参考書を開きWin−Winのページを開き皆に見せる。
「んなわけあるか!!それに・・・」
力強いツッコミをいれる陽子だったが、キュイーンと妙な音が耳に届き言葉を止める。
今まで黙りを決め込んでいた3号が、右手に回転したドリルと左手にハンマーを持ち白衣を着て立っていた。
「じゃあ、帰りたいからさっさとやろう・・・」
「え! ちょ!? ええええ! どうなってるのコレ!?」
よく見ると3号の顔に斜めの縫い跡っぽいシールが貼ってあり隣の2号は黄色い服と赤のオーバオール、四つのリボンを付けて立っていた。アリスは手術台にベルトでぐるぐる巻きに捕まっている。
「うわキツ・・・ってストップストップ! 3号、2号! 何をしてんの!?」
3号を羽交い締めにする1号。
「もう、夜も遅いし帰りたいんだよ〜。これが捗りたい願いでいいじゃん」
「いや、いい訳ないでしょ!?」
「オー、アリス! ショッカーになるデスかー!」
カレンがショッカーポーズをとり、綾が吹き出す。アリスは1号に救出され、忍はヘアカタログを眺め、2号は鏡を見て小さくまだイケると呟いている。
「何だこれ・・・」
あまりにもカオスな状況で陽子は溜め息を吐く。