ブランを愛でたい!!だけのおはなし   作:むーたいりく

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気付けばクリスマスどころか新年も明け、久しぶりの投稿となりましたw

遅くなりましたが今年もお願い致します。




眠れない夜は・・・

「おねぇちゃん、これ読んで」

 

ベッドの明かりのみに照らされ薄く明るい部屋に子どもらしい声が響く

 

「ええ」

 

ロムから渡された本を私は二人に読み聞かせる

 

ブランは両側を妹達にはさまれ共にベッドへと入っている。ブランは二人に子守唄代わりの絵本を読んでいる訳だ

 

一見したらありふれた仲のいい姉妹の光景かもしれない。しかしこの光景も少し前だったら実行する事も難しかった

 

理由は簡単。ここルウィーを治める女神としての仕事が忙しかったからだ

 

特段、ルウィーの仕事が多いという訳ではない。ただ他の三国に比べ人員が不足してると言った方がいいだろう

 

ゲイムギョウカイに存在する四国のうちリーンボックス以外の国には女神の他に女神候補生がいる

 

女神にとって代わるほどの存在という訳にはいかないが女神候補生のバックアップというのは各国にとって今や不可欠なものになっているといっても過言ではない。とはいえロムやラムに重大な責任の伴う仕事を任せる事は出来ない

 

もちろんベールのように女神候補生なしでも立派に治める事もできなくはないが、あれはベールが人を掴む点や決断力等が並外れているからだ。正直あれで女神候補生まで付いていたらリーンボックスに勝てる国は無かったんじゃないかと思う

 

その分を教会職員で埋めればいいじゃないかと思うかもしれないが女神候補生には一般職員と異なった能力や権利が存在する為、女神候補生の代わりという職員を探すという事は新たな教祖を・・・いや、それ以上の逸材を探すことを意味している

 

今考えれば、このぎりぎりな運営がシェアを奪われる標的にされた理由なのかもしれない

 

そんな理由でブランは各国の女神達よりかは多忙であり、妹たちに割く時間があまり取れないでいた

 

でもそんな時転機が訪れた。細氷ハクの就任だ

 

ハクの能力は一般職員の時からひとつ飛びぬけていた

 

教祖にも追いつき、追い抜かんとするその手腕もすごいが何よりハクには女神という存在の存在意義が一番よくわかっている。正に女神候補生の代役にふさわしかった

 

私の秘書に就任したあいつは私たちの暮らしを変えた。単純に私の負担が減ったというのもあるがそれだけにはとどまらない、私やミナの仕事少したつころには教会全体の仕事効率が向上しているように感じる事が出来る

 

あいつに支えられていると思うと少々、癪だが本心では分かっている。彼への感謝はもはや感謝状どころの話ではない、それ以上のものだ

 

「―――。ってもう寝てるのね」

 

本を読み終わった頃には既に二人は夢へと旅立っていた

 

子守歌代わりに本を読むというのは聞き手はいいが読み手は案外目が冴えてしまう

 

ベット横の机に置いてある時計を見ればその時刻はいよいよ深夜という時間帯に突入しようとしていた

 

「・・・んしょ」

 

このまま自室へと戻り、無理やり眠ってしまおうかとも考えたがおそらく上手くいかないであろう事は分かっていた為、一度ダイニングで落ち着いてからにしようと思いベットから静かに立ち去る

 

「・・・おやすみなさい」

 

ブランは音をなるべく立てないようにドアを閉めながらそう呟いた

 

それからダイニングへと向かい電気をつける。それからホットミルクをつくり椅子に腰かける

 

「ふぅ・・・」

 

さすがに時間が時間だけあってだれとも会わなかった事に当然だといいながら頭のどこか寂しさを感じている自分が居た。この一年ちょっとで色々な事があり過ぎて頭では理解しているつもりでもどこかついていけていない。そんな事をふと思い出す事がたまにあった

 

長い間、敵対関係だったこの四国が当時では考えられないほどに今では友好関係を築いている。ここまで来る道のりは正に綱渡り、一歩でも踏み外せば奈落の底へと真っ逆さま・・・そんな緊張の中にいた事を思すと今でも実はまだ綱渡りの最中なんではないのかと急な不安に襲われる事があるのだ

 

ブランの頬には自分でも気付かないうちに一筋の涙が通っていた・・・

 

 

「はぁ~、疲れたー」

 

明かりが消え、真っ暗となった廊下にハクが疲れた様子で歩いていた

 

仕事が思いのほか長引いてしまい、帰って来てからお風呂から出てくるときにはもうすぐ日付が変わりそうな時間だった

 

もし子どもだったらまさしくトイレに行けなくなる廊下だがさすがにこの年になってまで言ってては笑い話にもならない

 

(べ、別に怖いのをごまかすために無理やりしゃべってる訳ではないからな!!)

 

一体誰に向けての牽制なのだろうか・・・

 

こんなコントを脳内で行いながら自室へと向かっていた

 

「ん?」

 

その途中、長い廊下の一部からわずかに明るいのに気付く

 

「・・・誰かいるのか?」

 

セキュリティは万全ではあるものの万が一を考え、足音を抑え明かりのついている部屋へと近づいていく

 

「ブラン・・・?」

 

「え・・・」

 

そこには一人でテーブルに腰掛けているブランだった

 

「どうしたんだ!?」

 

ハクはブランの元へ駆けよる

 

真っ暗の中長い廊下を歩いて来ていたハクの目であれば多少暗い中でもブランの頬に涙の痕があった事を見つけるのは容易だった

 

「ハク・・・」

 

「なんかあったのか?」

 

ブランはハクの問いに首を振って否定する

 

何も無くに涙を流す訳がない、だが本人が何もないという。一体どうしたものかと思い、取りあえずブランの隣に座った

 

ハクが座った所でブランが口を開いた

 

「ねぇ、この世界は平和になったと言えるのかしら・・・」

 

「・・・平和か」

 

平和という言葉はハクの心に深く響いた

 

4カ国の協力体制がようやく敷かれた今、昔と比べたらずいぶんと平和になった。だがもちろん全ての争いが消えたわけではない

 

「何が平和なのか、それがわからない・・・」

 

これはブランの叫びだった。自分の感情を押し殺し、ひたすら国のため働く普段のブランでは見せない本当の姿だった

 

ブランはすがるような目でハクを見つめる。自分のたどり着く先はどこなのか、いつたどり着けるのか・・・その答えを求めている

 

ハクもそれは分かっていた。ここでハクが答えを与えるのは簡単だ、嘘でも誠でもいい何かしらの答えを説けばいい・・・

 

・・・・・・でも

 

淡い光に照らされた部屋の中でハクは無言のまま、ブランを抱きしめた

 

「!!」

 

突然の事にブランは驚き、顔を赤面させる

 

「・・・ごめん、それは俺にも分からない」

 

「・・・」

 

「俺も何が平和でどうすれば平和って言えるのか、それは分からない。でもこれだけは言える事がある」

 

「え?」

 

ハクもブランには正直でいたいと思っている。だからこそありもしない言葉で励ます事はしたくなかった。だが言えることはあった

 

「俺たちは必ず平和に向かっている」

 

「平和に・・・向かってる?」

 

「あぁ、今が平和かは分からないだけど俺たちのしてる事は平和への道であることは確かだ」

 

「でも、それじゃいつまでたっても・・・」

 

「近道だけが道じゃない。遠回りして周りをじっくり見たり、時には立ち止まって今まで歩いて来た道を見返すのも必要だ。そうだろ?」

 

ハクは抱きしめていた腕を緩めブランの顔をしっかりとみる。顔を紅くしているブランに対し、ハクはいつも通りのいらずらっぽい笑顔を浮かべていた

 

 

それからブランとハクは今までの事をちょっと話していた。先ほどのハクの言葉を借りるのなら『立ち止まって今までの道を見返す』ことをしていた

 

特別な事をしている訳ではない、だがハクとの会話は先ほどまでの凍りついた心を溶かしていった

 

「ふぁ~、もうこんな時間か」

 

ハクはあくびをすると部屋の時計を見てそう呟く

 

ブランも時計を見ると日付は既に変わり、針は午前3時を指している

 

「そろそろ、寝るか」

 

「そ、そうね・・・」

 

まだ一緒にいたいという気持ちに揺さぶられるがさすがにこれ以上は明日(既に今日だが)に影響を及ぼすと考え、ハクに同意の言葉を述べる

 

するとブランのわずかな表情の変化を見破ったのかハクが口を開いた

 

「それとも俺も一緒に寝てやろうか?」

 

ハクはにやにやとした表情を浮かべている

 

何の事はない、いつものからかいだ。ブランはわずかに赤面する、だがやられっぱなしではいられないのだ

 

「そ、そうしてもらおうかしら?」

 

虚を突かれたハクは驚いており反撃の意味では大成功なのだが・・・

 

(なにいってんだぁ!!)

 

これはとんでもない自爆特攻だったらしい

 

先ほどとは比べ物にならない程に顔が熱を帯びる、もし自分の顔を見れたらすごい事になっていそうだ

 

「いま・・・・・な、なんて?」

 

「なんでもねぇ!なんもいってねえから!!」

 

ブランは首が取れるんじゃないかというほどにふる、あまりの恥ずかしさに素の口調に戻っているがそんな事を気にしている余裕などある訳がない

 

「そ、そう。まぁ取りあえず寝よう」

 

「そうね!寝ましょう」

 

そう言って二人はベッドへと向かう為、部屋の出口へと向かう。もちろん自分のベッドに・・・

 

出口をでてそれぞれの自室へと別れる

 

「じゃあ、おやすみ」

 

「ええ、おやすみなさい」

 

「あ、ブラン?」

 

就寝のあいさつをし、自室へと歩みを進めようとした時、名前を呼ばれハクの方に振り向く

 

「あんまりそう言う事言ってると・・・・何するかわかんねぇぞ?」

 

「なっ・・・」

 

「じゃ、おやすみ~」

 

ハクはそれだけ言うと満足したように手をひらひらと振り、自室へと戻って行った

 

 

次の日の朝、ブランにははっきりとした隈ができていたのはまた別のお話・・・・

 




正直やり過ぎた気がする。反省はしている、後悔はしていない(キリッ

それと少ないけど主人公視点を入れられてちょっと嬉しい(笑)

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