ハッカドール 私たちどこでも誰でも捗らせます!   作:ショックラン

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黄金色のハッカモザイク3

「だあああっ!! もう何なんだこの無駄な時間は!?」

 

陽子が今現在のカオスな状況にシャウトする。

 

「だいたい、アリスの髪をしのに移植したらアリスが尼さんになるだろ!!」

 

「はっ!」

 

しまったと驚いた顔をする忍。そして、そのままアリスを抱き締める。

 

「ごめんなさいアリス! 私が間違っていました。確かに金髪は欲しいですけど、アリスがハゲになるのは駄目です!!」

 

「 大丈夫だよシノ。私はハゲになったりしないから」

 

「そうデース。ハゲは駄目なのデース」

 

「うんうん。ハゲにならざる心を通して深まる友情、美しイイね」

 

「・・・君たちハゲハゲ連呼するのはやめない?」

 

熱いハゲディスに3号が冷や汗をかきながら苦言を呈する。

 

「それより、本当に捗りたい依頼ってなんなの? 」

 

2号の改まった質問に対して、綾が慌てて教科書を取り出す。

 

「テストテスト! 私たち、しのの家に来たのはテスト勉強をしにきたのよ! もう、明日まで時間もないじゃない!」

 

「え〜よりにもよって勉強〜? 面倒だからアニメ見ようよ〜」

 

テレビのリモコンを取り電源をつけようとする3号だったが、ダメですの一言で綾に主電源ごと切られる。

 

「じゃあ、4話目にして遂に私の最大の特技を披露する時だね!! 【成分分析っ!】」

 

「「「「「成分分析?」」」」」

 

決めポーズを取りながら、五人をじっくり観察する1号を見て忍、アリス、綾、陽子、カレンが首を傾げる。

 

「成分分析は、皆の身長、体重、趣味や能力に苦手科目、隠し事なんかも分析できちゃうのよ」

 

「プライバシーの侵害も甚だしい能力だな!?」

 

2号の説明にツッコミを入れる陽子。そうこうしている内に分析が完了したのか目をシパシパさせながら1号が息をはく。

 

「わかりましたーっ! おもに【英語】がヤバいみたいですね。次点で【数学】」

 

おおーっと五人から感嘆の声がもれる。実際、忍、陽子は英語はまずいし、カレンも微妙に下がってきている。綾、アリスは数学が若干下がってきてるのを見破れて驚いている。

 

「じゃあじゃあ、その分析結果で私が将来通訳者になれるか分かりますかー?」

 

ピシッと表情が固まる1号。だが、すぐに忍の手を握り暖かい笑顔を向ける。

 

「わ、私は未来は不確定な物だと思うんです。ハァイッ!」

 

上ずった声が余計に悲しい。そんな光景である。

 

「と、とにかく赤点だけでも回避しないと!」

 

なんとも言えない空気を察してアリスが口を挟む。

 

「ん〜、でも勉強してると意識が飛ぶのですが〜」

 

「あー分かる分かる! アレ何なんだろうな」

 

「不思議だよね〜。僕も0号の説教が気づいたら終わってたりするし〜」

 

忍と陽子それに3号が勉強あるあるで盛り上がる。

 

「それ知らない内に寝てるだけだよね!? 後、3号は確信犯だよねそれ!」

 

1号がツッコミを入れる中、綾が溜息をついて教科書を置くと、忍と陽子に心配そうな顔をする。

 

「二人共寝てる余裕ないでしょ。こないだも赤点ギリギリだったじゃない」

 

うぐっと声を合わせてヘコむ二人。だが、忍は胸に手を当てながらすぐに立ち上がる。

 

「綾ちゃん私の座右の銘を忘れたのですか。そう! ケセラセラ『なるようななるですよ〜』」

 

「なってないでしょうが!!」

 

机をそれなりに強く叩き、忍の8点と書かれた英語の小テストを握り潰す綾。ちなみに、50点満点です。

しかし、皆このまま一夜漬けをやっても正直どうにもならないだろう・・・と諦めかけた空気になる。

 

「ワタシに良い考えがありマース!」

 

そんな暗い空気を打ち壊す様にカレンが元気よく手を上げる。

 

「おっ、何か良い勉強方でも思いついたのか?」

「何か準備が必要なら私達に言ってくださいねー!」

 

「アヤヤのテストを後ろや横から覗くデース」

 

全員フワフワと想像してみる。綾の横の人は横目にテストを覗き、後ろの人は身を乗り出してテストを上から覗き込む・・・陽子を。

 

「それはダメなんじゃないかしら〜・・・」

「ちょっと待て! 何でイメージ映像が私なんだよ!!」

 

2号が柔らかな口調でダメ出しをし、陽子が全員の悪意ある想像にツッコミを入れる。

 

「あうぅ・・・このままじゃシノがまた赤点とっちゃうよぉ・・・」

 

アリスが震えながら頭を抱える。そんな中で3号が数字の掘られた鉛筆をドヤ顔で皆に見せるが、ちらっと見られただけで、何事もなかったかのように華麗なスルーを全員からくらい、orz状態になる。

 

「こうなったら最終手段しかありません!」

「やん♡」

 

1号が2号の胸に手を突っ込み、インカムを取り出す。

 

「何ですかそれ?」

 

「コレは【超記憶一夜】です」

 

超記憶一夜・・・インカム型の記憶増幅装置。ポンコツ三人が、ロクに依頼内容を覚えず脱線する事が多かった為、0号に持たされた装置。

長期の記憶は不可だが、名の通り一夜漬けの為だけにある装置である。

 

「物は試しです。付けてみてください!」

 

1号が素早く忍の背後にまわり、頭にインカムをセットする。

その瞬間、バリバリっと雷が走ったかのように全身が震える。

心配になったアリスが忍の顔を覗くとかつて見た事ないほどキリッとした顔になり、まるで、東大だろうが何だろうが受かりそうな雰囲気を纏った顔になり、気のせいか絵柄も変わる。

 

((出来る女みたいな顔になってるー!?))

 

綾・陽子が心の中でツッコミを入れる。そんな二人を尻目に忍が単語帳をパラパラっと一読する。

 

「アリスさん。適当に単語問題を出してみてください」

 

「う、うん。じゃあ・・・」

 

アリスもパラパラと単語帳を開く。

 

「activity」 「活動」

「difference」 「違い」

「fact」 「事実」

「truth」 「真実」

 

アリスの出す単語に間髪入れずに日本語で返す忍。普段だったら絶対にありえない光景に三人は感嘆の声をもらす。

 

「・・・ねぇ2号。超記憶一夜(アレ)って僕たち様に造られた道具だけど、人間が使っても平気なのかなぁ〜?」

 

「た、多分大丈夫じゃないかしら?」

 

驚く三人とは別に二人はヒソヒソと不穏な話をしていた。

 

「それ、私も貸してくれよ!」

「ワタシも天才になりたいデース!」

 

「ちゃんと全員分ありますよー!」

 

「私は遠慮しておく・・・」

「シノー! カムバーク! なんか怖いからー!」

 

陽子・カレンがノリノリで装着して、忍同様バリバリと雷に打たれる。途端に二人は、イケメンへと早変わりすると、問題集を超高速で解き始める。

 

「うわーっ! 二人まで絵柄が変わったー!!」

 

あまりの状況の速さについて行けず涙目で叫ぶアリス。

 

「うおー! スゲー! テスト内容が次々と頭に入ってくるぞー!!」

「頭が熱いデース! ハッ! これが、知恵熱っ・・・!」

 

更にペースを上げて問題を解き、教科書を読み込む三人。

 

 

「お二人もどーです?」

 

未だ受け取らない二人に対して、一号は【超記憶一夜】を進める。だが、アリスは首をブンブン横に振り拒否の姿勢を見せ、イケメン化した陽子に見惚れてた綾もハッと意識が戻る。

 

「わ、私も遠慮しておくは・・・」

 

「よぉし!! コイツがあれば、明日のテストは間違いなく満点だぁー! 皆で百点取ろうぜー!!」

 

超記憶一夜を付けた三人は肩を組んで、おぉーっと雄叫びを上げて訳の分からない団結をみせる。

 

「じゃあ、私たちはもう帰るな。ハッカドールありがとなー!」

「また、明日デース!」

「じゃあ、アリス・・・頑張って」

 

未だイケメン状態の忍をチラッと見てから、綾はアリスにエールを送る。

 

「それじゃあ、私たちもお仕事完了ですね」

「そろそろ寝ないとお肌に悪いしね〜」

超記憶一夜(ソレ)、明日になったら自動回収されるから好きにしてイイヨ〜」

 

ハッカドール達もカレンのスマホから帰る準備を始める。

 

「えぇっ!? 皆帰っちゃうの! 待ってぇ! この状態のシノと二人っきりは嫌あああぁぁぁ!!」

 

夜の闇夜にアリスの嘆きが虚しく響いた。

 

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ーーーーー

 

テスト当日

 

「もおっ! 陽子のせいで遅刻寸前じゃない。どうして、朝来ないのよぉ・・・」

 

息を切らせて教室に入った綾は、辺りを見回す。見た感じまだ、カレン、陽子、忍は来ておらず、アリスが死んだ魚のような眼をして着席をしていた。

アリスに話しかけようかと思ったが、烏丸先生が教室に入ってきた為、止める。

 

「皆おはよ〜う。 それとね、最近インフルエンザが流行っててねぇ。このクラスからも三人でてしまいました。皆さん気をつけましょうね」

 

「三人・・・?」

 

綾はもう一度、教室を見回す。昨日一緒に勉強していたアリス以外がいない。この事から想像できる事実は一つ・・・。

 

(インフルエンザになってるー!?)

 

綾がツッコミを入れてる丁度同時刻。ハッカドールの三名も0号の前に並び正座をさせられていた。

 

「・・・で、お前らは道具で楽したと?」

「・・・ハイ」

 

超記憶一夜は確かに便利な道具だ。しかし、ハッカドール用である為、人が使えば記憶に全ステを振ることになり、身体の抵抗力が低下し謎のキャラ変や、テンションの暴走が起こってしまう。

だから、忍達は見事にインフルエンザにかかったのだ。

 

「こんの・・・バカどもがぁ!!」

 

「うわぁ! 二人共逃げはなっ!?」

 

三人は般若のような顔になった0号から逃げようとしたが、長時間の正座でまともに立てなくなっていた。

 

「「「アッー!!!」

 

ちなみに、一夜漬けでしかない記憶は休み明けで行われた別室のテストでは効力を発揮しないばかりか、ソレ頼みだった為三人は華麗に赤点を取りました♡

 

 

 

今回の総合評価・・・大失敗【あと数回大失敗を取れば彼女たちは容赦なくデリートです】

 

 

 

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