基本的に名前の最初の文字を取るので……。
とあるファミレス、
土「まぁまぁ、遠慮せずに食べなさいよ。」
和やかな昼時、
銀「……何コレ。」
その風景に似合わぬ三人が、
沖「旦那、すまねェ。全部バレちゃいやした。」
似合わぬ重い雰囲気で話していた。
銀「イヤイヤ、そうじゃなくて、何コレ。何?マヨネーズに恨みでもあんの?」
…………雰囲気に似合わぬ、飯付きで、、、
土「“カツ丼土方スペシャル”だ。」
土方、沖田に連れられて来たファミレスで、銀時は奢られていた。
残念な姿になっている“カツ丼”を…。
銀「こんなスペシャル誰も必要もしてねーんだよ。オイ姉ちゃん、チョコレートパフェ一つ!」
沖「スゲーや土方サン、カツ丼を犬のエサに昇華できるとは。」
土「……何だコレ?おごってやったのにこの敗北感…。」
マヨネーズが、これでもかっ!というぐらいかけられ…
土方の味覚を理解できる人は、なかなかいない。
土「…まぁいい、本筋の話をするぜ。
…総悟にいろいろ吹きこまれたと思うが、
アレ全部、忘れてくれ。」
銀「んだ、オイ。随分と都合のいい話だな。
その感じじゃ、テメーもあそこで何が行われてるのか知ってんじゃねーの?大層な役人さんだよ、目の前で犯罪が起きてるってのに知らんぷりたァ。」
土「いずれ
だがまだ早ェんだよ。腐った実は勝手に自ら落ちるんだ。それになァ、
沖「土方サン、アンタひょっとしてもう全部つかんで…。」
土「あぁ?ちげーよ。」
沖「ハァ??」
ったく……、と土方はため息をつき煙草を消して、銀時の方へ向き直った。
土「龍菜が、言ってきたんだよ。
沖「龍姉が!?」
銀「……やっぱりアイツ、もう掴んでいやがったか。」
沖「ってか、その龍姉はどこ行ったんでさァ。」
銀・土「………………。」
地下闘技場で、
天「相も変わらぬ盛況ぶり。やはり血塗られた戦いは、古より人の血をたぎらすもののようだな。」
天導衆と支配人らしき男が眼下に見つめるもの。
“斬り合い”
天「しかし、花形が見当たらぬな。鬼道丸はどうした?」
「最近は何かと理由をつけて、顔を出さなくなりまして…。」
天「奴もそろそろ潮時か…。まぁよい、代わりなどいくらでもいる…。」
その魔の手は、着実に“彼”に近づいていた。
一方……、
神楽「おぅ、パスタ刑事。アンパン買ってきたぞ、張り込みは体力勝負だ。無理矢理、胃袋につめこんどけィ。」
新八「神楽ちゃん…。何だよ、パスタって……。それに今度は一体何に影響されたの?」
神「お前は生き様がパスタっぽいだろ。それに神楽じゃねェ、山さんと呼べ。ホントは山本神楽っていうんだよ。」
新「一時の雰囲気で設定ねじ曲げんじゃねーよ!!」
神楽と新八は、あの“廃寺”を見張っていた。
既に物音一つしない、廃寺を。
新「銀さんは二・三日中に動きを見せるって言ってたけど……
……っていうか、銀さんは何やってんの?」
神「ボスは、あのムセー連中に目ェつけられて動きがとれん。俺達がやるしかないんだ、パスタ。」
新「……ボスって、、、。」
神「俺の背中は頼むぞ、パスタ。」
新「分かりました、山さん。」
?「あのー、わかりました、と言っているところ申し訳ないのですが…」
?「背中ががら空きですよ?三人とも。」
神・新・?「「「ギャアアアアア!!」」」
?「!?!?シーーーーー!!」
突然あらわれた、二つの影。
それに驚いた新八と神楽に加え、影の一つも叫んだ、
新「龍菜さん!道信さん!!」
龍菜「三人とも…、後ろには気をつけてくださいね…。それから、張り込んでいるのに、大声はダメです。」
龍菜の後方の、子どもが乗った馬車に、新八は気づいた。
新「道信さん……。」
道「このまま江戸を出ようと思います。あなた方三人が、どのようなつもりで私を張っていたかは知りませんが…。どうか見逃して欲しい。
もちろん、勝手なのはわかっています。私は今まで散々人を殺めてきた身……。それでも……、
あの子たちには胸を張って父親だと言える男になりたい…。」
神「しッ!!」
神楽が、道信の言葉を遮った。
龍「煉獄関の連中ですね……。」
使い物にならなくなりつつあった“鬼道丸”を始末しに来たのだ。
神「……早く行くヨロシ。
ボスに言われたのは、お前を見張っておくことネ。それ以上でもそれ以下でもないアル。」
新「だから、それ以上のことは僕らも好きにやります。
何が正しくて、何が間違ってるのかなんてわかんないけど、銀さんならきっと、こうすると思うから。」
道「……。」
龍「躊躇うことなどありませんよ?」
道信の肩に、手が置かれた。
龍「何が正しくて、何が間違っていて…。そんなこと誰にもわかんないことなんですよ。だから、己の正しいと思うことを信じる。
道信は目を見開いて、龍菜を見た。
警察に追われる身であるはずの自分を、捕まえるどころか、背中を押す。
道「……すまない。
もっと早くに、あなた達と出会っていれば……。」――――ザッ
龍「……。」
神「行くぞォォ、パスタァァ!りゅーちゃん!!」
新「おう、山さん!!」
迫り来る煉獄関の連中に立ち向かって行った。
――――ガガガガガガガ……
「わわわわわ!」
「早ェーーー!!」
「先生ェ!何をそんなに急いでるの?」
今まで体感したことのないようなスピードに、子どもたちは興奮気味だった。
それでも、
「先生ェ??何で泣いてるの?」
自分の“父親”が泣いている姿に気づかない訳がなかった。
?「甘いわ、ワシから逃げれるとでも思うたか?」
いつのまに飛び乗られていたのか…!?
そう考えた時には、既に道信の胸元には槍のようなものが突き刺さっていた。
道「…………。」
「終わったか?
さすがの鬼道丸も本物の鬼にはかなわなかったか……。」
煉獄関の支配人らしき男が、『そいつ』に話してかけていた。
「今日からお前が、煉獄関の帝王だ。
『
煉獄関の“醜い花形”が新たに生まれてしまった。
「ねぇ、先生?」
「これからどこ行くの?」
「僕たち先生と一緒なら、どこへでも行くけどね。」
無邪気な子どもたちの声が、馬車の中で響いていた。
道「そーだなー、私もお前たちと一緒ならどこへでも行くさ。」
「先生??どうかしたの?」
「また泣いてるの?」
「何か嬉しいことでもあったのー?」
「先生はホントに泣き虫なんだからー!」
長くないことを理解出来ない子どもたちに、見せれぬ姿。
それでも伝えたかった。
道「……そーだな、本当にそうだ。
私は…………幸せ者…だったよ……。」
?「そしてこれからも、幸せになるんですよ?」
薄れゆく意識の中で、道信が聞いた最後の言葉だった。