「ふぁ〜〜〜…………。
…………ヤベっ、もうこんな時間ですかィ。」
そくさくと準備する、いつもなら考えられないぐらい早い。
「いつもそのぐらい早くしやがれ、総悟。」
「げっ、土方サン。何のようですかィ、俺ァ、今日はオフですぜィ?」
「げっ、ってのはどういう意味だ、総悟ォ?」
「うっさいでさァ、土方サン。今日は久しぶりの『大江戸女傑選手権大会』の日なんで、非番ならごめんでさァ。」
「非番は、オメェがサボるからなるんだよ!!」
「じゃ、土方サン。行ってきやす。」
これ以上いたら、説教に繋がりそうだ、と感じた総悟は逃げるようにして行こうとした。
しかし……
「まぁ、ちょっと待ってよ、総悟。」
新手がきた……。
「龍姉!!龍姉も止めに来たんですかィ?」
「…………。
…ちょっと待て、総悟。俺ァ別に、オメェも止めに来たわけじゃねェぞ!」
「ありゃ、そうでしたかィ。」
「総悟、私も一緒に行っていいかな?」
「…………ハイ?
龍姉も格闘技が好きなんですかィ?」
「んー、そういう訳じゃないんだけど……ね、、、」
龍菜が対応に困っていると、
「まぁ、いいでさァ、龍姉なら。」
総悟はあっさり許可した。
「なんだよ。俺がついて行くっつったら……」――ドガーーーンッッッ
バズーカがぶっぱなされた。
「殺しやす。」
「すでに殺されかけてるんですけどおおおおぉぉぉぉ!?!?」
「ハハッ、総悟もたまには遊んで来い。」
「近藤サン、こいつァいつも遊んでんだろ……。」
「ありがとうございやす、近藤サン!!
行きやしょ、龍姉!!」
満面の笑みで、龍菜を引っ張って行った。
―――――――――――――――――――――――
「いい顔してんな、総悟のやつ。」
総悟と龍菜が行った後、近藤と土方は話していた。
「あぁ、総悟にとっちゃあ、久しぶりなんだろ。」
――姉という存在が。
「ミツバ殿と重ねているのかもしれないな。」
「見た目もそっくりだしな。」
髪を束ねていると、本当にそっくりなのである。
「……。(やっぱり、頼んで正解だったみたいだな。)」
「トシ?どうかしたか??」
「いーや、
それよりも近藤サン、総悟のやつ……、、、」
土方は気になっていた。
近藤も気になっていた。
「龍菜殿を『龍姉』と呼ぶとは……。」
「「((さすがとしか、言いようがねェ……。))」」
――総悟の肝っ玉の座り具合に、改めて関心していた。
―――――――――――――――――――――――
―――ワァァアア
「おぉ……ここが……。」
闘技場のボルテージについて行けてない人が一人。
「大丈夫ですかィ、龍姉?」
「……総悟、ここ楽しいの??」
「もちろんでさァ!」
笑顔……さっきとは違う、いたずら顔の笑顔で言った。
「…………。(それにしてもすごいな…。表の方は、こんなふうになってるなんて…。)」
今まで、裏しか見ていなかった龍菜は驚きを隠せないでいた。
「「「「お通ちゃァァァん」」」」
「「「「いけェェェェェ!!」」」」
「へっ!?お通ちゃん、ってあのお通ちゃん!?」
「多分そうでさァ、おら春菜ァァ!何やってんだァ!!」
「すごいな、総悟……。」
「えー夢とはいかなるものか、持っていても辛いし、無くても悲しいし、しかしそんな茨の道さえ己の拳で切り開こうとするお前の姿…感動したぞォォ!!」
「ちょっといいこと言う子だな………」
――――誰!?
龍菜が、さらに上がったボルテージに困惑している
「……ヤバイよ、俺しらない。俺しらないよ。」
「僕もしらないよ、アンタのしつけが悪いからあんなんなるんでしょーが。」
同じ頃、同じように困惑している、銀髪の青年と黒髪の少年。
「何やってんだァァ!ひっこめェェ、チャイナ娘ェ!目ェつぶせ、目ェつぶせ!!」
「総悟……、そんな事言ったら……。」
「「あっ」」
「ん?あっ、旦那じゃないですかィ。」
「……こんにちは。」
「「誰(ですか)!?!?」」
「いやー奇遇ですねィ。」
試合の邪魔をしていた神楽を連れ出して、五人は会場の外にいた。
「旦那方も格闘技がお好きだったとは…。」
「「「…………。」」」
「俺ァとくに、女子格闘技が好きでしてねィ。
女どもがみにくい表情でつかみ合ってるトコなんて爆笑もんでさァ。」
「なんちゅーサディスティックな楽しみ方してんの!?」
新八の鋭いツッコミが入る。
「一生懸命やってる人を笑うなんて最低アル。
勝負の邪魔するよーな奴は格闘技を見る資格ないネ。」
「明らかに試合の邪魔してたのはお前ェでさァ、チャイナ。」――パン
「いやいやいやいや、そんな事よりさ、、、
あんた誰だ。」
「サド、お前とうとうか弱い女の子にまで手ェ出したアルか…。」
「チャイナ。テメェ、とうとうって俺ァ、そんな不潔なこたァしねーでさァ。」
「真選組って……女禁制じゃなかったでしたっけ?」
「ただ者じゃねーってことか。」
銀時の勘が反応する。
「まっ、そんなとこでィ。
この人は真選組の新しい頭でさァ。」
「へー、近藤さん、とうとうリストラされたんですか?」
「ゴリラは真選組にいれないって、やっと気づいたか。この税金ドロボーが!」
「税金ドロボーは、頭も固いアルな。」
――――ひどい言われようだ…。
「総悟……、私が来る前って真選組、何をやらかしてたの?」
「龍姉、違いますよ。土方サンだけでさァ。」
「そっかぁ……。」
………………。
「「「龍姉!?!?」」」
「沖田さんのお姉さんですか!?
ってか!そっかぁ、って土方さんはほとんど何もしてませんよ!?」
「確かに……総一朗くんと似てるな……。めっちゃ美人だけど…。」
「フフッ、ありがとうございます。」
「総悟でさァ、旦那。
違いますよ。それに、クビとんだ頭ってのは、紆余曲の方でさァ。」
「あー、アイツね…。アイツ首になったんだ。」
「私、アイツ嫌いネ。なんかムカつくアル!」
真選組と腐れ縁の万事屋も知っているようだ。
「で、新しい方はいい人なんですか?」
「そりゃあ、もちろん!!!」
総悟にしては珍しく叫んだ。
「初めまして、万事屋さん。」
「私たちのこと知ってるアルか?」
「えぇ、真選組のみんなの話によく出てくるので……、
それに、立場上、情報はかなり入ってくるんです。」
「へー…さすがお偉いさんだ。」
「……そうですかね」
龍菜は複雑な面持ちで答えた。
「私は、二代目真選組統括最高責任者の地位に就きました、坂本龍菜といいます。よろしくお願いします。」
「沖田さんとは……?」
「……仲間ですよ。」
「よろしくネ、りゅーちゃん!
万事屋の紅一点と真選組の紅一点、仲良くするアル!!」
「よろしくね、神楽ちゃん。」
龍菜に頭を撫でられた神楽は、嬉しそうだった。
「俺らの紅一点も、あんな美人だったらいいのにな。」
「銀さん、そんな事言うもんじゃないですよ。」
「うるさいネ、天パ。」
「俺らんとこの紅一点が、龍姉でよかったでさァ。」
「総悟もダメだよ、そういうこと言っちゃ。」
「なぁ…………
あんた、俺とどっかで会ったことあるか?」
「……ありますか?」
「りゅーちゃんと銀ちゃんは知り合いアルか?」
銀時が必死に考えている。
「俺は……、うっすら記憶にあるんだよな……。」
「……いつか思い出してほしいですね。」
―――いつか
―――…ほしい
運命の……
記憶の歯車が、音をたてた。
二話連続で投稿します!