平日の昼間、普段は何をしているかと言われると俺は高校生なので当然学校に通っていると答える
俺の通う学校はボーダーと提携している普通校だ、ボーダーと提携している学校は後進学校があるが前世の記憶がある俺としてはそこまで勉強に困ることもないので時間の比較的取りやすい普通校を選んだ
流石に二度目となるとそこまで成績も悪くなく学年でもまぁまぁ上の方に位置している、この伏見の容姿で頭が悪いと目も当てられない
そして殆どの高校生の学校での楽しみとなると放課後か昼休み、ちなみに今は先程四時間目の授業が終わったばかり、すなわち昼休みである
「今井ー、飯食おうぜー」
「あぁ」
「おーい今井ー、後輩呼んでんぞー?」
クラスメートが飯に誘ってきたので適当に返事を返しているとさらに別の所から俺を呼ぶ声が聞こえて来る、廊下に居るのは同じボーダーの隊員でよく俺に模擬戦を挑みその悉くを返り討ちにされているA級3バカの一人、槍バカこと米屋陽介だ
「悪ぃ、飯はまた今度誘ってくれ」
「おう、なんか知らんが仕事がんばれ!」
「授業までに帰って来なかったら適当に言っといてくれ」
「ノートも任せろ!」
かなり良いクラスメートなのだがノートが暗号分みたいに成っているのが欠点か、そのクラスメートに断りを入れ弁当を持ち米屋の下に向かう
「くに先輩、お疲れッス」
「あぁ、何の要だ?」
「ここじゃ何なんで着いて来てくれます?」
「チッ、仕方ねぇな。何処だ」
「あざす! こっちッス」
まぁボーダーに関する事を立ち話するのも良くないので素直……ではないが米屋の案内に従い付いていく
「そういや米屋」
「なんスか?」
「もし熊谷が模擬戦仕掛けて来たら本気で相手してやれ」
「そりゃいいッスけど、熊谷って那須隊の熊谷ッスよね?」
「そうだ、アイツは俺の弟子だからな」
米屋が足を止め振り返ると信じられないと言った目と顔でこちらを見てくる、失礼だなおい
「くに先輩の弟子?」
「だからそう言ってんだろ」
「マジかー、超羨ましいな熊谷。俺もで「断る」…デスヨネー、でもせめて最後まで言わせてくださいよ」
「時間の無駄だ」
「ヒデェ」
頭を垂れる米屋だがそのまま再び歩きだす、しばらく歩くと空き部屋にたどり着いた。ここなら誰かに聞かれるということもないかと思っていると中から人の気配を感じる
「先輩連れて来たぞー」
「悪いな米屋」
「そう思うならなんか奢れ」
「やっぱりお前だったか」
そこに居たのは三輪秀次、大規模侵攻の時に姉の方は手遅れだったが助けて以来罪悪感から気にかけていたら今では俺を兄のように慕ってくるようになった。悪い気はしないのと俺自身家族がいないのでこいつのことは俺も弟のように思っている。周りから見たら三輪は俺の舎弟にしか見えないらしい
「わざわざこんな所まですいません」
「んな事気にする仲じゃねぇだろーが」
「くに先輩と秀次って仲良かったんだな」
「邦彦さんとは四年以来の付き合いだ、良くして貰っている。お前も失礼のないようにしろ」
そいつは手遅れってやつだな、一度米屋含め余りにも勝負しろって煩い奴らを纏めて訓練室に入れて首を撥ねた事が有る
「で、何のようだ?」
「城戸指令からの伝言です、本日中に自分の所に来るようにと」
「要件は?」
「すいませんが、そこまでは」
あの人が俺を呼ぶとは何事だろうか、怒られるような事は心当たりが沢山有りすぎて検討もつかないが今更俺の隊務違反をどうこう言うこともないだろう
わからん事を気にしても仕方ない、ということで昼休みにやることは一つ
「わかった、用がそれだけなら飯にするぞ。二人とも弁当は持ってきてんだろ?」
「はい」
「もちろんッス」
三輪はパンを、米屋は弁当箱を取りだし机に置く、三輪は何処か嬉しそうに俺の席を準備してくれる。俺も久しぶりの弟分との昼食に口元を緩めその光景を眺めていた