紅魔館の地下で、
誰にも愛されず、誰にも必要とされず、ただ一人で何百年もの時を過ごした吸血鬼の少女がいた。

「もう、生きる意味はない。生きていても地獄でしかない」
吸血鬼の少女は、そう思った。

妖怪が自分の存在意義を否定してしまえば、その妖怪の進む先は死でしかない。

少女は、生きることを捨てた。

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自殺SSです。
それだけ注意してください。
後味も悪いです。

レミリア視点が半分でフラン視点も半分です。


生きることを捨てた少女

何年前になるのだろうか。

最愛の妹が死んでから。

 

私には全て破壊してしまう能力を持った妹がいた。

それ故、私は妹を地下に幽閉した。

 

だが、それは間違いだったのだろうか?

結果的に妹を殺したのは私なのだ。

 

私が生まれて5年後、私の妹が生まれた。

名はフランドールと名づけられた。

 

フランが5歳ぐらいの時だっただろうか。

フランにある異変が起きた。

 

フランの持っていた人形がただの綿の塊になっていた。

まぁまだ力の調整が効かないのだろうとその時は放っておいた。

現に私も同じだったから。

 

だが、さらに数年後。

フランが10歳ぐらいの時だったか。

 

館の一部が爆発した。

爆発した部屋に急いで行った。

 

そこにフランの姿はあった。

「フラン...?」

 

声をかけるも、フランは無言だった。

私はフランの顔を見た。

だが、その表情に私は恐怖した。

 

狂った笑い顔をしながら、泣いているのだ。

「フラン!」

「お姉さま...?」

 

やっと呼びかけに応じた。

だが、

「近寄らないで!」

「え...?」

 

次の瞬間、

「え...?あ...腕...が...?」

私の腕は、爆発した。

 

「あ...ぁ...ああああああああああぁぁあぁあぁあ!」

フランは発狂した。

 

この時、私は気づいた。

 

「え...」

父親と母親のぐちゃぐちゃになった死体がその部屋にあったことに。

 

私は、すぐにフランを地下に幽閉した。

中からはよほどのことがない限り開かないようになっているからまず開かないだろう。

後は、私の出来る限りの魔力を使い、結界を張った。

 

数年たってフランが外に出てこないということは、恐らく安心して良いのだろう。

ただ、まだ生まれてきたばかりなのにこんな事をしてしまって本当に心が痛む。

ただ一人にさせてしまうのが、何もしてあげられないのが。

 

 

さらに数年後、私は門番を雇った。

そいつは気を使う程度の能力を持っていた。

1度フランに会わせたが、何というか...恐怖か何かを感じたのか、フランには極力関わりたくなさそうだった。

 

次に私は魔女を館に連れてきた。

そいつの故郷は人間にやられたらしい。

だから、私は館に住まないかどうか聞いた。

その魔女はその問に、暮らしてもいいの?と聞いた。

当然私は大歓迎だった。

 

その魔女に館内を案内した。

ある部屋に彼女は目をつけた。

それはフランのいる部屋だ。

その部屋には入らない方がいいと私は警告はした。

 

でも彼女はフランのいる部屋に入った。

そして、フランにやられたのか体中傷だらけだった。

そして彼女はフランの部屋にさらに強力な結界を張った。

彼女もフランと極力関わりたくなさそうだった。

 

今度は人間のメイドを雇った。

彼女は時を止める能力を持っていた。

1度フランにも会わせたが、やはりあまり関わりたくなさそうだった。

 

ある日、私は異変を起こした。

後に紅霧異変と呼ばれるようになった異変だ。

幻想郷を支配してフランを自由にさせてあげたい、ただそれだけの理由だった。

 

 

結果は失敗だった。

でもこれがきっかけで博麗の巫女や普通の魔法使い...というか泥棒と仲良くなった。

あまり笑わない親友やメイドも徐々に笑顔を見せるようになってきた。

大きな異変を解決する度に紅魔館で宴会をした。

 

だが、それが間違いだった。

それらの楽しい声は、フランの耳にも入っていた。

逆に追い詰めてしまった。

フランの周りには誰もいない、と言うことを頭に植え付けてしまった。

 

異変を解決し、紅魔館で宴会をした次の日。

地下から悲鳴が聞こえた。

妖精メイドがフランにやられたのであろう、と私は思っていた。

だがそれは違った。

 

地下に食事を持って行った妖精メイドが私の部屋に来て、こう告げた。

 

妹 様 が 自 殺 し て い る

 

一種何を言っているか分からなかった。

自殺?フランが?

信じられなかった。

でも妖精メイドの目は嘘を言っているようには見えなかった。

だから地下に急いだ。

 

そこにあったのは

 

首をつって死んでいる妹の姿があった。

 

いくら吸血鬼でも長時間息が吸えなければ死ぬと親友の本で見たことはある。

そんなことは当然信じなかったが。

本当に死んでいた。信じられなかった。

 

部屋にあったシャンデリアに布団を巻きつけ、さらに布団で丸を作り、自殺したのだろう。

 

その時、私は何を思っていたのだろうか?

どんな顔をしていたのであろうか?

妹は何を思っていたのだろう?

 

翌日、何も考えられなかった。

食事も喉を通らなかった。

 

フランの死体がどうなったかも知らない。

考えたくも知りたくもないが。

 

部屋でただ一人でいた時、親友が何かを持ってきた。

どうやら妹の部屋にあったものらしい。

 

成長して破壊能力が少しはコントロール出来るようになったのか、ぐちゃぐちゃになっていなかった。

 

その書いてある内容とは、遺書だった。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

こんな力を持ったせいで私は誰からも愛されないのかな?

皆壊れて行くのかな?

私はこんな力さえなければ幸せに暮らせたのかな?

皆と楽しく出来たのかな?

そんなことはどうでもいいんだけど。

お姉様、勝手に死んでごめんなさい。

でも私は死ぬことに恐怖は微塵も感じないよ。

悔いはあるんだけど。

 

だって私がいると皆安心できないでしょ?

こんな能力持っているんだもん。

私はこのまま生きていても生き地獄しか味わえなかったと思う。

 

仮に私がみんなのいるパーティーに行ってみたとして、そのパーティーがめちゃくちゃになったらどうなると思う?

恐らくお姉様の傍から皆いなくなるよ?

人も妖怪もこの世に生きる者はみんな一緒で近寄ったら危険な奴には絶対に近寄らないで、何もしない。

現にお姉様やその従者だってそうでしょ?

 

最初に気を察知出来る妖怪が来たでしょ?

そいつは私を見て一瞬で笑い顔から恐怖してる顔に変わったもん。

こんな能力無かった場合どんな顔してただろうね?

 

あといかにも体が弱そうな奴も来たじゃない?

その時傷だらけでお姉様のとこへ行ったでしょ?

その時スペルカードって言うのかな?を使ってて私は分身できるスペルカードを使えるんだよ。

でもその分身が暴走してその人を攻撃したんだよ。

幸い分身には破壊能力はないっぽいから死なずに済んだけど。

 

で、最後に人間のメイドが来たでしょ?

まぁ関わりたくなさそうだったけど。

結局この館には私の事必要としてる人なんていないと思ってたけど、お姉様は必要としてると思っていたよ。この時までは。

 

今度は人間の魔法使いが来た。

お姉様が雇ってるわけでもない、ただ紅い霧がこの館から出てるから止めに来たって言ってたね。

 

で、私はその人と一緒にその紅い霧を止めようとしたんだけどね。

でもあの魔女にやられたよ。

まず魔法の水の中に閉じ込めるでしょ?

その後に転送魔法を使ったかどうか知らないけど部屋に戻されてた。

ただお姉様に会いたかっただけなんだけどね。

皆にとって私は腫れ物でしかないんだよ。

でもその次の日かな?また人間の魔法使いが来た。

今度は真剣に弾幕ごっこをしてくれた。

今まで誰もしてくれなかったのに。

誰からも愛されなかったのに。

だから私は全力で挑んだ。

だけど負けた。

 

その後私は妖精メイドに案内してもらいながらお姉様に会いに行ったよ。

でもお姉様の部屋から聞こえたのは、

「フランを博麗神社で封印する」

「もうしばらく様子を見てくれ」

とか聞こえた。

 

思わず逃げ出しちゃったよ。

また案内してもらいながら部屋に戻ったよ。

 

で、その夜かな?

楽しそうな声が聞こえたよ。

でも私は行きたくなかった。行けなかった。

 

もうこんな私いらないよね?って思った。

でも1年は待った。

でも楽しそうな声がする度に死にたくなった。

泣きたくなった。

 

そして1年位たった頃、もう耐えられなくなった。

皆の楽しそうな声を聞くのが、全て壊れていくのが、孤独になるのが。

 

この世でやりたかったことはたくさんあるよ。

 

自由に外を走ったり飛び回ったり、みんなで楽しく暮らしたかった。

誕生日も1度くらいは祝って欲しかった。

幸せが欲しかった。

 

...ごめんなさい、お姉様

お姉様を残して先に旅立ったらそのうちお姉様が一人になっちゃうよね?

壊すことしかできなくて本当にごめんなさい。

さようなら、お姉様。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

その書いてある内容に私は泣いた。

もう一枚、紙があった。

そこには私と妹の姿が描かれていた。

駄目な姉でごめんなさい、と言っていた気がする。

なんでこうなったしまったのとか色々と嘆いていた気もする。

 

今夜も雨。

館の中には私しかいない。

皆私のそばからいなくなった。

人間のメイドは寿命で死に、親友は持病の喘息が悪化し、そのまま死んだ。

人間の魔法使いの後を追うように。

門番もいつまでも絶望している私にしびれを切らしたのか、いつの間にかいなくなっていた。

 

これが妹...フランの感じていた絶望なのだろうか?

フランの感じていた孤独なのだろうか?

その答えを知るものはいない。

 

誰もいない館に響く雨、雷の音。

そんな夜に、今も私は絶望の海に浸っている。


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