今年も宜しくお願いします♪
息抜きに新作投稿して自らの首を絞める駄作者ですが、何卒宜しくお願い致します!(なんか語彙がおかしいような…)
「色々ありましたが、白夜叉様」
「ん?何かの?」
「皆さんのギフト鑑定をお願いしたいのでございますよ!」
「―――――………は?」
白夜叉は一瞬固まり、ゲッと気まずそうな顔をした。
「よ、よりにもよってギフト鑑定か。専門外どころか無関係もいいところなのだがの」
困ったように白髪を掻き上げ、着物の裾を引き摺りながら四人の顔を両手で包んで見つめる。
「どれどれ………ふむふむ………うむ、決闘であらかたギフトを見せてくれたルシファーならば兎も角。他の三人も素養が高いのは分かるが、これではなんとも言えんな。おんしらは自分のギフトの力をどの程度に把握している?」
「企業秘密」
「右に同じ」
「以下同文」
「断固拒否」
「うおおおおい?いやまあ、仮にも対戦相手だったものにギフトを教えるのが怖いのは分かる。ルシファーに至っては〝決闘〟で殺し合った仲だしの。だがそれじゃ話が進まんだろうに」
「別に鑑定なんていらねえよ。人に値札貼られるのは趣味じゃない」
ハッキリと拒絶するような声音の十六夜と、同意するように頷く三人。
困ったように頭を掻く白夜叉は、突如妙案が浮かんだとばかりにニヤリと笑った。
「ふむ。何にせよ〝
白夜叉がパンパンと柏手を打つ。すると四人の眼前に光り輝く四枚のカードが現れる。
カードにはそれぞれの名前と、体に宿るギフトを表すネームが記されていた。
コバルトブルーのカードに逆廻十六夜・ギフトネーム〝
ダークゴールドのカードにプライダ・S・ルシファー・ギフトネーム〝闇司りし魔神〟〝金星の悪魔〟〝全能なる魔法使い〟〝
ワインレッドのカードに久遠飛鳥・ギフトネーム〝威光〟〝????〟〝????〟
パールエメラルドのカードに春日部耀・ギフトネーム〝
それぞれの名とギフトが記されたカードを受け取る。
黒ウサギとジンは驚いたような、興奮したような顔で四人のカードを覗き込んだ。
「「ギフトカード!」」
「お中元?」
「お歳暮?」
「お年玉?」
「魔法紙片?」
「ち、違います!というかなんで皆さんそんなに息が合ってるのです!?このギフトカードは顕現しているギフトを収納できる超高価なカードですよ!耀さんの〝生命の目録〟だって収納可能で、それも好きな時に顕現できるのですよ!」
「つまり素敵アイテムってことでオッケーか?」
「だからなんで適当に聞き流すんですか!あーもうそうです、超素敵アイテムなんです!」
黒ウサギに叱られながら四人はそれぞれのカードを物珍しそうに見つめる。ジンは苦笑いを浮かべた。
「我らの双女神の紋のように、本来はコミュニティの名と旗印も記されるのだが、おんしらは〝ノーネーム〟だからの。少々味気ない絵になっているが、文句は黒ウサギに言ってくれ」
「ふぅん………もしかして水樹って奴も収納できるのか?」
何気なく水樹にカードを向ける。すると水樹は光の粒子となってカードの中に呑み込まれた。
見ると十六夜のカードは溢れるほどの水を生み出す樹の絵が差し込まれ、ギフト欄の〝????〟の下に〝水樹〟の名前が並んでいる。
「おお?これ面白いな。もしかしてこのまま水を出せるのか?」
「出せるとも。試すか?」
「だ、駄目です!水の無駄遣い反対!その水はコミュニティのために使ってください!」
「チッ。まあ、黒ウサギが駄目っつうなら仕方がねえな。試してみたかったが諦めるとするか」
「え?」と素直に言うことを聞いた十六夜に驚く黒ウサギ。 十六夜が黒ウサギを見つめると、彼女は少し頬を赤らめて嬉しそうに笑った。
そんないい雰囲気の二人を白夜叉はニヤニヤと見つめた。
「そのギフトカードは、正式名称を〝ラプラスの紙片〟、即ち全知の一端だ。そこに刻まれるギフトネームとはおんしらの魂と繋がった〝
「へえ?じゃあ俺のはレアケースなわけだ?」
「ん?」と白夜叉が十六夜のギフトカードを覗き込む。そこには確かに〝正体不明〟の文字が刻まれている。ヤハハと笑う十六夜とは対照的に、白夜叉の表情の変化は劇的だった。
「………いや、そんな馬鹿な」
パシッと白夜叉はすぐさま顔色を変えてギフトカードを取り上げる。真剣な眼差しでギフトカードを見る白夜叉は、不可解とばかりに呟く。
「〝正体不明〟だと………?いいやありえん、全知である〝ラプラスの紙片〟がエラーを起こすはずなど」
「何にせよ、鑑定は出来なかったってことだろ。俺的にはこの方がありがたいさ」
パシッとギフトカードを白夜叉から取り上げる。だが白夜叉は納得できないように怪訝な瞳で十六夜を睨む。
すると、ルシファーのギフトカードを覗いていた飛鳥が白夜叉に言う。
「あら?〝正体不明〟ならルシファーさんのギフトカードにも記されているわよ白夜叉」
「何だと?」
白夜叉はルシファーのギフトカードを取り上げる。そこには十六夜と同様に〝正体不明〟の文字が刻まれていた。
「よもやルシファーまで〝正体不明〟を宿しておるとはな………それに〝闇司りし魔神〟か。操るのではなく闇そのものを司っているとは堕天使の域を超えておるな。
〝金星の悪魔〟………恐らくコレが光速で移動できた力か。まさか星霊化を可能にするギフトか?
〝全能なる魔法使い〟………もはや何でもありなギフトだの。―――正確には何でもありとはいかぬがな。
〝傲慢〟………コレに至ってはどのような効果をもたらすか私には分からないのう。それとも性格を示すギフトか?
〝堕天使〟はよしとして〝白夜の首輪〟は―――うむ。しっかりと私の永久隷属者として記されているの。………ほれ、返すぞ」
「さりげなく私のギフトを暴露しないでくれるかしら白夜叉!?………悔しいけど、本当に私は貴女に永久隷属させられてるのね………はぁ、憂鬱だわ」
深い溜め息を吐いてガクリと肩を落とすルシファー。彼女の小首にはいつの間にか真っ白いチョーカーがつけられている。白夜叉はその首輪を見つめてフフン、と自慢げに鼻を鳴らして笑う。
「おんしがラストスパートをかけるのが早すぎたから悪いのだよ。私の力の全てを見極めた後にアレは撃つべきだったな?」
「ええ、そうね。全くもってその通りだわ………。それで、私は貴女に永久隷属ってことだから〝サウザンドアイズ〟に入れさせられるのかしら?」
「いいや。私は器の広い美少女だからの。〝ノーネーム〟から引き抜く真似はせんよ。ただし、私の言うことは何でも聞いてもらうがのう」
「………そう。前者はありがとう白夜叉。後者は―――お手柔らかに頼むわ………」
ニコォリと邪悪な笑みを浮かべる白夜叉を見て、ルシファーは自分の身の危機を感じ取って数歩後ろに下がった。
一方、十六夜はふと自分のギフトカードに記されている〝????〟が気になって白夜叉に尋ねた。
「なあ白夜叉。このはてなマークが刻まれているギフトネームってのはなんだ?これも正体不明みたいなものか?」
「ん?いや、これは恐らくおんしがまだ使ったことのないギフトだからであろうな。正体不明ならばはてなマークではなく〝正体不明〟と記されるだろうしの」
「それもそうか。………はてなマークのギフトねえ………面白そうじゃねえか。なあ?お嬢様に春日部?」
「そうね。一体どんなギフトなのか解放されたときが楽しみね」
「うん。楽しみだね」
十六夜の言葉に賛同する飛鳥と耀。どうやら彼女達にもはてなマークが刻まれているギフトを所持しているようだ。
白夜叉は感心そうに三人を見つめていた。
だがこの時、十六夜・飛鳥・耀だけでなく、黒ウサギとジンのギフトカードにもはてなマークが刻まれているギフトが出現していたことに、気づいたものはいなかった。
―――――――――――――――
七人と一匹は暖簾の下げられた店前に移動し、耀達は一礼した。
「今日はありがとう。また遊んでくれると嬉しい」
「あら、駄目よ春日部さん。次に挑戦するときは対等の条件で挑むのだもの」
「ああ。吐いた唾を飲み込むなんて、格好つかねえからな。次は渾身の大舞台で挑むぜ」
「あなた達、私と白夜叉の闘いを観といてそれが言えるとかどんだけタフなのよ………」
「あはは………」
飛鳥と十六夜の言葉に溜め息を吐くルシファー。苦笑するジン。
白夜叉は飛鳥と十六夜を見て感心して笑う。
「ふふ、よかろう。楽しみにしておけ。………ところで」
スッと白夜叉は真剣な顔で黒ウサギ達を見る。
「今さらだが、一つだけ聞かせてくれ。おんしらは自分達のコミュニティがどういう状況にあるか、よく理解しているか?」
「ああ、名前とか旗の話か?それなら聞いたぜ」
「ならそれを取り戻すために、〝魔王〟と戦わねばならんことも?」
「聞いてるわよ」
「………では、おんしらは全てを承知の上で黒ウサギのコミュニティに加入するのだな?」
黒ウサギとジンはドキリとした顔で視線を逸らす。飛鳥は笑みを浮かべて答えた。
「そうよ。打倒魔王なんてカッコいいじゃない」
「〝カッコいい〟で済む話ではないのだがの………全く、若さゆえのものなのか。無謀というか、勇敢というか。まあ、魔王がどういうものかはコミュニティに帰ればわかるだろ。それでも魔王と戦う事を望むというなら止めんが………そこの娘二人。おんしらは確実に死ぬぞ」
予言するように断言する。飛鳥と耀は一瞬だけ言い返そうと言葉を探したが、白夜叉の助言は物を言わさぬ威圧感があった。
「魔王の前に様々なギフトゲームに挑んで力をつけろ。小僧とルシファーはともかく、おんしら二人の力では魔王のゲームを生き残れん。嵐に巻き込まれた虫が無様に弄ばれて死ぬ様は、いつ見ても悲しいものだ」
「………ご忠告ありがと。肝に銘じておくわ。次は貴女の本気のゲームに挑みに行くから、覚悟しておきなさい」
「ふふ、望むところだ。私は3345外門に本拠を構えておる。いつでも遊びに来い。………ただし、黒ウサギをチップに賭けてもらうがの」
「嫌です!」
黒ウサギは即答で返す。白夜叉は拗ねたように唇を尖らせた。
「つれないことを言うなよぅ。私のコミュニティに所属すれば生涯を遊んで暮らせると保証するぞ?三食首輪つきの個室も用意するし」
「三食首輪つきってソレもう明らかにペット扱いですから!」
怒る黒ウサギ。笑う白夜叉。すると十六夜がニヤリと笑って、
「首輪ウサギになります」
「なりませんっ!!悪乗りしないでくださいお馬鹿様!!!」
スパァアン!と黒ウサギはハリセン一閃。十六夜はヤハハと笑う。
白夜叉は「あっ」と思い出したようにルシファーを見て黒ウサギ達に言った。
「ルシファーは私に永久隷属している身だからの。〝サウザンドアイズ〟に入りたい際はその子をパス替わりに連れてくれば無償で入れてやるからな」
「ちょっと待ちなさいよ白夜叉!?私を入場券みたいな扱いにしないでくれるかしら!?」
「「「うん、わかったよ白夜叉」」」
「アンタら本当に後で覚えときなさいよこの腐れ人間共ぉおおおおおおおおおっ!!!」
ルシファーの恨みの籠った絶叫が〝サウザンドアイズ〟支店に響き渡るのだった。
〝ノーネーム〟一同が帰って行ったのを見届けた白夜叉は、振り返って金髪の少女に笑いかける。
「ルシファーは行ってしまったよ。会わなくてよかったのか?」
「ええ。あの子に合わせる顔なんて、私にはないからいいよ」
金の長髪を靡かせながら白夜叉の元へ歩み寄る黒いワンピースを着た金の瞳を持つ少女。白夜叉はスッと目を細めてもう一度聞き直す。
「本当によいのか?おんしはルシファーを―――自分の妹の召喚を頼んだ張本人なのだろう?………ミカエルよ」
「………そうだね。あの子を―――妹をこの箱庭に引き摺り込んだのは他でもないこの私。だからかな………申し訳なさがあるんだよ」
「そうか。だが、ルシファーを見る限り楽しそうにやっているように見えるぞ?むしろ箱庭に来れたことをこの上なく嬉しそうに思っていると、私は思うな」
「………そうだといいんだけどねえ。あの子は私以上の人間嫌いだから、上手くやっていけるか心配かな」
ミカエルと呼ばれた金髪の少女は心配そうな顔でルシファー達が歩いていった方角を見つめる。
すると白夜叉が小首を傾げて問いただす。
「………そういえばミカエルよ。おんしらは天使ないし堕天使なのだろう?何故人間が嫌いなのだ」
「……………何?私達の家庭事情が知りたいと?ふふ、残念だけど貴女に話すことは何一つないよ。というか触れないでくれる?」
「………っ!!?」
白夜叉はミカエルの穏やかな雰囲気が一変し、それ以上詮索するものならば殺すみたいな鋭い視線で睨みつけてきたことにゾッする。
よほど触れて欲しくない闇が広がっている過去なのだろう。白夜叉は知りたい衝動を押し殺してミカエルを見つめた。
「すまんのう。興味深かったからつい気になってな。おんしらが触れて欲しくない部分ならやめにするよ」
「そう。それならいいけど………白夜叉」
「何かの?」
「妹を永久隷属してくれたようだけど、余り舐めた真似はしないでね?もし変なことしたら―――殺すから」
「―――――ッ!!!?」
ミカエルが放った凄まじい殺気に、白夜叉は戦慄した。本当に目の前にいる少女は、妹に手を出せば殺しにくるかもしれない、そんな悪寒が走った。
白夜叉はコホン、と咳払いをして〝サウザンドアイズ〟支店にミカエルを招き入れる。
「まあいい。そんなに妹が心配なら引き続き我らのコミュニティに滞在するがよいぞミカエル」
「ええ。そうさせてもらうね、白夜叉」
笑みを浮かべたミカエルは、白夜叉と共に〝サウザンドアイズ〟支店の中に入っていくのだった。
早すぎたルシファーの姉ミカエル登場………。
ミカエルの性格ですが、妹過保護で基本は穏やか。怒らせると某神を正座させて説教させるほど恐ろしいとか(遠い目)
彼女はシスコンではないと言い張るが、傍から見ればシスコンにしか見えないとか。その妹も元・シスコンだったりするが。現在もシスコン疑惑が発覚しているのだが、ツンデレなため姉にも素っ気ない態度を取ってしまうとかなんとか。
十六夜達のはてなギフトはデアラの天使名が入りますが、リメイク前とは扱える天使がシャッフルされてますので以前の知識は忘却の彼方へと葬り去ってくださいな!