あと、十六夜の使用する天使が明かされます。
『ギフトゲーム名〝魔神と星霊と人類と〟
・プレイヤー一覧
逆廻 十六夜
黒ウサギ
プライダ・S・ルシファー
久遠 飛鳥
春日部 耀
・〝ノーネーム〟ゲームマスター ジン=ラッセル
・〝ペルセウス〟ゲームマスター ルイオス=ペルセウス
・〝 〟ゲームマスター グラトニー・G・ベルゼブブ
・クリア条件
以下のホスト側のプレイヤーを打倒してください。
*ルイオス=ペルセウス
*魔神 グラトニー・G・ベルゼブブ
*魔神 ネクロ・D・アスタロト
*魔神 ラース・I・サタン
・敗北条件
プレイヤー側が全員戦闘不能になった場合。
プレイヤー側のゲームマスターによる降伏。
プレイヤー側が上記の勝利条件を満たせなくなった場合。
・審判者
天使 ミカエル
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、〝ノーネーム〟はギフトゲームに参加します。
〝ペルセウス〟印
〝 〟印』
「へえ………魔神様とも戦えるように組み込んでやがるな。面白そうじゃねえか!」
「黒ウサギもプレイヤー扱いに………ですがアスタロトさんと決着を着ける絶好の機会です―――!」
十六夜はヤハハと笑い、ベルゼブブに感謝した。
黒ウサギもアスタロトと決着を着けるべく気合いを入れていた。
「………え?ミカエルお姉ちゃんが審判役!?」
「あら、よかったわねルシファーさん。彼女ならば公平に審判してくれそうですもの」
「うん!」
ミカエルが審判と知り、胸を躍らせるルシファー。
その様子を苦笑しながら見つめ、彼女の頭を撫でる飛鳥。
「魔神が三人も………!気を引き締めて行きませんと足下を掬われてしまいますからね―――ッ!」
「うん。でもルシファーから魔神の弱点は教えてもらったから大丈夫」
ジンが不安を口にすると、耀が大丈夫と励ました。
飛鳥は〝
「それで、誰がどの敵を打倒するの?」
「ああ。俺はベルゼブブだな。アイツとは本気でやりあいたいと思ってたところだ」
「黒ウサギも、アスタロトさんとやらせてください!前回の勝利は偶然でしたので、勝利を確実なものにしたいのです!」
「そう。じゃあ春日部さんは?」
「うーん?私はジンと共にルイオスの相手でいいかな。サタンは飛鳥とルシファーに任せる」
「分かったわ。十六夜君がベルゼブブさんを。黒ウサギがアスタロトさんを。春日部さんとジン君がルイオスさんを。それで私とルシファーさんがサタンさんの相手をする―――でいいわね?」
飛鳥が確認を取ると、一同は頷いた。
今回の決闘は、どれもが難易度MAXの戦いになるだろう。
ベルゼブブは魔法は兎も角、格闘が最強の魔神だ。彼の相手は魔法使いのルシファーでは分が悪いため、十六夜が適任だった。
アスタロトは格闘は兎も角、魔法に長けており、尚且つ特殊な瞳を持つ最強の魔神だ。彼女の相手は情報収集に長けたウサ耳を持つ黒ウサギが適任だった。
サタンはルシファーの化身であるため、ルシファーの助力が必須だ。あとは彼女と仲のいい飛鳥がタッグを組んだ方がいいという結論だった。
ルイオスは格闘は兎も角、強力な武具を保持している可能性が高い。飛鳥の威光は通用しないだろうから機動力のいい耀が適任だった。
結果、こういう組合わせでこのギフトゲーム攻略に向けて一同は動き出す。
―――――――――――――――――――――
―――同刻。ベルゼブブ達はミカエルと接触して話していた。
「………まさかお前が生きていたとはな―――ミカエル」
「ふふ、私は可愛い妹を置いて死ねないよ。貴方だって愛しのアスタロトを失いたくないだろう?」
「あァ、否定はしねェ!」
カッと瞳を光らせて答えるベルゼブブ。
苦笑いを浮かべるアスタロト。
ルイオスはケラケラと笑ってベルゼブブを見る。
「あっはははは!………さて、そろそろ〝名無し〟が動く時間だよ。よろしく頼んだよ」
「おう。行くぞお前らァ!」
「はい!」
「ああ」
ベルゼブブの号令の下、アスタロトとサタンは彼に続いてこの最上階から降りていった。
ミカエルはふふ、と微笑を零した後、純白の翼を広げて上空へと舞う。
ルイオスはそれを確認すると、口元をにやけさせて告げるのだった。
「―――さあ。君らの実力、見せてもらうよ」
―――――――――――――――――――――
門を突入したルシファー達の前に早速現れたのは、燻んだ深緑の髪の男・ベルゼブブと、紫の長髪の幼い少女・アスタロトだった。
「よォ小僧ォ!遊びに来たから感謝しやがれェ!!」
「ヤッハハ!待ってたぜ魔神様ッ!!」
強襲したベルゼブブの拳を嬉々として受け止めて笑う十六夜。
そしてもう一人の襲撃者、アスタロトは黒い翼を折り畳んで地上に足を着けた瞬間―――一階層は紫色の氷で支配された。
「ふふ、第二ラウンドと行きましょうか、黒ウサギさん」
「―――!YES。では皆様。後はよろしく頼んだのですよ!」
黒ウサギは〝
十六夜と黒ウサギが彼らの相手をしている間にルシファー達は二階層へと駆け上がる。
そして二階層を駆け抜けるルシファー達に向かって闇色の光線が一直線に放たれた。
「………ッ!」
ルシファーは咄嗟に暗黒色の魔法壁を展開してそれを防ぐ。が、次の瞬間―――超高速で接近してきたサタンは漆黒の大剣を振りかざしてきた。ルシファーは瞬時に顕現させた暗黒の大剣でそれを受け止めた。
「サタン………!」
「我の相手を貴女がしてくれるのか、我らが主よ」
漆黒の大剣を振るうサタン。ルシファーは暗黒の大剣でそれに応える。
そこへ、飛鳥が歩み寄りサタンを睨みつけた。
「あら、貴女の相手はルシファーさんだけではないわ。私もいるもの」
「………ふん。雑魚が我らが主の足手まといにしかならんというのに愚かな」
「飛鳥お姉ちゃんを悪く言わないで!」
「は?」
ルシファーの思わぬ発言に驚くサタン。
飛鳥は頬を赤らめてポリポリと掻いた。
「ルシファーさんは本当にいい子ね♪」
「あ、飛鳥お姉ちゃん!擽ったいよ………!」
背後から抱きついてきた飛鳥に、擽ったそうに身を捩るルシファー。
イチャつく二人にイライラを募らせたサタンは激昂した。
「ええい!イチャつくな貴様らああああああああああ!!!」
どす黒い怒りのオーラと共に力を増大させたサタンは、ルシファーを徐々に押し込んでいく。
ルシファーは驚くが、力を籠めて押し戻す。このまま油断していたら危なかった。
切り結ぶサタンとルシファーを見た耀とジンは先を急ぎ、最上階へと駆け上がった。
そして最上階には、ルイオスが待ち構えていた。
「やあ、〝名無し〟の諸君!待っていたよ。君らが僕の相手かな?」
「うん。だけどジンは戦力にならないかな」
「ちょ、それは酷くないですか耀さん!?」
容赦ない耀の言葉が胸に深々と突き刺さりガクリと肩を落とすジン。
だがこれはジンに危険な目に遭わせないためにわざと言っていることだった。
耀はジンを庇うように前に出ると、ルイオスはスッと瞳を細めて笑った。
「さて、君の相手は僕なんだけど―――その前に、」
「………?」
ルイオスが背後に目をやると―――そこからは幼い少女が姿を現した。
黒の長髪に紅い瞳、黒いエプロンドレスと純白のニーハイソックスが特徴的な幼い少女―――アルゴールが。
ルイオスは彼女の肩を持つと、耀達に紹介した。
「紹介するよ。彼女は僕ら〝ペルセウス〟に隷属している魔王アルゴールだ」
「………は、初めまして皆様!私はアルゴールと申します。よろしくお願いいたします―――!」
「「―――………は?」」
思わず素っ頓狂な声を上げる耀とジン。
まあ、ルイオスが魔王と言った割りには幼く愛らしい容姿の少女なのだからそうなるのは仕方がないことだろう。
その反応にルイオスも思い当たる節があるのか苦笑いを浮かべた。
「(強化してくれたのは嬉しかったが………まさか、魔法で時を巻き戻しすぎて星霊に覚醒して間もない、無垢な少女が現れた時には僕もびっくらこいたけどね)」
そう。それがこの結果である。
この箱庭に於いて、全能は行使できない。そのため狙った時間まで巻き戻せず、星霊に覚醒して間もない無垢な少女に変わり果ててしまったのだ。
さらに、この箱庭は改変も容易に行えないため、彼女を元に戻せず半星霊の少女としてその存在は固定された。
「(とはいえ、〝名無し〟相手に半星霊は十分すぎてお釣りがくるほどの実力だ。僕の出番はなしかな)」
ルイオスはそう結論を出すと、幼女アルゴールに指示を出す。
「よし。じゃあアルゴール。君の実力を〝名無し〟の諸君に見せつけろ」
「………!は、はい!慎んでお受けいたします、ルイオス様!」
ペコリとルイオスに挨拶をすると、数歩前に出て耀達に開戦の宣言を行うのだった。
「そ、それでは皆様………よろしくお願いいたします!では―――参ります!!」
―――――――――――――――――――――
戦闘開始から数分が経過した。現時点では十六夜とベルゼブブは互角の攻防を繰り広げていたのだが、徐々に十六夜が押され気味になり少しばかりか焦りを感じていた。
「(………ッ!ヤバイな。流石は格闘で
そう。十六夜は山河を砕く膂力を持っているものの、技量はベルゼブブの方が格上だ。
加えて十六夜の力とは互角以上の剛力を振るってくるものだから、彼の戦況は芳しくない。
「(マジでやべえ………このまま殴り合っててもいつかやられる!何か、いい案はないか―――!?)」
十六夜は瞬時に最善策はないか思考を張り巡らせる。
力でも、技量でも、この魔神には厳しくなってきた状況を覆せる、強大な力はないのか―――と。
そんな彼の脳内に、少女の声が響き渡った。
『なら、私を使いなさい―――逆廻十六夜』
「(………あん?誰だオマエ。つか何処に居やがる!)」
十六夜は少女の声に問いかける。
少女はそれについて答えた。
『私は五河琴里よ。何処に居るも何も………あなたと魂を同化させちゃってるから姿を見せることは出来ないわ』
「(へえ………俺といつの間にか同化してたのか。それじゃあ俺のギフトカードに刻まれているはてなマークが付いたギフトネームはオマエって事だな?)」
『あら、中々鋭いじゃない。そうよ。今ならあなたのギフトカードに私の名前が刻まれているはずよ』
「(………そうかい)」
琴里と名乗る少女の声に応えるべく、十六夜は一旦ベルゼブブから距離を置き、自分のコバルトブルーのギフトカードを取り出して確認する。
ギフトカード・コバルトブルー
逆廻十六夜
ギフトネーム
〝
〝五河琴里〟
確かに琴里と名乗る少女のフルネームが十六夜のギフトカードに刻まれていた。
「(あったな、オマエの名前)」
『でしょ?それで、どうするの十六夜。このままじゃあなた―――負けるわよ』
「(ストレートな敗北宣告ありがとよ。だがオマエを使うってのはどういう意味だ?)」
『そのままの意味よ。今の私は十六夜、あなたと同化してるの。だから私を使えばきっと霊装と天使が応えてくれるわ』
霊装と天使。その言葉に十六夜はへえ?と興味深そうに笑い、琴里に問いかけた。
「(………オマエの言葉。信じてもいいんだな?)」
『ええ。私を信じなさい、十六夜。そうすれば強大な力があなたを助けてくれるから』
「(……………ハッ、いいぜ。どのみちこのままじゃ勝てる見込みはねえ。騙されたと思って試してやるよ!)」
そう言って十六夜はギフトカードを掲げた。
琴里が『いくわよ!』のかけ声と共に、十六夜は叫ぶ。
「<
そう叫んだ瞬間。十六夜の全身は光り輝くのと同時に燃え上がった。
その光と炎が収束すると、和装のような格好をした金髪に赤みがかった
風に靡く袂は、半ばから炎と同化しているかのように揺らめき、腕に腰に絡みつく炎の帯は、まるで天女の羽衣のようだった。
そしてその頭部には、無機的な角が二本、生えている。その様は、お姫様のようであり―――鬼のようでもあった。
これが霊装。精霊を守る絶対の城であり鎧。
「―――<
さらに十六夜は天使の名を口にする。
すると再び十六夜の周りに炎が生まれ、巨大な棍のような円柱形を形作っていった。
そして、十六夜がその棍を手に取った瞬間、その側部から真っ赤な刃が出現する。
それは―――あまりに巨大な、戦斧だった。
これが天使。精霊が持つ絶対の武器であり『形を持った奇跡』。
十六夜は驚愕に瞳を見開いた。
「………な、なんだコイツは!?」
『それは私が持つ精霊の力よ。天使の名は<
「へえ………。それにしても、なんで俺は
『仕方がないじゃない。私の魂と同化してるんだもの。精霊の力を行使すれば、こうなるのは必然の運命よ』
琴里が説明すると、十六夜はまあいっか、と納得して<
「ヤハハ。美少女の―――いや、美幼女か?の声と姿になっちまったが………これはこれで面白え!やるぞ、琴里」
『ええ。さあ―――私たちの
精霊の力を解放してより強力になった十六夜は、天使を片手にベルゼブブにへと突っ込んで行ったのだった。
しかし、幼女化した十六夜は大切な事を忘れていた。
眼前の魔神が―――
リメイク前は飛鳥でしたが、ヒロインが光系統じゃなくてどうする!というわけで戦闘好きの十六夜にしました。
次回は黒ウサギと飛鳥が霊装と天使を顕現させます。まあ、二人に関してはとっくにバレてますがね(笑)