飛鳥VSサタン戦も決着です。
≪GEEEEEYAAAAAAAAAAaaaaaaaaaaaaaaEEYYAAAAAAAAaaaaaaaaaaaaaaa!!!≫
「………くっ、」
咆哮を上げる〝
「あああああッ!!」
黒ウサギは『声』を出して〝音の壁〟を作り出し冷気の風を打ち消す。
しかし、連続して〝音の壁〟を放っても、〝
黒ウサギは舌打ちをして、後退しながらアスタロトの様子を窺う。
「(彼女は魔龍の上から動く様子がありませんね………それとも―――動けないのでしょうか?)」
『ふふ、それならあの魔龍に一発ド派手のをぶつけちゃえばいいじゃないですかー』
「(う、そうは言ってもですね。インドラの槍は当たれば確実に彼女を倒せますが、避けられれば終わりなのですよ?)」
『そうですかー。これは困りましたねー。何かいい案があればいいんですけど………』
うーむ、と黒ウサギと美九は考える。
そうしている間にも、〝
黒ウサギはそれらを〝疑似神格・金剛杵〟から放つ轟雷で撃ち壊して凌ぐ。
一方、アスタロトは常に紫の魔法陣を展開したまま〝
やはり、アスタロトはあの場から動くことが出来ないのではないか?と黒ウサギは考察する。
「(もし、彼女があの場を離れることが出来ないと言うのなら―――隙を見てインドラの槍を投擲すれば勝機は十分にあるのかもしれませんね………)」
『うふふー、それならいい方法がありますよ?』
「(え?それは本当でございますか!?)」
『はいー。私の精霊の力は〝音〟を操れるんですよぉ。だからぁ………〝音〟を消して魔神さんに接近しちゃえばいいんですぅ』
「(な………そんなことも出来るんですか!?)」
驚愕する黒ウサギ。
美九は笑って答えた。
『ふふ、当然じゃないですかぁ。あ、でもですよウサギさん。此処はその方法を悟られないように、わざと目立つ攻撃で魔神さんの気を引きましょう!』
「(そうでございますね。いきなり美九さんの言われた方法を使っても、上手く行くとは限りませんからね)」
『そういうことです。では、囮の攻撃………お願いしますねー。気を窺って行けるタイミングを私が見つけますので』
「(はいな)」
黒ウサギが頷くと、作戦が決まったのか動き出した。
まず、黒ウサギは〝
「………!〝
≪GEEEEEEEEYAAAAAAAAAAaaaaaaaaaaaaaaEEYYAAAAAAAAaaaaaaaaaaaaaaa!!!≫
アスタロトの声に応えるように雄叫びを上げた〝
黒ウサギは左右に動きながら〝音の壁〟を放ち相殺する。
〝
だが、〝
しかし黒ウサギはそんなものはお構いなしに〝疑似神格・金剛杵〟を振るい、連続して轟雷を放ち〝氷の壁〟を破壊しにかかる。
アスタロトは負けじと魔法で〝氷の壁〟を修復して『雷』の侵入を許さない。
そして、〝
≪GEEEEEEEEYAAAAAAAAAAaaaaaaaaaaaaaaEEYYAAAAAAAAaaaaaaaaaaaaaaa!!!≫
「………ッ!あああああッ!!」
今度は巨大な氷塊を無数に降らしてきたのだ。
黒ウサギは『声』で〝音の壁〟生成して一つずつ、足りなければ〝疑似神格・金剛杵〟で『雷』を放ち氷塊を破壊する。
〝
『………!今です、ウサギさん!』
「YES!行きますよ―――」
黒ウサギはそう言って、姿を掻き消し―――ピシャァアン!
「きゃ!」
≪GYAAAAAAAaaaaaaaaaaaaaa!!≫
アスタロトの背後に音もなく現れた黒ウサギは『雷』を放つ。それに直撃して悲鳴を上げるアスタロト。
そして、〝
代わりに三叉の槍が描かれた紙片を取り出して掲げた。
「穿て………〝
瞬間、インドラの槍は千の天雷を束ねてアスタロトを襲う。
アスタロトは先程の『雷』の直撃を受けてしまったため軽く痺れて回避するのが僅かに遅れてしまった。
アスタロトは回避に間に合わず被弾し彼方へと吹き飛ばされながら、彼女の小柄な体躯は貫かれた。
「―――――ぁ、駄目………私はこの死の運命から―――逃れられない……………!」
アスタロトはすぐさまこのインドラの槍の効果を悟り、絶望した。
このインドラの槍は、『叙事詩・マハーバーラタ』の大英傑、カルナが手にしたと伝えられるギフト。太陽神の息子であるカルナが、生来持っていた不死不滅の鎧をインドラに捧げた時に得たのが、ただ一度のみの奇跡を宿す、
即ち、この槍に貫かれた時点で勝敗は決していた。魔法でどうこうなるギフトではない。
天雷は千から万へ、万から億へ急速に力を増していく。衰える事を知らないインドラの槍は敵を焼き尽くすまで止め処なく光を放ち続ける。
「………ベルゼ、ブブ……………様………!」
自分を寵愛してくれたベルゼブブの名を呟きながら、アスタロトはインドラの槍と共に爆ぜた。
残った〝
―――――――――――――――――――――
「【
飛鳥は翼状になった<
「………!〝
サタンは咄嗟に〝
サタンの『闇剣』は、飛鳥の『光の矢』を悉く打ち払ってみせたのだ。
飛鳥はそれに舌打ちして一旦飛び退く。
『惜しかったですね。ですがまだ手はあります!次は―――こう叫んでください』
「………わ、分かったわ」
飛鳥は意識を集中させて、ふうと息を吐く。そして飛鳥は両手を広げると、彼女の背に広がっていた翼が上下左右に飛び散った。
「【
飛鳥が叫ぶと同時、バラバラになった<
「ふん。小賢しいッ!」
サタンは鼻で笑うと漆黒の球体を纏い、全方位から連続して放たれる砲撃を凌ごうとした―――が、それは悪手だった。
「―――ぬ、ぐぅ!?」
サタンの纏った漆黒の球体を易々と、飛鳥の<
光線は容赦なくサタンの肩に、脇腹に、腕に直撃して鮮血が撒き散らされた。
サタンは慌てて漆黒の球体を解き、〝
「やってくれたな小娘ッ!」
「………ッ、」
サタンは左手を突き出して漆黒の魔法陣を展開すると、無数の漆黒の光線を飛鳥に向かって放った。
飛鳥は【
それに舌打ちしたサタンは、瞬間移動して飛鳥の背を〝
が―――手応えが、ない。
〝
「な、」
「(―――っ、ま、またこの感じ………!)」
ガルドの攻撃を避けた時と同じ現象が起きて瞳を見開く飛鳥。
サタンも斬ったはずなのにまるで手応えがないこの違和感に眉を顰めた。
「貴様、今のは何だ!?」
「………答えると思うかしら?」
実際に飛鳥も驚いた現象だったため答えようがないのが本音だが。
サタンは盛大に舌打ちして、〝
『………!避けてください!』
「―――くっ!」
折紙の警告に飛鳥は『闇の斬撃』を回避すべく【
サタンはお構いなしに二本目の『闇の斬撃』を放つ。
飛鳥はこれを【
サタンは〝
『あの子の上空に飛んでください!アレをやります』
「………!分かったわ」
折紙の提案に頷いた飛鳥は、【
サタンは怪訝な瞳で飛鳥を見上げて〝
飛鳥は両手を広げる。その動作に合わせるように、【
「【
飛鳥が、静かに告げる。瞬間、飛鳥の頭上に広がった円状の<
「―――ちぃ!」
サタンは盛大に舌打ちして〝
だが、数が多すぎた。もし相手がベルゼブブだったならば、全てを打ち落としていただろうが、サタンには幾千幾万の光の粒を全て打ち落とすのは厳しかった。
「………ぐ、うっ!」
サタンは数発もらっただけでかなりのダメージを負ってしまった。『光』の力には耐性が弱いのだ。
これ以上この光の雨の只中に居続けるのは危険と判断したサタンは、やむなく後退を選んだ。
「まさかこの我が後退を余儀なくされるとは、な。―――ふん。それに免じて、我の全力を見せてやろうッ!!」
サタンは凶悪な笑みを見せると、〝
それを見た折紙は嫌な予感がして、飛鳥に告げた。
『―――ッ!あれはまずいです。こちらも最大火力で迎え撃ちましょう!』
「え?まだ何かあるの!?―――ふふ、それは素敵ね。ええ。やりましょう」
飛鳥は頷き、【
それを見たサタンは特大の漆黒の魔法陣の中心に極大な『闇』を収束させて上方―――飛鳥の方に向ける。
「ふん。飛鳥と言ったな。我らが主のお気に入りの小娘、貴様の力を我は認めよう。ゆえに、我が全霊の一撃を持って貴様を跡形もなく屠ってやる」
「あら、それはありがとう。だけど勝つのは私達よ。覚悟なさい!」
「ふん―――ならば我に見せてみよッ!」
サタンは漆黒の魔法陣の中心に極大な『闇』を収束し終えると、それを飛鳥に向かって解き放つ。
「呑み込め―――〝
飛鳥も両手を前に掲げ、<
「<
ほぼ同時に放たれた『闇』と『光』。数瞬もしないうちにそれらはぶつかり合う。
サタンの極大な『闇』を収束させた全てを闇に呑み込む〝
飛鳥の極大な『光』を収束させた全てを光に葬り去る【
『闇』と『光』は衝突し鬩ぎ合う。両者の必殺の一撃は、押しては押し返しての一進一退を繰り返す。
「「はあああああああああああああああ!!!」」
重なる怒号。そして、この均衡を破ったのは―――飛鳥の『光』の砲撃・【
それからは勝負は一瞬でついた。飛鳥の【
「な―――ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
【
飛鳥は接戦を制し右腕を高々と上げてガッツポーズすると、早速ルシファーの下へ降り立ち吉報を報せる。
「ルシファーさん!貴女の化身に勝てたわよ!」
「………おめでとう、飛鳥お姉ちゃん♪」
眠っているはずのルシファーが、そう飛鳥を祝った。
飛鳥は瞳を丸くしてルシファーの顔を覗き込むが、彼女はスヤスヤと気持ち良さそうに眠っていた。
「な、なんだ………寝言なのね。驚かさないでよ」
飛鳥は苦笑して眠っているルシファーを抱き上げると、その場に座り込んで彼女の頭を撫でる。
ふと、最上階で戦っている耀の事が気になってボソリと呟いた。
「………春日部さんの方は大丈夫なのかしら」
心配にはなったものの、耀の獲物を盗るのはよくないと思った飛鳥は、この場に留まる事にしてルシファーの頭を撫でた。
これで魔神三人の撃退を成功させた〝ノーネーム〟。後は最上階で奮闘している耀達のみとなったのだった。
〝
〝
〝
〝
〝
中二病っぽい名前の練習してましたが………酷いですね(苦笑)
これでは耶倶矢の中二病っぽさを上手く表現する自信がないぞ………
描写には書いてなかったですが〝
次回は魔女っ子系幼女VS隷属幼女星霊戦です。
その前に他のSSに移りますが………